「比の利用と文章問題」比の問題の解き方をわかりやすく解説 

小学校6年生の算数で学習する「比」について、比を利用した問題の解き方をわかりやすく解説するよ。

比の文章問題の考え方、「比の一方の量を求める方法」と「全体の量を、部分と部分の比で分ける方法」について、例題をもとにくわしく紹介していくよ。

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「比の利用と文章問題」 比の問題の解き方をわかりやすく解説

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目次

比の一方の量を求める方法

今まで、等しい比の性質や比の値について勉強してきたね。
実は「比」って日常生活でもよく登場しているんだ。

たとえば次のようなことを考えることもあるよね。

コーヒーと牛乳を1:2で混ぜてコーヒー牛乳を作るとする。
コーヒーが30mLのとき、牛乳は何mL必要か?

「比」の性質を利用しなくても、「牛乳は60mLだね。」とわかる人もいるかもしれないね。

でも、せっかく比について学習したのだから、今回は比の性質を使って次の2つのやり方で求めてみよう。

等しい比の性質を使って求める方法

等しい比の性質は次の通りだったね。

等しい比の性質

  • 両方の数に同じ数をかけても等しい
等しい比の性質
  • 両方の数を同じ数でわっても等しい
等しい比の性質

この性質を使って、答えを求めてみよう。

さっきの問題文を図にすると次のようになるよ。
牛乳の量をxmLとしたよ。

コーヒーと牛乳の割合

この図から、比の関係を式にすると

  • コーヒー牛乳
  • コーヒー牛乳30

2つの式を合体させると
コーヒー牛乳30

ここで
等しい比の性質「両方の数に同じ数をかけても等しい」を使おう。

コーヒーは1から30で30倍になっているから、

コーヒーと牛乳の比例式

牛乳も2を30倍したらxになるよね。

コーヒーと牛乳の比例式

だから
x=2×30
=60

牛乳の量は60mLと求めることができたね。

比の値を使って求める方法

等しい比の性質ではなく、比の値を使って求めることもできるんだ。

比の値の求め方

a:bの比の値は\(\frac{a}{b}\)とあらわすことができる。

コーヒー牛乳
だから、比の値は1÷2=\(\frac{1}{2}\)だね。

つまり、
コーヒーは牛乳の\(\frac{1}{2}\)ということ。

牛乳の\(\frac{1}{2}\)がコーヒー30mLだから、
牛乳は30×2=60mLと求めることできるね。

全体の量を、部分と部分の比で分ける方法

さっきは、「2つを混ぜるところ、片一方の量がわからない」という問題だったね。
今度は全体の量がわかっている問題の解き方を確認していこう。

コーヒー牛乳を1200mL作るとする。
コーヒー:牛乳を3:2で混ぜるとき、牛乳は何mL必要か?

今回も2つの解き方で確認していこう。

等しい比の性質を使って求める方法

さっきの問題文を図にすると次のようになるよ。

コーヒーと牛乳の割合

前の問題と同じように、
「コーヒー:牛乳=・・・」みたいな式を作っても
答えを求めることはできないよ。
だって、今回わかっているのは全体の量だからね。

だから全体の量について式にするといいよ。

  • 全体牛乳=(3+2):
  • 全体牛乳=1200:

2つの式を合体させると
全体牛乳=5:1200

全体は5から1200で240倍になっているから

全体と牛乳の比例式

牛乳も2を240倍すればxが求まるね。

全体と牛乳の比例式

だから
x=2×240
=480
牛乳の量は480mLと求めることができたね。

比の値を使って求める方法

等しい比の性質ではなく、比の値を使って求めることもできるよ。

全体牛乳=5:
だから、比の値は5÷2=\(\frac{5}{2}\)だね。

つまり、
全体は牛乳の\(\frac{5}{2}\)ということ。

全体のコーヒー牛乳の量が1200mLで、
求めたい牛乳の量をxmLとすると
x×\(\frac{5}{2}\)=1200

xを求めると次のようになるよ。
x=1200÷\(\frac{5}{2}\)
x=1200×\(\frac{2}{5}\)
x=480

牛乳は480mLと求めることできるね。

比の利用の文章問題(練習問題)

それでは、練習問題に挑戦してみよう。

ある学校の生徒数は500人で、男女の比は7:3である。
女子の人数を求めなさい。

「全体の人数」がわかっている問題だね。
等しい比の性質を使って答えを求めよう。

問題文を図にすると次のようになるよ。

生徒数の割合

比の関係を式にすると

  • 全体女子=(7+3):
  • 全体女子=500:

2つの式を合体させると
全体女子=10:500

全体は10から500で50倍になっているから

全体と女子の比例式

女子も3を50倍したらxが求まるね。

全体と女子の比例式

だから
x=3×50
=150
女子の人数が150人と求めることができたね。

ケーキを作るために、砂糖と小麦粉を7:3の割合で混ぜるとする。
砂糖が42gのとき、小麦粉は何g入れたらよいか。

「比の一方の量」を求める問題だね。
比の値を使って答えを求めよう。

砂糖小麦粉
だから、比の値は7÷3=\(\frac{7}{3}\)だね。

つまり、
砂糖は小麦粉の\(\frac{7}{3}\)倍ということ。

砂糖42gで、小麦粉をxgとすると
x×\(\frac{7}{3}\)=42

xを求めると次のようになるよ。
x=42÷\(\frac{7}{3}\)
x=42×\(\frac{3}{7}\)
x=18

小麦粉は18gと求めることできるね。

運営者情報

青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。

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