「仁和寺にある法師」現代語訳・あらすじ・テスト対策ポイント【中2国語・徒然草】

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「仁和寺にある法師(徒然草から)」 あらすじとテスト対策ポイント

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中学2年生の国語で学習する、兼好法師の徒然草より「仁和寺にある法師」について、現代語訳やあらすじ、教訓や面白さについて、そして古語(言葉)の意味や係り結びの法則など、定期テストで必要になるポイントをわかりやすく解説するよ。

「仁和寺にある法師」を楽しく学習できる動画もあるよ!

「仁和寺にある法師」テスト対策ポイント

  • 徒然草は「鎌倉時代末期」に書かれた、「兼好法師」による「随筆作品」
  • 一般に日本三大随筆と呼ばれる作品は、他に清少納言の「枕草子」、鴨長明の「方丈記」
  • 係り結び
    第52段には4か所
    「尊くこそおはしけれ」(強意)
    「何事かありけん」(疑問)
    「(神へ)参るこそ本意なれ」(強意)

    (…山までは見ず。)とぞ言ひける(強意)
    ※序段の「あやしうこそものぐるほしけれ」(強意)も合わせると、この記事で掲載している本文には計5か所。
  • 作者の主張の箇所は「少しのことにも、先達せんだつはあらまほしきことなり。」
    意味は「ちょっとしたことでも、案内してくれる人はほしいものである。」という教訓。
  • 「徒歩(かち)」「本意(ほい)」「先達(せんだつ・せんだち)」の読みに注意する
  • 僧が「心うく覚えた(残念に思った)」のは、年をとるまで石清水八幡宮を参拝したことがないということ。
  • 僧が「かばかり(これだけか)」と思ったのは、極楽寺と高良を見て、「これが石清水八幡宮のすべて」と思ってしまったということ。
  • 「尊くこそおはしけれ(尊くあられた)」だったのは僧は「石清水八幡宮」と思っているが、実際は「極楽寺・高良」のこと。
  • 僧が「ゆかしかりしかど(知りたがった)」のは「なぜ人々が山の上に上るのか」。
  • 僧が「山までは見ず」なのは、すでに極楽寺・高良を石清水八幡宮だと思い込み、「神へ参る」という本来の目的は果たしたと勘違いしたから。
  • 「先達」とは、その道に先に通じていて、導いてくれる人のこと。僧が「ただ一人」で行ってしまったのが失敗の原因なので、先達がいれば石清水八幡宮の本殿を拝めたのに、ということを伝えている。

「仁和寺にある法師」あらすじ

「仁和寺にある法師」のあらすじを確認しよう。

仁和寺にある法師の僧の旅程のイラスト

「仁和寺にある法師」のあらすじ

仁和寺にんなじのある僧は、石清水八幡宮いわしみずはちまんぐうに行ったことがないのを残念に思っていたので、ある時、思い立って1人で歩いて参詣さんけいした。

しかし麓ふもとの極楽寺ごくらくじや高良こうらを拝むと、それがすべてと思い込み、帰ってしまった。

帰りついた僧は言う。
「石清水にやっと行けた。すばらしかった。それにしても、みんな山へ登っていくのはなんでだろう」

石清水八幡宮の本殿は山の上にあるのだ。
兼好法師けんこうほうしは思う。「ちょっとしたことでも、案内役は欲しいものだ。」

「仁和寺にある法師」解説

「仁和寺にある法師」のテストに出やすい基本情報をまとめているよ。

兼好法師「仁和寺にある法師(徒然草)」基本情報

作者     :兼好法師(けんこうほうし)
ジャンル   :随筆(ずいひつ) 
時代     :鎌倉時代
内容     :石清水八幡宮を参拝しようとした仁和寺の僧の失敗談        
教訓     :ちょっとしたことでも、案内をしてくれる人は必要である

石清水八幡宮をずっと参拝したいと思って、とうとう一人で出かけた仁和寺の僧のおはなし。
遠くまで歩いてせっかく行ったものの、肝心の石清水八幡宮の神社のうち、「神様」がいらっしゃる建物のこと。 本殿ほんでんは山の上にあるのに、その麓ふもとの寺社だけを見て「これが石清水八幡宮だ」と勘違いして帰ってしまったという失敗談だね。
つまり、「肝心かんじんの本殿を見ないで帰るなんて、おっちょこちょいだね」ということ。

※ 背景に色がついている言葉は、クリック(タップ)すると言葉の意味が表示されるよ!

