中学2年国語「走れメロス」のテストによく出る問題をまとめています。
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「走れメロス」
テスト対策問題④

次の文章について、問1〜答えなさい。
山賊たちは、ものも言わず一斉に棍棒を振り上げた。メロスはひょいと体を折り曲げ、(ア)飛鳥のごとく身近の一人に襲いかかり、その棍棒を奪い取って、「気の毒だが、正義のためだ!」と(イ)猛然一撃、たちまち三人を殴り倒し、残る者のひるむ隙に、さっさと走って峠を下った。一気に峠を駆け降りたが、さすがに疲労し、(タ)折から午後の(ウ)灼熱の太陽がまともにかっと照ってきて、メロスは(エ)幾度となくめまいを感じ、これではならぬと気を取り直しては、よろよろ二,三歩歩いて、ついに、がくりと(チ)膝を折った。立ち上がることができぬのだ。天を仰いで、悔し泣きに泣きだした。ああ、あ、濁流を泳ぎ切り、山賊を三人も打ち倒し、(オ)韋駄天、ここまで突破してきたメロスよ。真の勇者、メロスよ。今、ここで、疲れ切って動けなくなるとは情けない。愛する友は、おまえを信じたばかりに、やがて殺されなければならぬ。おまえは、(カ)希代の不信の人間、まさしく王の思うつぼだぞと自分を叱ってみるのだが、全身震えて、もはや芋虫ほどにも前進かなわぬ。(キ)路傍の草原にごろりと寝転がった。身体疲労すれば、精神も共にやられる。もう、どうでもいいという、勇者に不似合いなふてくされた根性が、心の隅に巣くった。私は、これほど努力したのだ。約束を破る心は、みじんもなかった。神も(ク)照覧、私は精いっぱいに努めてきたのだ。動けなくなるまで走ってきたのだ。私は不信の徒ではない。ああ、できることなら私の胸を断ち割って、真紅の心臓をお目にかけたい。愛と信実の血液だけで動いているこの心臓を見せてやりたい。けれども私は、この大事なときに、精も根も尽きたのだ。私は、よくよく不幸な男だ。私は、きっと笑われる。(ツ)私の一家も笑われる。私は友を欺いた。中途で倒れるのは、初めから何もしないのと同じことだ。ああ、もう、どうでもいい。(テ)これが、私の定まった運命なのかもしれない。セリヌンティウスよ、許してくれ。君は、いつでも私を信じた。私も君を(ケ)欺かなかった。私たちは、本当によい友と友であったのだ。一度だって、暗い疑惑の雲を、お互い胸に宿したことはなかった。今だって、君は私を無心に待っているだろう。ああ、待っているだろう。ありがとう、セリヌンティウス。よくも私を信じてくれた。それを思えば、(ト)たまらない。友と友の間の信実は、この世でいちばん誇るべき宝なのだからな。セリヌンティウス、私は走ったのだ。(ナ)君を欺くつもりは、みじんもなかった。信じてくれ!私は(二)急ぎに急いでここまで来たのだ。濁流を突破した。山賊の囲みからも、するりと抜けて、一気に峠を駆け降りてきたのだ。私だからできたのだよ。ああ、このうえ、私に望みたもうな。放っておいてくれ。どうでもいいのだ。私は負けたのだ。(ヌ)だらしがない。笑ってくれ。王は私に、ちょっと遅れて来い、と耳打ちした。遅れたら、身代わりを殺して、私を(ネ)助けてくれると約束した。私は王の卑劣を憎んだ。けれども、今になってみると、私は(ノ)王の言うままになっている。私は遅れていくだろう。(ハ)王は、独り合点して私を笑い、そうしてこともなく私を放免するだろう。そうなったら、私は、死ぬよりつらい。私は、永遠に裏切り者だ。(ヒ)地上で最も不名誉の人種だ。セリヌンティウスよ、私も死ぬぞ。君といっしょに死なせてくれ。君だけは私を信じてくれるにちがいない。いや、(フ)それも私の、(へ)独りよがりか?ああ、もういっそ、悪徳者として生き延びてやろうか。村には私の家がある。羊もいる。妹夫婦は、まさか私を村から追い出すようなことはしないだろう。正義だの、信実だの、愛だの、考えてみればくだらない。人を殺して自分が生きる。それが人間世界の(コ)定法ではなかったか。ああ、何もかもばかばかしい。私は醜い裏切り者だ。どうとも勝手にするがよい。やんぬるかな。ー(サ)四肢を投げ出して、うとうと、まどろんでしまった。
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