「ある人、弓射ることを習ふに」テスト練習問題と過去問問題

兼好法師の徒然草より「ある人、弓射ることを習ふに」の定期テストでよく出題される問題や過去問をまとめています。
クリック(タップ)すると、答えが表示されるので自学でのテスト対策にピッタリです。

「ある人、弓射ることを習ふに」の一問一答の動画もあるので、ぜひチェックしてみよう!

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徒然草「ある人、弓射ることを習ふに」定期テスト対策練習問題

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「ある人、弓射ることを習ふに」テスト対策問題

ある人、弓射ることを習ふに

ある人、弓射ることを習ふに、諸矢をたばさみて的に向かふ。師のいはく、「初心の人、二つの矢を持つことなかれ。後の矢を頼みて、始めの矢になほざりの心あり。毎度ただ得失なく、この一矢に定むべしと思へ。」と言ふ。
わづかに二つの矢、師の前にて一つをおろかにせんと思はんや。懈怠の心、自ら知らずといへども、(ア)師これを知る。この戒め、万事にわたるべし。
道を学する人、夕べには朝あらんことを思ひ、朝には夕べあらんことを思ひて、重ねてねんごろに修せんことを期す。いはんや⑤一刹那のうちにおいて、懈怠の心あることを知らんや。なんぞ、ただ今の一念において、直ちにすることのはなはだかたき。

問1

線①「なほざり」の意味を次の中から選びなさい。

ア:いい加減
イ:勿体ない
ウ:雑念
エ:油断

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答え:ア
【解説】「なほざり」は、「おろそかだ・いいかげん・本気でない」という意味を持っている。

問2

線②「得失なく」の意味を次の中から選びなさい。

ア:損得を考えず
イ:成功・失敗を考えず
ウ:特別なことはなく
エ:失うことはなく

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答え:イ
【解説】「得失」は、「成功と失敗」という意味を持っている。

問3

線③「ねんごろ」の意味を次の中から選びなさい。

ア:気軽に
イ:親しみをもって
ウ:熱心に
エ:親密な関係になって

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答え:ウ
【解説】「ねんごろ」は、「心をこめる・ていねい・熱心である」という意味を持っている。

問4

線④「いはんや」の意味を次の中から選びなさい。

ア:ましてや
イ:いやいやながら
ウ:いつのまにか
エ:ゆるされず

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答え:ア
【解説】「いはんや(況んや)」は、「言うまでもなく・ましてや」という意味を持っている。※況(きょう)は、「たとえる」という意味を持っていることから「たとえる」に「や」の反語の係助詞がつくことで、「言うまでもなく」という意味になるとイメージしよう。

問5

線⑤「一刹那」と同じ意味をもつことばを本文から抜き出して答えなさい。

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答え:一念
【解説】「刹那」は、仏教語で「極めて短い時間」という意味。「一念」も、仏教語で「極めて短い時間」という意味。

問6

線ア「師これを知る」とあるが、「これ」の指す内容を本文から5字以内で抜き出して答えなさい。

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答え:懈怠の心
【解説】「自ら知らずといへども」で「自分では分からなくても、」という意味になるので、「自分では(懈怠の心があることを)分かっていなくても、師はそれを分かっている」という内容になる。

問7

「弓射ること」と並んで、「懈怠の心」についての戒めとして語られていることは何か。「…こと」と続くように本文から抜き出して答えなさい。

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答え:道を学する(こと)

