「おうぎ形の弧の長さと面積(平面図形)」をわかりやすく解説
中学数学「おうぎ形の孤の長さと面積」がどうしても理解できないという子にも分かるように、ひとつひとつのつまずきポイントを丁寧に解説していくよ!
おうぎ形の弧の長さと面積
つまずきポイント
- 公式が複雑で、見ただけで挫折してしまう
- 公式が「どうしてそうなるのか」分からない
- 「おうぎ形」というだけで苦手意識がある
どんなに説明を受けても、とにかくピンとこないんだよ・・
どうせ難しそうと思って諦めちゃうんだ。
おうぎ形の弧の長さと面積を
身近な話に変えてみよう!
じゃあ、「おうぎ形」とか「弧」とかは一旦忘れて、
身近な話で考えてみよう。
考えてみよう
太郎くんのクラスは、全部で40人の生徒がいるよ。
でも、インフルエンザでみんなお休みになって、2分の1の生徒だけが残ったんだ。
さて、何人の生徒が残っている?
そんなのカンタンだよ。
40人の半分の、20人でしょ。
計算で表すと、
40×\(\frac{1}{2}\)=20
ということだね。
もちろん、これが2分の1でなくて、4分の1でも同じ考え方でいいよね。
これって、「円」と「おうぎ形」でも同じことなんだよ。
「全部で」というのが「円」のこと。
「残った生徒」が「おうぎ形」のことで考えてみて。
「円」=「全部」
円というのは、「パーフェクトな状態」のことだよね。
ホールケーキとかピザで例えるなら、「食べる前」の状態。
つまり、全部揃った状態。満タン状態。
さっきのクラスの例えで言うと、「クラス全員の人数」。
「おうぎ形」=「残ったもの」
おうぎ形というのは、パーフェクトだった円が欠けた状態。
※イメージしやすいように、このページでは おうぎ形のことを「残った部分」という表現をするよ。
ケーキやピザでいうなら、何切れか食べられてしまった状態。
さっきの例えなら、「インフルエンザで何人かがお休みして、残った生徒」のことだね。
この、
「残ったもの」が実際どのくらいの量とか数があるのかは、「もとのパーフェクトな状態とくらべてどのくらいの割合残っているのか」 でもとめられるよね。
クラスで考えた時のように、「もとの生徒の数」とくらべて「半分」残ったから、「残った生徒の数」は
40(全部)× \(\frac{1}{2}\)(どのくらい残ったか)=20(残った生徒の数)
になるんだよね。
おうぎ形も、
「円(全部)の時の円周」× 「残った割合」 = 「おうぎ形(残った部分)」の円周」
というように求めることができるんだ。
説明だけだとピンとこないので、例題を解きながら説明していくよ。
おうぎ形の弧の長さと面積を
例題で考えてみよう
例題
次のおうぎ形の弧の長さと面積を求めなさい。
まずはもとの円(全部)の弧の長さと面積を求める。
クラスの生徒の例えだと、
「クラスの生徒は全部で40人」とあらかじめ分かっていたよね。
でも、このおうぎ形の「もともとの円の円周や面積はいくつなのか?」は
あらかじめ分かっていないね。
だから、まずは「もともとの円の弧の長さや面積はいくつなのか?」を求める必要があるんだ。
もともとの円が描いていないから、そんなの分からないよ。
ここで手がかりになるのが、おうぎ形にある「3㎝」という数字。
これって、実はもとの円の半径の部分なんだよね。
ということは、この半径を使えばもとの円の円周も面積も求めることができるね。
円周の求め方は 「直径(半径×2)×π」なので、
3×2×π=6πcm
つまり、もとの円だった時の円周は6πだね。
円の面積の求め方は 「半径×半径×π」なので、
3×3×π=9π㎠
ということになるね。
じゃあ、おうぎ形が、この円の半分だったとしたら?
円周も、面積も、もちろん半分になるよね。
だから円周なら6π㎝の半分の「3π㎝」になるし、
面積は「9π㎠の半分の「\(\frac{9}{2}\)π㎠」になるね。
4分の1だったら?
3分の2だったら?
とにかく、
もとの円の円周や面積を求めれば、
もとの円と比べておうぎ形がどのくらい残っているかによって、
おうぎ形の面積や円周も求めることができるんだね。
でも、おうぎ形が「もとの円」のどのくらい残っているのかは、どうやって分かるの?
それが分かるのがおうぎ形の「中心角」なんだ。
中心角を見れば
「おうぎ形がもとの円に対してどのくらい残っているか」が分かる!
おうぎ形が、もとの円にたいしてどのくらい残っているかの割合を求めるには、
円の中心核360度に対して、おうぎ形の中心角がどのくらいあるのかで求められるんだ。
例えば、ちょうど半分のおうぎ形の中心角は180度。
180度は、360度に対してどのくらいあるかの割合を求めると、
180÷360
=\(\frac{180}{360}\)
=\(\frac{1}{2}\)
90度の場合なら、
90÷360
=\(\frac{90}{360}\)
=\(\frac{1}{4}\)
こうやって、「おうぎ形の中心角」÷360をすれば、おうぎ形がどのくらい残っているのかの割合が求められるんだよ。
例題のおうぎ形の中心角は、120度だね。
そうすると、
120÷360
=\(\frac{120}{360}\)
=\(\frac{1}{3}\)
このおうぎ形は、もとの円に対して\(\frac{1}{3}\)残っているということだね。
求めた割合を、円周や面積にかける
そうしたら、あとは「もとの円だったときの円周や面積」に、求めた割合をかけてあげれば、おうぎ形の弧の長さや面積が求められるということだね。
もう一度、ひとつひとつ手順を表すと
①もとの円の円周や面積をもとめる
②おうぎ形が、もとの円に対して「どのくらい残っているか」をもとめる
③ ①に②をかける
例題で考えると、
①もとの円の円周は6π
②おうぎ形は、もとの円に対して\(\frac{1}{3}\)残っている。
③ ①に②をかけると、\(6π×\frac{1}{3}=2π\)
というわけで、弧の長さは2π㎝だね。
同じように、おうぎ形の面積を求めると、3π㎠になるよ。
この作業をいっぺんに表したのが教科書の公式なんだよ。
弧の長さの公式:\(l=2πr×\frac{a}{360}\)
おうぎ形の面積の公式:\(s=πr^2×\frac{a}{360}\)
運営者情報
ゆみねこ
詳しいプロフィールを見る
青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。
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両方とも見ることはできましたよ。
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両方とも見ることはできましたよ。
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わかりやすかった!
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教科書を何回もやり直したことで偏差値大幅up‼︎その市の中で一番の高校合格しました。
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学校の授業で、あまりわからない内容だったので、ありがたく使わせていただきました!
ありがとうございます
すごくなるほどーってなりました。
やっぱりyuminekoさんはわかりやすいです。