「符号のついた数」をわかりやすく解説(期末テスト対策ポイント)

中学数学「符号ふごうのついた数」

yuminekoyumineko

このページでは、中学数学「正の数・負の数」を学習するときに登場する「符号」というものが何かを解説するよ!

「符号のついた数」を
学習する理由!
  • 中学の数学はマイナスの世界まで広がるため
  • それぞれの数字が表す状態を、分かりやすくまとめるため!

「符号のついた数」をわかりやすく解説 (期末テスト対策ポイント)のPDFをダウンロード

「符号のついた数」をわかりやすく解説 (期末テスト対策ポイント)

「符号のついた数」をわかりやすく解説 (期末テスト対策ポイント)のPDF(10枚)がダウンロードできます。

PDFを印刷して手書きで勉強したい方は以下のボタンからお進み下さい。

符号ふごうのついた数」

教科書にはなんて書いてあるの?

教科書の説明
0℃を基準きじゅんにしたとき、それよりも5℃高い温度のことを「+5℃」と表し、「プラス5℃」と読む。
また、0℃を基準にしたとき、それよりも4℃低い温度のことを「−4℃」と表し、「マイナス4℃」と読む。 このように「+」や「−」の記号を使うとき、「+」のことを「せいの符号」、「−」のことを「の符号」と呼ぶ。
たろうたろう

「+」や「−」はもう小学校の算数でも使ってきたけど・・それとは違うものっていうこと?

小学校の「+」と「−」とは、何が違うの??

ザックリいうと
小学校までは「計算の方法」のこと。
中学校からは「その数字がどんな状態かを表すマーク」にもなる!

くまごろうくまごろう

小学校の「+」は「たし算」という意味で使ってきたよね。同じように、「−」は「ひき算」のことだったね。
つまり、今までの「+」や「−」は、計算の方法のことだったんだ。

例えば、「\(5-3\)」という式に登場している「−」は、「5から3を引く」という、計算の方法を伝えるためのもの。

くまごろうくまごろう

今から学習する「+」と「−」は、「その数字がどんなものか」を表すためのマークのようなものなんだ。

数字がどんなものか・・?

符号を勉強する理由①
中学からはマイナスの世界が登場する!

次の計算をしてみよう。

\(5-3=\)?

\(5-5=\)?

\(5-3=2\)。
\(5-5=0\)だね。

では、

\(5-7=\)?

は計算できるかな?

えっ
7は5よりも大きい数だから、引けないよ

くまごろうくまごろう

そうなんだ。
小学校では、ある数から、それよりも大きい数を引く、という考え方はしてこなかったね。
でも、中学になると、「マイナスの世界」が加わるので、こういう計算もできるようになるんだ。

例えばロールプレイングゲームなんかだと、主人公のヒットポイントが0になったらゲームオーバーだよね。

これが小学校までの算数のイメージ。

中学では、ヒットポイント以上のダメージを受けても、0よりも先の「マイナスの世界」で続けることができるんだ。

「正の数」と「負の数」

小学校まで使ってきた、「0よりも大きい数」のことを「せいの数」と呼ぶよ。

そして、これから中学で使うようになる「マイナスの世界の数」、つまり「0よりも小さい数」のことを「の数」と呼ぶんだ。

その数字が「正の数」なのか、「負の数」なのかを見分けるために、「+」と「−」をマークのように使うんだよ。

0よりも5大きい数→
「正の数」なので「\(+5\)」と書く

0よりも5小さい数→
「負の数」なので「\(-5\)」と書く

0は、「正の数」「負の数」
どちらでもないよ。

※なぜかは、この後くわしく説明するね!

マイナスの世界が広がると・・
  • \(5-7\)のように、「ある数よりも大きい数」を引くことができるようになる!
  • 「0よりも小さい数」を、符号をつけて表すことができるようになる!

