今江祥智『竜』ポイント解説!あらすじ・心情の変化・意味まとめ

中学1年生の国語で学習する、今江 祥智いまえ よしともの物語『竜』のテスト対策ポイントをわかりやすく解説するよ。

このお話は、大きくて強い力を持っているのに、本当はとっても気が弱い竜の子「三太郎」の、ちょっとおかしくて可愛らしい日常を描いた物語だね。

定期テストで必ず聞かれる「三太郎の気持ちの変化」や、物語を面白くしている「擬声語・擬態語の効果」など、高得点を取るための重要ポイントを一緒に確認していこう!

『竜』テスト対策ポイントまとめ

  • 「気の弱い微笑」から「気の弱そうな苦笑い」への三太郎の心情の変化をおさえよう
  • 三太郎が行動を起こした理由(鼻先を出した理由、飛び出した理由など)を説明できるようにしよう
  • 村人(楢やんや百姓たち)と三太郎の間の「すれ違い(勘違い)」の面白さを読み取ろう
  • ぐおおおん、へたへたなどの「擬声語・擬態語(オノマトペ)」の効果を確認しよう

1. 今江祥智『竜』の基本情報と登場人物

まずは、この物語の全体像と登場人物を整理しておこう。

登場人物の整理

  • 竜の子 三太郎(さんたろう):この物語の主人公。山を二巻きするほど巨大で強い力を持つが、本当はとっても気が弱くて臆病(おくびょう)。人に見つからず、そっと暮らしたいと思っている。
  • 竜大王(りゅうだいおう):三太郎の父親。ひっそり隠れて暮らす息子を見て、情けなく思い、文句を言うのもあきらめて飛び去ってしまう。
  • 木こりの楢(なら)やん:村の釣りてんぐ(釣りの名人)。夜中に沼で釣りをしているとき、偶然三太郎と顔を合わせて腰を抜かしてしまう。
  • 村人(百姓)たち:楢やんの噂を聞いて沼に集まる。のちに日照り続きの村に雨を降らせてくれた三太郎を「竜神様」としてまつり上げる。

2. 『竜』のあらすじと場面ごとの出来事

教科書の課題にあるように、場面ごとの出来事を整理して、タイトルをつけてみよう。

【第1場面】気の弱い三太郎と、呆れる父
巨大な竜の子三太郎は、とても気が弱く、いつも沼の底で息をころして隠れていました。父親の竜大王は見回りに来てもなかなか息子を見つけられず、かんしゃくを起こして呆れて帰ってしまいますが、三太郎は人に見つからずにそっと暮らせることに安心していました。

【第2場面】楢やんとの遭遇と、見物衆の騒ぎ
ある夜、釣りに来ていた村の楢やんに、三太郎はうっかり見つかってしまいます。お互いに驚いてパニックになり、楢やんは気絶してしまいます。楢やんが言いふらしたせいで沼には見物衆が押し寄せ、三太郎はため息一つつくこともできず、すっかり元気をなくしてしまいました。

【第3場面】思い切った飛翔と、竜神様への昇格
何日も経ち、日照りのせいで村人がいなくなったのを見計らって、三太郎は体についた藻(も)を落とすために沼から飛び出しました。三太郎が飛び出して雲を呼び、田畑一面に大雨が降ったので、喜んだ百姓たちは三太郎を「竜神様」としてまつり上げます。三太郎は「神様は退屈だ」と小さなあくびをしながら、少しだけ誇らしい気持ちで苦笑いを浮かべるのでした。

3. 【テスト頻出】三太郎の行動の「理由」を読み解く

この物語では、「三太郎がなぜその行動をしたのか」という理由がテストでとてもよく聞かれるよ。順番に確認しよう。

① 竜大王に鼻先を突き出したのはなぜ?

父親の竜大王が来たとき、三太郎が「ぽっちりと鼻先を突き出した」のはなぜだろうか。
答えは、竜大王が息子を見つけられず「かんしゃくを起こした(怒って鼻を鳴らした)から」だね。怒られたから「しかたなしに」顔を出したんだ。

② 竜大王が帰って「さも安心したようにいそいそと」戻ったのはなぜ?

呆れた父親が帰ってしまったのに、三太郎はなぜ嬉しそうに(いそいそと)沼の底に戻ったのだろう。
それは、「人(父親を含む)に見つからずに、そっと暮らしていたかっただけ」だからだよ。干渉されずに隠れていられることが、三太郎にとっては一番の幸せなんだね。

③ 沼から「思いきって飛び出してやろう」と決心したのはなぜ?

