「詩の世界」要点と期末テスト対策ポイントまとめ

中学1年国語で学ぶ「詩の世界」について、テストで必要になるポイントを解説するよ。

中学1年国語
「詩の世界」

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「詩の世界」 要点と期末テスト対策ポイントまとめ

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目次【本記事の内容】

「詩の種類」とは?

詩は、使っている言葉(用語)とか、書き方(形式)とか、内容によっていくつかの「種類」に分けられるよ。

くまごろうくまごろう

テストでは、この「詩の種類」について出題されたりするので、種類の分け方と、それぞれの種類を「なんて呼ぶか」を覚える必要があるよ。

それでは、詩の種類はどうやって分けられるのか、ひとつずつ解説するよ。

「用語」の違いで分ける

「用語」の違いで分けるというのは、つまり「詩を書くときに使う言葉」の違いで分けるということ。

詩に使われる言葉には、口語こうご」と「文語ぶんご」という2つの種類があるんだ。

「口語と「文語」は、中学の国語で絶対に必要な知識になるので、今しっかり覚えてしまおう!

口語とは?

口語というのは、カンタンにいうと「今の時代に、みんなが話すときに普通に使っている言葉」のこと。
「今」と「話し言葉」がポイント。

文語とは?

口語に対して、文語というのは、「昔の文章に使われているような言葉」のこと。
「昔」と「文章」がポイントだね。

たとえば、あの有名な「かぐや姫」のお話で考えてみよう。

「かぐや姫」を「文語」で書いた場合

今は昔、竹取のおきなというものありけり。
野山にまじりて竹をとりつつ、よろづの事につかひけり。

「かぐや姫」を「口語」で書いた場合

今となってはもう昔のことだけど、「竹取じいさん」という人がいたんだ。
野山に入っていって、竹を取ってきては、いろんなことに使っていたんだって。

たろうたろう

全然違うね。
「文語」で書かれているのか、「口語」で書かれているのかで、分ける必要があるのも納得かも。

用語での詩の分け方

「今の話しことば」で書かれていたら
口語詩こうごし

「昔の書きことば」で書かれていたら
文語詩ぶんごし

「形式」の違い

詩の「形式」というのは、「どんなきまりで書かれているのか」ということ

たとえば俳句は、「五・七・五」で書くというきまりがあるよね。

それと同じように、詩にも、「○文字で書く」というきまりがある時があるんだ。

くまごろうくまごろう

○文字のことを、「音数」という言い方をするよ。
たとえば、「5文字で書かれている」ことを「5音で書かれている」というように言うよ。

詩を書くときのきまりの違いによって、「定型詩」、「自由詩」、「散文詩」という3つの形式に分かれるよ。
ひとつずつ解説するね。

「定型詩」とは?

詩を書くとき、音数に一定のきまりがある詩のことだよ。

音数にきまりがある詩の例

山のあなたの(7音) 空とおく(5音)
さいわい」住むと(7音) 人のいふ(5音)
ああ、われひとと(7音) とめゆきて(5音)…

「7音」と「5音」のくりかえしになっているね。

このように「音数にきまりがある詩」のことを「定型詩」と呼ぶんだ。

「自由詩」とは?

定型詩は音数にきまりがあるのに対して、
自由詩は「自由」というだけあって、つまり「音数のしばり・・・はナシで」書かれた詩のこと。

書きたいことを、書きたいように書いているから、音数がバラバラということだね。

「散文詩」とは?

普通は「詩」といったら、まとまりごとに1行空いていたりするよね。

それにくらべて散文詩というのは、まるで小説などのように「普通の文章で書かれた」詩のこと。

くまごろうくまごろう

散文詩はあまりなくて、めずらしいんだ。
中学の国語では、「散文詩」についてまでは覚えていなくても大丈夫。
定型詩と自由詩については、必ず覚えよう!

「何について書かれているか」の違い

最後に、「何について書かれているのか」の違い。

書かれている内容によって、「叙情詩」「叙景詩」「叙事詩」の3つに分かれるよ。

これも、中学の国語ではまだ覚えなくても良いけれど、参考にしてみてね。

叙情詩とは?

「情」、つまり「作者の心情」について書かれた詩のことだよ。

「僕はこう思った」とか、「友達って大切だよね」というように、作者の気持ちや考えを書いたものだね。

叙景詩とは?

「景」、つまり「風景」について書かれた詩のこと。

「夕日が沈む」とか、「春ののどかな花畑」というように、風景の様子などを書いたものだね。

叙事詩とは?

「事」、つまり「起きた事」などについて書かれた詩のこと。

「戦争によって焼け野原になってしまった」とか、「転校生が自分のクラスにやってきた」というように、「出来事」などを書いたものだね。

くまごろうくまごろう

「詩の世界」で学習する3つの詩も、用語・形式・内容によって種類分けすることができるよ。
それでは、それぞれ詳しく解説するね。

「てがみ」のテスト対策ポイント

「てがみ」の基本情報
作者:寺山てらやま 修司
しゅうじ

詩の形式:口語定型詩
音数:7音と5音のくり返し
連の数:3連
特徴:ひらがなだけで書かれている。

「てがみ」の詩で使われている言葉は、今みんなが使っている話し言葉と同じだよね。
ということは、用語は「口語」だね。

そして、「つきよのうみに(7音) いちまいの(5音) てがみをながして(7音) やりました(5音)」となっていて、「7音」と「5音」のくり返しになっているね。
ということは、音数に一定のきまりがあるので、形式は「定型詩」だね。

なので、「口語」と「定型詩」を組み合わせて、「口語定型詩」という形式になるよ。

「てがみをながして」とは?

