古典文法の基礎を徹底解説!効率の良い勉強法と覚え方
古文を勉強していく際に重要となるのが「古文単語」と「古典文法」です。
まだ単語は覚えればどうにかなるという受験生もいるのですが、古典文法についてはややこしいということもあって覚えきれていないということもあります。
そこでここでは古典文法とはどういったものなのか、効率の良い覚え方について紹介していきたいと思います。
目次
古文が難しいのは「活用」が関係している
古文は日本語であることには間違いないのですが、現代語のようにスラスラと読めないということがあります。
単語の意味が現代語と違う、現代語にはない単語があるということも原因ですが、さらにややこしくさせているのが「活用」です。
活用とは
実は活用については多くの場合、中学2年で学んでいます。
例えば、「書く」という動詞が後に続く言葉によって、
「書か(ない)」「書き(ます)」というように変化していくのですが、これが活用です。
ただ、これはあくまでも現代文の文法です。
こういった活用が古文にも存在しているのです。
現代文と同様に「活用の種類」と「活用形」について覚えていくこととなります。
活用はいろいろな手段を使って覚えてしまう
活用を覚えるにもいろいろな方法があります。
一般的には参考書などを見て覚えるということが多いのですが、こういったものは見ているだけではなかなか覚えません。
重要なのは「音読する」「書いて覚える」ということです。
見ているだけだと「視覚」のみですが、声に出すことで確認しながら読めますし、その声を聴くことにもなります。
さらに自分が書くということで体を使う、脳に刺激を与えるということにもつながります。
こうしていろいろな感覚を使って覚えていくのが文法の覚え方だといえます。
その際、使いやすい参考書を何周もやり込むという方法がおすすめです。
1周で定着しなかったことでも2周やればわかることもあります。
活用と接続の関係とは
動詞、形容詞、形容動詞、助動詞などは後ろにつなぐ言葉によっては決まった形に変化する、活用するということが決まっています。
こういった決まりのことを「接続」といいます。
つまり、接続というのは言葉をスムーズにつなげるために動詞、形容詞、形容動詞、助動詞が活用形を変化させるということなのです。
このように後ろの言葉が前にある言葉の活用を決めるということとなります。
文法を覚える際には接続を理解すれば非常に覚えやすくなります。
活用形とはどういったものか
古文には活用が6種類あり、それぞれに使い方が違っています。
6種類とは「未然(みぜん)・連用(れんよう)・終止(しゅうし)・連体(れんたい)・已然(いぜん)・命令(めいれい)」です。
まずはそれぞれの活用形の意味と基本的な使い方を覚えていきましょう。
未然形とは
未然とは「いまだそうなっていない」ということを指しています。
「ず」につけば「いまだ~ず」となって否定の意味となりますし、「ば」につけば「もし~ならば」という仮定の意味となります。
例えば、
「雨降らば行かむ」という文では「降ら」が未然形になっています。
ここに「ば」がついていますので、「雨が降ったならば行こう」という意味になるのです。
「書かず」という言葉では、「書か」という未然形に「ず」がついていますので、「いまだ書いていない」という否定になります。
連用形とは
連用形は現代文と同様に「用言に連なる」という意味の活用です。
「用言」とは「動詞、形容詞、形容動詞」を指しており、動作や状態を表しています。
つまり文章を切ることなく、続けて使うという際の活用となります。
例えば、
「書読みて、外出す」(本を読んで、外出した)という文章では「読み」の部分が連用形となっています。
この際、
「書読み、外出す」のように「て」を使用することなく連用形のままで文章をつなげる方法もあります。
これを「連用中止法」と言います。
終止形とは
これはもっともわかりやすい形と言えるかもしれません。
文が終わるときに使用する形、言い切る形が終止形です。
「読む」という単語であれば、「読む」が終止形ということになります。
連体形とは
連体形は「体言に連なる」という活用です。
体言とは名詞のことであり、人、もの、場所などを指す単語です。
そのため、連体形は名詞につながる形となっています。
「読む本」という文では「読む」が連体形、「本」が名詞ということになります。
このように形が終止形と似たものとなることがあるので注意が必要です。
已然形とは
