原田マハ『あの夕暮れへ帰る』解説!「日本語の妙」の意味やあらすじ・主題まとめ

中学2年生の国語で学習する、原田はらだマハの随筆(エッセイ)『あの夕暮れへ帰る』のテスト対策ポイントをわかりやすく解説するよ。

この作品は、日本とパリの「夕暮れ」の違いや、画家クロード・モネの『睡蓮(すいれん)』の絵を通して、筆者が感じた時の移ろいの美しさが描かれているんだ。

定期テストで必ず聞かれる「日本語の妙」の意味や、筆者が「睡蓮」の絵から読み取った思いなど、高得点を取るための重要ポイントを一緒に確認していこう!

『あの夕暮れへ帰る』テスト対策ポイントまとめ

  • 「日脚」という言葉から筆者が感じた「日本語の妙」とは何かをおさえよう
  • 筆者がパリの夏至の夕暮れに驚いた理由と、パリの人々が長い夕暮れを好む理由を確認しよう
  • モネの『睡蓮』の絵が「美しく感じられる理由」を説明できるようにしよう
  • モネが絵を通して伝えたかった「時間のいとおしさ」を本文から抜き出せるようにしよう

1. 原田マハ『あの夕暮れへ帰る』の基本情報とあらすじ

まずは、この作品の全体像をしっかりつかんでおこう。

作者の原田はらだマハさんは、美術館で働いた経験があり、アート(美術)に関する小説や随筆をたくさん書いている有名な作家さんだよ。

『あの夕暮れへ帰る』あらすじ

筆者は、春から夏至(げし)に向かって日が長くなっていく様子を「夜をはらんだ夕暮れ」と感じ、「日脚(ひあし)」という言葉に日本語の面白さを感じています。

筆者が季節の移ろいを意識するようになったのは、パリに通うようになってからでした。初めて夏至の頃にパリを訪れたとき、午後六時過ぎでも真昼のように明るいことに驚きます。冬が暗くて寒いヨーロッパの人々は、この明るく長い夕暮れをオープンエア(屋外)のカフェでいつまでも楽しみます。

やがて筆者は、パリのオランジュリー美術館で「世界でいちばん美しい夕暮れの風景」に出会います。それは画家クロード・モネが描いた『睡蓮(すいれん)』の絵でした。モネは、移り行く時間の一瞬一瞬がいとおしいということを、絵を通して語りかけていました。晩年に視力を失いかけながらも「感じて」描かれたその絵の美しさに、筆者は深く心を動かされます。

そして夏、ことさらに夕暮れ時になると、筆者はモネの睡蓮を思い出し、あの夕暮れの中に帰っていきたいとしみじみと思うのでした。

2. 【テスト頻出】「日脚」の長さと「日本語の妙」

テストで必ずといっていいほど聞かれるのが、「日本語の妙」という言葉の意味だよ。

「日脚(ひあし)」とは、太陽が出てから沈むまでの長さのこと。
筆者は、空を動いていく太陽の道筋(軌跡きせき)のことを、人間や動物の「脚(あし)」という言葉を使って表現している点に、「日本語の妙(すばらしさ・面白さ)」を感じたんだね。

テストでは「『日本語の妙』とはどういうことですか」と聞かれるので、「太陽が動く軌跡を『脚』と表現すること」と本文から抜き出せるようにしておこう。

たろう
太陽の光に「脚」があるなんて、考えたこともなかったな。
くまごろう
そうだね。自然の動きを人間の体の一部に例えるところが、日本語の面白いところ(日本語の妙)なんだよ。

3. パリの夕暮れと日本の夕暮れの違い

筆者は二十年以上前、初めてパリを訪れたときに「えっ、もう六時過ぎなの?」と驚いたよね。
なぜ驚いたのか、理由を説明できるようにしておこう。

日本(東京など)の午後六時は、夕方になって少し暗くなり始めている時間だよね。
でも、夏至の時期のパリでは、日差しに力がみなぎっていて、真昼のように明るく、夕暮れがどこにもなかったから驚いたんだ。

