「春暁(漢詩の風景)」要点と解説(期末テスト対策ポイント)
中学2年国語で学ぶ「漢詩の風景」のうち、「春暁」について、テストで必要になるポイントを解説するよ。
「漢詩の風景・春暁」
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目次【本記事の内容】
「春暁」基本情報
詩の形式:五言絶句
※孟浩然は、唐代(中国の王朝の名前)に活躍した詩人
「春眠暁を覚えず」という言葉は、日本でもよく使われるね。
実は中国の詩から生まれた言葉だったんだね。
「春暁」のテスト対策ポイント
テスト対策ポイント①
詩の形式について
詩の形式とは、「詩の形のパターン」と考えてもらえばOK。
ひとつの詩に、いくつの句(ひとまとまりの言葉)があるかとか、ひとつの句は、いくつの文字で作られているかとかでパターンが決まっているよ。
「春暁」は、「五言絶句」という形のパターンでできているんだ。
この「五言絶句」という詩の形式は、テストで必ず出されるといってもいいくらいなので、絶対に覚えておこう!!
「五言絶句」とは
まず、「絶句」というのは、「ひとつの詩が4つの句」でできているもののこと。
そしてさらに、ひとつの句が「5文字」でできているものを「五言絶句」というんだ。
まず、「春暁」には4つの句があるね。
① 春 眠 不 覚 暁
② 処 処 聞 啼 鳥
③ 夜 来 風 雨 声
④ 花 落 知 多 少
だから「絶句」だということが分かるね。
そして、それぞれの句は、「5つの文字」で作られているね。
だから、「五言絶句」なんだね。
「起承転結」の構成になっている
「春暁」の4つの句は、「起承転結」の構成になっているんだ。
「起」とは、「歌い起こし」。つまり、「スタート」というイメージかな。
そしてそれを受けて、さらに発展させているのが「承」。
物事をうけいれるとき、「承知しました」というように、「承」の字を使うよね。
「転」では、急に場面がかわるよ。
そして全てをまとめて締めくくるのが、「結」だね。
「春暁」では「押韻」が3箇所に使われている!
押韻というのは、わかりやすく言うと「韻を踏む」ということだよ。
ラップとかでよく使われているよね。
漢詩では、押韻をするときは「第二句」と「第四句」の終わりの文字で韻を踏むのが決まりなんだけれど、
「春暁」では「第一句」と「第二句」そして「第四句」で韻が踏まれているよ。
第一句 春 眠 不 覚 暁(gyo:ギョウ)
第二句 処 処 聞 啼 鳥 (cho:チョウ)
第四句 花 落 知 多 少(soy:ショウ)
本当だ、「ギョウ」「チョウ」「ショウ」って韻を踏んでいるね。
テストで、「押韻が使われている箇所を答えなさい」という問題が出る学校もあるので、覚えておこうね。
テスト対策ポイント②
それぞれの句の意味について
第一句
「春眠暁を覚えず」という句は、
「春の眠りは気持ちが良くて、夜が明けたことも気がつかないくらいだ」という意味。
第一句は起承転結のうちの「起句」だったね。
「春の眠りはとっても気持ちがいいよね」と話をスタートさせているよね。
第二句
「処処啼鳥(ていちょう)を聞く」という句は、
「あちらこちらで、鳥の鳴き声が聞こえる」という意味。
「処処」が、「あちらこちら」ということだね。
「啼」は「啼く」という漢字だから、鳥の鳴き声ということになるんだ。
第二句は起承転結のうちの「承句」だったよね。
第一句では春の話をスタートさせたよね。そこに、あちらこちらで鳥の鳴き声が聞こえるという情景を伝えて、話をふくらませていっているよね。
第三句
「夜来風雨の声」という句は、
「ゆうべは、風雨の音がしていた」という意味。
「夜来」とは、「ゆうべ」ということ。
※「ゆうべからずっと」という意味だという説もあるよ
「風雨」は、日本語でも使われるように、雨と風のことだね。
風も強く吹く雨が降ったのかもしれないね。
「声」と書かれているけど、雨や風はもちろん喋ったりしないので、これは雨や風の「音」ということだよ。
第三句は起承転結のうちの「転句」だったね。
第一句も、第二句も、春ののどかな話をしていたのに、突然、夜の雨風の話が始まって、情景が急展開しているよね。
このギャップで、読み手は「おっ」と、さらに興味を持って先が知りたくなるね。
第四句
「花落つること知る多少」という句は、
「(ゆうべの雨風で)花はどのくらい散ってしまっただろう」という意味。
「花落つる」は、「花が散ること」だね。
「多少」は「どのくらい」という意味だよ。
第四句は起承転結のうちの「結句」だったね。
第三句で、夜の風雨という少し暗いイメージに変わってしまっていたところを、その雨風のせいで散った花が庭にたくさん散りばめられていて、鮮やかな情景にまた戻って全体をまとめあげているんだ。
テスト対策ポイント③
漢詩の知識について
白文・訓読文・書き下し文とは何か理解しよう!
