新川和江『名づけられた葉』を解説!対比や比喩・主題の意味まとめ

中学2年国語で学習する新川和江さんの詩『名づけられた葉』について、使われている表現技法(擬人法・隠喩いんゆ暗喩あんゆ:~のようだを使わない例え)倒置法など)、詩の形式、わたしとポプラの葉の対比、「風」や「葉脈の走らせ方」が表す意味、高度な表現効果、そして作者の伝えたいこと(主題)など、定期テストの過去問にもよく出るポイントをわかりやすく解説するよ。

たろう
合唱コンクールで歌ったことがある曲だ!合唱曲の歌詞としても有名だよね。でも、詩として読むと、「わたしは何を考えなきゃいけないの?」「風ってなに?」って、意外とわからないことだらけだよ…。
くまごろう
この詩は、「自然の葉っぱ」と「人間である自分」の大きな違いに気づくことからスタートするんだ。使われている例え(比喩)の意味がわかると、思わずハッとさせられるような力強いメッセージが見えてくるよ。一緒に読み解いていこう!

※このページでは、著作権に配慮し、詩の一部のみを引用して解説しています。全体はお手元の教科書などで確認してください。

『名づけられた葉』 新川和江しんかわ かずえ

この詩は、自然界に生きる「ポプラの葉」と、人間の社会に生きる「わたし」とを比べて(対比させて)、人間として生きることの意味を見つめ直す作品だよ。

私たち人間も、人類という大きな歴史の木から生えた「おさない葉っぱ」にすぎない。けれど、みんな同じ「ポプラの葉」と呼ばれる植物とは違って、私たちは一人ひとり「自分だけの名前」を持っているよね。

だからこそ、自分らしい生き方を考え抜いて、人生の困難(風)にも立ち向かっていかなければならないという、若者たちへのエールが込められているんだ。

目次

新川和江『名づけられた葉』の基本情報:「口語自由詩」の形式

『名づけられた葉』テスト対策ポイント

  • 作者は、日本の代表的な女性詩人の一人で、愛情にあふれた詩風で知られる新川和江しんかわ かずえ(1929-2024)。
  • 詩の形式は口語自由詩(現代の話し言葉で書かれ、決まった型がない詩)。
  • 擬人法・隠喩(暗喩)・体言止めが使われており、倒置的な表現として読める部分もある。
  • 対比の構成
    ポプラの葉 = 個性はあっても、呼ばれる名はみな同じ
    わたし(人間)= ちっぽけな存在だが、わたしだけの固有の名で呼ばれる。
  • 「おさない葉っぱ」が表しているもの
    =人類の歴史という大きな流れの中では、小さく頼りない存在であるわたし。
  • わたしが考えなければならないこと
    1. 誰のまねでもない葉脈の走らせ方、刻みのいれ方(=自分らしい生き方
    2. うつくしく散る法(=自分の命を精一杯輝かせて生き、美しく生を終えるあり方
  • 「どんなに風がつよくとも」の風とは
    人生の困難や試練を表していると考えられる。
  • 主題(作者の伝えたいこと)は、「この詩は、一人ひとりが固有の名を持つ存在として、自分らしい生き方を考え、困難の中でも精一杯生きることの大切さを伝えていると考えられる。

詩『名づけられた葉』の形式:「口語自由詩」

作者新川和江しんかわ かずえ
詩の形式口語自由詩こうごじゆうし
使われている表現技法擬人法・隠喩いんゆ暗喩あんゆなど
構成三連構成(3つのまとまり)

この詩は、私たちが普段使っている現代の言葉(口語)で書かれ、五・七・五などの文字数・音数の決まりを持たない(自由な)詩なので、口語自由詩に分類されるよ。中2のテストでも確実に出る基本事項だからしっかり覚えておこう!

【最重要】『名づけられた葉』読解の核!ポプラの葉と人間の「対比」

この詩の構造は、大きく分けて3つのブロック(三連)でできているよ。一番重要なのは、第一連と第二連で描かれた対比(2つのものを比べること)」の構成なんだ。違いを表で整理してみよう。

第一連(ポプラの葉)第二連(わたし・人間)
どんな存在か何千何万と芽をふく葉人間の歴史の幹から分かれた、おさない葉っぱにすぎない存在
呼ばれる名前載せられる名はみな同じ
〈ポプラの葉〉と呼ばれる
わたしだけの名
朝に夕に呼ばれる
たろう
ポプラの葉もわたし(人間)も、歴史や自然の中から生まれた「小さな葉」として描かれているのは同じなんだね。
くまごろう
そうだね!でも、そこに一つ決定的な違いがあるんだ。

「なぜポプラの葉には名前がなく、人間にはあるのか?」

ポプラの葉っぱは、どれだけ一生懸命生きていても「ポプラの葉」という種族(カテゴリー)の名前でひとくくりにされてしまうよね。でも、私たちは「人間という生き物」である前に、「自分」という唯一無二(ゆいいつむに:この世にたった一つしかないこと)の固有の名前をもらい、日々その名前で誰かから呼ばれて生きている。

「自分はただ名もないちっぽけな一枚の葉っぱではないんだ」という力強い気づきが、第二連のテーマになっているんだね。

【テスト頻出】『名づけられた葉』で使われている4つの表現技法

この詩には、言葉の印象を強めるための表現技法が使われているよ。本文のどの部分に使われているか、しっかり判別できるようにしておこう!

