「黄鶴楼にて孟浩然の広陵に之くを送る」期末テスト対策ポイント
中学2年国語で学ぶ「漢詩の風景」から、李白作「黄鶴楼にて孟浩然の広陵に之くを送る」について、詩の形式、表現技法、押韻、語句の意味など、定期テストで必要になるポイントをくわしく解説するよ。
目次【本記事の内容】
黄鶴楼にて孟浩然の広陵に之くを送る
詩の形式:七言絶句
※李白は、杜甫と並ぶ唐代(中国の王朝の名前)に活躍した詩人
黄鶴楼にて孟浩然の広陵に之くを送る
テスト対策ポイント①詩の形式について
「黄鶴楼にて孟浩然の広陵に之くを送る」の詩の形式
「黄鶴楼にて孟浩然の広陵に之くを送る」は、今までに学習した「春暁」や、杜甫の作品の「絶句」と同じように、全部で4つの句からできている漢詩なので、詩の形式は「絶句」になるよ。
4つの句(ひとかたまりの言葉)でできている漢詩を、絶句と呼ぶんだったね。
春暁や杜甫の作品は、ひとつの句が5文字で作られていたから、「五言絶句」という形式だったけれど、「黄鶴楼にて孟浩然の広陵へ之くを送る」は、ひとつの句が7文字で作られているので、「七言絶句」という形式なんだ。
この「七言絶句」は高い確率でテストに出るので、絶対に覚えよう!
漢詩の型式については「漢詩の形式とルール」の解説ページでくわしく解説しているよ!
黄鶴楼にて孟浩然の広陵に之くを送る
テスト対策ポイント②表現技法について
「黄鶴楼にて孟浩然の広陵に之くを送る」の表現技法
倒置法
「黄鶴楼にて孟浩然の広陵へ之くを送る」の第四句には、倒置法が使われているよ。
倒置法とは
文章の語順をあえて通常とは逆にすることで、印象を強める効果がある表現技法のこと。
第四句の「唯だ見る長江の天際に流るるを」は、
通常なら
「長江の天際に流るるを唯だ見る」
というふうになるよね。
それをあえて逆にして、印象を強めているんだね。
テストでは、「どんな表現技法が使われているか?」とか、「第四句にはどんな表現技法が使われているか?」とか、「倒置法が使われているのはどこか?(答えは第四句)」とかいうように問題が出るよ。
押韻について
押韻というのは、「韻を踏む」こと。
「黄鶴楼にて孟浩然の広陵へ之くを送る」では、第一句、第二句、第四句で韻が踏まれているよ。
第一句 故 人 西 辞 黄 鶴 楼(ロォゥ)
第二句 煙 花 三 月 下 揚 州(ヂォゥ)
第四句 唯 見 長 江 天 際 流(リォウ)
テストでは、「第何句に押韻が使われているか?」とか、「韻を踏んでいる漢字を3つ書きなさい」というような問題が出ることがあるよ。
テスト対策ポイント③
漢字を読めるようになっておこう
黄鶴楼・・中国の武昌という町にある建物の名前。
孟浩然・・唐代の詩人の名前。「春暁」の作者だったね。作者の李白とは古くからの親友。
広陵・・中国に昔あった郡の名前。揚州=広陵。
煙花・・春の「かすみ」のこと。
孤帆・・たったひとつだけ見える「ほかけ船(帆があるシンプルな船のこと)」。
碧空・・青空のこと。
天際・・空のはてのこと。
テスト対策ポイント④
それぞれの句の意味について
第一句
「故人西のかた黄鶴楼を辞し」というのは、
「私の古い友人は、西にあるこの黄鶴楼に別れを告げて」という意味。
「故人」というのは、日本語だと「亡くなってしまった人」という意味だけれど、中国では「古い友人とか、古い親友」という意味なので注意。
この「古い友人」というのが、孟浩然のことなんだね。
「辞し」というのは、あいさつをして引き下がること。つまり、別れを告げて黄鶴楼から去ってしまうという意味なんだ。
第二句
「煙花三月揚州に下る」というのは、
「春がすみの三月に、揚州へと(船で)くだっていく」という意味。
「煙花」は、春のかすみのことだったね。
この漢詩の中での季節は三月で、春かすみが立つようなころということが分かるね。
「揚州に下る」というのは、「揚州へ」「船で下る」ということだね。なぜ「下る」かというと、孟浩然は長江(中国を流れる川の名前)を使って揚州へ行くのだけれど、黄鶴楼があるところに比べて、目的地の揚州は下流にあるから。
第三句
「孤帆の遠影碧空に尽き」とは、
「たったひとつの帆かけ船がどんどんと遠ざかって、青空の中へ消えてしまう」という意味。
遠影は「どんどんと遠ざかって、遠くにシルエットが見える」状態だね。
第四句
「唯だ見る長江の天際に流るるを」とは、
「(私は)長江が空のはてまでつづいて流れていくのを見るだけ」ということ。
「黄鶴楼にて孟浩然の広陵へ之くを送る」のテーマは?
第一句から第四句までの内容をまとめると、
春がすみの三月、作者の李白は、古くからの親友である孟浩然が、黄鶴楼に別れをつげて揚州へと旅立ってしまうのを見送っている。
孟浩然は、帆かけ船にのって、長江を下って揚州へ向かう。
孟浩然の乗っている船は、どんどん遠ざかって小さなシルエットになり、とうとう青空の中へ消えてしまう。
孟浩然の船が見えなくなってしまったそのあとは、李白はただ長江が空のはてまでつづくように流れているのをずっと見るばかりだった・・・
ということ。
李白は、孟浩然が去ってしまうのが寂しくて、ずっとその姿を見送り続けていたんだよね。
ズバリ,この漢詩のテーマは「友人と別れることの悲しみ」だよ。
「黄鶴楼にて孟浩然の広陵へ之くを送る」
まとめ
- 絶句の詩の形式は「七言絶句」。
- 作者は唐代の詩人「李白」。
- 第四句では「倒置法」が使われている。
- 第一句と第二句、第四句の「楼」「州」「流」で押韻が使われている。
- 難しい漢字の読みを確認しよう!
- それぞれの句の意味を理解しよう!
- 詩のテーマは「友人と別れることの悲しみ」。
「黄鶴楼にて孟浩然の広陵に之くを送る」のテスト対策問題の練習ページもあるので、ぜひチェックしてみてね!
運営者情報

ゆみねこ
詳しいプロフィールを見る
青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。

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