「比例のグラフの書き方」なぜ直線なのか特徴をわかりやすく解説
小学校6年生の算数で学習する「比例のグラフ」について、比例の関係をグラフに表すにはどうすればよいか、比例のグラフはなぜ直線になるのか、比例のグラフにはどんな特徴があるのかをわかりやすく解説するよ。
比例のグラフからどんなことが読み取れるのかも紹介していくよ。
目次
比例の関係をグラフに表そう
今まで比例の性質や比例の式について勉強してきたよね。
今回は比例の関係を「グラフ」で表わすにはどうすればいいかを学習するよ。
グラフとは
グラフといえば、今までに「折れ線グラフ」や「棒グラフ」を勉強してきたよね。
そもそもグラフとは何か?を辞書で調べると次のように書かれているよ。
グラフとは
たがいに関係のある2つ以上の数量を図で表したもの
おたがいに関係のある2つ以上の数量が、どういう関係なのか?をひと目でわかりやすく図にしているのがグラフなんだね。
比例では、2つの数量xとyは「一方が〇倍になると、もう一方も〇倍になる」という関係だったね。
このxとyの関係を図で表していくということだね。
比例の関係にある2つ以上の数量をグラフに表そう①
例えば、次のような「水を入れる時間x分」と「水の深さycm」は
比例の関係にあるんだったよね。
この表をもとにxとyの関係をグラフに表していこう。
比例の関係をグラフに表すには次の2ステップが大切だよ。
比例の関係をグラフに表す2ステップ
- xとyの値の点をとる
- すべての点を通るように直線で結ぶ
では、実際にやっていこう。
xとyの値の点をとる
表を縦に見ると、x=1のときy=4だよね。
あとは他の点も順番に考えていったらOK。
ちなみに比例の関係のグラフは、
横軸がxの値、縦軸がyの値だからね。
①x=1のとき、y=4
横軸が1で縦軸が4のところに点を取ろう。
②x=2のとき、y=8
③x=3のとき、y=12
④x=4のとき、y=16
⑤x=5のとき、y=20
点を取り終わったら、最後に点同士を繋げるように直線を引こう。
直線を引く
すべての点を通るように
定規を使って直線を引こう。
x=5より大きいところは点を取っていないけど、
直線はグラフの端まで延ばしておこう。
比例のグラフがなんで直線になるのかは後で紹介するね。
比例の関係にある2つ以上の数量をグラフに表そう②
次のような三角柱の「高さ」と「体積」も
比例の関係にあるんだったよね。
これもさっきと同じように、2ステップでグラフに表してみよう。
xとyの値の点をとる
①x=1のとき、y=6
横軸が1で縦軸が6のところに点を取ろう。
②x=2のとき、y=12
③x=3のとき、y=18
④x=4のとき、y=24
⑤x=5のとき、y=30
ただ、グラフの縦軸が26までしかないので、点を取ることはできないね。
だから点を取るのはこれでおしまいだね。
点を取り終わったら最後に直線を引こう。
直線を引く
すべての点を通るように
定規を使って直線を引こう。
比例のグラフが直線になる理由
比例のグラフは、どうして直線になるのだろう?
「水を入れる時間x分」と「水の深さycm」の表を見てみよう
この表からグラフに点を取ると次のようになるんだったよね。
5つの点を通るんだったら、こんな線も引けてしまうよね。
ただ、この線は間違っていて、比例のグラフは直線で結ばなければいけなかったね。
じっさいに直線になるかを確かめるために、
下の表のx=1とx=2の間についても、こまかく考えてみよう。
x=1からx=2の間をこまかく書くと次のようになるよ。
どうやって計算したのかというと、
比例の性質どおり、xを4倍にするとyになるのだから、xの値を順番に4倍してyの値を求めただけだよ。
この表からグラフを書くと右のようになるよ。
左側のざっくりとしたグラフでは、2点の間はどうなるかわからなかったけれど、
右側のこまかいグラフを見ると、この2点の間もちゃんと直線になっていたことが分かるね。
比例の性質で学習したように、比例の関係にある2つの数量は「一方が〇倍になると、もう一方も〇倍になる」んだったよね。
そしてyをxの式で表すと、「y=決まった数×x」になるんだったよね。
ということは、xの変化(増える、減る)に対してのyの変化する割合はずっと一定ということなんだ。
もしこれがその時によって「y=3×x」だったり、「y=6×x」だったりコロコロかわるように一定でなかったら、たしかにグラフはガタガタの線になるよ。
でも、比例は「y=決まった数×x」で一定だから、グラフはビシッと一直線になるんだよ。
この、比例のグラフは直線になるということはこの先の中学数学でも大切になってくるので、今回でしっかり覚えておこうね。
比例のグラフの表し方のまとめ
比例のグラフの表し方
1、表を縦にみて、xとyの値をグラフに取る。
2、すべての点を通る直線を定規を使って書く。
比例のグラフの表し方が分かったところで、
比例のグラフの特徴をまとめておこう。
比例のグラフの特徴
比例のグラフにはどんな特徴があるのだろう?
結論からいうと、比例のグラフの特徴は次の2つだよ。
比例のグラフの特徴
- 0の点を必ず通ること
- 直線になること
直線になることはさっき確認したよね。
では「0の点を必ず通る」とはどういうことだろう?
「0の点」というのは、x=0、y=0の点のことだよ。
比例の式はy=決まった数×xだったよね。
もし、x=0だったら、y=決まった数×0=0になるから、xもyも「0」になるということだね。
だから、比例のグラフは必ず0の点を通るんだよ。
この比例のグラフの2つの特徴は中学生になっても使うからしっかり覚えておこう。
比例のグラフから読み取ってみよう
比例の性質や式だけじゃなく、グラフのこともわかったね。
これらの知識を使って比例のグラフから読み取る問題に挑戦してみよう。
下のグラフは、けんたさんとお兄さんが自転車で走った時の、
走った時間x分と走った道のりymを表しています。
(1)けんたさんとお兄さんはどちらが速いですか。
5分のところを見てみよう。
5分間で、けんたさんは1000m、お兄さんは1600m走っているから
お兄さんの方が速いね。
(2)1600m地点では、お兄さんが通過してから何分後にけんたさんも通過していますか。
1600m地点を通過したのは
お兄さんはスタートして5分後、
けんたさんはスタートして8分後。
だから、お兄さんが通過して3分後にけんたさんも通過したことになるよ。
比例の関係をグラフに表すと、このように「表を見ただけではパッとわからない情報」もかんたんに読み取ることができるんだね。
「比例のグラフ」まとめ
比例のグラフの表し方
- 表を縦にみて、xとyの値をグラフに取る。
- すべての点を通る直線を定規を使って書く。
比例のグラフの特徴
- 0の点を必ず通ること
- 直線になること
運営者情報
ゆみねこ
詳しいプロフィールを見る
青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。