「徒然草」とは

徒然草は、鎌倉時代の終わりごろの作品で、兼好法師けんこうほうしという人が書いた「ずいひつ」。心に浮かんだり、見聞きしたことなどを筆にまかせて書いた文章や作品のこと。随筆ずいひつのこと。 「清少納言が書いた作品。「春はあけぼの…」で有名。枕草子まくらのそうし」「方丈記ほうじょうき」と並んで、一般に日本の三大随筆と呼ばれているよ。

作品の出だしが
「つれづれ(徒然)なるままに、日暮らし」
となっていたので、そこから「徒然草」と呼ばれているよ。

テストでは、「作品名を漢字で書きなさい」という問題が出ることも多いよ。
「徒然草」と漢字でしっかり書けるようにしておこう。

「徒然」は、「するべきことがなくて、退屈たいくつ」という意味なんだ。

徒然草は、一般に、序段と第1〜243段から成る244章段と数えられているよ。
序段は、「つれづれなるままに、日暮らし、硯に向かひて・・あやしうこそものぐるほしけれ。」という部分のこと。
いわゆる「プロローグ」のようなイメージだね。

「たいくつだから」とか、「たわいもないことを」とか「書きつける」というのは、それまでの作品にも使われてきていた決まり文句のようなもので、謙遜けんそんを表しているんだって。
※謙遜とは、「自分をへりくだって、ひかえめな態度でふるまうこと」だよ。

兼好法師とは

兼好法師は、鎌倉時代から南北朝時代に活躍した歌人・随筆家。
作者は兼好法師。俗名を卜部兼好(うらべかねよし)というよ。

余裕があったら読もう!兼好法師の呼び方について

名前は「兼好(けんこう・かねよし)」で、「卜部(うらべ)」は氏。
一般には「吉田兼好」と呼ばれることもあるけれど、教科書では「兼好法師」として覚えておけば大丈夫だよ。

出家してからは、僧という意味の「法師」がつけられて「兼好法師」と呼ばれるようになったよ。
※教科書では「兼好法師」と表記されることになっているよ。(令和5年現在)

テストでは、作者の名前を漢字で書きなさいという問題が出ることが多いので、おさえておこう!

随筆とは

随筆とは、心に浮かんだことや、見たり聞いたりしたことを、思うように筆にまかせて書いた文章・作品のこと。

「仁和寺にある僧」が書かれている兼好法師の作品「徒然草」は、一般に日本三大随筆と呼ばれる作品のひとつ。

日本三大随筆とされている他の作品には、清少納言の「枕草子」と、鴨長明の「方丈記」。
この二つの作品・筆者についてテストで問題が出た学校もあるので、知っておくと安心だよ。

一般に日本三大随筆と呼ばれる作品

  • 清少納言「枕草子」(平安時代)
  • 兼好法師「徒然草」(鎌倉時代)
  • 鴨長明「方丈記」(鎌倉時代)

「仁和寺にある法師」の面白さ

仁和寺は、宇多天皇以降、皇子・皇孫など皇室出身の人々が代々門跡(住職)を務めた、格式の高い寺院なんだ。
そんな格式の高い仁和寺の僧が、よく確かめずに思い込みから失敗してしまうところにも、この話のおかしみがあるんだね。

「仁和寺にある法師」教訓(筆者の主張)

「仁和寺にある法師」のお話の最後の一文「少しのことにも、先達はあらまほしきことなり」には、作者の言いたいことが込められているよ。

案内役もいないまま、たった1人で行ってしまったせいで、極楽寺・高良を全てだと思って肝心の本殿を見ないまま仁和寺の僧は帰ってしまったんだよね。

石清水八幡宮を参拝したことのある人などの、案内してくれる人と一緒に行けばこんな失敗はしなかったということから、
「ちょっとしたことにも案内役は欲しいものだ」と兼好法師は教訓として主張しているんだね。