ちなみに、「夏至(げし)の頃」を別の言葉で言い換えている部分を抜き出す問題もよく出るよ。答えは「一年のうちで最も日脚が長い日」だね。

パリの人々が夕暮れをオープンエアで味わう理由

パリの人々は、夕暮れ時になるとオープンエア(屋外のテラス席など)でおしゃべりを楽しんでいたね。

なぜ家の中ではなく、外で長い夕暮れを味わうのかな? その理由は次の2つだよ。

  • パリは北に位置していて、冬の日が短く暗く寒いので、夏の長い日脚をことさらいとおしむ(大切に楽しむ)から
  • 湿気が少なく、からりとした気候だから。

4. モネの『睡蓮』が伝える「時間のいとおしさ」

筆者がパリで発見した「世界でいちばん美しい夕暮れの風景」とは何だろう?
それは本物の空ではなく、オランジュリー美術館の壁面に広がる、クロード・モネが描いた『睡蓮』の絵のことだよ。

この『睡蓮』の絵を通して、画家のモネは何を伝えていると筆者は考えているのか。ここがこの随筆の一番大切なメッセージだよ。

「移り行くこの世界に一度たりとも同じ時間はなく、だからこそ一瞬一瞬が美しく、いとおしいのだ」

テストでも必ず抜き出し問題が出るから、この一文はしっかりマーカーを引いておこう!

なぜ『睡蓮』がことさら美しく感じられるのか?

モネは晩年、白内障(はくないしょう)という目の病気になり、視界がぼやけてしまっていたんだ。
それなのに、なぜオランジュリーの『睡蓮』はこんなにも美しく感じられたのだろう?

それは、モネが目で景色をはっきりと見ているのではなく、心で「感じて」描いたと分かるからだね。

たろう
目が見えにくいのに、どうしてこんなに美しい絵が描けたんだろう?
くまごろう
目で見える「光」だけでなく、夏の明るく長い日脚のもとで、心で「感じた」夕暮れの美しさをカンヴァスに写し取ったからだと、筆者は考えているんだね。

5. 題名『あの夕暮れへ帰る』の意味と主題

物語の最後で、筆者は「そして、また帰っていこうと思う。しみじみと胸に迫るあの夕暮れの中へ。」と結んでいるね。

ここで言う「帰っていく」場所とは、自分の家や日本ではないんだ。
モネが描いた夕暮れの『睡蓮』の絵の中(または、その絵を見たときの感動の記憶の中)のことだと読み取れるよ。

この文章の主題(テーマ)は、「言葉や絵を通して感じ取る、季節や時の移ろいの美しさと、それを感じ取る一瞬一瞬のいとおしさ」だと言えるね。

6. 【コラム】身の回りのことについて随筆(エッセイ)を書くヒント

教科書の課題で、「季節や時の移ろいについて書かれた随筆を読んで、言葉についての考えを深めよう」というテーマで、自分でエッセイを書くことがあるよ。

どうやって書けばいいか、ヒントを紹介するね!

たろう
自分で随筆(エッセイ)を書くって言われても、何を書けばいいか迷っちゃうな。
くまごろう
難しく考えなくて大丈夫。原田マハさんのように「ちょっとした発見」からスタートするのがコツだよ。

随筆(エッセイ)を書くための3つのステップ

① 日常の「小さな発見や言葉」を見つける
原田マハさんが「日脚」という言葉に面白さを感じたように、「秋晴れ」「木枯らし」など、季節を感じる言葉や、普段の生活でふと気づいたことを見つけてみよう。

② 自分の「体験(エピソード)」と結びつける
「日脚」からパリの思い出につながったように、その言葉や季節から思い出す「自分の体験」を書くよ。「夕暮れが早くなって、部活の帰り道が少し寂しかった」など、具体的な出来事を入れると面白くなるよ。

③ 最後に自分の「思い・気づき」でまとめる
その体験を通して、今の自分がどう思っているのか、これからどうしたいのかという「気づき」を書くと、素敵な随筆に仕上がるよ!

