川上弘美『立ってくる春』ポイント解説!あらすじ・主題・驚いた理由まとめ

中学3年生の国語で学習する、川上 弘美(かわかみ ひろみ)の随筆『立ってくる春』のテスト対策ポイントをわかりやすく解説するよ。

この作品は、「立春」や「春が立つ」という言葉から、小学生だった筆者が想像をふくらませていく様子を描いた随筆だね。

定期テストで必ず聞かれる「私」が驚いた理由や、「立ってくる春」の具体的なイメージ、そして筆者が一番伝えたい主題など、高得点を取るための重要ポイントを一緒に確認していこう!

『立ってくる春』テスト対策ポイントまとめ

  • 「私」が祖母の「もう春ですよ」という言葉に驚き、反発した理由をおさえよう
  • 「りっしゅん」がひらがなで書かれている効果(子どもの心情)を確認しよう
  • 「私」が想像して決めた「立ってくる春」のかたちを本文から抜き出せるようにしよう
  • 大人になった今でも「春が立つ」謎が心の中に居つづけている理由(主題)を読み取ろう

1. 川上弘美『立ってくる春』の基本情報とあらすじ

まずは、この作品の全体像をしっかりつかんでおこう。

筆者の川上 弘美(かわかみ ひろみ)さんは、日常と少し不思議な世界が混ざり合ったような、独特の「空気感」を描くのが得意な有名な小説家・俳人だよ。

『立ってくる春』あらすじ

昭和半ばの東京。二月初旬のとても寒い朝、小学生の「私」は、祖母から「もう春ですよ」と言われて驚きます。「でもまだ冬なの」と反発する「私」に、祖母は「暦の上では立春(春が立つ)ですよ」と教えました。

初めて聞く「春が立つ」という言葉の響きから、「私」は学校へのみちみち、目に見えない「春」が立ち上がってくる様子を一生懸命に想像します。そして、「さまざまな小さい生き物でみっしり埋めつくされた一枚の絵」のような春が、地平線からゆっくりと高くのぼってくるのだと自分なりに形を決め、満足して謎を解きました。

大人になった今でも、「立春」という言葉を聞くと、水平線からゆっくりと立ち上がってくる霧(もや)のような絵が反射的に思い浮かぶんだね。現実はまだまだ寒くても、言葉から生まれた春のイメージが心の中に生きていて、春の気配を確かに感じている心情が描かれています。

2. 【テスト頻出】「私」が驚き、口をとがらせた理由

物語の前半では、「私」の置かれている状況と気持ちを正確に読み取ることがポイントだよ。

「もう春ですよ」と言われて驚き、反発した理由

祖母から「もう春ですよ」と言われたとき、「私」は驚き、「でもまだ冬なの」と口をとがらせて(不満そうに)答えたよ。

それはなぜかというと、雪が降ったばかりで布団から出られないほど寒く、庭の木も葉を落としており、まったく春だと感じられなかったからだね。現実の厳しい寒さと、祖母の言う「春」という言葉が全く結びつかなかったんだ。

たろう
昔の冬は、家の中でも息が白くなるくらい寒かったんだね。
くまごろう
そうだね。気密性のある(すき間がない)今の家と違って、木造の家はすき間だらけで、外の寒さがそのまま伝わってきたんだよ。だから春だと言われても信じられなかったんだ。

「ごく普通の子ども」と「外国のお姫さま」の対比

「私」は自分のことを「日本の小学生で、(中略)ごく普通の子どもだった」と表現しているよ。

これと対照的に書かれているのが、顔を洗うときに想像した「外国のお姫さま」だね。
「あのころ」=「私が小学生だったころ(昭和半ば)」は、タイツの伝線をかがって直したり、しもやけができたりするのが当たり前の、豊かではないけれど温かい「ごく普通の日常」だったことがわかるよ。

「りっしゅん」がひらがなで書かれている理由

祖母から「立春ですよ」と教えられた「私」のセリフは、「りっしゅん。」とひらがなで書かれているね。

テストで「なぜひらがなで書かれているのか」と聞かれたら、「『立春』という漢字や意味を知らず、耳で聞いた音をそのまま不思議に受け取っている子どもの心情を表しているから」と答えられるようにしておこう。

3. 読解の核心:「私」が想像した「立ってくる春」のかたち

「春って、立つの。」と不思議に思った「私」は、学校へ向かう道で「立つ春とはどんなものか」を考えるね。ここがこの随筆で一番面白い部分だよ。

まず、「私」は自分の「春」のイメージを次のように言葉にしているね。(テストで抜き出せるようにしておこう)