「先達」は、ただの案内役というだけではなく、その道に先に通じていて、導いてくれる人という意味。
この話からは、ちょっとしたことでも、自分の思い込みだけで判断せず、そのことをよく知る人の助言を受けることが大切だという教訓も考えられるね。

徒然草「仁和寺にある法師」本文(原文)

徒然草より「仁和寺にある法師」
※( )は現代仮名遣い

【序段】
つれづれなるままに、日暮らし、
硯すずりに向かひ(い)て、心にうつりゆくよしなし事を、そこはかとなく書きつくれば、あやしう(しゅう)こそものぐるほ(お)しけれ。

【第52段】
仁和寺にある法師、年寄るまで石清水を拝まざりければ、心うく覚えて、あるとき思ひ(い)たちて、ただ一人、徒歩かちより詣もうでけり。
極楽寺・高良などを拝みて、かばかりと心得て帰りにけり。

さて、かたへ(え)の人にあひ(い)て、「年ごろ思ひ(い)つること、果たしはべりぬ。聞きしにも過ぎて、尊くこそおはしけれ。そも、参りたる人ごとに山へ登りしは、何事かありけん、ゆかしかりしかど、神へ参るこそ本意なれと思ひ(い)て、山までは見ず。」とぞ言ひ(い)ける。

少しのことにも、先達せんだつはあらまほしきことなり。
※「先達」は「せんだち」と読む場合もある。

「仁和寺にある法師」現代語訳(口語訳)

【序段】
とくにするべきこともなくて退屈たいくつなので、一日中硯すずりを前にして、心に浮かんでくるたわいもないことを次々になんとなく書きつけていくと、なんだか妙に狂ったような気持ちになる。

【第52段】
仁和寺にいた僧が、年をとるまで石清水八幡宮を参拝したことがないということを残念に思って、ある時に思い立って、たった1人で歩いて参拝しに行った。
(石清水八幡宮のある山のふもとの)極楽寺・高良などを参拝すると、「これくらいのものか」と思い込んで帰ってしまった。

さて、(仁和寺に)帰ってきた僧は、仲間の人に向かって「ずっと長い間思っていたこと(石清水八幡宮を参拝すること)ができた。(石清水八幡宮は)聞いていたよりも尊くあられた。それにしても、参詣に来た人々が山へ登っていったが、山の上にも何かがあったのだろうか?知りたかったけれど、神を参拝することが本来の目的なのだから、山の上までは見なかった」と言った。

ちょっとしたことでも、案内してくれる人はほしいものである。

「仁和寺にある法師」言葉や古語の意味

テストでは古語の読み方や意味を聞かれることもあるよ。
ここでは、「仁和寺にある法師」の中で使われている意味を紹介しているよ。

古語意味
つれづれすることがなく、たいくつなこと
日暮し一日中
心にうつりゆく心に浮かぶ
よしなし事たわいもないこと
そこはかとなくとりとめもなく・なんとなく
あやしう異常に・妙に
ものぐるほし何となく正気を失ったようだ・気が変になりそうだ
仁和寺京都市右京区御室にある、真言宗御室派の総本山。格式の高い寺院
法師僧
年寄る年をとる
石清水京都府八幡市の男山の山頂にある石清水八幡宮。
心うく残念
覚えて思って
徒歩徒歩
※「とほ」ではなく、「かち」と読むので注意!
極楽寺・高良男山の山麓にあった極楽寺と高良神社。高良神社は石清水八幡宮の摂社。
かばかりとこれだけのもの
心得て思い込んで
かたへの人仲間の人
年ごろ「としごろ」。長いあいだ。
果たしはべりぬ果たした
聞きしにも過ぎて聞いていたよりも
尊くこそおはしけれ尊くあられた
そもそれにしても
ゆかしかりしかど知りたかったが
本意本来の目的
※「ほんい」ではなく、「ほい」と読むので注意しよう!
先達「せんだつ・せんだち」。その道に先に通じていて、導いてくれる人
あらまほしあってほしい

「仁和寺にある法師」とは?

