紀貫之『古今和歌集』仮名序の現代語訳・重要語句・和歌の力まとめ

中学3年国語で学習する「古今和歌集 仮名序かなじょ(こきんわかしゅう かなじょ)」について、原文・現代語訳(口語訳)と、定期テストで必要になる重要語句の意味や現代仮名遣いなどのポイントをわかりやすく解説するよ。

「古今和歌集 仮名序かなじょ」テスト対策ポイントまとめ

  • 作者は、平安時代の貴族・歌人である紀貫之きのつらゆき
  • 仮名序かなじょとは、古今和歌集こきんわかしゅうの最初に置かれた、ひらがな(仮名)で書かれた序文じょぶん(あいさつや説明文)のこと。
  • この文章では、和歌の本質を「植物」にたとえて説明している(心=種、言の葉=言葉)。
  • 「いづれか歌をよまざりける」は、「生きているもので、歌を詠まないものはない」という意味の反語(はんご)の表現。
  • 和歌には、1. 天地を動かす 2. 目に見えない鬼神を感動させる 3. 男女の仲を和らげる 4. 武士の心を慰める という4つの力があると説いている。

「和歌(やまとうた)」ってどうやって生まれるの?どんなすごい力があるの?ということを、作者の紀貫之が美しい言葉で説明してくれている文章だよ。早速詳しく見ていこう!

目次

『古今和歌集』仮名序かなじょの基本情報:作者・紀貫之

まずは、テストの最初の問題でよく聞かれる「基本情報」と、作者や作品についての知識を深めよう。

作品名古今和歌集(こきんわかしゅう) 仮名序かなじょ
作者紀貫之きのつらゆき
時代平安時代
文章の主題和歌の本質や成り立ち、和歌がもつ偉大な力について説いている。

『古今和歌集』とは?

平安時代に、醍醐天皇だいごてんのうの命令によって作られた、現存する最初の「勅撰和歌集ちょくせんわかしゅう(天皇の命令で編集された公式の和歌集)」のことだよ。約1,000首もの優れた和歌が集められているんだ。

作者の紀貫之(きのつらゆき)ってどんな人?

平安時代前期の貴族であり、和歌の名人(三十六歌仙さんじゅうろっかせん=和歌の優れた36人の名人、の一人)だよ。天皇から命令を受けて、『古今和歌集』を編集した中心人物なんだ。

また、当時は女性が主に使うものとされていた仮名文で、現存する最古の仮名日記である『土佐日記』を書いた作者としても有名だよ!

なぜ『仮名序かなじょ』が書かれたの?

平安時代の初めごろ、貴族の男性たちの間では中国の詩である「漢詩」が特に重んじられており、日本の「和歌」はそれに比べて公的な場での評価が高くなかったんだ。

でも、紀貫之は「日本固有の『和歌』だって、漢詩に負けないくらい素晴らしい歴史と力を持っているんだ!」と宣言するために、この『古今和歌集』の巻頭に、ひらがなで『仮名序かなじょ』という熱いメッセージを書いたんだよ。

【テスト頻出】現代仮名遣いと重要語句の読み・意味

古文のテストでは、「歴史的仮名遣いを現代仮名遣いに直す問題」や「特別な漢字の読み」が必ず出題されるよ。ここでしっかり確認しておこう。

歴史的仮名遣いとは?

歴史的仮名遣いとは、昔の日本人が使っていた発音や文字の書き方のルールのことだよ。現代の私たちが使っている「現代仮名遣い」とは少し違うところがあるから、テストではそれを現代風に直す問題がよく出るんだ。

歴史的仮名遣い(本文)現代仮名遣いに直すときのルール
よろよろ(「づ」は「ず」に直す)
おも(語中の「は・ひ・ふ・へ・ほ」は「わ・い・う・え・お」に直す)
出せるいだせる(語中の「ひ」は「い」)
おもせ(語中の「は」は「わ」)
うぐうぐす(語中の「ひ」は「い」)
かはかわ(「は」は「わ」、「づ」は「ず」)
れかれか(「づ」は「ず」)
れ(語中の「は」は「わ」)
とこんなとこんな(「を」は「お」)
くまごろう
歴史的仮名遣いのルールを解説しているページもあるので、チェックしてみよう!

重要語句の読み方と意味

語句読み方意味
やまとうたやまとうた和歌のこと。(中国の漢詩に対して、日本の歌という意味)
よろづよろずすべて。数多く。
ことわざことわざ事柄。出来事。
ことわざ繁きことわざしげきさまざまな事柄が多いこと。心に思うことがいろいろあること。
言ひ出せるいいいだせる言葉として口に出して詠んだ。
うぐいす春を告げる鳥。
かはづ(かわず)カエル。本文では、美しい声で鳴くカエルとしてとらえられている。
いづれいずれだれ。どれ。
天地あめつち天と地。(転じて、この世界全体。)
鬼神おにがみ目に見えない恐ろしい神や悪鬼(あっき)のこと。
あはれあわれしみじみとしている様子。しみじみと感動すること。
猛きたけき勇猛な。荒々しくて強い。
武士もののふ武士。戦士。

仮名序かなじょ』全文の現代語訳と読解ポイント

それでは、本文を3つのまとまりに分けて、それぞれの意味と、テストで狙われるポイントを詳しく見ていこう。

其の一:和歌の成り立ち(「言の葉」の比喩)