問8

師が「二つの矢を持つことなかれ」と戒めたのはなぜか。本文からその理由としてふさわしい一文を抜き出して答えなさい。

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答え:後の矢を頼みて、初めの矢になほざりの心あり。

問9

「定むべし」の助動詞「べし」の意味と活用形を答えなさい。

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答え: 意味:意志 活用形:終止形

問10

「知らず」の助動詞「ず」の意味と活用形を答えなさい。

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答え: 意味:打ち消し 活用形:終止形

問11

「おろそかにせん」の助動詞「ん」の意味と活用形を答えなさい。

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答え: 意味:意志 活用形:終止形

問12

「万事にわたるべし」の助動詞「べし」の意味と活用形を答えなさい。

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答え: 意味:推量 活用形:終止形

問13

「修せん」の助動詞「ん」の意味と活用形を答えなさい。

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答え:
意味:意志(※解説を参照)
活用形:連体形
【解説】「意志」の意味ではなく、「婉曲」と考える意見もある。理由として、「意志」と考えるものは、「文脈で考えると、『丁寧に修行しよう』という意志でないとおかしい」という根拠から、「婉曲」と考えるものは、「助動詞『ん』に体言が続く場合は、『仮定または婉曲』として使われることが多い」という根拠からである。
テスト対策としては、一度教科担任の先生に「意志」なのか「婉曲」なのかを確認し、それに合わせて実際のテストでも回答するのが安心。

yuminekoyumineko

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運営者情報

青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。

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  1. ジャンクマン より:

    良い問題でした!

  2. 匿名 より:

    コメント失礼します。
    『「修せん」の助動詞「ん」の意味と活用形を答えなさい。』という問題で、解答の意味には意思と書かれているのですが、授業では婉曲と習いました。助動詞「ん」の後ろに体言がある場合は意味が婉曲である場合が多いと先生がおっしゃっていました。もし私が間違っていたら申し訳ないのですが、他の学生さんもこのサイトを見ていると思うので…。正しい答えを教えていただきたいです。
    長文失礼しました。

    • yumineko より:

      とても丁寧なコメントありがとうございます。
      「推量の助動詞『ん』」は、主な意味は「推量・意志」ですが、連体形の場合(体言が後ろにある場合)はたしかに「仮定・婉曲」の意味で使われていることが多いとされていますね。
      こちらの問題は、実際にある学校でテストとして出題されたものを参考にしていて、そのテストでの正解は「意志」とされていました。
      しかし、今回コメントをいただいて色々調べてみましたところ、「婉曲」と考える意見もいくつか確認できました。
      「意志」なのか、「婉曲」なのかは、半々(若干「意志」が多いようではあります)といったところでした・・。
      「意志」であると考える意見の根拠としては、「文脈的に考えると意志である」というものです。
      「ねんごろに修せん」=「丁寧に修行しよう」という文脈だからということですね。
      そのあとに体言である「こと」が続くけれど、これとは切り離して考えているというイメージでしょうか。

      そもそも「婉曲として使われることが『多い』」ということは、「必ず」ではないということから、「この場合は文脈的に『意志』である」と考える意見もありました。

      結論として、「意志」なのか「婉曲」なのかは、解釈の違いによって分かれてしまうということですね。
      このような場合、学校のテストでは「担任の先生が教えたとおり」に合わせていただくのが一番安心かと思います。

      国語の読解(作者の主張)とか、古文の解釈などは考え方によって正解が分かれてしまうことがあるのが難しいところですね。
      今回コメントをいただいて、私自身もとても勉強になりました。また、他の閲覧者様のことまで考えていただいて、本当に有難うございます。
      問題には説明を追記させていただきます。大変助かりました。

      • より:

        古典文法の助動詞では「意志」という漢字を使います。
        「意思」はよくある誤字ですので、このサイトでそれを助長することのないよう、訂正を頂けますと幸いです。

        • yumineko より:

          あ 様

          ご指摘誠にありがとうございます。
          訂正をさせていただきます。
          間違った知識を広めることのないよう、助言いただけ本当に助かりました。
          ありがとうございます。

  3. より:

    問13ってなんで連体形なんですか?

    • yumineko より:

      葵さん

      連体とは、その語の後に体言が続くときに使われます。 連体形とは「体言」に「連なる」「形」ということですね。
      「修せん」の後には、体言の「こと(名詞)」が続いていますね。
      なので、連体形となります。

  4. 匿名 より:

    毎回活用させてもらってます。ありがとうございます!

  5. 匿名 より:

    助かりました愛してます