「一次関数の変化の割合」とは?求め方を分かりやすく解説

中学2年生の数学で学習する「一次関数」について、「変化の割合」とはなにか、変化の割合はどうやって求めることができるのかをくわしく解説するよ。

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目次

一次関数の変化の割合とは

y=3χ+1の表を使って、一次関数の性質について確認をしてみよう。

χ-2-1
-5-2

χが-2から-1へ1増えた時、yは3増えているよね。
χが1から2へ1増えた時も、yは3増えているね。

χが1増えたら、yが3増える関係のように、

χが1増えたときのyがいくつ増えるか、という割合のことを変化の割合っていうんだ。

今回の式では、変化の割合は3ということになるよ。

変化の割合にはこんな公式もあるんだ。

変化の割合=\(\frac{yの増加量}{χの増加量}\)

増加量は、文字の通りで増加した量(増えた数字)のことだよ。

そして、さっきの表で確認してわかる通り、一次関数の変化の割合は常に一定でy=aχ+bのaと同じになるんだ。

早速これらの性質を使って、問題にチャレンジしてみよう。

問題

y=-3χ+4で、χの値が次のように増加したときのχとyの増加量と変化の割合を、それぞれ求めなさい。

(1)2から4まで
(2)-5から-1まで

解き方の手順は
①与えられたχの値に対応するyの値を求める
②表を書く
③いくつ増えているか(増加量)を計算
④公式に代入
で進めていこう。

(1)

①与えられたχの値に対応するyの値を求める

今回の問題では、χが2から4まで増加、と書いてあるね。
だから、χが2の時とχが4の時のyの値を式に代入して求めるよ。

χが2の時
y=-3×2+4
 =-2

χが4の時
y=-3×4+4
 =-8

②表を書く

χ
-2-8

③いくつ増えているか(増加量)を計算

χの増加量
χは2から4まで増えているので、2増加

yの増加量
yは-2から-8まで増えているので、-6増加

yは減っているのに増加?と思った人もいるかもしれないけれど、中学1年生の時に勉強した正負の数を思い出そう!

-2から-8は、6減っているよね。
「減っている」を「増えている」に変えた時、どういう風に表現したらいいかな?
これは、数字の符号を変えるとOKなんだ。
だから、「6減っている」は「-6増えている」と同じなんだよ。

ちなみに、増加量は計算でも求めることができるよ。
さっきの表を使うと、「右側の数字」-「左側の数字」の計算をすればOK。

左側の数字右側の数字
χ
-2-8

χの増加量=4ー2
     =2

yの増加量=-8-(-2)
     =-8+2
     =-6

慣れてくると計算の方が、ミスなく解くことができるよ!
※②で表を書いてもらった理由は、この計算で解くためなんだ。
表を書くことで、「右側の数字」-「左側の数字」を間違ずに解くことができるから慣れるまでは書くようにしよう!

④公式に代入

最後に変化の割合を求めるために、公式に代入しよう。

変化の割合=\(\frac{yの増加量}{χの増加量}\)
     =\(\frac{-6}{2}\)
     =-3

そして、一次関数の変化の割合はy=aχ+bのaと同じ値になるので、確認しておこう。

※ちなみに、一次関数で変化の割合だけを聞かれた場合には、y=aχ+bのaの値を答えたら良いので、計算は不要だよ!

(1)の答えは、
χの増加量2、yの増加量-6、変化の割合-3

(2)
(2)も(1)と同じ流れで解き進めよう。
①与えられたχの値に対応するyの値を求める

今回の問題では、χが-5から-1まで増加、と書いてあるね。
だから、χが-5の時とχが-1の時のyの値を式に代入して求めるよ。

χが-5の時
y=-3×(-5)+4
 =19

χが-1の時
y=-3×(-1)+4
 =7

②表を書く

χ-5-1
19

③いくつ増えているか(増加量)を計算

さっき説明した計算で求めよう!

