【中学国語】「蓬萊の玉の枝」竹取物語のあらすじ・現代語訳・古語を解説
「蓬萊の玉の枝――『竹取物語』から」をわかりやすく解説のPDF (13枚) がダウンロードできます。
PDFを印刷して手書きで勉強したい方は以下のボタンからお進み下さい。
PDF教材をよく使う方は、有料プランで広告なし・透かしなしPDFを使い放題で利用できます。
中学1年国語で学習する「蓬萊の玉の枝――『竹取物語』から」について、わかりやすく解説するよ。
『竹取物語』がどのような作品なのか、「今は昔、竹取の翁といふものありけり。」で始まる冒頭の意味、かぐや姫と五人の貴公子、くらもちの皇子が語る「蓬萊の玉の枝」、かぐや姫の昇天、「ふじの山」の結末まで、物語の流れを整理しよう。
さらに、歴史的仮名遣いや古語、古典特有の文末表現、登場人物の行動や言葉遊びなど、定期テストで押さえておきたいポイントもまとめているよ。
「竹取物語」とは
「蓬萊の玉の枝」は、『竹取物語』という古典作品の一部だよ。
『竹取物語』は、平安時代の初めごろに成立したと考えられている物語で、作者は分かっていないよ。
現存する日本最古の物語といわれ、『源氏物語』では「物語の出で来はじめの親」と評されているんだ。
| 成立 | 平安時代初期と考えられている |
|---|---|
| 作者 | 不詳 |
| 主人公 | かぐや姫 |
| 育ての親 | 竹取の翁と媼 |
| 作品の特徴 | 竹から見つかったかぐや姫が成長し、求婚者たちに難題を出し、やがて月の世界へ帰っていく物語 |

たろう
くまごろう「蓬萊の玉の枝」の主な登場人物
| 人物 | どんな人物? |
|---|---|
| かぐや姫 | 光る竹の中から見つかった女の子。3か月ほどで大人になり、その美しさが評判になる。 |
| 竹取の翁 | 竹を取って暮らしていたおじいさん。名は「さぬきの造」。かぐや姫の育ての父。 |
| 媼 | 翁の妻。かぐや姫の育ての母。 |
| 五人の貴公子 | かぐや姫に熱心に求婚し、それぞれ難題を出される。 |
| 帝 | かぐや姫に心を寄せ、宮中へ迎えようとする。 |
「かぐや姫を見つける」意味と現代語訳
まずは、『竹取物語』の有名な冒頭を確認しよう。
今は昔、竹取の翁といふものありけり。
野山にまじりて竹を取りつつ、よろづのことに使ひけり。
名をば、さぬきの造となむいひける。
現代語訳
今となっては昔のこと、竹取の翁という者がいた。
野や山に入って竹を取り、いろいろなことに使っていた。
その名を、さぬきの造といった。
| 古文 | 意味 |
|---|---|
| 今は昔 | 今となっては昔のこと |
| 翁 | おじいさん |
| よろづ | いろいろ・さまざま |
| ありけり | いた |
たろう
くまごろう光る竹の中にいたかぐや姫
翁が竹を取っていると、根元が光っている竹を一本見つけるよ。
不思議に思って近寄ってみると、竹の筒の中に三寸ほどの小さな人が、とてもかわいらしい姿で座っていたんだ。
一寸は約3cmなので、三寸は約9cmだよ。
本文にある「いとうつくしうて」の「うつくし」は、現在の「美しい」とは少し意味が違うんだ。
いとうつくしうて = とてもかわいらしくて
たろう
くまごろう「なよ竹のかぐや姫」の意味
成長した姫は、「なよ竹のかぐや姫」と名づけられるよ。
「なよ竹」は、細くしなやかな竹のこと。
また、「かぐや」は、ちらちらと光って揺らめくという意味の「かがよう」に関係する名と考えられていて、光り輝くほど美しい姫という意味が込められているんだ。
五人の貴公子とかぐや姫の難題
かぐや姫は3か月ほどで大人になり、その美しさの評判を聞いた多くの男性から求婚されるようになるよ。
その中でも熱心だった五人の貴公子に対して、かぐや姫は、それぞれ入手することが非常に難しい品を持ってくるように求めるんだ。