「てがみをながして」とあるけれど、これはどういうことかというと、「てがみをうみにながす」という表現は、「渡すことのできなかった手紙(思い)」のことを表していると考えられるよ。

「てがみ」=「さかな」?

うみにながした「てがみ」はどうなるのかというと、
つきのひかりにてらされて、「あおく」なるんだよね。

最後の連では、「ひとがさかなとよぶもの」は、「だれかのてがみ」だと言っているね。

「てがみ」のテーマ

「伝えられない思い」をうみにながすと、「さかな」になる。
海にたくさん泳いでいる魚は、みんな「伝えることができなかった、だれかの思い」なのではないか。

「太陽」のテスト対策ポイント

「太陽」の基本情報
作者:八木やぎ 重吉じゅうきち

詩の形式:口語自由詩
詩の「時間」:夕暮れ

「太陽」も、書かれている言葉は「今の話しことば」と同じだね。
ということは、用語は「口語」になるね。

そして、音数はというと、特にきまりはないね。

なので、「太陽」の詩の形式は、「口語自由詩」ということになるよ。

「太陽」の詩の時間は?

「太陽」には、「あかくなって落ちてゆくのをみていたら」という表現があるね。

これは、「太陽」が「あかくなって落ちてゆく」ということなんだよね。

太陽が落ちてゆくということは、「夕暮れ」のことだね。

「太陽」の詩の時間は、「夕暮れ」だよ。

内容で考えると、2つに分けることができる

「太陽」に書かれている内容でかんがえると、詩を前半と後半の2つに分けることができるよ。

「太陽をひとつふところへ入れていたい」から、「腹がたったら投げつけたりしたい」までは、
「作者は太陽をどうしたいか」が書かれているね。

そのさきの「まるくなって」から、「太陽がひとつほしくなった」には、
「なぜ作者は太陽がほしいのか」について書かれているね。

「太陽」のテーマ

「太陽」を、自分のものにして自由にしたい。
けれども、「手に入れることはできない」「手の届かない」存在である。

「魚と空」のテスト対策ポイント

「魚と空」の基本情報
作者:木坂きさか りょう

詩の形式:口語自由詩
連の数:4連
特徴:句点が使われている。
※句点で考えると、7つの文に分かれている。
表現技法:擬人法・倒置法

「魚と空」も、今の話し言葉で書かれていて、音数には特にきまりはないね。

なので、詩の形式は「口語自由詩」になるよ。

句点が使われている

普通、詩には句点(文の終わりの「。」のこと)は使われないんだけれど、「魚と空」には、句点があるのが特徴

れん(文のひとまとまりのこと)は、4つだけれど、句点が使われていることによって、「文」として分けることもできるんだ。

「文」で分けると、全部で7つの文からできているよ。

「魚と空」の表現技法について

表現技法とは、文章や詩を書く時に使う工夫のことで、
「印象が残る」ようにしたり、「リズムを出したり」する方法のことだね。

擬人法について

「魚と空」の第二連には、「波は 海のやぶれ目を ごまかしている。」とあるね。

「波」は、人間ではないから「ごまかす」ことはできないよね。
そこを人間のように例えて「波」が「ごまかす」というように書くことで、印象に残るようにしているんだ。

倒置法について

「魚と空」の第三連には、「魚は 海を脱けでる。初めてそして たった一度だけ。」とあるね。

普通なら「魚は初めて、そしてたった一度だけ海を脱けでる。」という言葉の並び方になるよね。

これをあえて逆にすることで印象が強く残るように工夫しているんね。

鳥は何をつかんでいるの?

「鳥は もう掴(つか)んでいる。」とあるけれど、何を掴んでいるのかな?

「魚と空」には、なにが起きているのかハッキリは書かれていないけれど、「鳥が海へ急降下してきて、泳いでいた魚を掴んで、また飛び上がり、魚を食べる」という一連の出来事が書かれているね。

ということは、鳥が掴んでいるのは「魚」だと考えることができるね。

「海のやぶれ目」とは?

海に、やぶれ目なんて、本当ならあるわけはないよね。

では、なにを表しているのかというと、「鳥」が海を泳ぐ「魚」を掴んだときにできた水面の様子を表現しているんだよ。まるで海がやぶれたように見えるよね。

「もうひとつの空へのまれる。」とは?

魚は、海を脱けでるね。
それって、「鳥」に海から掴み出されたからだよね。

そして、それは「たった一度だけ」と書いてある。
つまり、「もう掴みだされる」ことはない。ということを表現しているんだ。

なぜ「もう掴みだされる」ことはないのかな?
そう、鳥に「食べられてしまうから」だね。

この「鳥に食べられてしまう」ことを、「もうひとつの空へのまれる。」と表現しているんだよ。

魚と空のテーマ

鳥が海を泳ぐ魚をみつけて、急降下し、魚を掴み出して、食べてしまうまでの様子を描いている

「詩の世界」テスト対策ポイント
まとめ

「詩の世界」まとめ
  • 詩に使われている言葉(用語)によって「口語」と「文語」に分けることができる。
  • 詩を書くときに音数が決まっているかどうかで、「定型詩」と「自由詩」に分けることができる。
  • 「てがみ」は口語定型詩で、すべてひらがなで、3連で書かれている。
  • 「太陽」は口語自由詩で、内容的に前半と後半に分けることができる。
  • 「太陽」の時間は「夕暮れ」
  • 「魚と空」は口語自由詩で、擬人法と倒置法が使われている。
  • 「魚と空」には、句点が使われている。
  • 「魚と空」は、4連で書かれているが、句点で考えると7つの文に分かれている。
yuminekoyumineko

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運営者情報

青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。

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