χの増加量=-1-(-5)
     =4
yの増加量=7ー19
     =-12

④公式に代入

最後に変化の割合を求めるために、公式に代入しよう。

変化の割合=\(\frac{yの増加量}{χの増加量}\)
     =\(\frac{-12}{4}\)
     =-3

(2)の答えは、
χの増加量4、yの増加量-12、変化の割合-3

一次関数の変化の割合について

①一次関数の変化の割合は、y=aχ+bのaと同じ値になる
②変化の割合を求める公式は、
変化の割合=\(\frac{yの増加量}{χの増加量}\)

変化の割合を求める問題

変化の割合について色々な問題にチャレンジしてみよう。

問題

次の一次関数の変化の割合を求めなさい。また、χの増加量が3のときのyの増加量を求めなさい。

(1)y=-2χ+4
(2)y=3χ
(3)y=-\(\frac{1}{3}\)χ+2

(1)

変化の割合は、式を見たらすぐにわかるね!
変化の割合は、-2

次にyの増加量について求めてみよう。

変化の割合の公式をそのまま利用すればOKだよ。

変化の割合=\(\frac{yの増加量}{χの増加量}\)

にわかっている数字を代入すると

-2=\(\frac{yの増加量}{3}\)

ここから、「yの増加量=」の形に変形すればOK!

右辺と左辺を入れ替えて、両辺に「×3」をすれば求められるね。

\(\frac{yの増加量}{3}\)  =-2
\(\frac{yの増加量}{3}\)×3=-2×3
 yの増加量=-6

公式のように

yの増加量=χの増加量×変化の割合

と覚えてもいいけれど、覚えることが増えて大変・・・という場合には、今回解いた方法がおすすめだよ。

答え 変化の割合-2、yの増加量-6

(2)

変化の割合は、式を見たままでOKだから3だね。

yの増加量は、公式に代入して計算をしていこう。

3=\(\frac{yの増加量}{3}\)

↓右辺と左辺を入れ替えて、両辺に3を掛ければOK

yの増加量=9

答え 変化の割合3、yの増加量9

(3)

分数の問題だから難しそうに見えるけれど、(1)(2)と同じように解けばOK!

変化の割合は、-\(\frac{1}{3}\)

yの増加量は、

-\(\frac{1}{3}\)=\(\frac{yの増加量}{3}\)

↓右辺と左辺を入れ替えて、両辺に3を掛ければOK

yの増加量=-1

答え 変化の割合-\(\frac{1}{3}\)、yの増加量-1

一次関数の変化の割合について確認をしたけれど、反比例の場合はどうなるのか確認してみよう。

問題

反比例y=\(\frac{12}{χ}\)で、χの値がの次のように増加した時の変化の割合を求めなさい。

(1)2から4まで
(2)3から6まで

解くときの手順は、一次関数の時と同じように

①与えられたχの値に対応するyの値を求める
②表を書く
③いくつ増えているか(増加量)を計算
④公式に代入
で進めていくよ。

(1)

①与えられたχの値に対応するyの値を求める

χ=2を式に代入すると
y=\(\frac{12}{2}\)
 =6

χ=4も同じように代入すると
y=\(\frac{12}{4}\)
 =3

②表を書く

左側の数字右側の数字
χ

※増加量を求めるために、「左側の数字」「右側の数字」を表に書き加えているよ。

いくつ増えているか(増加量)を計算

「右側の数字」-「左側の数字」の計算をして求めよう。

χの増加量=4ー2
     =2

yの増加量=3-6
     =-3

④公式に代入

\(\frac{yの増加量}{χの増加量}\)

に代入して、変化の割合を求めよう。

変化の割合=-\(\frac{3}{2}\)

(2)

①与えられたχの値に対応するyの値を求める

χ=3を式に代入すると
y=\(\frac{12}{3}\)
 =4

χ=6も同じように代入すると
y=\(\frac{12}{6}\)
 =2

②表を書く

左側の数字右側の数字
χ

※増加量を求めるために、「左側の数字」「右側の数字」を表に書き加えているよ。

いくつ増えているか(増加量)を計算

「右側の数字」-「左側の数字」の計算をして求めよう。

χの増加量=6ー3
     =3

yの増加量=2-4
     =-2

④公式に代入

\(\frac{yの増加量}{χの増加量}\)

に代入して、変化の割合を求めよう。

変化の割合=-\(\frac{2}{3}\)

答え (1)-\(\frac{3}{2}\) (2)-\(\frac{2}{3}\)

答えを見てわかるとおり、反比例では
変化の割合=比例定数(反比例の場合は、y=\(\frac{a}{χ}\)のaが比例定数だよ)にはならないんだ。

変化の割合=比例定数になるのは、一次関数(比例もOK)の特徴だということも覚えておこう!

運営者情報

青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。

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