「比例の性質」とは?分数倍・小数倍で比例を表す方法(練習問題)
小学校6年生で学習する「比例の性質」について、これまでの「整数倍」に加えて、「分数倍」「小数倍」で比例する2つの数量の関係を表す方法をわかりやすく解説するよ。
比例の性質を使った練習問題にもチャレンジしよう。
比例する2つの数量の関係
「比例」については、小学5年生でも勉強したよね。
一度、「比例とはなんだったか」復習してみよう。
比例の復習
比例とは
2つの量があり、
一方が2倍、3倍・・・となると、
それにともなって
もう一方も2倍、3倍・・・となるもの
たとえば1つ100円のリンゴを買うとき、買ったリンゴの個数が2倍、3倍になると、もちろん支払う金額も2倍、3倍になるよね。
このときの「買ったリンゴの個数」と「値段」は比例の関係といえるよ。

表にすると、一方が2倍、3倍になるともう一方も2倍、3倍になっているので、比例の関係であることがよくわかるね。
小学5年生で習った「比例」を、どうしてまた小学6年生でも学習するのかというと、小学6年生のの比例ではさらに「小数倍」「分数倍」の場合を考えるんだ。
小学5年生の比例では、さっきの「リンゴの個数」と「値段」のように、
「2」倍、「3」倍・・・という「整数倍」しか登場しなかったよね。
小学6年生で学習する比例では、0.2倍、0.3倍・・・や\(\frac{1}{2}\)倍、\(\frac{1}{3}\)倍・・・のような「小数倍」や「分数倍」が登場するんだ。
比例する2つの数量の関係(整数倍で表す)
さっきの「リンゴを買った時の値段」について、リンゴの個数をx、値段をyとして考えてみよう。
※小学6年生からの比例では、2つの数量を「x」と「y」にしていくよ。
x(リンゴの個数)が「2」と「4」の部分に注目しよう。
xが「2」から「4」になるには、何倍になっているかな?
そしてこのとき、yは何倍になっているかな?

簡単だよ。
2から4だから、2倍に決まっているよ。
では、どうやって2倍と求めることができるのか、確認してみよう。
xは何倍になっているか
「何倍になっているか?」を求めるには、「比べる量÷もとにする量」を考えればよかったね。
xは2から4になっているのだから、
4÷2=2倍と求めることができるよ。
yは何倍になっているか
同じく、yは200から400になっているのだから、
400÷200=2倍と求めることができるね。

xが2倍になると、yも2倍になっていることがわかるね。
それでは今度は「小数倍」や「整数倍」の問題も考えていこう。
比例する2つの数量の関係(分数倍で表す)
x(リンゴの個数)が「3」と「5」の部分に注目しよう。
xが3から5になるには、何倍になっているのかな?
そしてこのとき、yは何倍になっているかな?

xは何倍になっているか
xが3から5になっているのだから、
5÷3で求めることができるね。
ただ、さっきと違うのは、「5÷3は割り切れない」こと。
「割り切れない」ときは、分数を使って表せばよかったね。
÷の後の整数は分母にくるから、
5÷3=\(\frac{5}{3}\)倍と表すことができるね。
yは何倍になっているか
同じようにyは300から500になっているのだから
500÷300=\(\frac{500}{300}\)=\(\frac{5}{3}\)倍と表すことができるよ。

xが\(\frac{5}{3}\)倍になると、yも\(\frac{5}{3}\)倍になっていることがわかるね。
このように、今まで整数倍でしか表してこなかった比例を、分数倍でも表すことができたね。
比例する2つの数量の関係(小数倍で表す)
x(リンゴの個数)が「2」と「5」の部分に注目しよう。
xが2から5になるには、何倍になっているのかな?
そしてこのとき、yは何倍になっているかな?

xは何倍になっているか
xが2から5になっているのだから、
5÷2で求めることができるね。
やっぱり割り切ることができないのだけれど、今回は小数を使って表してみよう。
5÷2=2.5倍と表すことができるね。
yは何倍になっているか
同じようにyは200から500になっているのだから、
500÷200で求められるよ。
小数を使って表すと
500÷200=2.5倍と表すことができるね。

xが2.5倍になると、yも2.5倍になっていることがわかるね。
今まで整数倍でしか表してこなかった比例を、小数倍でも表すことができたね。
これまでxの値が増える場合だけを見てきたけれど、xの値が減る場合も確認しておこう。
x(リンゴの個数)が「2」と「1」の部分に注目しよう。
xが2から1になるには、何倍になっているのかな?
そしてこのとき、yは何倍になっているかな?