こういう問題が出る!

yuminekoyumineko

実際の問題は、こういう風に出てくるよ

次の数を、+・−の符号を使って表しなさい。

①0よりも8小さい数
②0よりも7大きい数
③0よりも\(\frac{5}{8}\)小さい数
④0よりも0.25大きい数

① 0よりも8小さいということは、「負の数」だね。
なので、「–」の符号を使って「\(–8\)」が正解。

② 0よりも7大きいということは、「正の数」だね。
なので、「+」の符号を使って「\(+7\)」が正解。

③0よりも\(\frac{5}{8}\)小さいということは、「負の数」だね。
なので、「–」の符号を使って「–\(\frac{5}{8}\)」が正解。

④0よりも0.25大きいということは、「正の数」だね。
なので、「+」の符号を使って「\(+0.25\)」が正解。

分数や小数でも、0より大きいか小さいかで「+」と「−」の符号を前につけてあげればいいだけなんだね。

符号を勉強する理由②
反対の方向をもつ数字を、「線の上」で表す

ザックリいうと
それぞれの数字がどういうことを表しているか、分かりやすくまとめる!

例えば、こんなアンケートとか見たことはないかな?

Q:算数は好きか嫌いか、当てはまるところに○をつけよう

これって、真ん中は「どちらでもない」で、右にいくほど「好き」ということを表していて、左にいくほど「嫌い」を表しているんだよね。

くまごろうくまごろう

これを、「+」と「−」を使って表すとこうなるよ。

なるほど、「+」は「好き」ということを表していて、「−」は「嫌い」ということを表しているんだね。
分かりやすくなるね。

ここでのポイントは、「真ん中」を基準に、右と左が「反対の性質」や「反対の方向」を表すということだよ。

反対の性質とは
「やさしい」と「怖い」とか、
「甘い」と「苦い」とか、
「カンタン」と「難しい」とか・・

反対の方向とは、
「東」と「西」とか
「上」と「下」とか・・

くまごろうくまごろう

さっき、「0は正の数でも負の数でもない」と説明したよね。
このように、「0」というのはつまり「真ん中」ということなので、「どちらでもない」ということを表すからなんだよ。

こういう問題が出る!

次の数量を、正の符号・負の符号を使って表しなさい。

①今の時間を基準にして、今から10分後を「\(+10\)」と表すとき、今から15分前

②今いる場所を基準にして、西へ5㎞進むことを「\(–5\)」と表すとき、東へ4㎞進むこと

③中辛のカレーを基準にして、3段階辛いカレーを「\(+3\)と表すとき、2段階甘いカレー

④平均点が65点の算数のテストで、80点を「\(+15\)」と表すとき、55点

① 今の時間が基準だから、今の時間を0とするんだね。
今よりも進んだ時間の「10分後」が正の数になっているので、今よりもさかのぼった時間の「15分前」は負の数であらわせばいいね。

答え:\(–15\)

② 今いる場所が0だね。
西へ進むことを負の数で表しているから、反対の東へ進むことを正の数で表せばいいね。

答え:\(+4\)

③ 中辛、つまり「真ん中」の辛さが0だね。
中辛よりも辛いことを正の数で表しているから、甘いことは負の数で表せばいいね。

答え:\(–2\)

④ 平均点を基準にして、どのくらい大きいか少ないかで考えればいいね。
このように、基準はいつも「0」とは限らないので注意。
80点は平均点の65点よりも15点大きいね。だから正の数で表しているのだから、平均点よりも10点少ない55点は、負の数で表せばいいね。

答え:\(–10\)

自然数しぜんすうとは?

この「正負の数」の学習では、ひとつ新しい言葉を覚える必要があるよ。

それが自然数

くまごろうくまごろう

自然数とは、ヒトコトで言うと
せい整数せいすうのこと。

整数せいすうとは?

