森山卓郎『比喩で広がる言葉の世界』解説!要旨や比喩の効果・意味まとめ

中学1年生の国語で学習する、森山卓郎さんの『比喩で広がる言葉の世界』について、テストで大切なポイントをわかりやすく解説するよ。

「比喩(ひゆ)」と聞くと、少しむずかしそうに感じるかもしれないね。でも、実は比喩は、ふだんの会話の中でもたくさん使われているんだ。

たとえば、足がとても速い友達を見て、「まるでチーターみたい!」と言うことがあるよね。もちろん、その友達が本当にチーターになったわけではないよ。「足が速い」という似ているところを使って、チーターにたとえているんだ。

本当にチーターって意味じゃなくて、「似ているところ」を使って伝えるんだね!

このように、何かを別のものにたとえて、イメージしやすく伝える表現が比喩なんだ。

中学国語「比喩で広がる言葉の世界」のテスト対策ポイントの図解イラスト

『比喩で広がる言葉の世界』テスト対策ポイントまとめ

  • 比喩とは、ある事柄を、似たところのある別の事柄で表すこと。
  • 比喩を使うには、たとえるものと、たとえられるものの間に共通点が必要。
  • 比喩には、形をわかりやすく伝える効果と、特徴を印象的に伝える効果がある。
  • 私たちは、ふだんの生活の中でも、知らないうちに比喩の発想を使っている。
  • 筆者は、比喩を使いこなすことで、言葉の世界を広げていこうと伝えている。

1. 比喩とは何か

まずは、この文章の中心になる「比喩」とは何かをおさえよう。

筆者は、比喩のことを、「ある事柄を、似たところのある別の事柄で表すこと」と説明しているよ。

たとえば、本文では三好達治の詩『土』が紹介されているね。この詩では、蟻にひかれていく蝶の羽が、ヨットにたとえられている。

蝶の羽とヨットの帆は、どちらも薄くて、ひらひらした形をしているよね。そのため、「蝶の羽」を「ヨット」にたとえることで、読者は、蝶の羽がゆらゆらと運ばれていく様子を、頭の中に思い浮かべやすくなるんだ。

たろう
ただ「蝶の羽が運ばれている」と言うより、「ヨットみたい」と言われたほうが、情景が浮かびやすいね。
くまごろう
そうだね。比喩を使うと、言葉だけでは説明しにくい様子や感じを、相手の頭の中にぱっとイメージさせることができるんだ。

比喩には「直喩」と「隠喩」がある

比喩には、表し方によっていくつかの種類があるよ。

「まるで」「ようだ」「みたいだ」などの言葉を使ってたとえる表現を、直喩(ちょくゆ)というよ。

たとえば、次のような表現だね。

  • 雲が、まるでわたあめのようだ。
  • 弟は、子犬みたいに走り回っている。
  • 彼女の声は、鈴のようにきれいだ。

一方で、「ようだ」「みたいだ」などを使わずに、直接言い切る表現を、隠喩(いんゆ)というよ。

  • あの人は歩く辞書だ。
  • 教室は戦場だった。
  • 母の言葉は心の薬だ。
たろう
「歩く辞書」って、本当に辞書が歩いているわけじゃないんだね!
くまごろう
そのとおり。「歩く辞書」とは、辞書のようにたくさんのことを知っている人という意味だね。

2. 比喩を使うときに大切なこと

比喩を使うときに大切なのは、たとえるものと、たとえられるものとの間に共通点があることだよ。

たとえば、「妹の笑顔は太陽みたいだ」という表現を考えてみよう。

妹の笑顔が、本当に空にある太陽になったわけではないよね。でも、太陽には「明るい」「あたたかい」「周りを元気にする」というイメージがある。

だから、「妹の笑顔は太陽みたいだ」と言うと、その笑顔を見ると明るい気持ちになるということが、印象的に伝わるんだ。

たろう
「妹の笑顔はすてきです」より、「太陽みたいだ」のほうが、明るい感じがする!
くまごろう
そうだね。比喩は、ただおしゃれな表現をするためのものではなく、相手にイメージを伝えやすくするための道具なんだ。

ただし、たとえが相手に伝わるためには、その共通点が多くの人に分かるものでなければならないよ。

「あの人は歩く辞書だ」という表現が通じるのは、「辞書はたくさんの言葉の意味が載っているもの」という共通のイメージを、多くの人が持っているからなんだね。

比喩を使うときに大切なこと

  • たとえるものと、たとえられるものの間に共通点があること。
  • その共通点が、多くの人に分かるものであること。
  • 相手の頭の中に、伝えたいイメージが浮かぶこと。

3. 比喩が持つ2つの効果

この文章で、テストに出やすい大切なポイントが、比喩が持つ2つの効果だよ。

比喩には、大きく分けて次の2つの効果があるんだ。

効果①:形状をわかりやすく伝える効果

1つ目は、形状をわかりやすく伝える効果だよ。

たとえば、真ん中に穴の空いた丸い部品を説明するとき、「丸くて、真ん中に穴が空いていて……」と長く説明するより、

「ドーナツのような形」

と言ったほうが、すぐに形が思い浮かぶよね。

たろう
たしかに!「ドーナツみたい」って言われたら、すぐに丸くて穴が空いた形を想像できるね。

このように、比喩を使うと、形や見た目を短い言葉でわかりやすく伝えることができるんだ。

効果②:物事の特性をより生き生きと印象づける効果

2つ目は、物事の特性をより生き生きと印象づける効果だよ。

たとえば、「大きな声」と言うだけでも意味は伝わるね。でも、

「雷のような大声」

と言うと、どうかな。

ただ声が大きいだけではなく、雷のように、急に響いて、迫力があって、少しこわい感じまで伝わってくるよね。

たろう
「大きい声」より、「雷のような大声」のほうが、びっくりする感じまで伝わるね。
くまごろう
そうだね。このように比喩は、物事の特徴や感じを、より強く、より生き生きと伝えることができるんだ。
中学国語「比喩で広がる言葉の世界」の「比喩の2つの効果」をわかりやすく説明する図解イラスト

比喩の2つの効果

  • 形状をわかりやすく伝える効果
    例:「ドーナツのような形」
  • 物事の特性をより生き生きと印象づける効果
    例:「雷のような大声」

4. 日常生活に隠れている「比喩の発想」

比喩は、詩や小説だけで使われる特別な表現ではないよ。私たちは、ふだんの生活の中でも、知らないうちに比喩の発想を使っているんだ。

「頭の中に入れる」は、本当に入れているの?