仁和寺というのは、宇多天皇以降、皇子・皇孫など皇室出身の人々が代々門跡もんぜき(住職)をつとめた格式かくしき高いお寺なんだ。 宇多天皇が家を出て仏の道に入ること。出家しゅっけした後に住んでいたこともあるんだって。

法師というのは、「僧」のこと。
「仁和寺にある法師」は、「仁和寺にいる僧」ということだよ。
格式の高い寺である仁和寺の僧が、こんな勘違いをしてしまうところにも、この話のおかしみがあるね。

仁和寺・石清水八幡宮・極楽寺・高良の位置関係

それぞれの寺社の位置関係をおさえておくと、お話を理解しやすくなるよ。

仁和寺は京都市右京区にあるお寺だよ。

仁和寺と石清水八幡宮の位置関係を表すイラスト

仁和寺から石清水八幡宮まではかなり距離があるよ。
僧は徒歩で参詣したので、「せっかく歩いて遠くまで行ったのに、肝心の本殿を見ずに帰ってきてしまった」ガッカリ感がより分かるね。

石清水八幡宮は、京都府八幡市にある男山の山上にあるよ。
麓(ふもと)には、極楽寺と高良神社があったんだ。高良神社は現在も石清水八幡宮の摂社として残っているよ。
※極楽寺は慶応4年(1868)1月、鳥羽・伏見の戦いの兵火で焼失して、現在は無いよ。

石清水八幡宮と極楽寺・高良の位置関係を表したイラスト

山頂の石清水八幡宮の本殿に行くには20分ほどかかるよ。
この位置関係を見ると、確かに何も知らない状態では、本殿を見落としてしまうかもしれないね。

「よしなし事」の意味

漢字だと、「由無よしなし事」と書くよ。「由」には「理由」とか、「内容」という意味があるんだ。だから「由無し事」は、「意味もないこと・たわいないこと」ということだね。

「そこはかとなく書きつくれば」の意味

「そこはかとなく」は「なんとなく・とりとめもなく」。
「書きつくれば」は「書きとめる」ということ。
思いついたことを、とりとめもなく紙に書きとめていくイメージだね。

「あやしうこそものぐるほしけれ」の意味

「あやしうこそ」は「なんとも妙なことに」という意味。
「ものぐるほし」は「物狂ものぐるおしい」ということで、「何となく正気を失ったようだ・気が変になりそうだ」という意味。
(思いついたことを書きとめていると)なんだか妙に狂ったような気持ちになる、と書いているんだね。

兼好法師がこの部分をどういう意味で書いたのかは、色々な説があるよ。

  • 思いついたことをなんとなく書くなんて、狂ったようなものだ(謙遜している)
  • 思いついたことを書いているうちに、気持ちが高ぶってくるような感覚を表している

というような考え方があるよ。

徒然草を書いている兼好法師のイラスト

「心うく覚えて」の意味

漢字だと「心憂く」と書くよ。「憂うれい」は「つらい・せつない・ゆううつ」という意味があるように、心がつらいので、「残念に思って」という意味になるんだ。

「かばかり」の意味

「かばかり」は、「この程度」とか、「このくらい」という意味。
仁和寺の僧が、極楽寺・高良を見て、「石清水八幡宮はこのくらいか」と思ってしまったということだね。

「かたへの人」の意味

「かたへ」は、漢字だと「片方かたえ」と書くよ。
セットになっているものの「もう片方」のように、「そばにあるもの、かたわらにあるもの」から、「仲間」という意味を持っているよ。

