「分数と計算のきまり」帯分数・3つの分数の掛け算のやり方を解説
小学校6年生の算数で学習する「分数と分数の掛け算」のうち、帯分数の掛け算、分数×分数×分数(3つの分数の掛け算)などのやり方を、「計算のきまり」を使って解説するよ。
いろいろな分数の掛け算の例題の解き方を、わかりやすく紹介していくよ。
目次
分数と計算のきまり
分数×分数の計算のきまりは、
分母同士、分子同士を掛けるってことだったよね。
小学校だけではなく、中学、高校と必要な知識だからしっかり覚えておこう。
分数×分数のかけ算のポイント
- 分母同士、分子同士を掛ける
他にも分数の計算のきまりがあるから確認しておこう。
分数の計算のきまり
結論からいうと、次のようなきまりがあるよ。
整数や小数の時と同じだね。
分数の計算のきまり
- a×b=b×a
- (a×b)×c=a×(b×c)
- (a+b)×c=a×c+b×c
- (a-b)×c=a×c-b×c
①を見てみよう。
\(\frac{1}{3}\)×\(\frac{1}{2}\)も
\(\frac{1}{2}\)×\(\frac{1}{3}\)も
答えは同じになるよね。
②を見てみよう。
(\(\frac{1}{3}\)×\(\frac{1}{2}\))×\(\frac{1}{4}\)のように
先に前2つの分数を掛け算しても
\(\frac{1}{3}\)×(\(\frac{1}{2}\)×\(\frac{1}{4}\))
先に後ろ2つの分数をかけ算しても
答えは変わらないよ。
③を見てみよう。
次のような式を考えてみよう。
普通に( )の中を足し算すると次のようなやり方になるよ。
この計算を
③(a+b)×c=a×c+b×c
のきまりを使ってやってみよう。
×\(\frac{1}{2}\)を前と後ろに分けて配るイメージだね。
だから、このきまりのことを「分配法則」っていうよ。
④を見てみよう。
次のような式を考えてみよう。
この計算を
④(a-b)×c=a×c-b×c
のきまりを使ってやってみよう。
×\(\frac{6}{5}\)を前と後ろに分けて配るイメージだね。
①~④の計算のきまりが分数でも成り立つことが確認できたね。
最後にもう一度①~④のきまりと、分数×分数のポイントを紹介するね。
分数の計算のきまり
①a×b=b×a
②(a×b)×c=a×(b×c)
③(a+b)×c=a×c+b×c
④(a-b)×c=a×c-b×c
分数×分数のかけ算のポイント
- 分母同士、分子同士を掛ける
これらのきまりやポイントを使って、練習問題に挑戦しよう。
基本の分数の掛け算
\(\frac{1}{3}\)×\(\frac{1}{4}\)を計算しなさい。
分母同士、分子同士を掛ければよかったから、
\(\frac{1}{3}\)×\(\frac{1}{4}\)
=\(\frac{1×1}{3×4}\)
=\(\frac{1}{12}\)
\(\frac{3}{7}\)×\(\frac{3}{4}\)を計算しなさい。
分母同士、分子同士を掛ければよかったから、
\(\frac{3}{7}\)×\(\frac{3}{4}\)
=\(\frac{3×3}{7×4}\)
=\(\frac{9}{28}\)
約分をしてから計算する分数の掛け算
\(\frac{8}{9}\)×\(\frac{3}{4}\)を計算しなさい。
分母同士、分子同士を掛ければよかったから、
\(\frac{8}{9}\)×\(\frac{3}{4}\)
=\(\frac{8×3}{9×4}\)
=\(\frac{24}{36}\)
これで終わりではないよ。だって約分できるからね。
\(\frac{24}{36}\) 分母と分子を4で割ろう
=\(\frac{6}{9}\) 分母と分子を3で割ろう
=\(\frac{2}{3}\)
約分が大変だったね。
ただ、計算のとちゅうで約分する方法があるよ。
\(\frac{8}{9}\)×\(\frac{3}{4}\)
=\(\frac{8×3}{9×4}\)
=\(\frac{2×1}{3×1}\)
=\(\frac{2}{3}\)
計算のとちゅうで約分した方が簡単に答えを求められるね。
\(\frac{5}{12}\)×\(\frac{4}{5}\)を計算しなさい。
分母同士、分子同士を掛ければよかったから、
\(\frac{5}{12}\)×\(\frac{4}{5}\)
=\(\frac{5×4}{12×5}\)
約分しよう。
=\(\frac{1×1}{3×1}\)
=\(\frac{1}{3}\)
帯分数の掛け算
\(\frac{1}{3}\)×2\(\frac{1}{2}\)を計算しなさい。
帯分数は仮分数に直してから掛け算しよう。
