高校漢文「助長」をわかりやすく解説!意味・書き下し文・現代語訳・句法
高校古典・漢文で学習する「助長」について、故事成語「助長」とはどういう意味か、由来となった漢文の白文・書き下し文・現代語訳、定期テストで必要となる語句や句法をわかりやすく解説するよ。
「助長」という言葉は、現代では「成長を助ける」「発展を促す」という意味で使われることもあるよね。
でも、故事成語としてのもともとの「助長」は、少し注意が必要なんだ。
もとの話では、苗を早く成長させたいと思った人が、苗を無理に引っぱってしまうよ。その結果、苗は成長するどころか、かえって枯れてしまうんだ。
つまり、故事成語としての「助長」は、無理に手助けをして、かえって害を与えてしまうことを表す言葉なんだよ。
漢文「助長」テスト対策ポイント
- 「助長」の本来の意味は、無理に手助けして、かえって害を与えること。
- 現代語では「成長を助ける」という意味で使われることもあるが、故事成語本来の意味とは分けて考える。
- 出典は、儒家の書物『孟子』。
- 話に出てくるのは、宋の人。
- 宋の人は、苗が伸びないことを心配して、苗を引っぱった。
- 結果として、苗は枯れてしまった。
- 「閔」は、うれふと読み、「心配する」という意味。
- 「揠」は、ひくと読み、「引き抜く・無理に引っぱる」という意味。
- 「芒芒然」は、ぼうぼうぜんと読み、ぼんやり疲れたようすを表す。
- 「病」は、ここでは疲れるという意味。
- 「趨」は、はしると読み、「急いで行く」という意味。
- 「槁」は、かると読み、「枯れる」という意味。
- 「有〜者」は、〜する者がいるという意味。
- 「非徒無益、而又害之」は、ただ利益がないだけでなく、さらに害を与えるという意味。
「助長」の意味

「助長」は、じょちょうと読むよ。
現代語では、「成長を助ける」「物事の発展を促す」という意味で使われることもあるよね。
たとえば、「子どもの自主性を助長する」「学習意欲を助長する」のように使う場合は、よい意味で使われていることが多いよ。
また、「混乱を助長する」「不安を助長する」のように、悪いものをさらに強める意味で使われることもあるんだ。
ただし、これは現代日本語での使い方だよ。故事成語としてのもともとの「助長」は、よい意味ではなく、失敗のたとえなんだ。
無理に手助けをして、かえって害を与えてしまうこと。
たとえば、植物を早く育てたいからといって、芽をぐいぐい引っぱったらどうなるかな。
もちろん、植物は早く育つどころか、根が傷んで枯れてしまうよね。
「助長」は、まさにそういう「よかれと思ってやりすぎた結果、かえって悪い結果になってしまう」ことを表す故事成語なんだ。
「助長」の出典と背景
「助長」の由来となった話は、中国の書物『孟子』に出てくるよ。
『孟子』は、儒家の思想家である孟子の言葉や考えをまとめた書物だよ。
「助長」の話は、『孟子』の公孫丑上という篇に出てくるんだ。
本文では、孟子が「心に忘れてはいけないが、無理に助けて成長させようとしてもいけない」という考えを説明するために、宋の人のたとえ話を出しているよ。
難しく聞こえるかもしれないけれど、話そのものはとてもわかりやすいんだ。
「早く育ってほしい」と思いすぎた人が、苗を引っぱってしまう。そして、そのせいで苗が枯れてしまう。これが「助長」のもとになった話だよ。
「助長」あらすじ

「助長」の話に出てくるのは、宋の国の人だよ。
この人は、自分の田んぼの苗がなかなか伸びないことを心配していたんだ。
そこで、なんと苗を1本1本引っぱって、早く伸ばそうとしたよ。
宋の人は、苗がなかなか伸びないことを心配していた。
そこで、苗を無理に引っぱって伸ばそうとした。
疲れて家に帰ると、「今日は疲れた。私は苗が伸びるのを助けてやったぞ」と家族に言った。
その子が急いで田んぼへ見に行くと、苗はすっかり枯れていた。
本人は、苗のために一生懸命がんばったつもりだったんだろうね。
でも、苗は自然に根を張って、少しずつ成長していくもの。無理に引っぱれば、根が傷んでしまうよね。
この話から、「よかれと思って無理に手助けした結果、かえって害を与えること」を「助長」というようになったんだ。
「助長」白文
教科書によっては、前半や後半の一部が省略されていることがあるよ。テストでは、授業で扱った本文の範囲に合わせて確認しよう。
必有事焉而勿正、心勿忘、勿助長也。
無若宋人然。
宋人有閔其苗之不長而揠之者。
芒芒然帰。
謂其人曰、
「今日病矣。予助苗長矣。」
其子趨而往視之。
苗則槁矣。
天下之不助苗長者寡矣。
以為無益而舎之者、不耘苗者也。
助之長者、揠苗者也。
非徒無益、而又害之。
「助長」書き下し文
書き下し文の送り仮名や漢字の読みは、教科書によって少し違う場合があるよ。テストでは、自分が使っている教科書や授業プリントの表記に合わせよう。