1. 擬人法(ぎじんほう)

人間ではないものを、人間であるかのように例える表現技法。

  • (第一連)緑の小さな手をひろげ
  • (第一連)ひとつひとつのてのひら

葉っぱを人間の手に例えることで、植物がただの物体ではなく、生き生きとした存在として感じられるようになっているよ。

2. 隠喩いんゆ暗喩あんゆ

「~のようだ」「~みたいだ」という言葉を使わずに別のものに例える表現技法。

  • (第二連)あつい血の樹液じゅえきをもつ
  • (第二連)にんげんの歴史の幹から分かれた
  • (第二連)おさない葉っぱにすぎないけれど

ここでは、人間という存在や、人間が刻んできた大きな歴史のことを、「植物(木や葉っぱ)」の姿に置き換えて表現しているよ。

3. 倒置法(とうちほう)などの言い回し

普段の言葉の順序をにして、意味を強く印象づける表現技法。

  • (第二連)わたしは呼ばれる
    わたしだけの名で 朝に夕に
    (※普通なら「わたしだけの名で朝に夕に、わたしは呼ばれる」)
  • (第三連)考えなければならない
    どんなに風がつよくとも
    (※普通なら「どんなに風がつよくとも、考えなければならない」と読める倒置的な言い回し)

あえて「呼ばれるんだ!」「考えなきゃいけないんだ!」という結果の言葉を前に持ってくることで、強い決意や思いがよりはっきり伝わってくるね。

4. 体言止め(たいげんどめ)

文の終わりを名詞(ものの名前:体言)で止めて、余韻(よいん)を残す表現技法。第一連の1行目と6行目で、どちらも「ポプラの葉」という名詞で文を終わらせているね。

比喩の意味を解説:「葉脈・風・うつくしく散る法」とは?

この詩で最も大切な第三連の読解に挑戦するよ。「わたし」は自分だけの名前を持つ特別な存在だからこそ、「だからわたし 考えなければならない」と決意しているね。これはどういう意味(比喩)なんだろう?

考えなければならないこと1:葉脈・刻み

誰のまねでもない / 葉脈の走らせ方を 刻みのいれ方を

葉っぱの「スジ(葉脈)」や、ギザギザした「形(刻み)」。これは人間の社会に置き換えると、「誰の真似でもない、個性や自分らしい生き方そのもの」を表していると考えられるよ。あなたという形をどうやって作っていくか、自分で考えて生きなさい、ということだね。

考えなければならないこと2:うつくしく散る法

せいいっぱい緑をかがやかせて / うつくしく散る法を

「法」とは法律ではなく、「方法・あり方」のことだよ。
葉っぱが最後には美しく散るように、「自分の命を精一杯輝かせて生き、美しく生を終えるあり方」を考えなければならないと言っているんだ。

どんなに「風」がつよくとも、とは?

葉っぱにとっての強い風は、吹き飛ばされてしまう危機だよね。これを人間に置き換えると、人生の困難や試練、立ちはだかる壁」を表していると考えられるよ。

どれだけ辛いことや試練があっても、自分の生き方を放棄せず、考え続けなければならないという強い意志だね。

『名づけられた葉』の主題(テーマ):作者が伝えたいこと

私たち人間は、地球の長い歴史から見れば、一枚の「おさない葉っぱ」のように小さく頼りない存在です。しかし、名もない葉っぱとは違い、私たちは親や大切な人から付けられた固有の名前で呼ばれて生きています。

この詩の主題(テーマ)は、
「一人ひとりが固有の名を持つ存在として、自分らしい生き方を考え、人生の困難の中でも精一杯生きることの大切さ」
だと考えられるよ。

読者である中学生の皆さんに対して、「名前を持つ者として強く生きてほしい」という、作者からの温かくも力強い激励げきれい鼓舞こぶ(=励まして奮い立たせること)のメッセージが込められているんだね。

【定期テスト予想問題】『名づけられた葉』ドリルに挑戦!

ここまで学習できたら、ぜひ『名づけられた葉』のテスト対策練習問題とドリルに挑戦しよう!

新川和江『名づけられた葉』テスト対策練習問題と過去問まとめ
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青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。 ※サイト全体の運営実績についてはこちらにまとめています。

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