僧は、仁和寺に帰って、仲間の人に向かって話したんだね。

「そも」の意味

「そも」は、「それにしても」という意味。

石清水八幡宮の尊さを語ったあとに、話を変えるために「それにしても・ところで」という意味で使われているね。

「ゆかしかりしかど」の意味

「ゆかしかりしかど」は、「知りたかったが」という意味。

「人々が山の上に登るのはなぜか」を、知りたかったということだね。

「本意なれ」の意味

これは今でも「本意ほんい」という言葉を使うね。
本当の意図いと、つまり「本来の目的」ということ。

この「本意」について、仁和寺の僧の「本意とは何か、本文から抜き出しなさい」という問題が出たりするよ。

本文の「神へ参るこそ本意なれ」とあることから、「神へ参る(神様にお参りすること)」が僧の本意だね。

「先達はあらまほしきことなり」の意味

「先達せんだつ」は、「他の人より先にその道を進んでいる人・経験者」のこと。

「あらまほし」は「望ましい・ほしい」という意味。

仁和寺の僧は、石清水八幡宮が山の上にあることを知らなかったから、見ないまま帰ってしまったんだよね。
石清水八幡宮を参拝したことのある人(経験者)がいれば、誤解しないでちゃんと山の上の本殿を参詣することができたので、

(石清水八幡宮を参拝したことのある)経験者がいれば良かったのに、という意味になっているんだね。

ここでいう「先達」は、単なる観光の案内役というより、その道に先に通じていて、ほかの人を導いてくれる人という意味だよ。
だから、「少しのことにも、先達はあらまほしきことなり」からは、自分の思い込みだけで判断せず、よく知る人の助言を受けることが大切だという教訓も考えられるんだ。

※「先達」の読み方は基本的には「せんだつ」で、「せんだち」とも読む、という情報が多かったので、ここでは「せんだつ」とふりがなをふっているよ。

教科書によっては、「せんだち」とふりがながふっているものがあったり、両方をふっているものがあったりもするので、テストでは、どちらを書いてもマルとなるかとは思うけれど、授業で習ったとおりにするのが一番安心かな。

「仁和寺にある法師」話の内容とポイント

仁和寺の法師が石清水八幡宮へ参拝に出かけ、麓の極楽寺や高良神社を石清水八幡宮だと思い込み、山上の本殿を参拝せずに帰ってしまった話の流れと、「少しのことにも、先達はあらまほしきことなり」という教訓を整理した図。

何を「心うく覚えた」の?

仁和寺の僧が「心うく覚えた」のは、「年寄るまで石清水を拝まざりければ」とあるように、年をとるまで石清水八幡宮を参拝したことがないということ。

石清水八幡宮は平安時代の初めに創建され、皇室からも厚く崇敬された重要な神社なんだ。
そんな神社を年をとるまで参拝したことがないことを、僧は残念に思ったんだね。

何を「かばかり」と思ったの?

仁和寺の僧は、石清水八幡宮を参拝するつもりだったのに、山の麓にある極楽寺・高良などを見ただけで「石清水八幡宮はこのくらいだ(これで全てだ)」と思い込んでしまった、ということだね。

つまり、極楽寺・高良を「石清水八幡宮のすべて」と思ってしまったんだね。

「年ごろ思いつること」の内容は?

「年ごろ(長い間)思っていたこと」は、もちろん仁和寺の僧が「石清水八幡宮を参拝してみたい」と思っていたことだね。

なにが「尊くこそおはしけれ」なの?

「尊くこそおはしけれ」は、「尊くあられた」ということ。
仁和寺の僧が「尊い」と思ったのは、もちろん(石清水八幡宮だと誤解した)「極楽寺・高良」のことだね。

この何を尊いと思ったかについては、
僧は「石清水八幡宮」だと思っていること、でも実際には「極楽寺・高良」のことだということをおさえておこう。

なにを「ゆかしかりしかど」だったの?

「ゆかしかりしかど」は「知りたがったが」という意味だったね。

仁和寺の僧は、何を知りたかったのかというと、「どうして人々が山の上に登っていくのか」ということだね。

どうして僧は「山までは見ず」だったの?

