戸森しるこ『セミロングホームルーム』解説|題名の意味やあらすじ・心情まとめ
中学2年生の国語で学習する、戸森しるこの小説『セミロングホームルーム』のテスト対策ポイントをわかりやすく解説するよ。
このお話は、教室に入り込んできた「一匹のセミ」をめぐる、中学生たちのちょっとおかしな、でも心温まるストーリーだね。
定期テストで必ず聞かれる題名の意味や、登場人物の性格(人物像)、そして最後の場面でトリノが座れなくなった理由など、高得点を取るための重要ポイントを一緒に確認していこう!
『セミロングホームルーム』テスト対策ポイントまとめ
- 題名『セミロングホームルーム』に込められた2つの意味(言葉遊び)をおさえよう
- 「いつも控えめで無口」「ガラスのように繊細」など、瀬尾くんの人物像を抜き出せるようにしよう
- 黒岩先生が「ぷりぷりしている」理由や、トリノが「呆れている」理由を説明できるようにしよう
- 最後にトリノが立ったまま座れなくなった理由と、そのときの心情を考えよう
目次
1. 戸森しるこ『セミロングホームルーム』の基本情報と登場人物
まずは、物語の全体像と、個性豊かな登場人物たちを整理しておこう。

登場人物の整理
この物語の学習目標は「人物の設定の仕方を捉える」ことだよ。それぞれのキャラクターがどんな性格かをおさえておくのが、読解の第一歩だね。
- 私(竹内):このお話の語り手。窓際の一番後ろの席。少しひょうきんで、ばかばかしい考えをしがち。瀬尾くんをセミから守ろうと奮闘する。
- トリノ(鳥野):私の隣の席。小6のときに「セミの一生」の研究で金賞を取った。真面目でいいやつ。頭の回転が速く、先生からも信頼されている。
- 瀬尾(せお)くん:トリノの前の席。貧血で少し遅れて教室に来た。いつも控えめで無口、ガラスのように繊細でデリケートな性格。背中にセミがついている。
- 黒岩先生:クラスの担任の先生。瀬尾くんのことを誰よりも理解し、トリノのことを信頼している温かい先生。

2. 【定期テスト頻出】題名『セミロングホームルーム』の2つの意味
この作品でテストに一番よく出るのが、題名についての問題だよ。
「私」の「これが本当のセミロングホームルーム」という言葉には、2つの意味をかけた「言葉遊び」が隠されているんだ。記述問題でよく狙われるから、必ず書けるようにしておこう。
- 意味①:「やや長い(中途半端な長さの)」ホームルームという意味
「セミ(semi-)」には「半分の、やや」という意味があるよ。ロングホームルームなのに、優秀な学級委員のおかげで時間が余ってしまい、全然ロングではなく「中途半端な長さ(半分ロング・ややロングのような)」ホームルームになってしまったという意味だね。 - 意味②:「セミ」の対処方法を考えているホームルームという意味
昆虫の「セミ」が教室にやってきて、その対応に追われているホームルームだという意味だよ。
たろう
くまごろう3. 『セミロングホームルーム』のあらすじと場面の状況
物語の中で「今、何が起きているのか(場面の状況)」を正確に読み取ることも大切だよ。
『セミロングホームルーム』あらすじ
四時間目のロングホームルーム。体育の授業で貧血を起こし、少し遅れて教室にやってきた瀬尾くんの背中(左肩の少し下)には、なぜか一匹のセミが止まっていました。
窓際の一番後ろの席に座る「私」とトリノだけが、そのセミに気がつきます。デリケートな瀬尾くんが、セミが鳴きだしたことに驚いてパニックにならないよう、二人は必死に対処方法を考えます。
やがて、担任の黒岩先生もセミの存在に気づき、後ろの席で三人とも困り果ててしまいます。自習になりそうな気配の中、トリノは音を立てずに窓を開け、瀬尾くんの背中からセミをつまみ出し、光の速さで外へ放り投げました。
セミから瀬尾くんを守り抜いたと安心したそのとき、瀬尾くんが振り返り、トリノに向かって小さな声で「ありがとう。」と言いました。「私」とトリノは驚き、トリノは立ったまま座れなくなってしまうのでした。
4. 読解の核心:登場人物の「人物像」を読み取ろう!
