森鴎外「最後の一句」をわかりやすく解説!あらすじ・いちの言葉・主題
森鴎外「最後の一句」は、父の命を助けるために、長女のいちが自分たち子どもの命を差し出そうとする物語だよ。
この作品では、いちの献身と、役人たちを動揺させた「お上のことにはまちがいはございますまいから」という言葉が大きなポイントになるんだ。
この記事で分かること
- 「最後の一句」のあらすじ
- 登場人物の関係
- 太郎兵衛が死罪になりかけた理由
- いちが願書を書いた理由
- 「お上のことにはまちがいはございますまいから」の意味
- 「献身のうちに潜む反抗」とは何か
- この作品の主題
目次
1. 「最後の一句」の基本情報
| 作品名 | 最後の一句 |
|---|---|
| 作者 | 森鴎外 |
| ジャンル | 歴史小説 |
| 時代設定 | 江戸時代・元文三年ごろ |
| 舞台 | 大阪 |
| 中心人物 | 桂屋太郎兵衛の長女・いち |
| 大きなテーマ | 親を思う子の献身と、権力への静かな反抗 |
「最後の一句」は、江戸時代の大阪を舞台にした歴史小説だよ。
父を助けたいと願う娘いちの行動を通して、人間の強い意志や、権力に対する静かな抵抗が描かれているんだ。
たろうタイトルの「最後の一句」って、どの言葉のこと?
くまごろういちが佐佐に向かって言った「お上のことにはまちがいはございますまいから」という言葉のことだよ。この一言が、役人たちの心を大きく揺さぶるんだ。
2. テストで特に重要な登場人物

「最後の一句」は登場人物が多い作品だけれど、テスト対策ではまず次の3人を強く押さえよう。
| 人物 | 説明 | テストでのポイント |
|---|---|---|
| 桂屋太郎兵衛 | 大阪の船乗り業。難船後の残り荷を売った金を受け取ったことで死罪になりかける。 | 事件の原因となる人物。 |
| いち | 太郎兵衛の長女。十六歳。父を助けるため、自分たち子どもの命を差し出す願書を書く。 | 作品の中心人物。献身と反抗を体現する。 |
| 佐佐又四郎成意 | 西町奉行。いちの願書と最後の言葉に強い衝撃を受ける。 | いちの言葉によって動揺する権力側の人物。 |
そのほかの人物も、物語の流れを理解するうえで大切だよ。
| 人物 | 説明 |
|---|---|
| まつ | 太郎兵衛の二女。十四歳。いちに連れられて奉行所へ行く。 |
| 長太郎 | 十二歳の男子。太郎兵衛の実子ではないが、家の跡取りとして育てられている。 |
| とく | 八歳の娘。取り調べで恐ろしさのあまり涙をためる。 |
| 初五郎 | 六歳の末子。死んでもよいかと問われ、首を横に振る。 |
| 太郎兵衛の女房 | 夫の入牢後、悲しみと悔恨の中で暮らしている。 |
| 平野町のおばあ様 | 太郎兵衛の女房の母。太郎兵衛の運命が決まったことを知らせに来る。 |
いちの年齢は、本文では十六歳とされているよ。ただし、テストでは年齢そのものよりも、長女であり、父を助けるために自分で考えて行動した人物であることが重要なんだ。
3. 「最後の一句」のあらすじ

「最後の一句」の流れは、次の4段階で押さえると分かりやすいよ。
- 太郎兵衛の事件
- いちの願書
- 奉行所でのやり取り
- 最後の一句
大阪の船乗り業である桂屋太郎兵衛は、難船後に残った米を売った金を受け取ったことで訴えられ、死罪に処せられることになるんだ。
父の死罪を知った長女いちは、父を助けるために願書を書くよ。その内容は、父の命を助ける代わりに、自分たち子どもを処罰してほしいというものだったんだ。
いちは妹のまつ、弟の長太郎とともに奉行所へ行き、願書を差し出そうとするよ。門番に追い返されそうになっても、いちは帰らないんだ。
その後、いちは奉行所で取り調べを受けるよ。責め道具を見せられても、いちは少しも動揺せず、自分の考えで願書を書いたことをはっきり答えるんだ。
そして、「父の顔を見ることはできないが、それでもよいか」と問われたとき、いちは「お上のことにはまちがいはございますまいから」と言うよ。
この言葉が、作品の題名にもなっている「最後の一句」なんだ。
いちの願いは、役人たちには理解しがたいものとして受け取られるよ。けれど結果的に、太郎兵衛の刑は延期され、のちに死罪は赦免されるんだ。
あらすじを一言でいうと
父を助けるために命を差し出そうとした娘いちの献身と、その最後の言葉が役人たちに与えた衝撃を描いた物語だよ。