2\(\frac{1}{2}\)→\(\frac{5}{2}\)
\(\frac{1}{3}\)×2\(\frac{1}{2}\)
=\(\frac{1}{3}\)×\(\frac{5}{2}\)
=\(\frac{1×5}{3×2}\)
=\(\frac{5}{6}\)
\(\frac{2}{3}\)×1\(\frac{1}{2}\)を計算しなさい。
帯分数は仮分数に直してから掛け算しよう。
1\(\frac{1}{2}\)→\(\frac{3}{2}\)
\(\frac{2}{3}\)×1\(\frac{1}{2}\)
=\(\frac{2}{3}\)×\(\frac{3}{2}\)
=\(\frac{6}{6}\)
=1
分数×分数×分数(3つの分数)の掛け算
今までは2つの分数の掛け算までだったけれど、3つの分数の掛け算の計算を紹介するね。
2つのときとやり方は同じだからね。
\(\frac{5}{12}\)×\(\frac{4}{5}\)×\(\frac{3}{4}\)を計算しなさい。
分母同士、分子同士を掛ければよかったから、
\(\frac{5}{12}\)×\(\frac{4}{5}\)×\(\frac{3}{4}\)
=\(\frac{5×4×3}{12×5×4}\)
=\(\frac{1×1×1}{1×1×4}\)
=\(\frac{1}{4}\)
\(\frac{2}{3}\)×\(\frac{1}{4}\)×\(\frac{3}{2}\)を計算しなさい。
分母同士、分子同士を掛ければよかったから、
\(\frac{2}{3}\)×\(\frac{1}{4}\)×\(\frac{3}{2}\)
=\(\frac{2×1×3}{3×4×2}\)
=\(\frac{1×1×1}{1×4×1}\)
=\(\frac{1}{4}\)
分数×整数の掛け算
分数×整数の掛け算は、
整数の数字を分子(上)に移動させて掛け算すればできるんだけど、
整数を分数に変えて計算する方法でやってみよう。
\(\frac{4}{5}\)×2を計算しなさい。
2って、分数に直したら、\(\frac{2}{1}\)だよね。
ってことは、
\(\frac{4}{5}\)×2
=\(\frac{4}{5}\)×\(\frac{2}{1}\)
になって、分数×分数の式になったね。
あとは、分母は分母同士、分子は分子同士で掛け算して
\(\frac{4×2}{5×1}\)
=\(\frac{8}{5}\)
と求められるよ。
3×\(\frac{4}{3}\)を計算しなさい。
3って、分数に直したら、\(\frac{3}{1}\)だよね。
ってことは、
3×\(\frac{4}{3}\)
=\(\frac{3}{1}\)×\(\frac{4}{3}\)
になって、分数×分数の式になったね。
あとは、分母は分母同士、分子は分子同士で掛け算して
\(\frac{3}{1}\)×\(\frac{4}{3}\)
=\(\frac{1×4}{1×1}\)
=4
と求められるよ。
(\(\frac{1}{3}\)+\(\frac{1}{4}\))×12を計算しなさい。
もちろん、( )の中を通分してから計算してもできるけど
通分するのは大変だよね。
だから、分配法則「③(a+b)×c=a×c+b×c」を使おう。
(\(\frac{1}{3}\)+\(\frac{1}{4}\))×12
=\(\frac{1}{3}\)×12+\(\frac{1}{4}\)×12
=4+3
=7
( )の中を通分するよりも速く計算できるよね。
(\(\frac{2}{5}\)-\(\frac{1}{4}\))×20を計算しなさい。
もちろん、( )の中を通分してから計算してもできるけど
通分するのは大変だよね。
だから、分配法則「③(a+b)×c=a×c-b×c」を使おう。
(\(\frac{2}{5}\)-\(\frac{1}{4}\))×20
=\(\frac{2}{5}\)×20-\(\frac{1}{4}\)×20
=8-5
=3
「分数と計算のきまり」まとめ
分数×分数のかけ算のポイント
- 分母同士、分子同士を掛ける
分数の計算のきまり
- a×b=b×a
- (a×b)×c=a×(b×c)
- (a+b)×c=a×c+b×c
- (a-b)×c=a×c-b×c
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ゆみねこ
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青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。