整数というのは、小数や分数ではない数のこと

詳しく言うと、「0と、0に1ずつ足していって出来る数または、0から1ずつ引いていって出来る数」のことなんだ。

例えば、0に1ずつ足して出来る数は
1(0+1)
2(0+1+1)
3(0+1+1+1)・・・

0から1ずつ引いていって出来る数は
−1(0ー1)
−2(0−1−1)
−3(0−1−1−1)・・・

小数の0.5とか、分数の\(\frac{3}{4}\)とかは、0に1を足したり引いたりすることでは絶対に作ることができないね。
だから整数ではないんだね。


くまごろうくまごろう

そうだね。
ということは、整数は
0、1、2、3・・・さらに負の数の−1、−2、−3・・・ということだね。

自然数は「正の整数」って?
どこまで当てはまる?

自然数は、「正の整数」なんだよね。
さっきの「整数」に、さらに「正の数であること」という条件が加わるんだ。

−1、−2、−3・・・はもちろん
「負の数」なので、整数だけど、自然数ではないんだ。

0はどうかな?

0は「正の数」でも「負の数」でもなかったね・・!

くまごろうくまごろう

そう。
つまり、0も自然数ではないんだよ。

この「0は自然数ではない」ということは、ついつい勘違いしてしまいがちで、
テストでもよく引っかけとして出てくるから注意

中学数学ではココを押さえればOK!
符号のついた数まとめ

まとめ
  • 0よりも大きい数のことを「正の数」といい、「+3」や「+5」のように表すことがある。
  • +(プラス)のことを、「正の符号」と呼ぶ。
  • 0よりも小さい数のことを「負の数」といい、「−3」や「−5」のように表すことがある。
  • −(マイナス)のことを、「負の符号」と呼ぶ。
  • 反対の性質や方向をもつ数量は、基準を決めることで一方を正の符号、もう片方を負の符号で表すことができる
  • 数量を表すとき、基準になる数量は0だけとは限らない。テストの平均点のように、0ではない数量を基準にしてもよい。
  • 正の整数のことを、「自然数」と呼ぶ。
  • 自然数に、0は含まれない
yuminekoyumineko

次は「数直線」について解説するよ!

運営者情報

青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。

感想や意見を聞かせてね

yumineko へ返信する コメントをキャンセル

  1. 課題が終わらない人 より:

    とても分かりやすく書いてくださりありがとうございます

    • yumineko より:

      課題が終わらない人さん
      コメント有難うございます!
      中学からの数学は格段に複雑になっていきますよね。
      学校の授業での「?」の部分を、少しでもなくすお手伝いができるようにこれからも頑張ります!

  2. 課題が終わらない人 より:

    とても分かりやすく書いてくださりありがとうございます

    • yumineko より:

      課題が終わらない人さん
      コメント有難うございます!
      中学からの数学は格段に複雑になっていきますよね。
      学校の授業での「?」の部分を、少しでもなくすお手伝いができるようにこれからも頑張ります!

  3. けなそゆしか勝たん より:

    自学の参考にさせていただきました。ありがとうございます。

    • yumineko より:

      けなそゆしか勝たんさん
      中学数学は今までと比べるとだいぶ難しくなりますよね。
      少しでも参考になれば嬉しいです。

  4. けなそゆしか勝たん より:

    自学の参考にさせていただきました。ありがとうございます。

    • yumineko より:

      けなそゆしか勝たんさん
      中学数学は今までと比べるとだいぶ難しくなりますよね。
      少しでも参考になれば嬉しいです。

  5. いっちー より:

    イラストなどが程よくかかれていて、素晴らしいと思います!
    1つだけお願いしたいことがあるのですが、社会のさいとで、政治関係のものを作って欲しいです!

    • yumineko より:

      いっちーさん

      とても嬉しいコメントありがとうございます!
      政治関係のリクエストもありがとうございます。
      現在、小学校一年生から順に記事を追加していっているので、長くお待たせすることになってしまうかもしれず申し訳ありません。
      できるだけ早く追加していけるように頑張りますね。