人々が山の上に登っていく理由を知りたいと思ったそうだったけれど、結局山の上には登らなかった。

僧はすでに極楽寺・高良を石清水八幡宮だと思い込んでいたんだ。だから、「神へ参る」という本来の目的はもう果たしたと思い、山へ登るのは本来の目的ではないと勘違いして、山の上までは行かなかったんだね。
でも実際には、山の上に石清水八幡宮の本殿があるので、山へ登ることこそ参拝に必要だったんだ。

「仁和寺にある法師」で、法師が石清水八幡宮を参拝できたと思っていたことと、実際には麓の極楽寺・高良神社を参拝しただけで山上の本殿を見ていなかったことを対比した図。

なぜ「先達」が欲しいの??

先達は「その道に先に通じていて、導いてくれる人」なので、石清水八幡宮が山の上にあることも知っているよね。

そんな人がいれば、僧が極楽寺・高良を石清水八幡宮の全てだと誤解することもなく、ちゃんと山の上まで登って本殿を参拝することができたハズだよね。

「仁和寺にある法師」係り結び

「仁和寺にある法師」では、係り結びが使われているよ。
テストで出る確率が高いので、しっかりおさえておこう!

係り結びとは

係り結びは、文の中に「や」「か」「ぞ」「なむ」「こそ」などの係助詞かかりじょしがある場合に、それに対応して文末(結び)の活用語が「体言たいげん(名詞)に連なる活用形のこと。連体形れんたいけい」または「「すでにその事態になった」ということを表す活用形のこと。已然形いぜんけい」になる法則のこと。

係り結びを使うことで、その文や言葉を強めたり、疑問や言いたいことと反対の内容を疑問の形で述べる表現方法。例えば「こんなひどいことがあって良いのだろうか?」は、「こんなひどいことがあっては良くない」という考えと反対の内容をあえて疑問形にしている。反語はんごの意味を持たせることができるんだ。

係り結びの法則(ルール)

係り結びの法則は次の3通り。

①「や」「か」は疑問または反語の意味を持たせる係助詞で、文末は連体形で結ぶ。
②「ぞ」「なむ」は強める効果をもつ係助詞で、文末は連体形で結ぶ。
③「こそ」は強める効果をもつ係助詞で、文末は已然形で結ぶ。

たとえば、「あやしうこそものぐるほしけれ」は、③のパターンだね。

係助詞「こそ」に対応して、形容詞「ものぐるほし」が已然形の「ものぐるほしけれ」になっているんだ。

「仁和寺にある法師」の係り結びは?

この記事で掲載している序段と第52段には、係り結びが計5か所登場しているよ。
そのうち、第52段「仁和寺にある法師」には4か所あるんだ。

本文係助詞結び活用形意味
あやしうこそものぐるほしけれ
※序段
こそけれ形容詞「ものぐるほし」の已然形強意
尊くこそおはしけれこそけれ過去の助動詞「けり」の已然形強意
何事かありけんかけん過去推量の助動詞「けむ」の連体形疑問
神へ参るこそ本意なれこそなれ断定の助動詞「なり」の已然形強意
(山までは見ず)とぞ言ひけるぞける過去の助動詞「けり」の連体形強意
「仁和寺にある法師」第52段に出てくる「尊くこそおはしけれ」「何事かありけん」「神へ参るこそ本意なれ」「とぞ言ひける」の4つの係り結びを整理した図。