必ず事とする有りて正すること勿かれ、心に忘るること勿かれ、助長すること勿かれ。
宋人の若く然ること無かれ。
宋人に其の苗の長ぜざるを閔へて、之を揠く者有り。
芒芒然として帰る。
其の人に謂ひて曰はく、
「今日病れたり。予、苗を助けて長ぜしめたり。」と。
其の子趨りて往きて之を視る。
苗則ち槁れたり。
天下の苗の長ずるを助けざる者寡し。
以て益無しと為して之を舎つる者は、苗を耘らざる者なり。
之を助けて長ぜしむる者は、苗を揠く者なり。
徒だ益無きのみに非ず、而も又之を害す。
「助長」現代語訳
必ず心がけるべきことはあるが、無理に結果を求めてはいけない。心に忘れてもいけないし、無理に助けて成長させようとしてもいけない。
宋の人のようであってはならない。
宋の人で、自分の苗が成長しないことを心配して、その苗を引っぱる者がいた。
その人は、ぼんやり疲れたようすで帰ってきた。
家族に向かって言うには、
「今日は疲れた。私は苗が成長するのを助けてやったぞ。」と。
その人の子どもが急いで行って、苗のようすを見た。
すると、苗は枯れてしまっていた。
世の中には、苗が成長するのを助けようとしない者は少ない。
「助けても意味がない」と思って放っておく者は、苗のまわりの草を取らない者である。
成長を助けようとして無理に手を加える者は、苗を引っぱる者である。
ただ利益がないだけでなく、さらに害を与えてしまうのである。
「助長」語句の意味
| 語句 | 意味 |
|---|---|
| 助長 | 故事成語としては、無理に手助けして、かえって害を与えること。現代語では「成長を助ける」という意味で使われることもある。 |
| 孟子 | 中国の戦国時代の思想家。また、その言葉や思想をまとめた書物の名前。 |
| 公孫丑上 | 『孟子』の篇名。 |
| 必ず事とする有り | 必ず心がけるべきことがある。 |
| 正する | ここでは、無理に結果を求める、あらかじめ期待して待つ、という意味で考えるとよい。 |
| 宋人 | 宋の国の人。「宋人」は「そうひと」と読むことがある。 |
| 閔ふ | うれふ。心配する。 |
| 其の苗 | その人の苗。 |
| 長ぜざる | 成長しないこと。 |
| 揠く | ひく。引き抜く。無理に引っぱる。 |
| 之 | ここでは苗を指す。 |
| 芒芒然 | ぼうぼうぜん。ぼんやり疲れたようす。疲れきったようす。 |
| 其の人 | その家の人。家族。 |
| 病る | 疲れる。ここでは、宋の人が苗を引っぱって疲れたことを表す。 |
| 予 | 私。 |
| 趨る | はしる。急いで行く。 |
| 往く | 行く。 |
| 視る | 見る。確認する。 |
| 則ち | すると。そこで。 |
| 槁る | かる。枯れる。 |
| 寡し | 少ない。 |
| 以為 | 思う。考える。 |
| 無益 | 利益がないこと。役に立たないこと。 |
| 舎つ | 捨てる。放っておく。 |
| 耘る | くさぎる。草を取る。除草する。 |
| 非徒 | ただ〜だけではない。 |
| 害之 | これを害する。ここでは、苗を害すること。 |
「助長」内容とポイント
宋の人は、なぜ苗を引っぱったのか
宋の人は、自分の苗がなかなか成長しないことを心配していたよ。
そこで、苗を早く伸ばそうとして、苗を引っぱってしまったんだ。
本人としては、「苗の成長を助けた」と思っているところがポイントだよ。
でも、苗は自然に成長するものだから、外から無理に引っぱれば、根が傷んでしまうよね。
つまり、宋の人は「助けているつもり」で、実際には苗に害を与えてしまったんだ。
苗はどうなったのか
宋の人は家に帰って、「今日は疲れた。私は苗を助けて成長させてやったぞ」と言ったよ。
それを聞いた子どもが急いで田んぼへ見に行くと、苗は枯れてしまっていたんだ。
ここで、「助けたつもりなのに、かえって害を与えた」という話の核心がわかるね。
「助長」の本来の意味と現代の使い方
故事成語としての「助長」は、無理に手助けして、かえって害を与えることを表しているよ。
これは、宋の人が苗を助けようとして、かえって枯らしてしまった話から来ているんだ。
ただし、現代語では「発展を助ける」「成長を促す」という意味で使われることもあるよ。
たとえば、「能力の発達を助長する」のような表現では、よい意味で使われることがあるね。
一方で、「混乱を助長する」「不安を助長する」のように、悪いものをさらに強める意味で使われることもあるんだ。
テストでは、故事成語の由来を問われた場合、本来の意味は「無理な手助けで、かえって害を与えること」だと押さえておこう。

必要なことをしつつ、結果を急がない