  • 柔らかでのほほんとしている
  • こまかな生気あるものに満ちた、盛り上がるようなもの

だから、「火を吐いたり金棒をふるったりするものたちの類い(=竜や鬼や妖怪)」ではないと考えたんだね。

謎は解けた!「私」が決めた春のかたち

そしてついに、「私」は「立ってくる春」のかたちを決めたね。

「さまざまな小さい生き物でみっしり埋めつくされた一枚の絵のようなもの」

これが地平線の向こうからゆっくりと、太陽のように日々高くのぼっていくのだと想像したんだね。
「私」は「これだけのことを決め、ようやく私は満足した。よしよし。謎は解けた。」と納得しているよ。

たろう
春が立ち上がってくるって、まるでアニメのワンシーンみたいで面白い想像だね!
くまごろう
「立つ」という言葉の意味を辞書で調べるんじゃなくて、自分だけの豊かなイメージを作り上げたところが、この随筆のすばらしいところなんだ。

4. 題名の意味と主題(今も謎が居つづけている理由)

大人になった今でも、「勝手に解かれてしまった『春が立つ』謎は、今にいたるまで、じつは私の中に居つづけている」と筆者は書いているよ。

「居つづけている」ことがわかる表現を本文から抜き出す問題では、「現在も、立」(現在も、立春という言葉を聞くと、反射的に〜)の部分を答えよう。

最後の1文に込められた心情

この文章の最後は、「まだまだ寒い。しかしじきに、春である。」と結ばれているね。

ここには、まだ寒さは残っていても、言葉から生まれた春のイメージが今も心の中に生きていて、春の気配を確かに感じている心情が込められていると読み取れるよ。

この随筆の主題は、「『立春』という言葉から広がった想像が、大人になった今も心に生き続けていること、そして子どもの頃の自由で豊かな感性の大切さ」だと言えるね。

5. 中学生の疑問を解決!『立ってくる春』読解Q&Aコーナー

授業中やテスト勉強で、みんなが「これってどういうこと?」と疑問に思いやすいポイントを解説するよ!

Q1. 祖母が「今日から春ですよ」と言ったのはなぜ?

【解説】

外は雪が降るほど寒くて、実際の季節は完全に「冬」だけれど、祖母の部屋の日めくりのカレンダー(暦)に「立春(りっしゅん)」と書かれていたからだよ。
つまり、「暦(こよみ)の上では立春だから」というのが理由だね。

Q2. 「寒暖計の赤は下の方にわだかまり」とはどういう状況?

【解説】

「寒暖計(かんだんけい)」とは温度計のことだよ。温度計の赤い液体が、目盛りのずっと下の方(温度が低いところ)に集まっていて、全然上に上がってこない様子を表しているね。
つまり、春だと言われても信じられないほど気温が低く、暖かさが少しも感じられない状況を表しているんだ。

Q3. 「これだけのことを決め」の「これ」とは何のこと?

【解説】

直前の段落に書かれている、「春は、さまざまな小さい生き物でみっしり埋めつくされた一枚の絵のようなもので、それが地平線からゆっくりのぼり、四月には全天を覆うという想像のこと」だよ。自分なりに春のかたちや動きを決めて、謎を解いたんだね。

6. 【コラム】言葉から広がる想像力(随筆の味わい方)

この『立ってくる春』のように、「立春」というたった一つの言葉から想像を膨らませていくのが、随筆(エッセイ)のとても面白いところだよ。

言葉の「響き」から想像してみよう!

みんなも、普段何気なく使っている季節の言葉や、昔の言葉を耳で聞いたとき、どんな「映像」が頭に浮かぶかな?

たとえば、「木枯らし(こがらし)」という言葉。
意味は「秋の終わりから冬にかけて吹く、冷たい強い風」のことだけど、言葉を知らない子どもだったら「木を枯らしてしまう何か」を想像するかもしれないね。

自分が言葉から勝手に想像した「絵」や「物語」を大切にして文章に書き留めてみると、川上弘美さんのような素敵なエッセイが書けるかもしれないよ!

7. 『立ってくる春』新出漢字・重要語句の意味一覧

新出漢字一覧

教科書で新しく習う漢字だよ。テストで読み書きができるように練習しておこう。

漢字音読み訓読み熟語・使い方
ホウぬ(う)服を縫(ぬ)う、裁縫
レキこよみ日めくりの暦(こよみ)、西暦
おに鬼(おに)、吸血鬼
ヨウあや(しい)妖怪(ようかい)、妖精

重要語句の意味調べ

昭和の生活を表す言葉がたくさん出てくるよ。当時の生活を知らない現代の中学生にとってはとても貴重な資料だね。テストの語句問題で意味が聞かれることが多いから、しっかり確認しておこう。