7. 『あの夕暮れへ帰る』新出漢字・重要語句の意味一覧

新出漢字一覧

教科書で新しく習う漢字だよ。テストで読み書きができるように練習しておこう。

漢字音読み訓読み熟語・使い方
コウか(う)
か(わす)
言葉を交(かわ)す、交流
フクおお(う)
くつがえ(る)
絵で覆(おお)われている、覆面
ヘキかべ壁面(へきめん)、岸壁
キツ満喫(まんきつ)、喫茶店
トウ到着(とうちゃく)、殺到

なつ夏至(げし)、初夏
軌跡(きせき)、軌道
キャク
キャ
あし日脚(ひあし)、脚光、行脚
クンかお(る)風薫(かお)る五月、薫風
リュウやなぎ柳(やなぎ)の枝、川柳
シュンまたた(く)一瞬(いっしゅん)、瞬間
ハクせま(る)胸に迫(せま)る、迫力

重要語句の意味調べ

文章を読むためのカギになる、重要語句の意味を確認しよう! テストの語句問題でよく出題されるよ。

語句意味
日が長くなる昼の時間が長くなり、日が沈むのが遅くなること。
うってつけちょうどよいこと。ぴったりであること。
風薫(かぜかお)る初夏のさわやかな風が吹く様子。
夏至(げし)一年のうちで最も昼の時間が長い日。(6月21日ごろ)
はらむ中に包み持つ。含んでいる。
軌跡(きせき)物が動いて通ったあとや道すじ。
妙(みょう)言いようのないほどすぐれていて、味わいがあること。
ことさらとりわけ。特別に。
移(うつ)ろい時が過ぎて、状態が変わっていくこと。
パリフランスの首都。
みなぎる水がいっぱいになるように、力や感情があふれるほど満ちる。
いとおしむ大切に思う。失いたくないほど愛おしく感じる。
満喫(まんきつ)十分に楽しんで、満足すること。
テラス建物の外に張り出した、屋根のない床の部分。
陣取(じんど)る場所を決めて、そこに腰をすえている。
飲み交わす向かい合って飲み物を飲む。
〜に興(きょう)じる面白がって楽しむこと。夢中になること。
からりとした湿気が少なく、さっぱりして気持ちのよい様子。
ひと役買うあることに役立つはたらきをする。
オープンエア屋外。外の空気を感じられる野外のこと。
オランジュリー美術館フランスのパリにある美術館。モネの『睡蓮』が有名。
クロード・モネフランスの有名な画家。光の表現を得意とした印象派の画家。
『睡蓮(すいれん)』モネが描いた代表的な絵画のシリーズ。
灯火(ともしび)明かり。ともした火。
池のほとり池の近く。池のそば。
移(うつ)ろう時間や季節が変わっていく。
白内障(はくないしょう)目の中の水晶体が白くにごり、見えにくくなる病気。
患(わずら)う病気になる。病気で苦しむ。
カンヴァス油絵を描くための、丈夫な麻布(キャンバス)のこと。
胸に迫(せま)るさまざまな思いが胸に強くわき上がってくる様子。

8. まとめ

『あの夕暮れへ帰る』は、筆者が「日脚」という言葉から感じた日本語の面白さや、パリの夏至の明るい夕暮れ、そしてモネの『睡蓮』の絵から受け取った「移りゆく時間の一瞬一瞬のいとおしさ」が美しく描かれた随筆だったね。

テストでは、日本語の妙の意味や、パリと日本の夕暮れの違い、そしてモネが絵を通して伝えたかったことが必ず問われるよ。この記事で確認したポイントをしっかり復習して、国語のテストに自信を持って臨(のぞ)もう!

『あの夕暮れへ帰る』テスト対策ポイントまとめ(再確認)

  • 「日脚」という言葉から筆者が感じた「日本語の妙」とは何かをおさえよう
  • 筆者がパリの夏至の夕暮れに驚いた理由と、パリの人々が長い夕暮れを好む理由を確認しよう
  • モネの『睡蓮』の絵が「美しく感じられる理由」を説明できるようにしよう
  • モネが絵を通して伝えたかった「時間のいとおしさ」を本文から抜き出せるようにしよう

ここまで学習できたら、ぜひ「あの夕暮れへ帰る」のテスト対策練習問題とドリルに挑戦しよう!

原田マハ『あの夕暮れへ帰る』テスト対策練習問題と過去問まとめ
【中学国語】原田マハ「あの夕暮れへ帰る」漢字ドリル
【中学国語】原田マハ「あの夕暮れへ帰る」語句・表現技法ドリル
【中学国語】原田マハ「あの夕暮れへ帰る」内容理解ドリル
【中学国語】原田マハ「あの夕暮れへ帰る」主題・表現効果ドリル

運営者情報

青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。 ※サイト全体の運営実績についてはこちらにまとめています。

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