ずっと隠れていた三太郎が、ついに空へ飛び出した理由も必ずテストに出るよ。
かっこよく空を飛びたかったわけではなく、「何日も沼の底にくすぶっていたため、体中が藻や水ごけだらけでぬるぬるして気持ち悪かったから(さっぱりしたかったから)」というのが本当の理由なんだ。

くまごろう
村人を助けようと思ったというより、体についた藻や水ごけを落としてさっぱりしたかったんだね。
たろう
そうなんだ。自分のお風呂代わりに飛び出しただけなのに、結果的に村人を救ってしまったという「偶然」が面白いところだね。

4. 読解の核心:三太郎と村人の「すれ違い(勘違い)」

この物語の面白さは、気の弱い三太郎の本当の気持ちと、村人たちが勝手に思い込んでいる「恐ろしくて偉大な竜のイメージ」が大きくすれ違っている(勘違いしている)ところにあるよ。

  • すれ違い①:楢やんとの遭遇
    三太郎が「なま暖かい空気」を出したのは、ただ長くたまっていた息を吐いただけで、人間を脅かそうとしたわけじゃないんだ。でも楢やんは化け物が出たと勘違いして「へたへたと腰を抜かし」て気を失ってしまったね。一方の三太郎も、人間から「わああっと脅かされた」と思ってパニックになっているんだ。
  • すれ違い②:ため息が引き起こした騒ぎ
    三太郎が困って「しょんぼりと」ついたため息が大きなあぶくになり、それを見た見物衆は「それ出たぞい!」と大騒ぎ。三太郎の弱気が、逆に人間たちを興奮させてしまっているね。
  • すれ違い③:竜神様への昇格
    三太郎はお風呂代わりのつもりで飛び出して大雨を降らせた(けがの功名)だけなのに、百姓たちは「竜神様が助けてくれた!」と勘違いして、しめ縄を張ってたたえ始めたんだ。

5. 【超重要】「気の弱い微笑」と「気の弱そうな苦笑い」の比較

この物語の学習目標である「心情の変化」を読み取るための、一番重要なテスト頻出ポイントだよ! 2つの表現をしっかり比較しよう。

①「気の弱い微笑(ほほえみ)」

見物衆がたくさん来てしまい、うっかりため息もつけずにすっかり元気をなくして、沼の底で自分の体を眺めているときの表情だね。
これは、「どうすることもできず、ただひっそりと隠れているしかない」という、本当に気が弱くて諦めている気持ち(自嘲)を表しているよ。

②「気の弱そうな苦笑い」

最後、竜神様としてたてまつられたときの表情だね。
「気の弱そう」に変わっていることに注目しよう。偶然とはいえ村人を助けて神様になり、「まんざら悪い気もしない」「これなら父親にも申しわけが立つ」と少し誇らしく、自信を持った気持ちが表れているんだ。
でも、本当の自分はただの気の弱い竜の子なので、「神様って退屈だなあ」と照れ隠しで苦笑いをしているんだね。

くまごろう
同じように笑っていても、本当の気持ちは全然違うんだね。
たろう
「弱い」と「弱そうな」、「微笑」と「苦笑い」という言葉の微妙な違いに、三太郎の成長や心情の変化がよく表れているんだよ。

💡 テスト対策のまとめ!

「気の弱い微笑」= 本当に気が弱くて、諦めて元気がない状態。
「気の弱そうな苦笑い」= 竜神様としてまつられてまんざらでもなく、少し誇らしい気持ちもあるが、照れくささも混じっている状態。

6. 中学生の疑問を解決!『竜』読解Q&Aコーナー

授業中やテスト勉強で、みんなが「これってどういうこと?」と疑問に思いやすいポイントを解説するよ!

Q1. 楢やんはなぜ腰を抜かしてしまったの?

【解説】

夜中の沼で、楢やんは「途方もなく大きなうなぎ」だと思って舟を寄せたんだ。ところが、それは三太郎のひげで、さらに巨大な三太郎の顔まで見えてしまったから、あまりの恐ろしさに腰を抜かしてしまったんだね。

Q2. 「これには三太郎も困ってしまった」の「これ」とは何?

【解説】

楢やんの噂を聞きつけた物好きな見物衆が、夜になっても帰らず、かがり火をたいて三太郎が顔を出すのを待っている状態のことだよ。

Q3. 「けがの功名(こうみょう)」とはどういうこと?

