島崎藤村「初恋」要点を解説(期末テスト対策ポイントまとめ)

中学3年国語で学ぶ島崎藤村作「初恋」の現代語訳、言葉の意味や詩の内容、詩の形式など、定期テストで必要になるポイントをくわしく解説します。

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島崎藤村「初恋」要点を解説 (期末テスト対策ポイントまとめ)

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目次【本記事の内容】

「初恋」基本情報

「初恋」基本情報

作者:島崎藤村しまざきとうそん
詩の形式:文語定型詩ぶんごていけいし
詩のリズム:七五調しちごちょう
構成:四つのれんからなっている。
詩の内容:少年と少女の甘くみずみずしい恋の様子

「初恋」全文

島崎藤村「初恋」

まだあげめし前髪の
林檎りんごのもとに見えしとき
前にさしたる花櫛はなぐし
花ある君と思ひけり

やさしく白き手をのべて
林檎りんごをわれにあたへしは
薄紅うすくれなゐの秋の実に
人こひめしはじめなり

わがこころなきためいきの
その髪の毛にかかるとき
たのしき恋のさかずき
君がなさけみしかな

林檎畠のの下に
おのづからなる細道は
みそめしかたみぞと
ひたまふこそこひしけれ

テスト対策ポイント①
詩の形式・リズムについて

詩の形式とは?

詩の「形式」というのは、つまり「どんなきまりで詩が書かれているか?」ということ。

この「きまり」は、次の2つで分かれるんだ。

  1. 使う言葉
  2. 文字数のきまりがあるかないか
くまごろうくまごろう

それぞれくわしく説明するよ。

①使う言葉で分ける【口語と文語】

詩で使われている言葉が、「今の日本で普通に使われている話し言葉」なのか、それとも「昔の書き言葉」なのかで分けるよ。

「今の日本で普通に使われているような話し言葉」のことを口語こうごといって、「昔使われていた書き言葉」のことを文語ぶんごというんだ。

文語と口語の違いと見分け方についてのイラスト
たろうたろう

「初恋」に使われている言葉は、
「花ある君に思ひけり」とか「君が情に酌みしかな」というように、とてもじゃないけど「今の日本で普通に使われている話し言葉」ではないよね。

くまごろうくまごろう

そうだね。
「初恋」は、「昔の書き言葉」で書かれている詩なんだ。
だから、「文語」だね。

②文字数のきまりがあるかないか【定型詩とは】

詩には、「○文字で書く(きまりがある)」とか、「文字の数は気にしないで自由に書く(きまりがない)」というように、きまりの違いや、あるなしによって「形式」が分かれるんだ。

「○文字で書く(きまりがある)」詩を、定型詩ていけいしと呼ぶ よ。
「型(文字数)が定まっている(きまりがある)」から定型詩だね。

くまごろうくまごろう

「初恋」の詩には、文字数のきまりはありそうかな?

たろうたろう

まだあげそめし(7文字)
まえがみの(5文字)
りんごのもとに(7文字)
みえしとき(5文字)・・
7文字と5文字がくりかえされているね。

くまごろうくまごろう

そうだね。
文字の数に、一定のきまりがあるから、「初恋」は「定型詩」 だよ。
さらに、使われている言葉は「文語」だったよね。
だから、「初恋」の詩の形式は文語定型詩ぶんごていけいし ということ。

この「文語定型詩」については、テストではほぼ出るといってもいいくらいなので、絶対に覚えておこう!

詩のリズムとは【七五調しちごちょう】とは

詩のリズムも、「形式」のひとつ。

例えば俳句や短歌は、「5・7・5」とか「5・7・5・7・7」というように一定の文字の数がくりかえされたり、組み合わされたりするよね。

こうすることで、リズム感が出るからだね.

詩もおんなじで、リズム感を出すために一定の文字数をくりかえしたり、組み合わせたりするんだ。

たろうたろう

「初恋」は、7文字と5文字の組み合わせになっていたよね。

くまごろうくまごろう

7文字と5文字の組み合わせを七五調しちごちょうと呼ぶ よ。

テスト対策ポイント②
使われている言葉の意味について

「初恋」は「昔の書き言葉」で書かれた詩だよね。

だから、今の太郎くんたちにはなじみのない言葉が登場しているよ。

テストでは、その言葉の意味を聞かれたりするので、しっかり確認しておこう。

「まだあげめし前髪」とは

「初恋」が書かれたのは明治時代。昔の日本では、女の子が12歳くらいになると、「大人の女性の仲間入り」ということで、髪を結い上げるんだ。

明治時代の少女の髪の結い上げのイラスト

「まだあげ初めし」とは、「まだいはじめたばかり」ということ。

「初恋」に出てくる「君」は、まだ髪を結いあげはじめたばかりの「おさなさが残る少女」ということだね。

「こころなきためいき」とは

「こころない」というと、今だったら「冷たい・非情ひじょう」というような意味に感じてしまうよね。

でも、昔の「こころなき」は、「無意識に」とか「ふと」という意味なんだ。
「心がない=意識せず」ということだね。

なので、「こころなきためいき」は、「無意識に出た、ためいき」とか、「ふともれた、ためいき」という意味になるよ。

「おのづからなる細道」とは

「おのづから」は、昔の書き言葉で、今の書き方に直すと「おのずから」だね。

「おのずから」は今だったら「自分から」というような意味だね。

「自分から出来た細道」、つまり「自然に出来た細道」ということだよ。

テスト対策ポイント③
現代文と詩の内容を確認しよう!

言葉は分かっても、「初恋」に書かれていることは良く考えないと「ん?どういう状況?」というところが結構あるよね。

テストでは、詩に書かれている言葉が「どういうことなのか」聞かれる問題が出てくるよ。

ひとつひとつ、確認していこう!