【原文】
やまとうたは、人の心を種として、よろづの言(こと)の葉とぞなれりける。
世の中にある人、ことわざ繁(しげ)きものなれば、心に思ふことを、見るもの、聞くものにつけて、言ひ出(いだ)せるなり。

【現代語訳】
和歌は、人の心を種として、(そこから芽生えて)数多くの言葉の葉となったものである。
世の中に生きている人は、さまざまな事柄に関わって(心に思うことがいろいろあって)生きているので、心に思うことを、見るものや聞くものに託して、(言葉として)口に出して詠んだものである。

【テスト対策ポイント】

和歌を「植物」にたとえた美しい表現
この文章では、和歌の本質を次のように植物にたとえているよ。
「人の心」 = 種(たね)
「数多くの言葉」 = 葉(は)
人の心という「種」から芽が出て、さまざまな「言葉の葉」に成長したものが和歌なんだ。だから、言葉のことを「言の葉(ことのは)」と表現しているんだね。

  • 「やまとうた」とは具体的にどういうものか?
    現代語訳を使って答えるなら、「人の心を種として生まれた、たくさんの言葉(言の葉)」となるよ。
  • 人はなぜ和歌を詠むのか?
    人は生きていく中で、さまざまな出来事を経験し、心に思うことがいろいろある(ことわざ繁き)からだね。その動いた心を、自然の景色など(見るもの、聞くもの)に結びつけて言葉にしたのが和歌なんだ。

其の二:生きとし生けるものの歌(反語の表現)

【原文】
花に鳴く鶯(うぐひす)、水にすむ蛙(かはづ)の声を聞けば、生きとし生けるもの、いづれか歌をよまざりける。

【現代語訳】
花に鳴くウグイスや、水にすむカエルの声を聞くと、生きているすべてのものの中で、いったい誰が歌を詠まないだろうか。(いや、詠まないものはない。誰もが歌を詠むのだ。)

【テスト対策ポイント】

  • 「いづれか歌をよまざりける」の意味は?
    この部分は、「生きているもので、歌を詠まないものはない」という意味の反語(はんご)の表現だよ。「〜だろうか、いや〜ない」という強い肯定の意味になるから、テストでも非常に狙われやすいポイントだ。
  • ここでの「花」や「蛙」はどうとらえられている?
    当時の和歌の世界では、「花」といえば梅や桜が連想され、「蛙(かはづ)」は清流に住んで美しい声で鳴く生き物(カジカガエルなど)としてとらえられていたんだよ。
  • ここでの筆者の考えは?
    人間だけでなく、ウグイスやカエルなどの「生きているものはみな、それぞれに歌う(思いを表現する)心をもっている」と述べているんだね。

其の三:和歌がもつ「4つの偉大な力」

【原文】
力をも入れずして、天地(あめつち)を動かし、目に見えぬ鬼神(おにがみ)をも、あはれと思はせ、男女(をとこをんな)のなかをも和らげ、猛(たけ)き武士(もののふ)の心をも、慰(なぐさ)むるは歌なり。

【現代語訳】
力を入れなくても、天地を動かし、目に見えない鬼神をも、しみじみと感動させ、男女の仲を和らげ、勇猛ゆうもうな武士の心をもなぐさめるのは、歌である。

【テスト対策ポイント】

テストでは、「和歌にはどのような力があるか、現代語訳の言葉を使って4つ答えなさい」という記述問題がよく出るよ!必ず次の4つを書けるようにしておこう。

  • 1. 力ひとつ入れずに天地を動かす力
  • 2. 目に見えない鬼神をしみじみと感動させる(あわれと思わせる)力
  • 3. 男女の仲を和らげる(親しいものとする)力
  • 4. 勇猛ゆうもうな武士の心をもなぐさめる力
たろう
力ずくじゃなくて、和歌の言葉の力だけで、天地を動かしたり、怖い武士の心を優しく慰めたりできるなんて、昔の人は和歌を本当に特別なものだと考えていたんだね!

『古今和歌集』仮名序かなじょのまとめ(テスト直前チェック用)

「古今和歌集 仮名序かなじょ」テスト対策ポイントまとめ

  • 作者は、平安時代の貴族・歌人である紀貫之きのつらゆき
  • 仮名序かなじょとは、古今和歌集こきんわかしゅうの最初に置かれた、ひらがな(仮名)で書かれた序文じょぶん(あいさつや説明文)のこと。
  • この文章では、和歌の本質を「植物」にたとえて説明している(心=種、言の葉=言葉)。
  • 「いづれか歌をよまざりける」は、「生きているもので、歌を詠まないものはない」という意味の反語(はんご)の表現。
  • 和歌には、1. 天地を動かす 2. 目に見えない鬼神を感動させる 3. 男女の仲を和らげる 4. 武士の心を慰める という4つの力があると説いている。

古文は、現代語訳と照らし合わせながら、どの言葉がどういう意味になっているかをしっかりつかむことが大切だよ。

ここまで学習できたら、ぜひテスト対策練習問題とドリルに挑戦して、完璧に覚えよう!

  • 『古今和歌集』仮名序 テスト対策練習問題
  • 【中学国語】『古今和歌集』仮名序 漢字ドリル
  • 【中学国語】紀貫之「古今和歌集『仮名序』」語句・表現技法ドリル
  • 【中学国語】紀貫之「古今和歌集『仮名序』」内容理解ドリル
  • 【中学国語】紀貫之「古今和歌集『仮名序』」主題・表現効果ドリル

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青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。 ※サイト全体の運営実績についてはこちらにまとめています。

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