【解説】

失敗や何気なくやったことが、偶然良い結果をもたらすことわざだよ。
この物語では、「ただ、藻や水ごけだらけの体をさっぱりさせたくて飛び出しただけなのに、結果的に大雨を降らせて村人を日照りから救い、竜神様としてまつられたこと」を指しているよ。

7. 【コラム】物語を面白くする「擬声語・擬態語(オノマトペ)」

この物語には、音や様子を表す言葉(擬声語・擬態語)がたくさん使われていて、お話を生き生きと面白くしているんだ。教科書の課題にもなっているから確認しておこう。

  • ぐおおおん(竜大王の怒った鼻息):巨大な竜の迫力や恐ろしさが伝わる。
  • しずしずと、そろりそろりと:三太郎の臆病で気が弱い様子、人に気づかれないようにそっと動く様子がよくわかる。
  • へたへたと(楢やんが腰を抜かす):あまりの恐怖で、体の力が完全に抜けてしまった様子がコミカルに伝わる。
  • ぬるぬるねちねち:藻や水ごけが体にへばりついた、とても気持ち悪い感触がリアルに伝わる。
くまごろう
ただ「気持ち悪い」って書くより、「ぬるぬるねちねち」って書いてある方が、どんな風に気持ち悪いのかよくわかるね。
たろう
これらの言葉があることで、巨大な竜が本当にいるような迫力と、三太郎の人間くさくて可愛い性格のギャップが強調されて、読者を楽しませてくれる効果があるんだ。

8. 『竜』新出漢字・重要語句の意味一覧

新出漢字一覧

教科書で新しく習う漢字だよ。テストで読み書きができるように練習しておこう。

漢字音読み訓読み熟語・使い方
リュウたつ竜神(りゅうじん)、恐竜
か(ける)
か(る)
天を駆(か)ける、駆除
ショウぬま沼(ぬま)の底、泥沼
トツつ(く)鼻先を突(つ)き出す、突然
カンか(える)
か(わる)
空気を入れ換(か)える、交換
センひそ(む)
もぐ(る)
底に潜(もぐ)る、潜水
インかく(す)
かく(れる)
ひっそりと隠(かく)れる、隠居
チョウつ(る)釣(つ)りてんぐ、釣果
湿シツしめ(る)
しめ(す)
湿(しめ)り気、湿度
ヒツひきもう一匹(いっぴき)、匹敵
ヨウこし腰(こし)を抜かす、腰痛
バツぬ(く)
ぬ(ける)
ぬ(かす)
ぬ(かる)
腰を抜(ぬ)かす、抜群
チンしず(む)
しず(める)
沼に身を沈(しず)める、沈没
コウあわ(てる)
あわ(ただしい)
慌(あわ)てさせる、恐慌
微笑(びしょう)、微妙
う(く)
う(かれる)
う(かぶ)
う(かべる)
苦笑いを浮(う)かべる、浮力