テストでは、「どこに係助詞が使われているか?」や、どういう意味(強意か・疑問か)、係助詞を抜き出すなどの問題が出ることがあるので、おさえておこう。

「仁和寺にある法師」テスト対策ポイントまとめ

「仁和寺にある法師」テスト対策ポイント

  • 徒然草は「鎌倉時代末期」に書かれた、「兼好法師」による「随筆作品」
  • 一般に日本三大随筆と呼ばれる作品は、他に清少納言の「枕草子」、鴨長明の「方丈記」
  • 係り結び
    第52段には4か所
    「尊くこそおはしけれ」(強意)
    「何事かありけん」(疑問)
    「(神へ)参るこそ本意なれ」(強意)
    (…山までは見ず。)とぞ言ひける(強意)
    ※序段の「あやしうこそものぐるほしけれ」(強意)も合わせると、この記事で掲載している本文には計5か所。
  • 作者の主張の箇所は「少しのことにも、先達せんだつはあらまほしきことなり。」
    意味は「ちょっとしたことでも、案内してくれる人はほしいものである。」という教訓。
  • 「徒歩(かち)」「本意(ほい)」「先達(せんだつ・せんだち)」の読みに注意する
  • 僧が「心うく覚えた(残念に思った)」のは、年をとるまで石清水八幡宮を参拝したことがないということ。
  • 僧が「かばかり(これだけか)」と思ったのは、極楽寺と高良を見て、「これが石清水八幡宮のすべて」と思ってしまったということ。
  • 「尊くこそおはしけれ(尊くあられた)」だったのは僧は「石清水八幡宮」と思っているが、実際は「極楽寺・高良」のこと。
  • 僧が「ゆかしかりしかど(知りたがった)」のは「なぜ人々が山の上に上るのか」。
  • 僧が「山までは見ず」なのは、すでに極楽寺・高良を石清水八幡宮だと思い込み、「神へ参る」という本来の目的は果たしたと勘違いしたから。
  • 「先達」とは、その道に先に通じていて、導いてくれる人のこと。僧が「ただ一人」で行ってしまったのが失敗の原因なので、先達がいれば石清水八幡宮の本殿を拝めたのに、ということを伝えている。

ここまで学習できたら、「仁和寺にある法師」テスト対策練習問題とドリルもあるので、ぜひチャレンジしてみてね!

「仁和寺にある法師(徒然草から)」テスト練習問題と過去問まとめ
【中学国語】兼好法師「徒然草『仁和寺にある法師』」漢字ドリル
【中学国語】兼好法師「徒然草『仁和寺にある法師』」語句・表現技法ドリル
【中学国語】兼好法師「徒然草『仁和寺にある法師』」内容理解ドリル
【中学国語】兼好法師「徒然草『仁和寺にある法師』」主題・表現効果ドリル

テスト対策を終えたたろうに、くまごろうがYouTubeの一問一答動画をすすめ、聞き流しでも復習できることを紹介する漫画。

参考文献・参考資料

  • 兼好法師『徒然草』第52段「仁和寺にある法師」
  • 総本山仁和寺「仁和寺の歴史」「仁和寺について」
  • 石清水八幡宮「石清水八幡宮にまつわる話―徒然草 第52段」
  • 八幡市「徒然草と八幡市」「高良神社」
  • 小学館『日本大百科全書』『デジタル大辞泉』「徒然草」

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運営者情報

青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。 ※サイト全体の運営実績についてはこちらにまとめています。「ゆみねこの教科書」は、ゆみねこの教科書教育メディア合同会社が運営しています。会社概要・事業内容については、コーポレートサイトをご覧ください。

感想や意見を聞かせてね

  1. 中二です。
    このサイトのおかげで国B満点取れました!
    ありがとうございます!
    出来れば係り結びの法則などの文法事項を書いてくれると、
    ありがたいです。
    よろしくお願いします。

    • haru1087 さん
      おめでとうございます!!
      中学の国語での満点は難しいのに凄いですね!!
      とても嬉しいです。
      係り結びの法則についてですね。
      追記していきますね

  2. サイト制作お疲れ様です。
    このサイトに利用されている2枚の絵(冒頭とあらすじ説明の2枚のこと )
    は yuminekoさんが制作したものなのでしょうか?
    とても分かりやすい絵に感動して質問させてもらいました。

  3. サイト制作お疲れ様です。
    このサイトに利用されている2枚の絵(冒頭とあらすじ説明の2枚のこと )
    は yuminekoさんが制作したものなのでしょうか?
    とても分かりやすい絵に感動して質問させてもらいました。

    • 千長京 さん

      ありがとうございます!
      はい、どちらもオリジナルで描かせていただいています。
      少しでも分かりやすくなったり、子供たちが興味を持てるようになれば・・と
      思って描いているので、そんな風に言っていただけてとても嬉しいです!
      本当にありがとうございます。

