(古典・古文)大学受験対策におすすめ!古語辞典まとめ
大学受験、共通テスト対策として古典を勉強していく際には「古語辞典」が必要となってきます。
しかしそもそも「古語辞典とはどういったものなのか」「古語辞典をどう選べば良いのか」ということがわかりにくい部分もあります。
そこでここでは古語辞典とはどういったものなのか、ということに加えておすすめの古語辞典を紹介していきたいと思います。
古語辞典とはどういったものか、選び方とは?
そもそも古語辞典とはどういったものなのでしょうか。
簡単に言うと古語辞典は国語辞典の一種であり、奈良、平安~江戸時代くらいまでの単語や慣用句などについて「意味」「用法」などを説明したものです。
用例のすべてに現代語訳がついている「全訳」のものと、より多くの単語を掲載しているがすべては現代語訳されていない「非全訳」のものとがあります。
学習をしていくには全訳のものがおすすめ
中学生や高校生が古語辞典を選ぶ際にはできるだけ「全訳」のものがおすすめです。
例文がすべて現代語訳がついていますので、意味がわかりやすい仕様となっています。
その古語をどのように使うのか、どのように訳せば良いのかということが学習しやすくなっています。
特にこれから本格的に古典を学習していくという学生の場合は全訳のものが間違いないと言えます。
また、古語辞典の中には「逐語訳」と呼ばれるものもあります。
これは原文に忠実に従って現代語に訳しているというもので、もっとも正しい現代語訳がわかるものです。
現代語訳の中には「意訳」されているものも多く、文章の内容は伝わりやすいものの単語本来の意味がわかりにくいという訳もあります。
文章で使われている単語の意味を忠実に訳したいという場合は逐語訳のものを選ぶと良いでしょう。
選ぶ際には「語数」「解説」「付録やコラム」などのバランスで選ぶ
古語辞典によって収録されている語数には差があります。
多ければ良いというわけではありませんが、大学受験に向けて使っていくのであればある程度の語数が入っているものでなければいけません。
また、収録語数も重要ですが、解説がしっかりとついている、わかりやすいということも重要です。
あくまでも辞典として使用するので、見にくい、わかりにくいというものでは使えません。
解説が細かく書かれていて見やすいものを選びましょう。
古語辞典によっては付録やコラムが充実しているものもあります。
古典常識について書かれたもの、古典エピソード、和歌などの付録などがついていたりすると興味を持ちやすくなるだけでなく、知識もつけやすくなります。
古語辞典のおすすめとは
では実際にどういった古語辞典がおすすめなのでしょうか。
ここでは特におすすめしたい古語辞典について紹介していきます。
旺文社全訳古語辞典 第五版
著者:宮腰賢 、石井正己 、小田勝
価格:(税込)3080円
ページ数:本体1440ページ
発行年月:2018年10月12日
ISBN:978-4010777282
公式サイト:https://www.obunsha.co.jp/product/detail/077728
こちらは昔から定評のある人気の古語辞典です。
最新の教科書や入試問題を徹底的に分析し、全面改訂が行われています。
中には精選された語が22500語収録されており、十分なボリュームとなっています。
用例には現代語訳と文法の解説が詳細にのっています。
古典の入門から応用まで通して使用することができる古語辞典です。
また、用例は「逐語訳」なので正確な訳が記載されているのも安心です。
特に重要な語には意味を整理して学べる「語義パネル」が設置されています。
さらに和歌や俳句、助詞助動詞のガイド、慣用表現など図表や一覧もまとめられているので十分な知識をつけることができます。
悩んだ時はこの1冊を選んでおけば間違いないという1冊です。
旺文社古語辞典 第10版 増補版
著者:松村 明 、山口 明穂 、和田 利政
価格:(税込)3190円
ページ数:本体1600ページ
発行年月:2015年10月13日
ISBN:978-4010721209
公式サイト:https://www.obunsha.co.jp/product/detail/072120
受験生が苦手としている部分を重点的に解説している古語辞典です。
収録されている語は43500語というボリュームです。
「語意・語感」「学習」「基本義」といった特設欄によってさまざまな角度から解説を入れており、用例の豊富さと合わせてさらに使いやすいものとなっています。
もちろん古文単語だけでなく、文法、和歌・俳諧、古文常識といった受験に必要となる内容についても150ページにわたって掲載されています。
その中でも苦手とする受験生が多い「敬語表現」についての解説が詳しいのがポイントとなっています。
巻末にはカラー図版があり、文学史の流れも一目でわかるようになっています。
さらにコンパクトな別冊が付録としてついています。
こちらには「助動詞・助詞の早わかり表」「百人一首の手引き」などが掲載されています。
小学館全文全訳古語辞典
著者: 北原保雄
価格:(税込)2860円
ページ数:本体1418ページ
発行年月:2003年10月24日
ISBN:978-4-09-501554-5
公式サイト:https://www.shogakukan.co.jp/books/09501554
こちらは高校生の間に学習するのに必要となる25000語ほどが掲載されています。
見出しの項目を重要度に合わせて三段階に分類されているので頻出語句を確実に押さえることができるようになっています。
一般的な古語辞典では品詞分解があるものであっても用例の一部分しか品詞分解していないことが多いのですが、こちらの古語辞典ではすべての用例分を品詞分解した上で文法や敬語表現の解説がなされています。
さらに、
- 高校教科書に頻出の作品の主要場面の全文を用例として解説する「全文用例」
- 「百人一首」や「名歌鑑賞」「名句鑑賞」の用例にも品詞分解と現代語訳がついている
- 百人一首の手引き、文学史の流れなどの付録あり
- 文法や読解に必要となる項目が150ページにわたって解説付きといった特徴があります。
受験対策として勉強に使っていく古語辞典としても優秀ですが、高校教科書に頻出のタイトルが多く掲載されていて、その主要場面の全文を用例として解説しているために学校の授業の予習や復習、定期テスト対策用の学習書として使用することも可能です。
そういった意味では非常に使用範囲の広い古語辞典だと言えます。
大修館書店 新全訳古語辞典
著者: 林巨樹、安藤千鶴子
価格:(税込)1980円
ページ数:本体1232ページ
発行年月:2016年12月12日
ISBN:978-4469021219
公式サイト:https://www.taishukan.co.jp/book/b266967.html
古語辞典としても珍しく、重要語、季語、人物などに専用のアイコンが付いていて表示されます。
また、似ている意味の単語を一覧にまとめた表が掲載されていたり、デザインやレイアウトも工夫されていて見やすいものとなっています。
用例は教科書で使用されているような題材が中心に選ばれており、すべての用例に現代語訳がついている全訳タイプの古語辞典です。
よく使われる語を中心に17600語が収録されており、十分なボリュームとなっています。
また、文法の解説や敬語表現の解説がかなり詳しくのっているのもポイントと言えます。
そして、
- 古典文学辞典
- 百人一首事典
- 弥次・喜多と歩く古語ウォーキング事典
といった読み応えのあるコラムがあるのもおすすめポイントです。
機能的で使いやすく、しっかりとしたボリュームのある古語辞典となっています。
まとめ
古典の学習をしていく上で「古語辞典」は欠かせないものとなっています。
古文単語、古典文法、古典常識などをまとめて学ぶことができるものとなっており、特に用例が現代語訳されていることで、理解をさらに深めることができるようになっています。
ページ数やサイズ、収録語数などは古語辞典によってかなり差がありますので、自分に合ったものを選んでいくと良いでしょう。
運営者情報
ゆみねこ
詳しいプロフィールを見る
青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。