「初恋」第一連の現代文と内容は?

「初恋」第一連

まだあげめし前髪の

林檎りんごのもとに見えしとき

前にさしたる花櫛はなぐし

花ある君と思ひけり

現代語訳

まだ結いあげたばかりの君の前髪が

林檎の樹の下に見えた。

前髪に刺している花模様のくし

君はまるでその花のようだと思った
(君の前髪に花が咲いているようだと思った、という解釈もある)

「初恋」の第一連は、少年である「われ」と、少女である「君」との出会いが書かれているシーンになっているよ。

「結いあげたばかりの前髪」と言っていることから、少年と少女はもともと知り合いとか、幼馴染おさななじみのようなものだったと考えられるよ。

たろうたろう

小さい頃から知っていた女の子が、髪をいはじめて「大人の女性」のようになって、思わずドキっとしたようすが伝わるね。

「初恋」第二連の現代文と内容は?

「初恋」第二連

やさしく白き手をのべて

林檎をわれにあたへしは

薄紅うすくれなゐの秋の実に

人こひめしはじめなり

現代語訳

白い手をやさしくこちらに伸ばして

林檎を僕にくれたね。

薄紅うすくれないの秋の実(林檎のこと)に

そのとき僕は恋をしたんだ

第二連では、「少年」と「少女」の恋のきっかけが書かれているよ。

「白き手」というのは、もちろん「君」である少女の手のこと。

「白き」という言葉から、可憐かれんな少女の美しい手が目に浮かぶよね。

それに対して、林檎のことを「薄紅うすくれなゐの秋の実」と言いえているね。
「白」と「薄紅(赤)」の対比によって印象に残るようになっているんだ。

テスト注意報テスト注意報

「薄紅の秋の実」とは、何のことか?という問題もよく出るよ

「僕は薄紅の秋の実に恋をした」というと、一瞬意味が分からないような気もするけれど、この「薄紅の秋の実」をくれたのは少女だよね。

その実に恋をした、ということで「少女に恋をした」ということを伝えているんだ。

「初恋」第三連の現代文と内容は?

「初恋」第三連

わがこころなきためいきの

その髪の毛にかかるとき

たのしき恋のさかずき

君がなさけみしかな

現代語訳

僕がふともらしたためいきが

君の髪にかかった。

君が僕の恋心を受け入れてくれたから

こんなに楽しい恋の酒にいしれることができるんだ

第三連では、「少年」と「少女」の距離がぐっと縮まるよ。

「こころなきためいき」は、「ふともらした、ためいき」のことだったね。

少年は、恋する少女と一緒にいて、気持ちがおさえきれなくなって、ふと「ためいきが出た」ということだね。

しかもそのためいきは、少女の髪にかかった。

つまり、ためいきが髪にかかるくらい、二人の距離はちぢまっていることが分かるね。

「たのしき恋の盃を 君が情に酌みしかな」はちょっと難しいね。

盃というのは、普通ならお酒を酌むものだよね。

お酒に酔うことと、恋に酔うことをかけているんだね。

盃に入っている「恋」は、「君」が酌んでくれたもの。つまり、「僕」の恋心を「君」が受け入れてくれた、という意味になるんだ。

「初恋」第四連の現代文と内容は?

「初恋」第四連

林檎畠のの下に

おのづからなる細道は

が踏みそめしかたみぞと

問ひたまふこそこひしけれ

現代語訳

林檎畠の樹の下に

自然に出来たこの細道のことを

どうしてこの道が出来たの??と

僕に聞く君のことがまた恋しいと思うんだ

第四連は、二人の恋が実ってから、しばらく時が過ぎたころが書かれているよ。

はじめ、林檎の樹だったのが、林檎畠になっていることから、林檎の樹が成長したぶんの時が経っているという解釈もあるし、
二人がいつも落ち合うために通ってきたことで、林檎の樹の下に細道が自然にできたということから、それだけ何度も二人は会っている、つまり時が経っていると考えることができるんだ。

そしてその細道はどうしてできたのか?と少女は少年に聞いているね。

もちろん、少女は「二人がいつも会うために通ってきたから細道ができた」ということを分かっているよ。

でも、わざとイタズラっぽく少年に聞いているんだね。

そんな少女のことを、少年はさらに可愛らしく思って、恋しいと感じているんだね。

「初恋」
テスト対策まとめ

「初恋」まとめ
  • 作者は島崎藤村しまざきとうそん
  • 詩の形式は「文語定型詩ぶんごていけいし
  • 詩のリズムは「七五調しちごちょう
  • 少年と少女の甘くみずみずしい初めての恋のようすをうたっている
yuminekoyumineko

ここまで学習できたら、ぜひ島崎藤村「初恋」のテスト練習問題のページに挑戦してみよう!

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青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。

感想や意見を聞かせてね

  1. ぴぴ より:

    6問中4問このサイトを見たおかげで書くことができました本当にありがとうございます!

    • yumineko より:

      ぴぴさん

      お役に立てて良かったです!!
      嬉しい報告をありがとうございます。とても嬉しいです。

  2. より:

    ありがとうございます

  3. 匿名 より:

    参考になりました

  4. 匿名 より:

    バリよかばい!!

  5. 匿名 より:

    表現技法をもっと詳しく載せて欲しかった

  6. ひひ より:

    すごくわかりました

  7. 匿名 より:

    たすかった!!!!

  8. ヘラ より:

    どきどきしちゃいますね

  9. あづま より:

    ありがとうございました!

  10. これからテストです より:

    めっちゃ為になります!!
    でも、ひとつ。
    かなの詠嘆とか、係助詞とか
    こそ、けれの係り結びとかかいてあるともっと分かりやすかった!