4. 太郎兵衛はなぜ死罪になりかけたのか
太郎兵衛が死罪になりかけた理由は、短くいうと、難船後の残った米を売った金を受け取ったことなんだ。
太郎兵衛は、船を持って運送の仕事をしていたよ。太郎兵衛自身が船に乗るのではなく、船頭の新七を使っていたんだ。
あるとき、新七の船が秋田から米を積んで出帆するよ。けれど船は航海中に風波の難にあい、積み荷の多くを失ってしまうんだ。
新七は、残った米を売って金にし、それを大阪へ持ち帰るよ。そして太郎兵衛に、「この金は米の持ち主に返さなくてもよい。次の船を仕立てる費用にしよう」と持ちかけるんだ。
太郎兵衛は、それまで正直に仕事をしていたよ。けれど大きな損失のあと、目の前に現金を出され、「ふと良心の鏡が曇って」その金を受け取ってしまうんだ。
たろう「良心の鏡が曇る」ってどういう意味?
くまごろう正しい判断をする心が、一時的に弱くなったということだね。太郎兵衛は悪いことだと分かりながら、金を受け取ってしまったんだ。
その後、米の持ち主が調査し、残り荷を売った金が太郎兵衛に渡ったことを突き止めるよ。新七は逃げ、太郎兵衛が入牢し、とうとう死罪になることになったんだ。
太郎兵衛の事件の流れ
- 新七の船が難船する。
- 残った米を新七が売る。
- 新七が太郎兵衛に金を渡す。
- 太郎兵衛は「良心の鏡が曇って」その金を受け取る。
- 米の持ち主が訴える。
- 新七は逃げ、太郎兵衛が死罪になりかける。
5. いちはなぜ願書を書いたのか

太郎兵衛が死罪になることを、平野町のおばあ様が家族に知らせに来るよ。
この話を、長女いちは襖の陰で聞いていたんだ。
その夜、いちは布団の中で考えるよ。そして、父を助けるために願書を書くことを思いつくんだ。
願書の内容は、父の命を助ける代わりに、自分と妹のまつ、とく、弟の初五郎を処罰してほしいというものだったよ。
ただし、長太郎だけは実子ではなく、家の跡取りとして残すべきだと考え、最初の願書では助けてほしいと書いているんだ。
ここから分かるのは、いちがただ感情的に行動しているのではなく、家のことや兄弟の立場まで考えているということなんだよ。
いちの願書の内容
- 父・太郎兵衛の命を助けてほしい。
- その代わり、自分たち子どもを処罰してほしい。
- 長太郎は実子ではなく跡取りなので、助けてほしい。
その後、長太郎は、自分も兄弟と一緒に死にたいと言い、自分の願書もいちに書かせるよ。このことから、長太郎も太郎兵衛を父として深く思っていることが分かるんだ。
6. 奉行所でのいちの態度
いちは、まつと長太郎を連れて奉行所へ向かうよ。
門番に追い返されそうになっても、いちは帰らないんだ。門の前にしゃがみ込み、願いを聞いてもらうまで帰らない態度を示すよ。
この時点で、いちには強い覚悟があることが分かるよね。
やがて願書は奉行に見られるけれど、奉行の佐佐は、子どもが本当に自分で書いたのかを疑うんだ。
そこで、白州に責め道具を並べ、子どもたちをおどして本当のことを言わせようとするよ。
しかし、取り調べを受けたいちは、少しもおびえた様子を見せないんだ。自分で願書を書き、自分の考えで行動したことを、はっきり答えるよ。
この場面では、まつ、とく、初五郎がそれぞれ子どもらしい反応を見せるのに対して、いちはとても冷静なんだ。
特に、責め道具を指さされても、いちは少しもためらわず、自分の言葉に間違いはないと言い切るよ。
ここで重要なのは、いちの態度が子どもらしい恐怖ではなく、大人を動揺させるほどの冷静さとして描かれていることなんだ。
7. 「最後の一句」とは何か

作品の題名になっている「最後の一句」とは、いちが佐佐に向かって言った次の言葉だよ。
お上のことにはまちがいはございますまいから
この言葉は、一見すると「お上のすることに間違いはないでしょう」という、役人への信頼や従順さを表しているように見えるよね。
でも、この言葉には、単なる従順さだけではない鋭さがあるんだ。
いちは、「父の代わりに自分たちが殺されることになってもよいか」と問われたときに、この言葉を答えているよ。
つまり、いちは「お上が決めることなら、たとえ子どもを殺すことになっても、それはまちがいのない正しい判断なのですね」と、役人たちの判断を逆に試すように言っているんだ。
表面上はお上を信じる言葉でありながら、実際にはお上の判断の正しさを問い返す言葉になっているところが重要なんだよ。
たろういちは反抗しているようには見えないけど、反抗になっているの?
