重松清『タオル』ポイント解説!あらすじ・心情変化・意味まとめ
中学2年生の国語で学習する重松清の小説「タオル」のテスト対策ポイントをわかりやすく解説するよ。
あらすじや登場人物の心情の変化、テストで必ず聞かれる「タオル」が表している意味など、定期テストで高得点を取るための重要ポイントを一緒に確認していこう!

『タオル』テスト対策ポイントまとめ
- 「涙が出ない」から「涙があふれ出る」までの少年の心情の変化を順番に追おう
- 少年が「居場所がない」と感じていた理由を確認しよう
- 大人たちの「思い出話」が少年に与えた影響を読み取ろう
- 題名にもなっている「タオル」が何を象徴しているかをおさえよう
目次
1. 重松清『タオル』の基本情報とあらすじ(登場人物まとめ)
「タオル」は、家族や学校、友達をテーマにした小説をたくさん書いている重松清さんの作品だよ。まずは物語の全体像をつかもう。
『タオル』の登場人物
- 少年:小学5年生(もうすぐ6年生)。Jリーガーになるのが夢。おじいちゃんの死をまだうまく受け止められずにいる。
- 父(ハジメ):漁師。昔は漁師を継ぐのが嫌だったが、今は立派な漁師になっている。おじいちゃんのことをとても尊敬している。
- おじいちゃん(祖父):地元で一番の腕を持つ一本釣りの漁師だったが、脳溢血(のういっけつ)で急に亡くなってしまう。いつも頭にタオルを巻いていた。
- シライさん:東京から来た旅行雑誌の記者。12年前におじいちゃんを取材して以来の知り合いで、家族とも仲が良い。
『タオル』あらすじ
「タオル」
作:重松清
小学5年生の少年の家では、おじいちゃんが急に亡くなり、お通夜の準備で大人たちが慌ただしくしていました。少年は大人たちから邪魔者扱いされて自分の居場所がなく、おじいちゃんが死んだ悲しみもはっきりと感じられないまま「涙が出ない」状態でした。
そこへ、東京から旅行雑誌の記者であるシライさんがお参りにやってきます。父に頼まれ、シライさんを宿泊先の民宿へ案内することになった少年は、シライさんから、自分が生まれる前の「おじいちゃんと父」の昔話を聞かせてもらいます。写真を見ながら話を聞くうちに、少年は「もうおじいちゃんと話すことはできないんだな」と気づき、初めて悲しさを実感し始めます。
夜になり、家に帰ると、大人たちはおじいちゃんのことを「思い出話」として懐かしそうに語り合っていました。それを見て、少年は急に寂しさと悲しさを強く感じます。庭に出た少年が、おじいちゃんがいつも使っていた「タオル」を見つめていると、父とシライさんがやってきました。父に言われて、少年がタオルを額にきつく巻くと、そこからはかすかな潮のにおいがしました。そのにおいと、父の涙、シライさんのカメラのフラッシュが重なったとき、少年の目からはあふれるように涙がこぼれ落ちるのでした。
2. 【定期テスト頻出】『タオル』の場面分けと構成
教科書では、物語が一行あきで大きく2つの部分(前半と後半)に分けられているよ。
テストでも「このお話はいくつに分けられますか?」と聞かれることがあるから、しっかり整理しておこう。
- 【前半】(最初〜少年が「Jリーガー」と答えるまで)
家での居場所のなさと、シライさんとの出会い。民宿でシライさんからおじいちゃんと父の昔話を聞き、写真や手紙を見ておじいちゃんの存在を感じる場面。 - 【後半】(日が落ちてから〜最後まで)
家に戻り、大人たちの思い出話を聞いて寂しさが深まる場面。そして庭で「タオル」を額に巻き、悲しみがあふれ出して涙を流すクライマックス(一番盛り上がる場面)だよ。
【物語の設定(時と場所)】
少年が「Jリーガーになりたい」と言っていることから、Jリーグができた1993年以降の時代だとわかるね。
また、「〜じゃけん」などの方言から、中国地方などの海辺の町(漁師町)が舞台だと考えられるよ。
3. 読解の核心:少年の心情変化(なぜ最後に涙が出たのか?)