たとえば、こんな表現を聞いたことがあるよね。

  • 大事なことを頭の中に入れておく。
  • 胸がいっぱいになる。
  • 心が満たされる。

でも、よく考えてみると、知識を本当に頭の中に「物」として入れているわけではないよね。胸の中に、何かが実際につめこまれているわけでもない。

たろう
たしかに!テスト勉強で「頭に入れる」って言うけど、本当にノートを頭に入れるわけじゃないよね。
くまごろう
そうだね。これは、頭や胸や心を「入れ物」のように考えている表現なんだ。

つまり、知識や気持ちを、「入れ物の中に入るもの」のようにとらえているんだね。これも、比喩の発想の一つなんだ。

「深い感動」は、本当に深さがあるの?

次に、「深い」という言葉について考えてみよう。

もともと「深い」は、川や海、穴などの、表面から底までの距離が大きいことを表す言葉だよね。

  • 深い海
  • 深い井戸
  • 深い穴

でも、私たちは次のような言い方もするよ。

  • 深く感謝する。
  • 深い感動を覚える。
  • 深く考える。

感謝や感動や考えには、ものさしで測れる深さはないよね。でも、「深い」という言葉を使うことで、表面だけでは分からない、大きな気持ちや考えがあることを表すことができるんだ。

たろう
「深い感動」って、心の中の奥のほうまで動かされた感じがするね。

そのとおり。比喩は、形のない気持ちや考えを、形のあるもののように表すこともできるんだね。

5. 筆者の主張

この文章で筆者が一番伝えたいことは、比喩には、言葉の世界を豊かに広げる力があるということだよ。

比喩を使うと、ただ説明するだけでは伝わりにくいことを、わかりやすく、印象的に伝えることができる。

たとえば、「楽しかった」と言うだけより、

  • 心が花火みたいにはじけた。
  • 雲の上を歩いているような気分だった。
  • 宝物を見つけたようにうれしかった。

と言ったほうが、どんなふうに楽しかったのかが、ずっと伝わりやすくなるよね。

たろう
比喩を使うと、言葉がカラフルになる感じがする!

比喩は、まさに言葉に色や形をつけるような働きをしてくれるんだ。

『比喩で広がる言葉の世界』の要旨

比喩には、物事をわかりやすく伝えたり、印象的に表したりする力がある。私たちは日常生活の中でも比喩の発想を使っている。だから、場面に合わせて比喩を使いこなし、言葉の世界を豊かに広げていこう。

6. 言葉の意味

テストに出やすい言葉の意味をまとめたよ。本文の内容と合わせて確認しておこう。

言葉意味
思い浮かべる心の中に、その様子や姿をえがくこと。
言葉を尽くす思いを伝えるために、たくさんの言葉を使って説明すること。
激烈(げきれつ)はげしくて、勢いが強いこと。
うかがい知れない外から見ただけでは、中の様子や本当のことが分からないこと。
情景(じょうけい)人の心を動かすような景色や場面のこと。
特性(とくせい)そのものが持っている、特有の性質や特徴のこと。
創造(そうぞう)新しいものを、自分の力で作り出すこと。

7. 中学1年生の新出漢字と読み方

本文に出てくる新出漢字をピックアップしたよ。漢字の読み書き問題でも出やすいので、確認しておこう。

漢字音読み訓読み
ヨウゆ(れる)・ゆ(する)
ハン
ジンたず(ねる)
サイの(せる)
ジンつ(くす)
ライかみなり
キョウひび(く)
レツ
キン
キョ
はな(れる)

8. まとめ

『比喩で広がる言葉の世界』は、比喩とは何か、比喩にはどんな効果があるのか、そして私たちがふだんの生活の中でどのように比喩の発想を使っているのかを説明した文章だよ。

比喩は、ただ文章をかっこよくするためのものではないんだ。相手にわかりやすく伝えたり、気持ちや様子を生き生きと表したりするための、大切な言葉の道具なんだね。

くまごろう
比喩を使うと、相手の頭の中に絵を見せるみたいに伝えられるんだね。

みんなも、身の回りにある比喩を探しながら、言葉の世界を広げていこう。

『比喩で広がる言葉の世界』テスト対策ポイントまとめ

  • 比喩とは、ある事柄を、似たところのある別の事柄で表すこと。
  • 比喩を使うには、たとえるものと、たとえられるものの間に共通点が必要。
  • 比喩には、形状をわかりやすく伝える効果がある。
  • 比喩には、物事の特性をより生き生きと印象づける効果がある。
  • 「頭に入れる」「胸がいっぱい」「深く感謝する」など、日常の言葉にも比喩の発想が使われている。
  • 筆者は、比喩を使いこなし、言葉の世界を豊かに広げていこうと伝えている。

ここまで学習できたら、ぜひテスト対策練習問題やドリルにも挑戦してみよう!

運営者情報

青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。 ※サイト全体の運営実績についてはこちらにまとめています。

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