漢詩は、もともと中国の人が作った詩だよね。
つまり、当たり前だけれど、中国語で作られているんだよ。
ということは、そのままでは日本人はが読んだり意味を理解するのは大変だよね。
そこで、中国語が分からない日本人でも読めるように工夫しているんだ。
このとき、まだ工夫していない、中国語として書かれているもとのままの詩の状態を「白文」といって、日本語に近づけるために返り点や送り仮名などをつけたものを「訓読文」、そして、その工夫をもとに、漢字とひらがなを使って日本語に近づけたものを「書き下し文」というんだ。
上の図だと、右側の「漢字だけの状態」のものが白文、
右側の「返り点」などが加えられたものが訓読文、
左側の日本語に近づけられているものが書き下し文だね。
ちなみに、現代の日本語としてもっと違和感のないように直したものを、「口語訳」というよ。
「春暁」に使われている返り点を確認しよう!
さて、ではどうやって工夫して日本語っぽく近づけるのかだけれど、
このとき使うのが「返り点」というものなんだ。
返り点ってなに??なんのためにあるの?
中国語と日本語では文法が違うんだから、言葉の並び方だって違うよね。
日本語で「私は昨日テレビを見ました。」という文があったとして、
英語なら「I watched TV yesterday.」となるよね。
「昨日」と「yesterday」の位置もそれぞれ違うし、「見た」と「watched 」の位置も変わるよね。
日本語と中国語も同じ。
でも、日本語と英語に比べたら、日本語と中国語はどちらも「漢字」を使うから、ちょっと分かるよね。
なので、あとは「言葉の順番をどう変えたらいいか」を伝える記号さえあれば、もっと意味が伝わりやすくなるんだ。
「返り点」というのは、「この言葉は、あの言葉よりも先に読むよ」とか、「この漢字に送り仮名をつけて読んでね」などを伝える記号のことなんだ。
テストでは、どの位置にどんな返り点があるか、問題に出ることがあるよ。
実際に自分で書き込まなくてはいけないことが多いので、しっかり対策しよう。
まる覚えしてしまう方法もあるけど、おすすめは「書き下し文と白文を比べて、同じ言葉の順番になるように、ルールにしたがって返り点を考える」力をつけること。
そうすれば、覚えていなくても、それどころかはじめて見た漢詩でも、白文と書き下し文を見れば返り点が書き込めるようになるよ。
漢詩の風景「春暁」
テスト対策まとめ
- 春暁の詩の形式は「五言絶句」
- 作者は唐代の詩人「孟浩然」
- 起承転結の構成で作られている
- 第一句・第二句・第四句で押韻が使われている
- それぞれの句の意味を理解しよう!
- 白文と訓読文、書き下し文とはなにか理解しよう!
- 春暁で使われている返り点を確認しよう!
春暁のテスト練習問題のページもあるので、ここまで学習できたらぜひチャレンジしてみよう!
運営者情報

ゆみねこ
詳しいプロフィールを見る
青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。

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とても分かりやすくまとめてあり助かりました!
授業の復習ができました。ありがとうございました! -
めっちゃ助かりました!
明後日テストなんですけど、もっと早く気づきたかったです(笑)
これからも、利用させていただきますっ、ありがとうございます! -
めちゃくちゃわかりやすい解説ありがとうございます
前回のテストからゆみねこ様のサイトを愛用させて頂いてます!
今回のテストもこのサイトを見たので安泰です
またこれからも愛用させて頂きますっ! -
とても分かりやすかったです!
風邪でその時の授業受けれなかったので助かりました
とても分かりやすかったです!
明日テストなのでこれでがんばれます!!