この物語のテストで一番よく出るのは、「涙が出なかった」少年が、最後に「涙を流す」までの心の動き(心情の変化)を読み取ることだよ。
順番にきめ細かく見ていこう!

①最初は「涙が出ない・悲しいかはっきりしない」
物語の最初、少年はおじいちゃんが死んだことはわかっているのに、涙が出ないよね。
どうして悲しくないんだろう?
大好きな祖父の急な死に心が追いついていないこともあるけれど、一番の理由は、大人たちから「邪魔だ」「ふらふら遊ぶな」「静かにしろ」と次々に言われ、「居場所がない」ために、ゆっくり悲しむ余裕がなかったからだと読み取れるよ。
たろう②シライさんと話して「ほっとした・わくわくした」
シライさんを民宿に案内する途中、少年はシライさんが「二人まとめて厄介払いされちゃったな」と言ったのを聞いて、「俺たちは同じだな」と言ってもらえた気がしてうれしくなったね。
自分の知らない祖父や父の昔話を聞くことで、家での居場所のなさがやわらぎ、心が少しずつほぐれていったんだね。
「胸がどきどきして、わくわくする」という表現から、少年の心が動き始めていることがわかるよ。
③写真を見て「初めて悲しさと結びついた」
民宿で昔の写真を見ながら、シライさんが「はげていない頃の写真を見せたらおじいちゃんは恥ずかしがるだろうか」と笑いかけた直後、少年は「もうおじいちゃんと話すことはできないんだな」と実感するよ。
頭では「おじいちゃんは死んだ」とわかっていたけれど、ここで初めて心の中に「悲しさ」が芽生えたんだね。
④大人たちの思い出話を聞いて「急に寂しくなった」
夜になり、家に帰ると、大人たちが祖父の体を清めた時のことを懐かしそうに笑いながら話していたね。
それを聞いた少年は、急に寂しくなるよ。
なぜかというと、「おとといまでは生きてこの家にいた人が、大人たちの中ではもう『過去の思い出(もういない人)』になってしまっている」と感じたからだよ。
大人たちの会話を聞いて、おじいちゃんの不在(もういないこと)を強く実感して、悲しみが深まったんだね。
くまごろう【記述対策】涙を流した3つのきっかけ
庭で祖父のタオルを額にきつく巻いたとき、少年の目から「熱いもの(涙)」があふれ出たよ。
なぜ最後に泣けたのだろう?テストの記述問題で狙われやすいポイントだよ。少年の五感を刺激した、次の3つのきっかけが重なったからだと説明できるようにしておこう!

- 【嗅覚(におい)】タオルからする「かすかな潮のにおい(おじいちゃんのにおい)」を感じたから
- 【視覚1】父が涙ぐんで目元をこする姿を見たから
- 【視覚2】シライさんのカメラのフラッシュのまぶしさを感じたから
これらのきっかけが重なったことで、「おじいちゃんはもう本当にいないんだ」という深い悲しみが一気にあふれ出し、涙を流すことができたんだね。
4. 題名の意味を考察:「タオル」が象徴するもの
題名にもなっている「タオル」は、この物語でとても重要な役割を持っているよ。
テストでも「タオルは何を表していますか?」と必ず聞かれるから、しっかりおさえておこう!
おじいちゃんは漁に出るとき、いつもタオルを頭に巻いていました。
つまりタオルは、「一生懸命に働いて生きてきたおじいちゃんの人柄や生き方」を象徴(形のないものを具体的な形で表すこと)するアイテムなんだ。
そして、少年がそのタオルを額に巻くという行為には、おじいちゃんの匂いを感じて祖父とのつながりを実感する行為であり、同時に「おじいちゃんの不在を強く感じ、死を実感する」という意味も込められていると読めるよ。
たろう5. 中学生の疑問を解決!『タオル』読解Q&Aコーナー
授業中やテスト勉強で、みんなが「これってどういうこと?」と疑問に思いやすいポイントを、詳しく解説するよ!
Q1. なぜシライさんは「頬(ほお)をすぼめた」の?悲しいときになぜそんな表情をするの?