くまごろうそうなんだ。いちは乱暴に逆らってはいない。でも、「お上はまちがえないはず」という言葉で、役人たちの判断の重さを突きつけているんだよ。
「最後の一句」の意味
表面上はお上への信頼を示しながら、実際には「子どもを殺す判断も本当に正しいのか」と、権力の判断を鋭く問い返す言葉なんだ。
8. いちの言葉が役人たちに与えた衝撃
いちの「お上のことにはまちがいはございますまいから」という言葉を聞いた佐佐は、驚くよ。
本文では、佐佐の顔に「不意打ちに会ったような、驚愕の色」が見えたと描かれているんだ。
佐佐は、いちを単なるかわいそうな孝行娘としては見なかったんだ。また、人に教えられたおろかな子どもとしても見なくなるよ。
佐佐の心に残ったのは、いちの最後の言葉の鋭さだったんだ。
いちの言葉は、役人たちの権力や判断を、正面から責めてはいないよ。けれど、結果として役人たちの胸を刺すものになったんだ。
それは、いちの言葉が、権力の正しさを逆に問い返すような力を持っていたからなんだよ。
9. 「献身のうちに潜む反抗」とは

本文の終わり近くには、いちの行動について、「献身のうちに潜む反抗」という意味の説明があるよ。
「献身」とは、自分を犠牲にして、だれかのために尽くすことなんだ。
いちは父を助けるために、自分の命を差し出そうとしたよ。これは、父への強い愛情から生まれた献身なんだ。
でも、その献身はただの親孝行では終わらないんだ。
いちが「お上のことにはまちがいはございますまいから」と言ったことで、役人たちは、自分たちの判断が本当に正しいのかを突きつけられるよ。
つまり、いちの献身の中には、権力の正しさを問い返す反抗が潜んでいたんだ。
献身のうちに潜む反抗
父を助けるために自分の命を差し出そうとする献身が、結果的に「お上の判断は本当に正しいのか」と権力に問いかける反抗になっていることだよ。
10. 「最後の一句」の主題
「最後の一句」の主題は、父を助けようとする子どもの親孝行だけではないんだ。
もちろん、いちの行動には、父を思う強い気持ちがあるよ。
でもこの作品でより重要なのは、いちの純粋な献身が、役人たちの権力や判断を揺さぶったことなんだ。
いちは、武器を持って争ったわけでも、大声で抗議したわけでもないよ。
それでも、静かで冷ややかな一言によって、役人たちに「自分たちの判断は本当に正しいのか」と思わせたんだ。
つまり、この作品は、弱い立場の人間の純粋な心や強い意志が、権力を動揺させることがあるということを描いているんだよ。
「最後の一句」の主題
父を思ういちの献身と、その中に潜む権力への静かな反抗を通して、人間の精神の強さを描いているんだ。
11. 重要語句の意味
「最後の一句」には、江戸時代の制度や役職、古い言い回しがたくさん出てくるよ。語句は、本文に出てくる順に確認していこう。
| 語句 | 意味 |
|---|---|
| 元文三年 | 江戸時代の年号。物語の出来事が起こった年を表しているよ。 |
| 木津川口 | 大阪にある地名。太郎兵衛がさらされる場所として出てくるよ。 |
| さらした | 罪人を人々の前に見せること。江戸時代の刑罰に関係する言葉だよ。 |
| 斬罪 | 首を切る刑罰。死罪の一種。 |
| 高札 | 法令や知らせを書いて、人々に見える場所に立てた札。 |
| 南組 | 江戸時代の大阪の町の区分の一つ。桂屋の家がある地域として出てくるよ。 |
| 堀江橋 | 大阪の地名。桂屋の家の場所を示す言葉として出てくるよ。 |
| 平野町 | 大阪の地名。太郎兵衛の女房の母が住んでいる場所として出てくるよ。 |
| 媼 | 年を取った女性。本文では平野町のおばあ様を指しているよ。 |
| 入牢 | 牢に入れられること。 |
| 裕福 | 暮らしにゆとりがあること。平野町の里方の様子を表しているよ。 |
| 里方 | 妻の実家のこと。本文では太郎兵衛の女房の実家を指しているよ。 |
