(古典)古文常識の重要な用語一覧や言葉の意味をわかりやすく解説

古文を解いていく際に古文単語と古典文法が重要となるのですが、それ以外に「古文常識」があるとさらに効率よく解いていくことができます

その時代の習慣や環境などを知っているかどうかは文章を読んでいく際に大きくかかわってくることとなるのです。

そこでここでは古文常識の用語の中でも特に重要なものについて紹介していきたいと思います。

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現代と違う時代背景を知ることが重要

古文の文章を読んでいくと「男女の恋」に関する話も多く出てきます。

その際に気になる女性をまずどうやって見つけるのか、気になる女性ができたのになぜすぐに会いに行かないのか、会いに行くことなく歌を詠んでいるのはなぜなのかということを知識として知っておかなければ文章の内容を理解できないこともでてきます。

例えば平安時代であれば気になる女性がいるとその人に向けて歌を詠んで贈ります。

女性は歌を詠んで返事をするわけですが、返事も歌によって行います。

その際、「歌の内容」「歌の技術」「字の上手さ」などによってどう返事するかが変わってくるために最初に贈る歌が非常に重要となるのです。

この時代、顔が良くても歌が下手であればうまく恋愛をすることができないのです。

そのため、歌や字に自信がない男性は上手な人に代筆を頼むこともありました。

こうした時代背景を知ったうえで文章を読むのと、知らずに読むのではまったく内容理解が違ってくるのです。

重要な古文常識の用語

では実際によく出てくる用語について紹介していきます。

言葉の意味と関連する事柄についてもあわせて押さえておきましょう。

初冠

男性貴族は12~16歳くらいのあいだに元服の儀式を行います。

現在でいうと成人式のような感じでしょうか。

元服の儀式では髪型を整えて初めて冠をかぶります。

これが「初冠」です。

初冠を済ませた男性は成人男性として扱われるようになるため、恋や結婚をすることができるようになります。

ちなみに伊勢物語の一番最初の話が「初冠」です。

光源氏のモチーフと言われている在原業平の一代記として有名な伊勢物語ですが、その初めの話において初冠を済ませたばかりの在原業平が美人姉妹に恋をして歌を贈るという行為をしています。

初冠という言葉とあわせて覚えておきたい内容です。

垣間見

古文の多くの話で出てくる言葉に「垣間見」があります。

これは当時の男性が女性を見つける一つの方法でもありました。

当時の女性は男性に顔を見せるというのが「はしたない」と考える風潮がありましたので、なかなか男性と女性が巡り合う機会がなかったのです。

そこで「垣間見」です。

道を歩いていたり牛車に乗っていたりする男性が家の中にいる女性を覗き見する行為のことを指しています。

垣根が壊れている隙間から覗いたり、高さが低い垣根の上から家の中を覗いたりして女性を見つけていたのです。

伊勢物語の「初冠」でも在原業平は垣間見して見つけた美人姉妹に歌を贈っていますし、源氏物語の「若紫」では光源氏が垣間見によって紫の上を発見しています。

現代でいうと覗き見は犯罪のように思うかもしれませんが、当時はまったく問題のない男女の出会いの一つだったのです。

四十の賀

古文において「賀」とは「長寿の祝い」のことを意味しています。

「四十の賀」もその祝いであり、40歳を迎えた人を「初老」として祝うというイベントです。

現在でいうと40歳はまだ若いというイメージがあるかもしれませんが、平安時代は平均寿命が40~50歳ほどであったため、40歳を超えていれば老人の仲間入りということになっていたのです。

「源氏物語」においても主人公である光源氏が四十の賀を盛大に祝う場面があります。

そのあたりから光源氏の運勢は急激に落ちていくのですが、これも年齢を重ねたということが影響しているのかもしれません。

また、40歳のことを「不惑」と呼ぶこともあります。

これは孔子の言葉の中の「四十にして惑わず」という部分からきている言葉となっています。

これもあわせて覚えておきましょう。

参籠

平安時代の貴族たちは非常に信心深い人たちでした。

何か困ったことがあると神社仏閣にお参りにいったり、そこで祈願をしたりしていたのです。

これらのうち日帰りのものは「物詣」というのですが、交通機関が発達していない当時のことなので何日もかけて祈願を行うことも多くありました。

それを「参籠」といったのです。

参籠の期間にもいろいろとあり、「3日」「7日」「9日」「14日」「21日」「33日」「100日」「1000日」などがありました。

この期間、読経したり護摩焚き、水垢離、断食などを行って祈願したのです。

このように当時の貴族と神仏とは深い関係にあったのです。

世を捨つ

信心深い当時の人たちは何かあると「出家してしまう」ということも多くありました。

ただ、出家するといってもすべての俗世間から足を洗って寺で過ごしたり修行をしたりするということではありません。

より仏教への思いを強くする、といった意味で使われる場合が多くなっています。

例えば源氏物語の主人公である光源氏も自分の近くの人が亡くなっていくということが続いた際に出家しています。

ただ、古文でははっきりと「出家した」という表現を使うことはなく、「世を捨つ」「世を背く」といった表現がなされています。

この表現があれば「出家した」と考えるようにしましょう。

また、こうした何かきっかけがあって出家するが、そのまま俗世間で仕事は続けるといったことは平安時代に限らず、鎌倉、室町と時代は進んでも起こっています。

戦国大名の中にも武田信玄のように出家しながら大名として活動をつづけたという武将は数多くいるのです。

物の怪

当時の人は迷信深いということもあって悪霊、生霊のようなものも信じていました。

それらの中でも人間に対して精神的、肉体的に追い詰めるような存在を「物の怪」と呼んでいたのです。

科学が進んだ現代においては「そんなバカな話はない」と思うようなことでも当時は大まじめに考えられていたのです。

例えば源氏物語の中でも非常に個性の強い女性に「六条御息所」がいます。

彼女はなかなか会いに来なくなった光源氏への強い思いからその生霊が物の怪となってほかの女性を襲うこととなります。

彼女の物の怪によって光源氏の正妻であった「葵の上」や、「夕顔」が物の怪に憑りつかれて死んでいます。

方違え

こちらは平安時代以降に行われていた風習です。

外出する際にはその方角について占いを行い、その方角が悪いという結果が出るとまず別の方角に向けて出発をしたうえで回り道するという方法がとられました。

具体的には例えば目的地が北だったとします。

しかし占いによって北が良くないということになると、まず北東の方角などに向かいます。

その方角にある知り合いの家などに泊めてもらって、翌日そこから改めて目的地を目指すということを行うのです。

この方法によって不吉な方角に直接向かうことなく、目的地を目指せることとなります。

ちなみに方違えの方位神は以下のものです。

  • 天一神(てんいちじん、てんいつじん、なかがみ):同じ方角に5日留まる
  • 太白(たいはく):毎日方角が変わる
  • 大将軍(だいしょうぐん):3年間同じ方角に留まるが、5日単位で遊行する
  • 金神(こんじん):1年間同じ方角に留まる
  • 王相:王も相も1か月半同じ方角に留まる。続けて来るので3か月間ということになる

まとめ

古文の文章を読んでいくためには古文単語や古典文法だけでなく、当時の古文常識に関する用語についても知っておく必要があります。

まずは重要なもの、頻出のものから順に覚えておきましょう。

運営者情報

青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。

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