【解説】
シライさんは昔の写真を見て、「はげていない頃の写真を見せたら、おじいちゃんは恥ずかしがるだろうか」と想像して「クスッと笑いかけ」ました。
でもその直後、「あ、でももうおじいちゃんと話すことはできないんだ」という現実に引き戻されます。
つまり、「頬をすぼめた」というのは、悲しくて変な顔をしたわけではなく、笑いかけたあとで、もう祖父と話せない現実に気づき、ふとしんみりした表情になったと考えられるよ。
Q2. 地の文で「おじいちゃん」「お父さん」ではなく、「祖父」「父」と呼んでいるのはどんな効果があるの?
【解説】
これは教科書の「言葉と表現」の課題にもなっている重要ポイントだよ。
もし地の文(会話以外の説明の文)で「おじいちゃんが死んだ」と書くと、少年の主観(個人的な気持ち)に寄りすぎた文章になってしまうんだ。
でも、あえて「祖父」「父」という客観的(外側から冷静に見る立場)な言葉を使うことで、少年の気持ちに寄りすぎず、少し距離を置いて人物関係を客観的に示す効果があるんだよ。
Q3. 庭で見つけたタオルが「白いタオル」ではなく「ほの白いタオル」と書かれているのはなぜ?
【解説】
「ほのか」には「かすかに、わずかに」という意味があるよ。
「ほの白い」は、日が落ちた庭の暗がりの中で、タオルがぼんやり白く見えた様子を美しく表しているね。
そのあとに「触れるのがなんとなく怖くて」と続くので、少年のためらいとも重ねて読める表現だよ。
Q4. 会話文に方言がたくさん使われているのはなぜ?
【解説】
「〜じゃけん」などの方言が使われることで、漁師町の荒々しくも温かい雰囲気や、そこに暮らす人々の飾り気のない素朴(そぼく)な人柄が読者に伝わりやすくなる効果があるんだよ。
6. 『タオル』重要語句の意味・新出漢字一覧
新出漢字一覧
教科書で新しく習う漢字だよ。テストで書けるようにしっかり練習しておこう。
| 漢字 | 音読み | 訓読み | 熟語・使い方 |
|---|---|---|---|
| 掌 | ショウ | 掌(てのひら)、掌握 | |
| 蹴 | シュウ | け(る) | 一蹴、石蹴り |
| 肩 | ケン | かた | 肩書き |
| 壇 | ダン | 祭壇、壇上 | |
| 愁 | シュウ | うれ(える) | ご愁傷さま、郷愁 |
| 戚 | セキ | 親戚 | |
| 締 | テイ | し(める) し(まる) | ネクタイを締める、締結 |
| 泊 | ハク | と(まる) と(める) | 泊まり先、外泊 |
| 荘 | ソウ | みちしお荘、荘厳 | |
| 介 | カイ | 介入 | |
| 紹 | ショウ | 紹介 | |
| 釣 | チョウ | つ(る) | 一本釣り、釣り人 |
| 隻 | セキ | 二十隻(せき)、一隻 | |
| 鉢 | ハチ | 小鉢、鉢植え | |
| 旬 | ジュン シュン | 春が旬(しゅん)、上旬 | |
| 酢 | サク | す | 酢味噌(すみそ)、酢酸 |
| 甘 | カン | あま(い) あま(える) | 甘み、甘言 |
| 献 | ケン コン | 献杯(けんぱい)、献血 | |
| 封 | フウ ホウ | 封筒、開封 | |
| 筒 | トウ | つつ | 封筒、円筒 |
| 卸 | おろ(す) | 魚を卸す、卸し売り | |
| 継 | ケイ | つ(ぐ) | 漁師を継ぐ、継続 |
| 雰 | フン | 雰囲気 | |
| 掛 | か(ける) か(かる) | 針金に掛ける、掛け算 | |
| 絡 | ラク | から(む) から(まる) | 連絡、短絡的 |
| 愚 | グ | おろ(か) | 愚息(ぐそく)、愚直 |
| 悔 | カイ | く(いる) くや(しい) | 悔しい、悔恨 |
| 拭 | ショク | ふ(く) ぬぐ(う) | タオルで拭く、手拭い |
| 呂 | ロ | 風呂 | |
| 怪 | カイ | あや(しい) あや(やむ) | 怪しい声、怪奇 |
| 棺 | カン | 棺桶(かんおけ)、出棺 | |
| 冥 | メイ ミョウ | 冥土(めいど)、冥界 |
【新出音訓】
焼香(ショウ)
【付表の語(特別な読み方)】
叔母(おば)/ 心地(ここち)/ 二十歳(はたち)
重要語句の意味
お話に出てくる少し難しい言葉の意味を確認しよう!
