漢文「矛盾」書き下し文と故事成語の意味まとめ(今に生きる言葉)

中学1年国語で学ぶ「今に生きる言葉」について、テストで必要になるポイントを解説するよ。

中学1年国語
「今に生きる言葉」

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「今に生きる言葉」 要点と期末テスト対策ポイントまとめ

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目次【本記事の内容】

「今に生きる言葉」
要点とポイント

「今に生きる言葉」の要点

日本で日常的にちじょうてきに使う言葉には、中国の古典こてん由来ゆらいするものがたくさんある。
歴史的な事実や、古くから伝えられるたとえ話、エピソードなど「故事こじ」を背景に持っているものがあり、そうやって故事から生まれた言葉を「故事成語こじせいご」という

くまごろうくまごろう

つまり、昔の中国での出来事などをもとに作った言葉が「故事成語」で、その言葉が今現在でも使われているから、「今でも生きている言葉」ということだね。

「今に生きる言葉」のテスト対策ポイント

テストではコレが必要になる!

  • 故事成語とはどういう意味か答えられるようにする
  • どんな故事成語があるのか、それぞれの意味を理解する
  • 矛盾むじゅん」の故事に登場するき下し文の言い回しの意味を理解する
  • 漢文かんぶんの読み方のルールを理解する
  • 「今に生きる言葉」本文に登場する言葉の意味を理解する

ポイント①
故事成語こじせいご」とは?

故事成語とは
歴史的な事実や古くからの例え話エピソードなどの故事を背景に持つ言葉
くまごろうくまごろう

「故事」という言葉は、カンタンに言うと「昔あったこと」という意味だよ。
つまり、「昔あったことをモトに作った言葉」ということだね。

ポイント②
故事成語にはどんな言葉があるのか?

今に生きる言葉で紹介されている故事成語は全部チェックしよう!

矛盾むじゅん」とは

「矛盾」のもとになった出来事

という国の人が盾とほこを売っていた。
「うちの盾はすごくかたいので、これを突き通せるものはないよー。」
といいながら、今度は
「うちの矛も、これまたすごくするどくて、どんなものだって突き通すぜ!」
と言った。

それを聞いた人が、「では、その矛でその盾を突いたらどうなるの」とたずねたところ、売っていた人は答えることができなかった。

「矛盾」の意味

つじつまが合わないこと。

くまごろうくまごろう

「絶対突き通されることはない盾」ということは、その矛(どんなものでも突き通すハズの矛)でも突き通せないことになっちゃうし、「どんなものでも突き通す矛」ということは、その盾(絶対突き通されることはないハズの盾)を突き通せるということになるから、言っていることは筋が通らないよね。

推敲すいこう」とは

「推敲」のもとになった出来事

とうの時代に賈島かとうという詩人が、「僧はす月下の門」という詩を思いついたものの、「まてよ、”推す”ではなく”たたく”の方がいいかも?」とひたすら悩んでいるうちに、偉い役人の行列に突っ込んでしまって、捕まってしまった。
しかしそのことを説明すると、その役人も名文家めいぶんか(優れた文章を書く人のこと)だったので一緒に考え「敲くの方が良いと思う」とアドバイスしてくれた。

「推敲」の意味

文章を書いたあとに、内容をもっと良くするために字句じく(文字や語句)を練り直すこと。

蛇足だそく」とは

「蛇足」のもとになった例え話

ある男たちが酒を取り合っていて、「では、一番早く蛇の絵を描けた人が酒を飲めることにしよう」と勝負をはじめた。

一番早く蛇の絵を描いた男は、「よし!俺が一番だ。俺なんか足を描き足しちゃうくらい余裕だぜ!」と足を描き足した。

すると次に描き終わった男が「蛇に足なんかないよ。つまり、それは蛇じゃないからノーカウント。俺の勝ちだ!」と酒を飲んでしまった。

「蛇足」の意味

せっかく上手く行っているときに、調子にのって余計なことをすると全てが台無だいなしになるよ、という教訓きょうくん

四面楚歌しめんそかとは

「四面楚歌」のもとになった出来事

中国のかんが戦争をしていたとき、楚の項羽こううは漢の兵士に囲まれてしまった。

夜更よふけに、取り囲んでいた漢の兵士たちが楚の歌を歌い始めると、項羽は歌っているのが楚の兵士だと思い込んで、「楚の兵士はみなつかまって漢に寝返ねがえったんだ!もう味方はいないんだ!」と思い込んだ。

「四面楚歌」の意味

味方がいなくなり、周りがすべて敵になる状態。

他の故事成語もチェックしておこう!
※「今に生きる言葉」では紹介されていないけれど、資料集やワークに載っている故事成語がテストにでる可能性もあるよ。
少なくとも意味は覚えておこう!