この物語では、それぞれのキャラクターの性格が、行動や「私」の言葉を通して細かく描かれているよ。テストの抜き出し問題で狙われやすいポイントを整理しよう。
① 瀬尾くんの人物像
背中にセミをつけてやってきた瀬尾くんは、どんな性格だったかな?
本文の言葉を使って抜き出す問題がよく出るので、次の言葉は暗記しておこう。
- 「いつも控えめで無口」
- 「ガラスのように繊細」
- 「デリケート」
だからこそ、「私」とトリノは、セミが鳴いて瀬尾くんが「あられもない悲鳴をあげてしまう」ことを心配して、なんとかこっそりセミを逃がそうと気を使ったんだね。
② 竹内(私)の人物像と行動
語り手である「私」は、少しひょうきんでお調子者なところがあるね。
先生の話を聞かずにセミの対処法を考えていて注意されたり、「ロングホームルーム、残りの時間は外で遊びませんか」と不自然な提案をしてクラスを笑わせたりしているよ。
でも、その根底には「瀬尾くんを守りたい」という優しい気持ちがあることが読み取れるね。
③ トリノの人物像と黒岩先生との関係
トリノは「真面目でいいやつ」で「頭がいい」人物として描かれているよ。
黒岩先生が後ろにやってきた場面で、先生がトリノをどう思っているかがわかる漢字二字を抜き出す問題が出ることがあるよ。
答えは「信頼」だね。「黒岩先生はトリノを信頼しているので、彼がなにか考えをめぐらせていることを察したんだと思う」と書かれているよ。
たろう
くまごろう5. 中学生の疑問を解決!『セミロングホームルーム』読解Q&Aコーナー
行動やセリフの「理由」を問う問題について、詳しく解説していくよ!
Q1. 最後にトリノが立ったまま座れなくなったのはなぜ?
【解説】
この物語の一番の見せ場で、テストの記述問題でとてもよく狙われるポイントだね。
トリノや「私」は、瀬尾くんがセミに気づいておらず、セミが鳴き出したらパニックになると思って、「バレないようにこっそり逃がそう」と奮闘していたよね。
でも、瀬尾くんは振り返って「ありがとう」と言ったね。
つまり、瀬尾くんは、背中にセミがいたことや、トリノたちが自分を気遣ってこっそり助けてくれたことに気づき、その優しさに感謝したと考えられるよ。
瀬尾くんに気づかれていたことへの驚きや、ひそかに守ってあげたつもりがお礼を言われたことへの照れくささ・気恥ずかしさで、トリノは動揺して固まってしまったと考えられるんだ。
たろう
くまごろうQ2. 黒岩先生が「鳥野、座っていいぞ」と言ったのはなぜ?
【解説】
黒岩先生は、驚いて固まってしまったトリノを見て、場をやわらげたり、トリノを自然に元に戻したりするために、あえて少し妙な注意の仕方をしたと考えられるよ。先生の温かい優しさが伝わる場面だね。
Q3. 黒岩先生が「ぷりぷり」していた理由は?
【解説】
「私(竹内)」が、先生の話を聞かずにぼんやりしたり、不自然な提案をしてふざけたりして、何度注意しても真面目に先生の話を聞いていないように見えたからだよ。
Q4. トリノが呆れ顔で「首を左右に振る」理由は?
【解説】
「私」が一人でばかばかしいことを考えてぼんやりしていて、黒岩先生からソロで(一人だけで)注意されてしまったからだね。トリノの「しょうがないやつだな」という気持ちが表れているよ。
Q5. 「三人とも困り果てている」とあるけれど、三人が困っている理由は?
【解説】
「私」、トリノ、そして黒岩先生の三人は、瀬尾くんの背中に止まっているセミを、瀬尾くんを驚かせずにどうやって逃がせばよいかわからなかったから困り果てていたんだね。
6. 【コラム】身の回りのハプニングをエッセイに書くコツ
教科書の課題で、「この物語のように、これまで生活してきた中での小さな出来事(ハプニング)で短めのエッセイを書きなさい」と言われることがあるよ。
どうやって書けばいいか、ヒントを紹介するね!