重要語句の意味調べ

物語を正確に読み取るための重要語句だよ。テストの語句問題で意味が聞かれることが多いから、しっかり確認しておこう。

語句意味
とぐろヘビなどが、体をらせん状に巻いた状態のこと。
息をころす見つからないように、息をおさえて静かにしている様子。
しずしずと静かに、落ち着いて行動する様子。
…でさえ…であっても。極端な例を挙げて強調する言葉。
骨(ほね)が折(お)れる困難で、苦労すること。手間がかかること。
ひっそり物音がせず、静まり返っている様子。目立たない様子。
かんしゃくちょっとしたことで、すぐに怒り出す性質のこと。
しかたなしどうしようもなく。やむを得ず。
うんざりするすっかり嫌になって、飽き飽きすること。
情(なさ)けないみじめで、思いやりがなく、残念に思うこと。
…こともよしにする…するのをやめること。あきらめること。
さも‥‥ようにいかにもそのように見える様子。
いそいそ嬉しくて、動作が軽やかになっている様子。
気の弱い臆病で、心がくじけやすい性格のこと。
‥から推(お)すある事柄から、別の事柄を推測(想像)すること。
はや、…早くも。すでに。
夜半(やはん)夜中。真夜中。
くたびれる疲れて元気がなくなること。
手(て)を休(やす)める作業を一時的に止めて、休憩すること。
途方(とほう)もないとんでもなく大きい。並外れている様子。
つきについとる運がとても良くて、絶好調であること。
面(おもて)表面のこと。(沼の面=水面)
気(き)が大(おお)きくなる自信を持って、細かいことを気にしなくなること。
いうまでもないわざわざ言葉にして言う必要がないほど、明らかであること。
見開(みひら)く目を大きく見張ること。
わめく驚きなどで、大きな声を出して叫ぶこと。
へたへたと急に体の力が抜けて、座り込んでしまう様子。
逆巻(さかま)く水が激しく渦を巻いて、逆流するように波立つこと。
うろうろする目的もなく、あちこち歩き回ること。
言(い)いふらす多くの人にうわさ話を広めること。
物好(ものず)き変わったことを好む人。好奇心が強い人。
かがり火(び)照明のために、鉄かごなどに入れてたく火のこと。
気長(きなが)焦らず、のんびりと構えている様子。
顔突(かおつ)き合(あ)わせるお互いに顔を向けて、近くで会うこと。
思(おも)いもよらずまったく予想していなかったこと。
ただただひたすら。そればかりをすること。
しょんぼり元気がなく、寂しそうにしている様子。
見物衆(けんぶつしゅう)めずらしいものを見に集まってきた多くの人々のこと。
始末(しまつ)物事の結果。良くない結末のこと。
うっかり注意が足りず、無意識にやってしまう様子。
すっかり完全に。残らず。
幾巻(いくま)き何重にもグルグルと巻いていること。
胸(むね)がつまる息苦しくなること。悲しみなどで心が苦しくなること。
様子(ようす)をうかがう周りの状況を、こっそりと調べること。
…のおり…の機会。…の時。
心(こころ)に決(き)める決心すること。心の中で固く誓うこと。
しんぼう我慢(がまん)つらいことを耐え忍ぶこと。
きり(がある)限度。限界。(これ以上は無理だということ)
ざわつく人の声などで、周囲が騒がしくなること。
用心深(ようじんぶか)い失敗しないように、とても気をつけている様子。
明(あ)くる日(ひ)次の日。翌日。
くすぶる同じ場所に引きこもって、パッとしない状態でいること。
藻(も)水中に生える植物の総称。
水(みず)ごけ水中の岩などに生えるコケのこと。
おびただしい数がとても多い。程度がはなはだしい様子。
日照(ひで)り雨が降らず、晴天が長く続いて干ばつになること。
頭(あたま)を抱(かか)える心配事や悩みを抱えて、どうしていいかわからなくなること。
百姓(ひゃくしょう)農民。農業をして暮らしている人々のこと。
竜神(りゅうじん)水を司ると信じられている、竜の姿をした神様。
引(ひ)き揚(あ)げる元いた場所に帰ること。撤退すること。
しめ縄(なわ)神聖な場所であることを示すために張る、特別な縄。
いきさつ物事がそこに至るまでの事情や経過のこと。
書(か)き連(つら)ねる次から次へと、長く文章を書き続けること。
けがの功名(こうみょう)失敗や何気なくやったことが、偶然良い結果になること。
たてまつられる神様などとして、尊いものとして扱われること。
まんざら(打ち消しの言葉を伴って)完全にダメだというわけではないこと。
申(もう)しわけが立(た)つ相手に対する言い訳ができて、顔向けができること。
頬(ほお)を赤(あか)らめる恥ずかしさや照れくささで、顔が赤くなること。

9. まとめ

『竜』は、強大な力を持っているのに気が弱い三太郎と、そんな彼を恐ろしい竜神様だと勘違いして大騒ぎする人間たちの、すれ違いがユーモラスに描かれた物語だったね。

テストでは、三太郎の行動の理由や、「微笑」と「苦笑い」の心情の変化が確実に問われるよ。この記事で確認したポイントをしっかり復習して、国語のテストに自信を持って臨(のぞ)もう!

『竜』テスト対策ポイントまとめ(再確認)

  • 「気の弱い微笑」から「気の弱そうな苦笑い」への三太郎の心情の変化をおさえよう
  • 三太郎が行動を起こした理由(鼻先を出した理由、飛び出した理由など)を説明できるようにしよう
  • 村人(楢やんや百姓たち)と三太郎の間の「すれ違い(勘違い)」の面白さを読み取ろう
  • ぐおおおん、へたへたなどの「擬声語・擬態語(オノマトペ)」の効果を確認しよう

運営者情報

青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。 ※サイト全体の運営実績についてはこちらにまとめています。

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