  • 背水はいすいじん・・逃げ場のない状況の中、決死けっしの覚悟で物事にあたること
  • 臥薪嘗胆がしんしょうたん・・目的を達成するために、苦しい思いをしても自分をきたえること
  • 呉越同舟ごえつどうしゅう・・仲の悪い者同士がひとつの場所にいること
    敵同士だけれど、お互いの利益りえき損害そんがいが一致する場合に協力すること
  • 漁夫ぎょふ・・二者が争っているスキをついて、全然関係のない第三者が利益を得ること
  • 完璧かんぺき・・ダメなところが全くなく、完全なこと
  • 五十歩百歩ごじゅっぽひゃっぽ・・どちらも同レベルで、たいしたことがないこと
  • 圧巻・・全体の中で一番優れている部分のこと。他を圧倒するくらいの出来栄できばえのこと
  • 杞憂きゆう・・いらぬ心配のこと
  • 蛍雪けいせつこう・・苦労をして学業にはげんだ成果のこと
  • 塞翁さいおううま・・どんなことから不幸になるか、幸せになるか、人生の幸不幸は予測できないよ、ということ
  • 杜撰ずさん・・いいかげんなこと。文章に間違いが多いこと
  • 他山たざんの石・・他人が間違えたことも、自分を磨くためには役に立つということ
  • 石にくちすすぎ流れにまくらす・・負け惜しみが強いこと
  • 一炊いっすいゆめ・・人生や人の世の栄華ははかないということ
  • 画竜点睛がりょうてんせい・・最後の大切な仕上げのこと
  • 切磋琢磨せっさたくま・・お互いに競い合って磨き合うこと
  • 大器晩成たいきばんせい・・大物になる人は、段々とすぐれた人になるということ
  • 朝三暮四ちょうさんぼし・・うまい言葉で人をだますこと
  • とらを借るきつね・・強いものの力を後ろ盾にして威張ること
  • 覆水盆ふくすいぼんかえらず・・一度してしまったことは、もう元にはもどせないということ

ポイント③
矛盾の故事(書き下し文)の言い回しの意味

矛盾 (書きくだし文)

楚人そひとに盾とほことをひさぐ者あり。
これをほめていは(ワ)く、「わが盾の堅きこと、よくとほ(トオ)すものなきなり。」と。

またその矛をほめていは(ワ)く、「わが矛のなること、物においてとほ(トオ)さざるなきなり。」と。

ある人いは(ワ)く、「の矛をもつ(モッ)て、子の盾をとほ(トオ)さばいかん。」と。

その人応(ウ)ふることあたは(ワ)ざるなり。

漢文の独特な言い回しの意味をチェック

※「矛盾」の文中で使われている意味で紹介しているよ。

ひさぐ】・・売る
【いはく】・・言う
とおす】・・突き通す
なること】・・鋭いこと
】・・あなた
【いかん】・・どうなるのか
【あたはざるなり】・・できなかった

ポイント④
漢文の読み方のルール

漢文というのは、中国の文章のこと。
そのままだと、日本人が読むのは難しいよね。
だけどこの漢文に色々工夫すると、日本語で読むことができる んだ。

そうやって漢文を日本語で読むことを「訓読くんどくする」というよ。

工夫は3段階あって、工夫すればするほど日本語として読みやすくなるよ。

白文はくぶん(工夫ステージ0)
漢字だけで書かれた原文げんぶん(もとの文そのままのこと)

白文とはどういうものかを表したイラスト

訓読くんどく文(工夫ステージ1)
白文に、訓点くんてんをつけたもの。
訓読文とはどういうものか表したイラスト

訓点くんてんとは?