こちらは現代文ではない活用形です。
意味としては「すでにそうなっている」というものです。
後ろに「ば」がつくことで「~ので」と原因、理由を表すことが多くなっています。
例えば、
「雨降れば、行かむ」という文では「降れ」という已然形に「ば」がついています。
これで「雨が降ったので、行こう」という意味になります。
命令形とは
これは「誰か」から「誰か」に命令をするときの活用です。
「書を読め」のような「読め」という部分が命令形ということになります。
活用の種類について
活用形と並んで重要なのが「活用の種類」です。
それぞれの単語によって接続する際にどういった形に変わるかは決まっています。
その変化の仕方によって種類が分けられているのが活用の種類です。
どの単語がどの活用なのかということを一つずつ覚えていくと大変ですので、まずは感覚的なものとして一通りやってしまうほうが効率的です。
動詞の活用の種類とは
動詞は活用の仕方によって以下のような種類があります。
- 四段活用
- 上二段活用
- 下二段活用
- 上一段活用
- 下一段活用
- カ行変格活用
- サ行変格活用
- ナ行変格活用
- ラ行変格活用
例えば「読む」という動詞は「四段活用」の動詞です。
活用させていくと「読ま(ず)」「読み(て)」「読む」「読む(こと)」「読め(ども)」「読め(よ)」というように変化していきます。
すると「ま」「み」「む」「む」「め」「め」という変化となっており、ア段からエ段の4つの段を使って変化していることがわかります。
これが四段活用なのです。
同様に「下二段活用」を見ていきます。
下二段活用の動詞には「受く」があります。
これは活用させると「受け(ず)」「受け(て)」「受く」「受くる(こと)」「受くれ(ども)」「受け(よ)」となります。
すると「け」「け」「く」「くる」「くれ」「け」となり、「く」と「け」という2つの段を使っていることがわかります。
真ん中の段と一つ下の段を使っているので下二段活用と呼んでいるのです。
このようにそれぞれの動詞はどういった活用をするかは決まっています。
ただ、これらのパターンをすべて覚えなければならないということではなく、「どういった接続をするか」だけすぐに変化できるのであれば覚える必要はないということになります。
慣れてくれば、動詞をすぐに活用させていくことができるので、活用の種類は判断できるということなのです。
形容詞の活用の種類とは
形容詞の活用の種類については基本的に「ク活用」を覚えていれば大丈夫です。
例えば形容詞である「赤し(あかし)」で見ていきます。
「赤く(ば)」「赤く(て)」「赤し」「赤き(こと)」「赤けれ(ども)」となっていきます。
すると「く」「く」「し」「き」「けれ」と変化していることがわかります。
これが「ク活用」です。
形容詞には「シク活用」というのもあるのですが、これは例えば「美し」の変化である、
「美しく(ば)」「美しく(て)」「美し」「美しき(こと)」「美しけれ(ども)」のようにク活用に「し」がついただけのものとなっています。
そのためク活用ができるのであれば問題なくシク活用もできるということになります。
形容動詞の活用の種類とは
形容動詞では「ナリ活用」を覚えておきましょう。
有名な形容動詞「つれづれなり」で見ていくと、
「つれづれなら(ば)」「つれづれなり(て)」「つれづれなり」「つれづれなる」「つれづれなれ」「つれづれなれ」となります。
「なら」「なり」「なり」「なる」「なれ」「なれ」と変化するのが「ナリ活用」です。
ちなみに「タリ活用」というのもあるのですが、これは「な」が「た」に変わるだけですので、特別覚える必要はありません。
まとめ
文法を覚えていく際には「活用形」「活用の種類」を覚えていく必要があります。
これは現代文と同様ともいえるのですが、接続の形さえ覚えてしまえば自由自在に活用させていくことができるため、丸暗記するのではなく、接続の仕方のほうを覚えてしまうようにしましょう。
運営者情報
ゆみねこ
詳しいプロフィールを見る
青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。
サイトを拝見させていただきました
これまでの経歴と学習法について敬服いたしました
ただ、古典文法の勉強法の項目で
「形容詞には命令形がない」と書かれていますが
形容詞、形容動詞にも命令形は存在します
(形容詞には本活用とカリ活用があり、カリ活用の方にあります)
ご確認いただければと思います