（古典）「芥川」（伊勢物語より）テスト対策練習問題無料プリント

　高校古典で習う伊勢物語「芥川（白玉か）」の定期テストで出る問題・過去問をまとめています。
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伊勢物語「芥川」テスト対策問題

伊勢物語「芥川」

　昔、男ありけり。
女のえ➀得まじかりけるを、年を➁経てaよばひわたりけるを、bからうじて盗み③出でて、いと暗きに来けり。
④芥川とcいふ川を⑤率て行きければ、草の上に置きたりける露を、「かれは何ぞ。」となむ、男に問ひける。
　行く先多く、夜も更けにければ、鬼ある所とも知らで、神さへいといみじう鳴り、雨もdいたう降りければ、あばらなる蔵に、女をば奥に押し入れて、男、弓、⑥胡簶を負ひて戸口にeをり、はや夜も明けなむと思ひつつ⑦居たりけるに、鬼、はや一口に食ひてけり。
「あなや。」と言ひけれど、神鳴る騒ぎに、え聞かざりけり。fやうやう夜も明けゆくに、見れば、率て⑧来し女もなし。
足ずりをして泣けども、gかひなし。

白玉か何ぞと人の問ひしとき露と答へて消えなましものを

問１

下線➀～⑧の読みを、歴史的仮名遣いで書きなさい。

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答え：
➀う
➁へ
③い
④あくたがは
⑤ゐ
⑥やなぐひ
⑦ゐ
⑧こ

問２

下線a～gを、現代仮名遣いに直して書きなさい。

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答え：
aよばい
bかろうじて
cいう
dいとう
eおり
fようよう
gかいなし

問３

伊勢物語が成立した時代を答えなさい。

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答え：平安時代

問４

伊勢物語の文学的ジャンルを答えなさい。

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歌物語

問５

問４の文学的ジャンルの特徴として、すべての話は何をもとに書かれているか、漢字２文字で答えなさい。

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答え：和歌

問６

伊勢物語と同じ文学的ジャンルの作品を次の中から選びなさい。
あ：平家物語
い：大和物語
う：枕草子
え：徒然草

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答え：い
【解説】日本の歌物語として代表的な３作品は伊勢物語・平中物語・大和物語であることを覚えておこう。

問７

伊勢物語の主人公の男のモデルとなった人物の名前を漢字で書きなさい。

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答え：在原業平

問８

次の（　　）に囲まれた助動詞の、「芥川」本文の中で使われている意味をそれぞれ選びなさい。

【助動詞】
あ：女のえ得（まじかり）ける
い：人の問ひ（し）とき
う：消え（な）ましものを

【意味】
➀：強意
➁：希望
③：過去
④：完了
⑤：打消推量

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答え：
あー⑤
いー③
う―➀
【解説】
あ：「まじかり」は、打消推量「まじ（終止形）」の連用形。直後に助動詞「けり」が続くため、カリ活用となっている。打消推量とは、「ない」という想像・推測のこと。「打消意思（～たくない）」「不可能（～できない）」「打消当然（～はずがない）」「禁止（～てはいけない）」「打消適当（～ないほうがよい）」のうち、本文の文脈「手に入れられそうにない」を考えると、「打消推量（～ないだろう）」が意味として適している。
い：「し」は、過去の助動詞「き」の活用。体言「とき」に続くため連体形。直接体験した過去のことなので、「けり」ではなく「き」が使われている。
う：終止形「ぬ」は、「強意」「完了」「並列」などの意味がある。「消えてしまえばよかった」という文脈から、「強意」が意味として適している。反実仮想（もし～だったら）の「まし」に接続していることからも、「強意」であることがわかる。

問９

次の語句の意味を答えなさい。

あ：え得まじかりける
い：よばひわたりける
う：からうじて
え：行く先多く
お：いみじう鳴り
か：あばらなる蔵
き：あなや。
く：え聞かざりけり
け：足ずり
こ：かひなし

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こたえ：
あ：（例）手に入れられそうもなかった
い：（例）求婚し続けた
う：（例）やっとのことで
え：（例）目的地までまだ遠く
お：（例）ひどく鳴り
か：（例）荒れ果てた蔵
き：（例）驚きの叫び声
く：（例）聞くことができなかった
け：（例）地団駄
こ：（例）役に立たない