エッセイ(随筆)を書くための3つのステップ
① 日常の「小さなハプニング」を思い出す
大事件である必要はないよ。「消しゴムが転がって、前の席の人の靴に入ってしまった」「給食の牛乳をこぼしそうになったとき、隣の人がサッと支えてくれた」など、ちょっとしたハプニングを探してみよう。
② そのときの「周りの人の反応」と「自分の気持ち」を書く
『セミロングホームルーム』のように、その出来事に対して友達や先生がどう動いたか、自分はどう焦ったり、ほっとしたりしたかを具体的に書くと面白くなるよ。
③ ハプニングを通して「気づいたこと」でまとめる
「この出来事のおかげで、〇〇さんの優しい性格に気づけた」「ちょっとした失敗も、みんなで笑い飛ばせば良い思い出になるんだと思った」など、最後に自分の「気づき」を書くと、素敵なエッセイに仕上がるよ!
7. 『セミロングホームルーム』新出漢字・重要語句の意味一覧
新出漢字一覧
教科書で新しく習う漢字だよ。テストで読み書きができるように練習しておこう。
| 漢字 | 音読み | 訓読み | 熟語・使い方 |
|---|---|---|---|
| 妙 | ミョウ | 妙な声、奇妙 | |
| 殻 | カク | から | 抜け殻(がら)、貝殻 |
| 剣 | ケン | つるぎ | 諸刃(もろは)の剣 |
| 爆 | バク | 大爆笑、爆発 | |
| 鎖 | サ | くさり | 連鎖(れんさ)、閉鎖 |
重要語句の意味・類義語
お話に出てくる言葉の意味や、似た意味の言葉(類義語)を確認しよう!
| 語句 | 意味 | 類義語 |
|---|---|---|
| 妙(みょう)な | 不思議な。変わっている様子。 | |
| 青い顔 | 顔色が悪く、元気がなさそうな顔つき。 | |
| 声をあげる | 声を出す。思わず声に出してしまう。 | |
| すかさず | 機会を逃さず、すぐに。 | |
| 顔を見合わせる | たがいの顔を見て、気持ちや考えをたしかめ合う。 | |
| 懲(こ)りる | 痛い目にあって、二度と同じことはしまいと思うこと。 | |
| 肩をすくめる | あきれた気持ちや、お手上げの気持ちを肩をちぢめて表す動作。 | |
| じっくり見る | あわてずに、よく注意して見る。 | |
| 熱心 | 一生けんめいで、気持ちをこめて取り組む様子。 | |
| 抜け殻(がら) | セミなどが脱皮したあとの皮。 | |
| 口をそろえて言う | みんなが同じようなことを言う。 | |
| 慰め | つらい気持ちをやわらげるための言葉や行い。 | |
| 経過(けいか) | 物事が進んでいく途中の状態。 | 経緯(けいい) |
| 同等(どうとう) | 程度や価値が同じであること。 | 同格(どうかく) |
| ソロ | ひとりだけで行うこと。ここでは「竹内だけが注意された」という意味。 | |
| 呆れ顔(あきれがお) | あきれて、困ったような顔つき。 | |
| 気が重い | いやだな、心配だなと感じて、気分が重い。 | |
| 口に出す | 思っていることを言葉にして言う。 | |
| 対処法(たいしょほう) | 困ったことに、どう対応するかという方法。 | |
| とたん | その瞬間。 | |
| デリケート | 感情などが傷つきやすく、繊細な様子。 | |
| あられもない | ふさわしくない。とんでもない。 | |
| 控え目(ひかえめ) | 遠慮して、出しゃばらない様子。 | つつましやか |
| 真剣(しんけん) | 本気で物事に取り組む様子。 | |
| 頭を回転させる | よく考えて、頭をはたらかせる。 | |
| 切り抜ける | 困難な状況から抜け出すこと。 | 脱(だっ)する |
| どっと笑う | その場にいる人たちが、いっせいに大きく笑う。 | |
| 気を利かせる | その場に合うように、自分で考えて行動する。 | |
| 提案(ていあん) | 考えや案を出して、こうしたらどうかとすすめること。 | |
| がっくりと | 力がぬけて、がっかりした様子。 | |
| 肩を落とす | がっかりした気持ちを、しぐさで表すこと。 | |