| 求婚者 | かぐや姫が求めた品 | 結果 |
|---|---|---|
| 石作の皇子 | 仏の御石の鉢 | 別の鉢を持ってきたが、偽物だと見破られる。 |
| くらもちの皇子 | 蓬萊の玉の枝 | 匠に偽物を作らせるが、うそがばれる。 |
| 右大臣阿倍御主人 | 火鼠の皮衣 | 火に入れると燃え、偽物だと分かる。 |
| 大納言大伴御行 | 竜の首にある五色に光る玉 | 海で嵐に遭い、断念する。 |
| 中納言石上麻呂足 | 燕の持たる子安貝 | 取ろうとして落下し、失敗する。 |

たろう
くまごろう「蓬萊の玉の枝」とは
くらもちの皇子に出された難題が、題名にもなっている「蓬萊の玉の枝」だよ。
| 根 | 銀 |
|---|---|
| 茎 | 金 |
| 実 | 真珠 |
| 蓬萊山 | 古代中国の伝説に出てくる理想郷。中国から見て東の海にあるとされた。 |
くらもちの皇子が語った「蓬萊の山」
くらもちの皇子は、船に乗って蓬萊の玉の枝を探しに行ったように見せかけるよ。
長い間姿を隠した後、立派な玉の枝を持って翁の家へ現れ、蓬萊山まで旅をしたという話をもっともらしく語るんだ。
これは、蓬萊の山なり。
| くらもちの皇子が語った蓬萊山 |
|---|
| 非常に険しく、簡単には登れない。 |
| 世の中にはない花の木が立っている。 |
| 金・銀・瑠璃色の水が山から流れている。 |
| さまざまな玉でできた橋が架かっている。 |
| 周囲には光り輝く木々が立っている。 |
たろう
くまごろう「いとわろかりしかども」の意味
| いと | たいへん・とても |
|---|---|
| わろし | よくない・見劣りがする |
| いとわろかりしかども | たいそう見劣りするものだったけれども |
くらもちの皇子のうそがばれる
くらもちの皇子は、本当に蓬萊山へ行ったわけではないよ。
実際には、匠たちに命じて「蓬萊の玉の枝」を作らせていたんだ。
ところが、皇子から代金を払ってもらえていなかった匠たちが翁の家へやって来て、事情を訴えるよ。
こうして、くらもちの皇子の持ってきた玉の枝が、蓬萊山から取ってきた本物ではなく、匠たちが作った偽物だったことが明らかになるんだ。

たろう
くまごろう貴公子たちの失敗談と言葉遊び
『竹取物語』では、貴公子たちの失敗をただ描くだけではなく、似た音の言葉を使った言葉遊びで締めくくるところにも特徴があるよ。
例えば、石作の皇子の話では、鉢を捨てることと「恥を捨てる」ことを掛けているんだ。
くらもちの皇子の話でも、「玉」と、めったにという意味の「たまさかに」を掛けた表現が使われているよ。
たろう
くまごろう帝とかぐや姫
五人の貴公子たちの後には、帝もかぐや姫に心を寄せるようになるよ。
帝はかぐや姫を宮中へ迎えようとするけれど、かぐや姫は応じないんだ。
帝は無理に連れて行くことをあきらめ、その後はかぐや姫と手紙を交わすようになるよ。
かぐや姫の昇天
物語の終盤で、かぐや姫は月を見ながら悲しむようになるよ。
その理由は、自分が月の都の者であり、やがて月へ帰らなければならないからなんだ。
かぐや姫はなぜ地上にいたの?
月の都から迎えに来た天人によると、かぐや姫は天上で罪を犯したため、地上に来ていたんだ。
そして、その罪が消えたため、月の都から迎えが来たということなんだよ。
たろう
くまごろう八月十五夜に迎えが来る
かぐや姫が月へ帰るのは、旧暦八月十五夜、つまり中秋の名月の夜だよ。
かぐや姫を守るため、帝は二千人の兵士を翁の家へ遣わすんだ。
ところが、月の都の人々が現れると、兵士たちはぼうっとして戦意を失い、固く閉ざしていた戸も自然に開いてしまうよ。
かぐや姫が翁と帝に残したもの
| 相手 | 残したもの |
|---|---|
| 翁 | 手紙と、自分が着ていた衣 |
| 帝 | 手紙と、不死の薬 |
天の羽衣を着るとどうなる?