語句意味
ゆたんぽお湯を入れて、布団の中などを温める道具。
ネル柔らかく起毛した綿の布(フランネル)。
ぐずぐずと動作が鈍く、ためらっている様子。
気密性(きみつせい)密閉されて、空気が外に逃げない性質。
結露(けつろ)室内の暖かい空気が冷たい窓に触れて、水滴になること。
つぎ破れたりすり切れたりした部分に、別の布を当てて縫い付けること。
伝線(でんせん)ストッキングなどの編み目がほつれて、線状に広がること。
かがる布の端や破れ目を、糸がほつれないように縫い合わせること。
しもやけ寒さで血行が悪くなり、手足の指などが赤く腫れてかゆくなること。
箱根(はこね)神奈川県にある有名な温泉・観光地。寄木細工などが有名。
千代紙貼りの入れ子模様のついた和紙を貼った、大きさの違う箱が順番に入っている容器。
タミー人形昭和の時代に流行した、着せ替え人形のこと。
見(み)よう見(み)まね他人のやっているのを見て、そのまま真似すること。
ごく普通(ふつう)どこにでもある、ありふれた様子。
口(くち)をとがらして不満や反発の気持ちを、表情(口元)に表して。
霜柱(しもばしら)冬の寒い朝、土の中の水分が凍って地表に押し上げられた氷の柱。
あおあお草木が青く(緑色に)生き生きと茂っている様子。
つわぶき冬でも緑の葉をつける植物。
アオキ日陰でもよく育ち、冬でも青い葉をつける低木。
楓(かえで)秋に紅葉し、冬に葉を落とす落葉樹。
欅(けやき)大きく育つ落葉樹。
寒暖計(かんだんけい)温度を測るための計器。温度計。
わだかまる一か所に集まって、とどまること。
暦(こよみ)カレンダー。一年中の月日や季節の変化を記したもの。
立春(りっしゅん)二十四節気の一つ。暦の上で春が始まる日(二月四日ごろ)。
日(ひ)めくりの暦(こよみ)一日一枚ずつめくっていくカレンダー。
以来(いらい)それから後。その時からのち。
みちみち道を歩いていく途中。
のほほん何も気にせず、のんびりとしている様子。
類(たぐ)い同じ種類のもの。なかま。
こまかなとても小さい。細かい。
生気(せいき)生き生きとした活動力。
みっしりすき間なく、ぎっしりと詰まっている様子。
地平線(ちへいせん)空と大地が接して見える境界線。
次第(しだい)だんだん。少しずつ。
全天(ぜんてん)空全体。
ようやく長い時間がかかって、やっと。
反射的(はんしゃてき)何かを見たり聞いたりしたとき、無意識にすぐ反応する様子。
靄(もや)空気中の水蒸気が細かい水滴となり、遠くがかすんで見える現象。
じきにすぐに。まもなく。

8. まとめ

『立ってくる春』は、「立春」という一つの言葉から、子どもが自由で豊かな想像を広げていく様子と、大人になってもその感性を大切に持ち続けている温かさが描かれた随筆だったね。

中3のテストでは、「主観(子どもの想像)」と「客観(暦という事実)」の対比を問うことがよくあるよ。
この随筆は、辞書に書いてある言葉の定義(客観)ではなく、自分だけの豊かなイメージ(主観)を大切にしているんだね。

テストでは、「私」が驚いた理由や、「りっしゅん」のひらがな表記の効果、そして「立ってくる春」の具体的なイメージが確実に問われるよ。この記事で確認したポイントをしっかり復習して、国語のテストに自信を持って臨(のぞ)もう!

『立ってくる春』テスト対策ポイントまとめ(再確認)

  • 「私」が祖母の「もう春ですよ」という言葉に驚き、反発した理由をおさえよう
  • 「りっしゅん」がひらがなで書かれている効果(子どもの心情)を確認しよう
  • 「私」が想像して決めた「立ってくる春」のかたちを本文から抜き出せるようにしよう
  • 大人になった今でも「春が立つ」謎が心の中に居つづけている理由(主題)を読み取ろう

ここまで学習できたら、ぜひ「立ってくる春」のテスト対策練習問題とドリルに挑戦しよう!

川上 弘美『立ってくる春』テスト対策練習問題と過去問まとめ
【中学国語】川上 弘美「立ってくる春」漢字ドリル
【中学国語】川上 弘美「立ってくる春」語句・表現技法ドリル
【中学国語】川上 弘美「立ってくる春」内容理解ドリル
【中学国語】川上 弘美「立ってくる春」主題・表現効果ドリル

運営者情報

青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。 ※サイト全体の運営実績についてはこちらにまとめています。

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