  4. サイト制作お疲れ様です。
    このサイトに利用されている2枚の絵(冒頭とあらすじ説明の2枚のこと )
    は yuminekoさんが制作したものなのでしょうか?
    とても分かりやすい絵に感動して質問させてもらいました。

    • 千長京 さん

      ありがとうございます!
      はい、どちらもオリジナルで描かせていただいています。
      少しでも分かりやすくなったり、子供たちが興味を持てるようになれば・・と
      思って描いているので、そんな風に言っていただけてとても嬉しいです!
      本当にありがとうございます。

      • 本当にありがとうございます。
        使わせてもらえたからには最大限に有効活用させてもらいます。
        今後のブログ活動頑張ってください。楽しみにしています。

        • 千長京 さん
          お役に立ててうれしいです。
          ありがとうございます。これからも頑張ります!

          • 中2女子です!係り結びが全くわからなかったのがこのサイトを見てとてもわかりました!
            「や」「か」「ぞ」「なむ」「こそ」の覚え方などが載っていたらよりわかりやすいかなと思いました。参考までに、よろしくお願いします!明日の国語のテスト、頑張ってきます!

  5. 返信ありがとうございます。
    突然ですが私は学生なのですが自分の発表時にあなた様の絵を引用したいのですがいいでしょうか?
    もし使わせてもらうとしたらもちろん営利目的に利用しませんし しっかりとこのサイトのURLを貼ります。

  6. 本当にありがとうございます。
    使わせてもらえたからには最大限に有効活用させてもらいます。
    今後のブログ活動頑張ってください。楽しみにしています。

    • 千長京 さん
      お役に立ててうれしいです。
      ありがとうございます。これからも頑張ります!

  7. すごいわかりやすいです!教科書が学校のと同じなので、テストの時はとっても役立っています。ぜひこれからもいろんな教科を解説してほしいです!!

  8. とてもわかりやすくて参考になりました。ありがとうございます!!できれば他の教科の解説もしていただけると助かります

    • Xemeasさん

      お役に立てて嬉しいです!
      現在は小学校1年生から随時記事を追加中です。
      できるだけ早く中学の他の教科も追加していけるよう、頑張りますね!

  9. 今日はテストでした
    古典の範囲が、ずっと心配だったのですが、ここを見つけて、説明を読んで、過去問とかをやったおかげで、スラスラと問題を解くことができました!
    ありがとうございます!
    これからもよろしくおねがいします!

    • 名無しさん

      テストお疲れ様でした!
      古典は苦手という方が多いですよね。
      お役にたつことができてとても嬉しいです。

      • めっちゃ感謝ですっ!
        じつは、国語で98点、取ることができたんです!
        今までの最高が94点だったので、めちゃくちゃうれしいです!
        ありがとうございました!

        • 名無しさん

          98点!!!
          素晴らしいですね!!おめでとうございます!
          中学の国語で98点は本当にすごいです。(学年トップクラスですよね)
          当サイトが少しでもお役にたてていたら、何より嬉しいです。
          こちらこそ嬉しいご報告ありがとうございます。

          • ありがとうございます!
            これからもこのサイトを使って、最高記録を更新していきたいです(笑)

  10. おかげさまで今回の定期試験で過去最高の点数を取ることができました!本当にありがとうございます!これからもよろしくお願いします!

    • 定期試験お疲れ様でした!
      過去最高得点、おめでとうございます。
      お役に立ててとてもうれしいです。

      嬉しいご報告ありがとうございます!

  11. 仁和寺にある法師の終盤の「山までは見ず。」とぞ言ひける。の、「ぞ~ける」も係り結びではないでしょうか。

    • kokoroさん

      ご指摘ありがとうございます。
      確かにそちらも係り結びですね。
      本文を修正しておきます。
      お知らせいただきとても助かりました!本当にありがとうございます。

  12. 中2です!
    これのお陰で無事国語のテスト100点を取れました!
    ありがとうございます!いつも助かってます!

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