本文の後半では、孟子が2つのよくない態度を説明しているよ。
1つ目は、「どうせ助けても意味がない」と思って、苗のまわりの草取りもしないような態度。
2つ目は、苗を早く成長させようとして、無理に引っぱってしまうような態度。
つまり孟子は、「何もしなくてよい」と言っているわけではないよ。
必要な手入れや努力は続ける。ただし、結果を急いで無理に引っぱるようなことをしてはいけない、ということなんだ。
つまり大切なのは、必要なことをしながら、自然な成長を無理に急がせないことだね。
「助長」重要句法
「有〜者」=〜する者がいる
「宋人有閔其苗之不長而揠之者」では、有〜者の形が使われているよ。
「有〜者」は、〜する者がいるという意味になる、漢文でよく出る大切な形なんだ。
定期テストでも、書き下し文や現代語訳を問われやすいので、必ず押さえておこう。
ポイントは、文の途中にある「有」が、書き下し文では後ろに回って「〜する者有り」となることだよ。
宋人有閔其苗之不長而揠之者。
宋人に其の苗の長ぜざるを閔へて、之を揠く者有り。
宋の人で、自分の苗が成長しないことを心配して、その苗を引っぱる者がいた。
「其苗之不長」の「之」
「其苗之不長」の「之」は、前後の語句をつなぎ、主述関係を整える働きをしているよ。
ここでは、「其の苗の長ぜざる」と読み、「その苗が成長しないこと」という意味になるんだ。
この「之」は、「これ」と訳す指示語ではないので注意しよう。
「而」の働き
「而」は、前後の内容をつなぐ働きをする字だよ。
本文では、「閔其苗之不長而揠之」のように使われているよ。
「苗が成長しないことを心配して、そしてその苗を引っぱった」という流れを表しているんだ。
また、「非徒無益、而又害之」では、「ただ利益がないだけでなく、さらにこれを害する」という流れを作っているよ。
「矣」=完了・詠嘆・強調を表す助字
「矣」は、文末に置かれて、完了や詠嘆、強調のような気持ちを表す助字だよ。
本文では、「今日病矣」「予助苗長矣」「苗則槁矣」などに出てくるね。
日本語に訳すときは、「〜した」「〜してしまった」「〜である」など、文脈に合わせて自然に訳すとよいよ。
「則」=すると・そこで
「苗則槁矣」の「則」は、すると・そこでという意味で考えると自然だよ。
其子趨而往視之。苗則槁矣。
其の子趨りて往きて之を視る。苗則ち槁れたり。
その人の子どもが急いで行って苗のようすを見た。すると、苗は枯れてしまっていた。
「非徒〜而又…」=ただ〜だけでなく、さらに…
「非徒無益、而又害之」は、本文のまとめとしてとても大切な文だよ。
「非徒〜而又…」は、ただ〜だけでなく、さらに…という意味になるよ。
非徒無益、而又害之。
徒だ益無きのみに非ず、而も又之を害す。
ただ利益がないだけでなく、さらに害を与えてしまう。
「助長」の教訓を直接表している文なので、意味をしっかり押さえよう。
「助長」まとめ
「助長」は、宋の人が苗を早く成長させようとして、苗を無理に引っぱった話から生まれた故事成語だよ。
その人は、苗のためによいことをしたつもりだったけれど、実際には苗を枯らしてしまったんだ。
ここから、「助長」は、無理に手助けをして、かえって害を与えてしまうことを表す言葉になったよ。
現代では「成長を助ける」という意味で使われることもあるけれど、故事成語としての本来の意味は、やりすぎによる失敗のたとえだと押さえておこう。
また、孟子が伝えようとしているのは、「何もしないこと」でも「無理に手を加えること」でもないよ。必要なことを続けながら、結果を急ぎすぎないことが大切なんだね。
- 「助長」の本来の意味は、無理に手助けして、かえって害を与えること。
- 現代語では「成長を助ける」という意味で使われることもある。
- 出典は『孟子』。
- 話に出てくるのは、宋の人。
- 宋の人は、苗が成長しないことを心配して苗を引っぱった。
- その結果、苗は枯れてしまった。
- 「閔」は「うれふ」と読む。
- 「揠」は「ひく」と読む。
- 「芒芒然」は「ぼうぼうぜん」と読む。
- 「病」は、ここでは「疲れる」という意味。
- 「趨」は「はしる」と読み、急いで行くという意味。
- 「槁」は「かる」と読み、枯れるという意味。
- 「有〜者」は「〜する者がいる」という意味。
- 「非徒無益、而又害之」は「ただ利益がないだけでなく、さらに害を与える」という意味。
ここまで学習できたら、「助長」のテスト対策問題とドリルにも挑戦してみよう。
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青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。 ※サイト全体の運営実績についてはこちらにまとめています。

