伊勢物語「東下り」テスト対策練習問題と過去問まとめプリント②
高校古典で習う伊勢物語「東下り」の定期テストで出る問題・過去問をまとめています。
クリックすると答えが表示されるので、力試しやテスト練習の自学にピッタリです。
まずは学習してからチャレンジしたい場合は、伊勢物語「東下り」解説ページをチェックしてね!
伊勢物語「東下り」テスト対策問題
伊勢物語「東下り」原文(第九段)
行き行きて、駿河の国に至りぬ。宇津の山に至りて、わが入らむとする道は、いと暗う細きに、蔦、楓は茂り、もの心細く、①すずろなるめを見ることと思ふに、修行者会ひたり。②「かかる道は、いかでかいまする。」と言ふを見れば、③見し人なりけり。京に、④その人の御もとにとて、⑤文書きてつく。
駿河なる宇津の山べのうつつにも夢にも⑥人にあはぬなりけり
富士の山を見れば、五月の⑦つごもりに、雪いと白う降れり。
⑧時知らぬ山は富士の嶺いつとてか鹿の子まだらに雪の降るらむ
その山は、⑨ここにたとへば、比叡の山を二十ばかり重ね上げたらむほどして、なりは塩尻のやうになむありける。
問1
「駿河」とは現在のどこにあたるか、次の中から選びなさい。
ア:神奈川県
イ:静岡県
ウ:愛知県
エ:滋賀県
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答え:イ
【解説】駿河の国は、現在の静岡県中東部。
問2
下線部①「すずろなるめを見る」の意味としてもっとも適当なものを次の中から選びなさい。
ア:おそろしい目にあう
イ:心細い思いをする
ウ:怖い思いをする
エ:思いがけない目にあう
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答え:エ
問3
下線部②「かかる道は、いかでかいまする」を現代語訳しなさい。
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答え:(例)このような道に、なぜいらっしゃるのですか
問4
下線部③「見し人」とは誰のことを指しているのか。原文からぬき出して答えなさい。
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答え:修行者
問5
下線部③「見し人」の「し」を文法的に説明しなさい。
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答え:過去の助動詞「き」の連体形
【解説】「見し」は「見る」の連用形「見」に過去の助動詞「き」の連体形「し」が接続している。
問6
下線部④「その人」とは誰のことをいっているのか答えなさい。
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答え:(例)都にいる、男の妻
【解説】「その人」とは、「唐衣着つつなれにしつましあればはるばるきぬる旅をしぞ思ふ」で詠んだ「つま」のことである。
問7
下線部⑤「文書きてつく」とは、「誰が」「誰に」「何をした」のか簡単に説明しなさい。
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答え:(例)男が、修行者に手紙を(都の妻に届けるよう)言づけた
【解説】「男」「修行者」「手紙」「言づける」がすべて書けているかがポイント。
問8
下線部⑥「人」とは誰のことか。原文からぬき出して答えなさい。
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答え:その人
【解説】男が都に残してきた妻のことである。「修行者」と間違えないようにしよう。
問9
下線部⑦「つごもり」とあるが、「五月のつごもり」を現代語訳しなさい。
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答え:五月の末
【解説】「つごもり」は月末という意味。
問10
下線部⑧「時知らぬ」とあるが、どのような山の状態をいっているのか、原文からぬき出して答えなさい。
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答え:五月のつごもりに、雪いと白う降れり
【解説】旧暦の五月は、真夏であるにもかかわらず、雪が降っている様に驚いて「季節を知らない」という意味で「時知らぬ」と詠んでいる。
問11
下線部⑨「ここ」とはどこのことを指しているのか答えなさい。
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答え:都(京)
【解説】「ここで例えるなら、比叡山を二十重ねたくらい」と言っていることからも、「ここ」は比叡山のある京都「都(京)」であることが分かる。
問12
「駿河なる」の歌には男のどのような心情が詠まれているか、次の中から適当なものを選びなさい。
ア:宇津の山で知り合いに会え、安心した気持ち
イ:二度と都へは戻るまいという強い決意
ウ:宇津の山のあまりの人気の無さに驚く気持ち
エ:都に残した妻への想い
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答え:エ
問13
原文の中から、「疑問」の係り結びが用いられている部分の「係助詞」と「結び」をこたえなさい。
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答え:
・【係助詞】か【結び】らむ
【解説】疑問の係り結びが用いられているのは「いつとてか鹿の子まだらに雪の降るらむ」。係助詞「か」は、ここでは疑問を表しており、文末は推量の助動詞「らむ」の連体形となる。
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ゆみねこ
詳しいプロフィールを見る
青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。
原文から抜き出す係助詞と結びは「なむ」と「ける」ではだめなのでしょうか?