| 魂胆(こんたん) | 心の中にあるたくらみ。 | |
| 硬直(こうちょく) | 緊張などで体がこわばって動かなくなること。 | |
| 冷静(れいせい) | 落ち着いていて、感情に動かされない様子。 | 沈着(ちんちゃく) |
| 絶妙(ぜつみょう) | この上なく優れていて、素晴らしいこと。 | |
| 困り果てる | とても困って、どうしたらよいかわからなくなる。 | |
| 考えをめぐらせる | いろいろと思いをはたらかせて考える。 | |
| 察する(さっする) | ようすを見て、相手の気持ちや事情をそれとなくわかる。 | |
| 繊細(せんさい) | 感情が細やかで、傷つきやすい様子。 | |
| 気配(けはい) | 何かがありそうだと感じられる様子。 | |
| 息をのむ | 驚きや緊張で、一瞬息を止めること。 | |
| 思いの外(ほか) | 予想していたのと違って。意外に。 | 案外(あんがい) |
| 図太(ずぶと)い | ちょっとのことでは動じない性格。 | |
| 微動(びどう) | わずかに動くこと。(「微動だにせず」で全く動かないこと) | |
| 鈍感(どんかん) | 感じ方がにぶいこと。 | 敏感(びんかん)※対義語 |
| 実施(じっし) | 実際に行うこと。 | |
| セミロング | 「半分くらいロング」「やや長い」という意味。ここでは、ロングホームルームなのにそれほど長くないことと、「セミ」がいるホームルームの二つの意味がかけられている。 | |
| 考えにとらわれる | 一つの考えに気持ちがしばられてしまう。 | |
| 咳払い(せきばらい) | せきのように声を出して、気持ちを整えたり合図したりすること。 | |
| ざわめき | 人が多くいて、さわがしい音が広がること。 | |
| 音をたてる | 何かの音を出す。 | |
| 瞬間(しゅんかん) | きわめて短い時間。 | 瞬時(しゅんじ) |
| 光の速さで… | ほんとうに光と同じ速さという意味ではなく、とてもすばやく、あっという間に、というたとえ。 | |
| 我(われ)に返る | 意識や正気を取り戻すこと。 | |
| 去り際(さりぎわ) | その場を去るとき。立ち去る直前。 | |
| 喧騒(けんそう) | 人の声や物音で騒がしいこと。 | |
| かき消される | ほかの大きな音や声にまぎれて、聞こえなくなる。 | |
| 心境(しんきょう) | 心の状態や気持ち。 | 気もち |
| 詰めていた息 | 緊張して、思わず止めるようにしていた息。 |
8. まとめ
『セミロングホームルーム』は、教室に迷い込んだ一匹のセミをきっかけに、お互いを思いやる中学生たちと先生の温かい関係性が描かれた物語だったね。
瀬尾くんの「ありがとう」という一言で、実は彼も周りの優しさに気づいていたことがわかり、読んでいる私たちもほっと温かい気持ちになれる素敵な作品だよ。
テストでは、登場人物の性格(人物像)や、行動から読み取れる心情、そして題名の意味が確実に出題されるよ。この記事で確認したポイントをしっかり復習して、国語のテストに自信を持って臨(のぞ)もう!
『セミロングホームルーム』テスト対策ポイントまとめ(再確認)
- 題名『セミロングホームルーム』に込められた2つの意味(言葉遊び)をおさえよう
- 「いつも控えめで無口」「ガラスのように繊細」など、瀬尾くんの人物像を抜き出せるようにしよう
- 黒岩先生が「ぷりぷりしている」理由や、トリノが「呆れている」理由を説明できるようにしよう
- 最後にトリノが立ったまま座れなくなった理由と、そのときの心情を考えよう
ここまで学習できたら、次は練習問題やドリルに挑戦して実力を確かめてみよう!
- 【中学国語】戸森しるこ『セミロングホームルーム』テスト対策練習問題
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青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。 ※サイト全体の運営実績についてはこちらにまとめています。