| 語句 | 意味 |
|---|---|
| ご愁傷(しゅうしょう)さま | 相手の身内が亡くなったときに、お悔やみの気持ちを伝える言葉。 |
| 祭壇(さいだん) | お葬式などで、写真や花などを飾っておまつりする壇のこと。 |
| 入れかわり立ちかわり | 次から次へと、たえまなく人が入れかわる様子。 |
| あらかた | 大部分。ほとんど。 |
| 脳溢血(のういっけつ) | 脳の血管が破れて出血する病気のこと。 |
| 合掌(がっしょう) | 両手を合わせて拝むこと。 |
| 焼香(しょうこう) | お葬式などで、香をたいて死者を供養すること。 |
| けげんそう | 事情がわからず、不思議そうにしている様子。 |
| 厄払い(やっかいばらい) | 面倒なことやじゃまなものを追い払うこと。 |
| グラビア | 雑誌などの、写真を中心にしたページのこと。 |
| 雰囲気(ふんいき) | その場に自然にただよっている感じやようす。 |
| 新調(しんちょう)する | 新しく作ったり、買いかえたりすること。 |
| 献杯(けんぱい) | 亡くなった人に敬意を表して、静かに杯をささげること。 |
| じんわり | 少しずつ、しみこむように感じる様子。 |
| 還暦(かんれき) | 六十歳のこと。 |
| 納屋(なや) | 道具などをしまっておく小屋のこと。 |
| 文面(ぶんめん) | 手紙やはがきなどに書かれている文章の内容。 |
| 愚息(ぐそく) | 自分の息子をへりくだって言う言葉。 |
| 肴(さかな) | 酒を飲むときに一緒に食べるもの。また、話の材料。 |
| なきがら | 亡くなった人の体。遺体。 |
| 涙ぐむ | 今にも涙がこぼれそうになる。 |
| ろれつが怪しい | 酔うなどして、言葉をはっきり正しく言えない様子。 |
| 冥土(めいど) | 死んだ人が行く世界。あの世。 |
| うつむく | 顔を下に向ける。 |
| またたく | まぶたをすばやく開いたり閉じたりする。 |
| かすかな | わずかに感じられるほど弱い様子。 |
7. まとめ
『タオル』は、身近な人の死に直面した少年が、戸惑いや寂しさを抱えながらも、大人たちの話や「タオル」を通して、少しずつおじいちゃんの死を受け入れていく物語だったね。
最後に涙を流す場面は、少年がおじいちゃんの死を本当に実感し、心の中にたまっていた悲しみがあふれ出した場面だといえるよ。
テストでは、少年の気持ちの変化の理由や、タオルが象徴しているものが中心に問われるよ。この記事で確認したポイントをしっかり復習して、国語のテストに自信を持って臨(のぞ)もう!
『タオル』テスト対策ポイントまとめ(再確認)
- 「涙が出ない」から「涙があふれ出る」までの少年の心情の変化を順番に追おう
- 少年が「居場所がない」と感じていた理由を確認しよう
- 大人たちの「思い出話」が少年に与えた影響を読み取ろう
- 題名にもなっている「タオル」が何を象徴しているかをおさえよう
ここまで学習できたら、ぜひ「タオル」のテスト対策練習問題とドリルに挑戦しよう!
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【中学国語】重松清「タオル」漢字ドリル
【中学国語】重松清「タオル」語句・表現技法ドリル
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青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。 ※サイト全体の運営実績についてはこちらにまとめています。