xは何倍になっているか
xが2から1になっているのだから、
1÷2で求められるよ。
まちがえて、2÷1=2倍にしないようにね。
2から1で減っているのに「2倍」はおかしいよね。
1÷2を分数で表すと
1÷2=\(\frac{1}{2}\)倍となるね。
yは何倍になっているか
同じようにyは200から100になっているのだから
100÷200=\(\frac{100}{200}\)=\(\frac{1}{2}\)倍と表すことができるよ。

xが\(\frac{1}{2}\)倍になると、yも\(\frac{1}{2}\)倍になっていることがわかるね。
4つの問題のxとyの関係をまとめると次のようになるよ。
比例する2つの数量の関係
- xが2倍になると、yも2倍になっている
- xが\(\frac{5}{3}\)倍になると、yも\(\frac{5}{3}\)倍になっている
- xが2.5倍になると、yも2.5倍になっている
- xが\(\frac{1}{2}\)倍になると、yも\(\frac{1}{2}\)倍になっている
4つのことから、比例の性質がなんとなくわかったかな?
比例の性質
小学5年生では、次のように「整数倍」の場合しか考えてこなかったね。
比例とは
2つの量があり、
一方が2倍、3倍・・・となると、
それにともなって
もう一方も2倍、3倍・・・となるもの
ただ、今回「小数倍」や「分数倍」でも
一方が〇倍となると、もう一方も〇倍になることがわかったね。
だから、小学校6年生からは「比例の性質」は次のようにバージョンアップされるよ。
比例の性質
yがxに比例するとき、
xの値が〇倍されると、それに対応するyの値も〇倍になる
だから、xとyが比例の関係にあるとき、
- xが39倍されたら、yも39倍
- xが\(\frac{1}{50}\)倍されたら、yも\(\frac{1}{50}\)倍
- xが0.99倍されたら、yも0.99倍
ということがわかるよ。
では、比例の性質を使った問題に挑戦してみよう。
比例の性質を使った問題
水道の蛇口をひねった時、1分で4cmの深さずつ水が入ります。
下の表は時間x分と水の深さycmの関係を表しています。
5分後の水の深さを求めなさい。


簡単だよ。
1分で4cmずつ増えるんだから、5分の時は4×5で20cmだよね。
確かにその通り。
ただ、今回は比例の性質に注目して、「xが何倍になっているか」を考えてから答えを求めてみるよ。
xが1から5になっているところに注目しよう。
xは何倍になっているか
xが1から5になっているのだから、
5÷1=5倍と求められるよ。
ということは、比例の性質から「yも5倍になる」ということだよね。

「yも5倍になる」をもとにyを求めよう
yも5倍になるのだから、yは4を5倍して
4×5=20cm
と求めることができるね。
下の表は底面積が4cm2の三角柱の
高さxcm、体積ycm3の関係を表したものです。
高さ5cmのときの体積は、高さ2cmのときの体積の何倍ですか。


比べる量÷もとにする量で求める
高さ5cmのときの体積25cm3
高さ2cmのときの体積10cm3
だから、次のように考えたらいいよね。

体積yは10から25になっているから、
分数で表すなら
25÷10=\(\frac{25}{10}\)=\(\frac{5}{2}\)倍
小数で表すなら
25÷10=2.5倍
になるよ。
比例の性質を利用して求める
今回の問題は、xの方が数字が小さいから、xに注目する方法もあるよ。
なぜxに注目しても平気かというと、比例の性質「xの値が〇倍されると、それに対応するyの値も〇倍になる」ことから、xが何倍になったかを求めれば、yが何倍になるかもわかるからだよね。
xが2から5になっているので、
5÷2=\(\frac{5}{2}\)倍になっていることがわかるよ。

だから、yも\(\frac{5}{2}\)倍になる、と求めることができるね。
比例の性質のまとめ
比例の性質のまとめ
- yがxに比例するとき、xの値が〇倍されると、それに対応するyの値も〇倍になる
- 〇には、整数だけではなく、小数や分数も入る
例:xが3.4倍になれば、yも3.4倍になる
例:xが\(\frac{1}{50}\)倍になれば、yも\(\frac{1}{50}\)倍になる
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ゆみねこ
詳しいプロフィールを見る
青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。