| 乏しい | 少ないこと。不足していること。 |
| 和睦 | 争いをやめて仲直りすること。 |
| 厄難 | 災難。苦しい出来事。 |
| 悔恨 | 自分のしたことを悔やむ気持ち。 |
| 悲痛 | 非常に悲しく、つらいこと。 |
| 器械的 | 感情をこめず、決まった動作のように行う様子。 |
| 茫然 | 気が抜けたように、ぼんやりすること。 |
| 繰り言 | 同じような不満や悲しみを、何度もくり返して言うこと。 |
| 北国通い | 北国方面へ行き来すること。本文では、北国方面へ運送する船に関係しているよ。 |
| 居船頭 | 自分では船に乗らず、船を持って船頭を使う人のこと。 |
| 沖船頭 | 実際に船に乗って航海する船頭のこと。 |
| 出羽の国 | 今の山形県・秋田県あたりにあたる昔の国名。 |
| 出帆 | 船が港を出発すること。 |
| 半難船 | 船が完全に沈むほどではないが、大きな損害を受けた状態。 |
| 横み荷 | 船に積んだ荷物のこと。本文では米の積み荷を指しているよ。 |
| 米主 | 米の持ち主のこと。 |
| 金高 | 金額のこと。 |
| 願書 | 願いごとを書いて差し出す文書。 |
| 手習い | 文字を書く練習のこと。 |
| おしおき | 罪に対する罰のこと。本文では処罰の意味で使われているよ。 |
| 一番鶏 | 夜明け前に最初に鳴く鶏のこと。 |
| 二番鶏 | 一番鶏のあとに鳴く鶏のこと。夜明けが近い時間を表しているよ。 |
| 霜の暁 | 霜が降りるほど寒い明け方のこと。 |
| 提灯 | 中に火をともして使う、昔の明かり。 |
| 拍子木 | 打ち鳴らして音を出す木の道具。夜回りが合図などに使うよ。 |
| 夜回り | 夜に町を見回る人。火事や盗難を防ぐ役割があったよ。 |
| 月番の西奉行所 | その月の担当になっている西町奉行所のこと。 |
| 町奉行 | 江戸時代に、町の行政や裁判を担当した役人。 |
| 稲垣淡路守種信 | 当時の東町奉行の名前。本文では、佐佐と並ぶ奉行として出てくるよ。 |
| 佐佐又四郎成意 | 当時の西町奉行の名前。いちの願書を扱い、最後の一句に衝撃を受ける人物だよ。 |
| 四十がっこう | 四十歳くらい、という意味。門番の年ごろを表しているよ。 |
| 上 | ここでは「お上」のこと。幕府や役所など、支配する側の権力を指しているよ。 |
| 貫の木 | 門を閉めるために横に通す木のこと。本文では門が開く場面に出てくるよ。 |
| 支えとどめよう | 相手を止めようとすること。本文では、門番がいちたちを止めようとする場面に関係するよ。 |
| 詰所 | 役人などが待機している場所。 |
| 詰め衆 | 詰所にいて勤務している役人たちのこと。 |
| 与力 | 奉行を補佐する役人。 |
| 城代 | 城を預かり、その地域の政治や軍事を担当する役職。 |
| 公事 | 訴訟や裁判のこと。本文では太郎兵衛の事件に関係しているよ。 |
| 目安箱 | 庶民の訴えや願いを入れさせるために設けられた箱。 |
| 内見する | 正式に受け取る前に、まず中身を見ること。 |
| 横着者 | ずるい者。怠けたり、ごまかしたりする者。 |
| 所為 | しわざ。ある人がしたこと。 |
| 情偽 | 本当かうそかということ。事情にいつわりがあるかどうかを表す言葉だよ。 |
| 町年寄 | 町の代表として、町政や役所とのやり取りを担った有力な町人。 |
| すかす | なだめたり、機嫌を取ったりして相手を動かそうとすること。 |
| 太田備中守資晴 | 当時の城代の名前。佐佐から相談を受ける人物として出てくるよ。 |
| 責め道具 | 拷問に使う道具。奉行所では、いちたちをおどして本当のことを言わせるために並べられた。 |
| 御意 | 目上の人の言うこと。また、目上の人に対して「その通りでございます」と答える言葉。 |