この衣着つる人は、物思ひなくなりにければ
かぐや姫は地上で、翁をいとおしく思い、別れを悲しんでいるよ。
しかし、天の羽衣を着ると、そうした「物思ひ」がなくなってしまうんだ。
たろう
くまごろう「ふじの山」の意味と結末
かぐや姫から手紙と不死の薬を受け取った帝は、かぐや姫がいないこの世で永遠に生きても仕方がないと考えるよ。
いづれの山か天に近き。
帝は天に近い山を尋ね、駿河の国にある山で手紙と不死の薬を焼かせることにするんだ。
「ふじの山」の名前の由来
| 言葉 | 言葉遊び |
|---|---|
| 多くの「士」が山へ登った | 士が多い=「士に富む」→「ふじ」 |
| 不死の薬を焼いた | 「不死」と「富士」を重ねた言葉遊び |
本文では、多くの「士」が登ったことを「士に富む」と掛けて、「ふじの山」と名づけられたと語られているよ。
また、直前には「不死の薬」が登場するため、「不死」と「富士」を重ねた言葉遊びとしても読むことができるんだ。

たろう
くまごろう歴史的仮名遣いと古典の言葉
この単元では、物語の内容だけでなく、古典の言葉と現代語との違いにも注目しよう。
歴史的仮名遣い
| 古典の表記 | 現代の読み・表記 |
|---|---|
| いふもの | いうもの |
| 使ひけり | 使いけり |
| 思ひて | 思いて |
| 伝へたる | 伝えたる |
| よそほひ | よそおい |
| やうなし | ようなし |
| よろづ | よろず |
たろう
くまごろう文末の言葉「けり・たり・なり」
古典では、「けり」「たり」「なり」など、現代文とは違う文末の表現が使われているよ。
中学1年では、細かな文法事項を暗記することよりも、現代文とは文末の言葉が違うことに気づきながら読むことが大切だよ。
現代とは意味が違う古語
| 古語 | 意味 |
|---|---|
| あやし | 不思議だ |
| いと | たいへん・とても |
| うつくし | かわいい・愛らしい |
| わろし | よくない・見劣りする |
重要語句
| 重要語句 | 意味 |
|---|---|
| 翁 | おきな。おじいさん。 |
| 媼 | おうな。おばあさん。 |
| 蓬萊の玉の枝 | 根が銀、茎が金、実が真珠でできているといわれる木の枝。 |
| 三寸 | さんずん。約9cm。 |
| なよ竹のかぐや姫 | 「なよ竹」は細くしなやかな竹。「かぐや」は「かがよう」に関係する名と考えられている。 |
| 匠 | たくみ。大工・彫刻師・細工師などの職人。 |
| 金鋺 | かなまり。金属製のおわん。 |
| 瑠璃 | るり。宝石の一種。瑠璃色は、つやのある、むらさきがかった紺色。 |
| 八月十五夜 | 旧暦8月15日の夜。 |
| 中秋 | ちゅうしゅう。旧暦8月15日。 |
| 駿河の国 | するがのくに。昔の国名で、現在の静岡県の一部。 |
新出漢字
| 漢字 | 音読み・訓読み | 熟語 |
|---|---|---|
| 姫 | 訓:ひめ | 姫君・歌姫 |
| 婚 | 音:コン | 結婚・求婚・婚約 |
| 冒 | 音:ボウ 訓:おかす | 冒頭・冒険 |
| 筒 | 音:トウ 訓:つつ | 円筒・筒形 |
| 授 | 音:ジュ 訓:さずける・さずかる | 授業・授与・教授 |
| 娘 | 訓:むすめ | 娘婿 |
| 諦 | 音:テイ 訓:あきらめる | 諦観 |
| 挑 | 音:チョウ 訓:いどむ | 挑戦・挑発 |