おく仮名がな】・・漢字の右下にカタカナで小さくえたもの

句読点くとうてん】・・「。」や「、」、「 」(カギかっこ)などの符号

かえり点】・・訓読くんどくのときの順番を表す符号で、漢字の左下に添えるもの
レ点や一・二点など

くだし文(工夫ステージ2)
漢字や仮名が交じった日本語の並び方の文に直したもの。

書き下し文とはどういうものかを表したイラスト

ポイント⑤
本文に登場する言葉の意味

座右ざゆうめい】・・常に心にとどめて、自分をいましめたり、はげましたりする言葉

【エピソード】・・ある出来事の特徴や、どんな人かを伝えるために使う話

「今に生きる言葉」まとめ

まとめ
  • 歴史的な事実や、古くからの例え話やエピソードなどの故事を背景に持つ言葉を「故事成語という。
  • 教科書などで紹介されている故事成語の意味を答えられるようにしよう!
  • 「矛盾」の故事の書き下し文に使われている言葉の意味を答えられるようにしよう!
  • 白文」とは、漢字だけで書かれた原文のこと。
  • 訓読文」とは、白文に訓点をつけて、日本語の文章として読めるようにしたもの。
  • 書き下し文」とは、漢字仮名交じり文に直したもの。
  •  送り仮名・句読点・返り点などを訓点と呼ぶ。
yuminekoyumineko

ここまで学習できたら、
「今に生きる言葉」テスト予想問題ページもあるので、ぜひ挑戦してみてね!

運営者情報

青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。

感想や意見を聞かせてね

  1. 薩摩芋 より:

    すごくわかりやすくて感謝でいっぱいです…!明日のテスト頑張りますっ!!!!

  2. 匿名 より:

    テスト対策になった

  3. 髙橋瑛洲 より:

    国語の読み取り問題のやり方がわかりません、自分ではできたと思ってもテストが帰って来ると
    間違えています

    • yumineko より:

      髙橋瑛洲さん

      そうなのですね。
      たとえば、どのような間違え方をしているか教えてもらうことは可能でしょうか?
      「説明しなくてはいけない問題でうまく説明しきれていなくて△をもらう」とか、「正しいものを選ぶ問題で、間違える」とか
      間違えやすい問題などありましたら、教えていただけると幸いです。

  4. 中島 より:

    インフルエンザになりわからない問題があったので、とても分かりやすかった

  5. ただのあほ より:

    とても勉強になりました!!わかりやすいし、ありがたいです

  6. 現役中学生K より:

    とてもわかりやすくて感謝しています♪

    ただ、五十歩百歩の読みは「ごじゅっぽ」ではなく「ごじっぽ」だったかと
    うちの学校の国語科が自慢してたので間違い無いかと
    よければ確認してみてください

    ただ、全体的にとってもわかりやすかったです
    明日のテスト頑張るぞ〜!

  7. 現役中学生k より:

    とってもわかりやすかったです!

    ただ、五十歩百歩の読みって「ごじっぽ」だったかと
    うちの学校の国語科が自慢してたので間違い無いかと
    よろしければ確認していただけるとありがたいです

    でもそれ以外はわかりやすかったです!
    明日のテスト頑張るぞ〜!

    • yumineko より:

      現役中学生kさん

      コメントありがとうございます!
      わかりやすいと言っていただけて嬉しいです!

      五十歩百歩の読み方ですが、「ごじっぽ」と「ごじゅっぽ」、どちらもOKのようです。
      でも、実際に学校の先生が採用(おすすめ?)されている読み方にしておくのが、テストでも課題でも安心ですね。
      日本語は、まさに生きている言葉で(日本語に限りませんが)、時代とともに変わるのはもちろん、
      「間違って使われているうちにそれも正しい使い方になった」など、背景を知るとなかなか面白いですよね。
      コメントをいただいたことで、私も改めて調べる機会をいただけて、勉強になりました。
      ありがとうございます!!

      テスト、上手くいっていますように・・・!応援しています!

  8. テストやばい より:

    テスト当日の最終確認に役立ちました。
    本当にありがとうございます!!