| 情のこわい娘 | 心が強く、簡単には動かされない娘という意味。いちの覚悟の強さを表しているよ。 |
| 未の下刻 | 昔の時刻の表し方。現在の午後2時から3時ごろにあたる時間帯。 |
| 白州 | 江戸時代の奉行所などで、取り調べを行う場所。 |
| 書院 | 武家屋敷などにある、正式な部屋。本文では奉行たちが座っている場所として出てくるよ。 |
| 書き役 | 取り調べの内容などを書き記す役の人。 |
| 同心 | 与力の下で働く下級役人。 |
| 三つ道具 | 江戸時代に捕り物などで使われた三種類の道具。ここでは奉行所の厳しい雰囲気を表しているよ。 |
| 拷問 | 苦痛を与えて、白状させようとすること。 |
| かつがつ | やっとのことで。どうにか。 |
| ちと | 少し。ちょっと。 |
| 臆する | おじけづくこと。怖がってためらうこと。 |
| 陳述 | 自分の知っていることや考えを述べること。 |
| 手跡 | 筆跡。書いた文字の形。 |
| 唇 | くちびる。本文では、とくが恐ろしさで唇の血色を失う場面に出てくるよ。 |
| かぶり | 頭のこと。「かぶりを振る」は、首を横に振るという意味。 |
| 覚えず | 思わず。無意識に。 |
| たゆたわず | 少しもためらわず。 |
| 驚愕 | 非常に驚くこと。 |
| 憎悪 | 強く憎む気持ち。 |
| 生い先 | これから先の将来。 |
| 教唆 | 人をそそのかして、悪いことをさせること。 |
| マルチリウム | 殉教を意味する西洋語。信念のために命をささげることに関係する言葉だよ。 |
| 献身 | 自分を犠牲にして、だれかのために尽くすこと。 |
| 矛先 | 本来は「矛(ほこ)の先端部分」を指し、転じて「非難や攻撃が向かう対象や方向」を意味する言葉。 |
| 物でも憑いて | 何か得体の知れないものに取りつかれているように見えること。 |
| 元始的 | 発達しておらず、まだ初期の段階にある様子。 |
| 貫徹 | 最後までやり通すこと。本文では、いちの願いが結果的に通ったことに関係するよ。 |
| 江戸へ伺い中日延べ | 江戸に判断をうかがっている間、刑の執行を延期するということ。 |
| 大嘗会 | 天皇が即位後に行う重要な儀式の一つ。 |
| ご執行相成り候て | 「執り行われたので」という意味の、古い公的な言い方。 |
| 日限も相立たざる儀につき | 日数がまだ十分にたっていないため、という意味の古い言い方。 |
| 死罪御赦免仰せいだされ | 死罪を許すと命じられた、という意味。 |
| 大阪北、南組、天満の三口お構い | 大阪の北組・南組・天満の三つの地域に入ることを禁じる処分。 |
| 貞享 | 江戸時代の年号。大嘗会の説明で出てくるよ。 |
| 東山天皇 | 江戸時代の天皇。大嘗会の説明で出てくるよ。 |
| 盛儀 | 盛大で重要な儀式。 |
| 桜町天皇 | 江戸時代の天皇。本文では、大嘗会を挙行した天皇として出てくるよ。 |
12. 新出漢字
「最後の一句」で出てくる新出漢字を確認しよう。漢字だけでなく、本文に出てくる言葉と結びつけて覚えると、テストでも答えやすくなるよ。
| 新出漢字 | 読み方の例 | 本文に関係する言葉・覚え方 |
|---|---|---|
| 斬 | ざん | 斬罪。首を切る刑罰を表す言葉に使われているよ。 |
| 房 | ぼう | 女房。太郎兵衛の妻を表す言葉として出てくるよ。 |
| 慕 | したう | 慕う。子どもたちがおばあ様を慕う場面に関係するよ。 |
| 裕 | ゆう | 裕福。ゆとりがあることに関係する漢字だよ。 |
| 乏 | とぼしい | 乏しい。おみやげが少なくなった様子に関係するよ。 |
| 闘 | とう | 争闘。子どもたちの小さな争いを表す言葉に使われているよ。 |
| 睦 | ぼく | 和睦。争いのあとに仲直りすることを表す言葉だよ。 |