問１０

「鬼ある所とも知らで」の助詞「で」の「種類」と「意味」をそれぞれ答えなさい。

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答え：
種類：接続助詞
意味：打消接続
【解説】活用する語に接続し、前後をつなぐ働きをするため「接続助詞」である。「で」は未然形に付く打消接続（～ないで）。

問１１

「神さへいといみじう鳴り」の助詞「さへ」の「種類」と「意味」をそれぞれ答えなさい。

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答え：
種類：副助詞
意味：添加
【解説】「さへ」はさまざまな語につく副助詞。さへの意味は「添加（～までも）」「類推（～でさえ）」「最小限の限定（～だけでも）」。夜が更けて、雨も激しく降り、雷までも・・・という本文の文脈から考えると、「～までも」の添加が意味として適している。

問１２

本文から「副詞の呼応」を用いた表現をそれぞれ６字以上８字以内で２つ抜き出して書きなさい。

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答え：
・え得まじかりける
・え聞かざりけり

問１３

「かれは何ぞ。」とあるが、「かれ」とは何を指すか。本文より１１字で抜き出して答えなさい。

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答え：草の上に置きたりける露

問１４

「かれは何ぞ。」とあるが、誰が発した言葉か。本文より抜き出して答えなさい。

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答え：女

問１５

「かれは何ぞ。」という問いかけに、男が答えなかったのはなぜか、状況を考慮した上で簡単に説明しなさい。

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答え：（例）暗い夜道を急いで逃げていたため、答える余裕がなかった。

問１６

「かれは何ぞ。」という言葉から、女はどのような女であると考えることができるか。次の中から最も適したものを選びなさい。

あ：逃げている最中にどうでも良いことを聞く意地悪な性格
い：何か価値のあるものではないかと思っている、がめつい性格
う：あまり世間のことを知らない、身分の高い女性
え：小さなことにもすぐに気が付く、才能あふれる女性

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答え：う
【解説】草の上におりている露を見たこともないため、女性が問いかけたことを考えると、大切に育てられたため、あまり世間のことを知らない身分の高い女性であることがわかる。

問１７

「あばらなる蔵に、女をば奥に押し入れて」とあるが、男がそのようにした理由として正しくないものを次の中から２つ選びなさい。

あ：夜も更け、雷と雨がひどかったため
い：鬼に食われることをさけるため
う：女を奪い返されることをふせぐため
お：女の質問に答えるのが面倒だったため

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答え：い・お
【解説】男が女を蔵に押し入れた時点では、男はここに鬼が住んでいることを知らなかったため、「い」は正しくない。

問１８

「はや夜も明けなむと思ひつつ」を現代語訳しなさい。

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答え：早く夜が明けて欲しいと思いながら

問１９

「え聞かざりけり」とあるが、誰が、何を聞くことができなかったのか。本文の言葉を使って簡単に説明しなさい。

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答え：（例）男が、女が驚いて叫ぶ声を聞くことができなかった。

問２０

「え聞かざりけり」とあるが、なぜ聞くことができなかったのか。簡単に説明しなさい。

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答え：（例）雷がひどく鳴るやかましさで、声がかき消されたため

問２１

「白玉か」の和歌に用いられている縁語を２つ答えなさい。

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答え：露・消ゆ
【解説】和歌の「消え」は、「消ゆ」の活用したものなので、「消ゆ」と答えるよう注意しよう。

問２２

「白玉」と間違えられたものは、何か。本文および和歌より１字で抜き出して答えなさい。

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答え：露

問２３

「白玉か何ぞと人の問ひしとき」の「人」とは誰のことか。本文より抜き出して答えなさい。

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答え：女

問２４

「白玉か」の和歌に込められた男の気持ちとして、正しくないものを次の中からすべて選びなさい。

あ：女を失って悲しみにくれる気持ち
い：人を食う鬼を目の当たりにして恐れている気持ち
う：女を失った今、いっそのこと消えてしまいたいと思う気持ち
え：露が何であるかわからなかった自分を恥じる気持ち

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答え：い・え

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ゆみねこ
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青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。２児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。