| 籠 | 音:ロウ 訓:かご・こもる | 籠城 |
| 訪 | 音:ホウ 訓:おとずれる・たずねる | 訪問・来訪 |
| 恐 | 音:キョウ 訓:おそれる・おそろしい | 恐怖・恐縮 |
| 斜 | 音:シャ 訓:ななめ | 斜面・斜線 |
| 裾 | 訓:すそ | 裾野 |
| 劣 | 音:レツ 訓:おとる | 劣等・優劣 |
| 訴 | 音:ソ 訓:うったえる | 訴訟・訴え |
| 召 | 音:ショウ 訓:めす | 召集・召喚 |
| 昇 | 音:ショウ 訓:のぼる | 上昇・昇天・昇進 |
| 遣 | 音:ケン 訓:つかわす・つかう | 派遣・遣唐使 |
| 閉 | 音:ヘイ 訓:とじる・とざす・しめる・しまる | 閉鎖・閉店 |
| 犯 | 音:ハン 訓:おかす | 犯罪・犯人 |
| 添 | 音:テン 訓:そえる・そう | 添加・添付 |
| 羽 | 訓:は・はね | 羽衣・羽毛 |
| 伏 | 音:フク 訓:ふせる・ふす | 起伏・伏線 |
| 贈 | 音:ゾウ・ソウ 訓:おくる | 贈呈・贈答・寄贈 |
「蓬萊の玉の枝」定期テスト対策ポイント
- 『竹取物語』は平安時代初期に成立したと考えられ、作者は不詳。
- 現存する日本最古の物語といわれている。
- 「今は昔」は「今となっては昔のこと」という意味。
- 竹取の翁の名前は「さぬきの造」。
- かぐや姫は光る竹の中から見つかり、その大きさは「三寸ばかり」。
- 「うつくし」は「かわいい・愛らしい」という意味。
- かぐや姫は3か月ほどで大人になった。
- くらもちの皇子への難題は「蓬萊の玉の枝」。
- 蓬萊の玉の枝は、根が銀、茎が金、実が真珠でできている。
- くらもちの皇子は匠たちに偽物を作らせていた。
- 匠たちが代金を求めて現れたことで、くらもちの皇子のうそがばれた。
- 五人の貴公子の求婚は全て失敗する。
- 貴公子たちの失敗談には言葉遊びが使われている。
- 帝もかぐや姫を宮中へ迎えようとするが、かぐや姫は応じない。
- かぐや姫は月の都の者で、天上で罪を犯したため地上に来ていた。
- かぐや姫が月へ帰るのは旧暦八月十五夜。
- 帝はかぐや姫を守るため、二千人の兵士を翁の家へ遣わす。
- かぐや姫は翁に手紙と衣、帝に手紙と不死の薬を残す。
- 天の羽衣を着ると「物思ひ」がなくなる。
- 本文では、多くの「士」が登ったことを「士に富む」と掛けて「ふじの山」の名の由来としている。
- 歴史的仮名遣い、古語、現代とは異なる文末の表現にも注目する。
たろう
くまごろうここまで学習できたら、「蓬萊の玉の枝」のテスト対策練習問題とドリルに挑戦しよう!
「蓬萊の玉の枝」テスト練習問題と過去問まとめ①作品の基本・かぐや姫の誕生
「蓬萊の玉の枝」テスト練習問題と過去問まとめ②五人の貴公子とくらもちの皇子の策略
「蓬萊の玉の枝」テスト練習問題と過去問まとめ③くらもちの皇子「蓬萊山」の古文読解
「蓬萊の玉の枝」テスト練習問題と過去問まとめ④貴公子の失敗・かぐや姫の昇天・ふじの山
【中学国語】「竹取物語」古語・歴史的仮名遣いドリル
【中学国語】「竹取物語」物語の内容理解ドリル
【中学国語】「竹取物語」後半・表現理解ドリル

この教材をもっと活用したい方へ
PDFを印刷して復習したい方は、無料ダウンロードページから教材を確認できます。
先生としてドリルを配布したい方は、無料会員登録でクラス配布・自動採点機能を使えます。
運営者情報
檜垣由美子
詳しいプロフィールを見る