| 帆 | ほ | 出帆。船が出発することを表す言葉に使われているよ。 |
| 訴 | うったえる | 訴える。米主が大阪へ出て訴えたことに関係するよ。 |
| 奉 | ほう/ぶ | 奉行。江戸時代の役人の職名に使われているよ。 |
| 暁 | あかつき | 霜の暁。夜明けごろを表す言葉として出てくるよ。 |
| 貫 | かん | 貫の木。門を閉める横木を表す言葉に使われているよ。 |
| 詰 | つめる | 詰所・詰め衆。役人が控えている場所や人に関係するよ。 |
| 懐 | ふところ | 懐中。いちが願書を懐中から出す場面に関係するよ。 |
| 願 | ねがう/がん | 願書。父を助けるために、いちが書いた文書だよ。 |
| 伺 | うかがう | 伺う。上役に判断を求める場面に関係するよ。 |
| 趣 | しゅ | 趣意。考えやねらいという意味で使われる言葉だよ。 |
| 偽 | いつわる/ぎ | 情偽。うそやいつわりがあるかを疑う場面に関係するよ。 |
| 執 | しつ | 執行。刑を実際に行うことを表す言葉に使われているよ。 |
| 控 | ひかえる | 控える。役人が入り口に控える場面などに関係するよ。 |
| 遺 | い | 遺(のこ)る・遺(のこ)す。あとに残るという意味をもつ漢字だよ。 |
| 拷 | ごう | 拷問。責め道具と関係する、取り調べの厳しさを表す漢字だよ。 |
| 臆 | おく | 臆する。いちは少しも臆する様子を見せなかったんだ。 |
| 陳 | ちん | 陳述。取り調べで、いちが一部始終を述べる場面に関係するよ。 |
| 唇 | くちびる | 唇。とくが恐ろしさで唇の血色を失う場面に出てくるよ。 |
| 憎 | にくむ/ぞう | 憎悪。佐佐の目つきの描写に関係する言葉だよ。 |
| 徹 | てつ | 貫徹。いちの願意が結果的に通ることを表す言葉に使われているよ。 |
| 赦 | しゃ | 赦免。太郎兵衛の死罪が許されることを表す言葉に使われているよ。 |
13. テスト対策ポイントまとめ
最後に、「最後の一句」のテストで問われやすいポイントをまとめるよ。
「最後の一句」テスト対策ポイント
- 作者は森鴎外である。
- 舞台は江戸時代の大阪である。
- 太郎兵衛は、難船後の残った米を売った金を受け取ったことで訴えられ、死罪になりかけた。
- 太郎兵衛は、もともと正直に営業していたが、大きな損失のあと「良心の鏡が曇って」金を受け取ってしまった。
- 長女いちは、十六歳である。
- いちは、父を助けるために、自分たち子どもの命を差し出す願書を書いた。
- いちは、長太郎を実子ではなく跡取りであると考え、最初は助けようとした。
- 長太郎は、自分も兄弟と一緒に死にたいと願書を書かせた。
- 奉行所では、いちの願書が本当に子どもの考えによるものか疑われた。
- 白州には責め道具が並べられ、いちをおどして本当のことを言わせようとした。
- いちは少しもたゆたわず、自分の言葉に間違いはないと答えた。
- 「最後の一句」は「お上のことにはまちがいはございますまいから」である。
- この言葉は、表面上はお上への信頼を示しているが、実際にはお上の判断の正しさを鋭く問い返している。
- いちの献身の中には、権力への静かな反抗が潜んでいる。
- この作品は、人間の精神の強さと、弱い立場の人間が権力を動揺させる力を描いている。
テスト対策問題にも挑戦して、内容理解を深めよう!
ドリルにも挑戦して、漢字・語句・内容・主題を確認しよう!
「最後の一句」漢字ドリル
「最後の一句」語句ドリル
「最後の一句」内容理解ドリル
「最後の一句」主題・表現効果ドリル
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青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。 ※サイト全体の運営実績についてはこちらにまとめています。

