三平方の定理の問題を速く解くために覚えるべき3辺の比7パターン
中学3年生の数学で学習する「三平方の定理」について、問題を速く解くための裏ワザ「覚えるべき3辺の比の7パターン」を紹介するよ。
それぞれの比のパターンの特徴や覚え方、例題など、くわしく解説していくよ。これを覚えれば、2乗する作業や、方程式を解く作業が省略できるので、速く三平方の定理の問題を解くことができるようになるよ。
目次
「三平方の定理」覚えるべき3辺の比7つのパターン
「三平方の定理」とは、下のような直角三角形があった時に、a2+b2=c2となる関係のことだったよね。
a、b、cに入る数が小さいときは計算は大変じゃないんだけれど、大きくなってくると2乗の計算が大変になって、解くのに時間もかかってしまうよね。
例えば、「a=8、b=15のときcはいくつになるかな」みたいな計算の場合、82+152の計算って時間がかかるよね。
そんなときに
「三平方の定理」覚えるべき3辺の比7パターン
を知っていると、2乗の計算をすることなく答えを求めることができてしまうんだ。
これから紹介する「覚えるべき3辺の比」は、もちろん覚えていなくてもなんとか計算で求められるけれど、知っていると確実に速く答えを求めることができるようになるよ。
中学生で覚えておいてほしい、三平方の定理の比の7パターンは次の通り
「三平方の定理」覚えるべき3辺の比7パターン
- ①3:4:5
- ②5:12:13
- ③8:15:17
- ④7:24:25
- ⑤1:2:\(\sqrt{5}\)
- ⑥1:1:\(\sqrt{2}\)
- ⑦1:\(\sqrt{3}\):2
※〇:〇:斜辺の順番になっているよ
①~④は整数だけ、⑤~⑦はルートも入ってくるね。①~④と⑤~⑦を分けて順番に紹介していくね。
覚えるべき3辺の比が整数の直角三角形
覚えたほうがいい3辺の比がすべて整数の直角三角形は中学校では4つ学習するよ。
覚えるべき3辺の比が整数の直角三角形
- ①3:4:5
- ②5:12:13
- ③8:15:17
- ④7:24:25
①~④のようなa2+b2=c2の条件を満たす、すべて自然数の組み合わせのことを「ピタゴラス数」というよ。
「三平方の定理」のことを「ピタゴラスの定理」とも呼ぶよね。
なので、「三平方の定理」の条件を満たす自然数の組み合わせの数ということで、これも「ピタゴラス数」と呼ばれるんだ。
ピタゴラス数は無限個あるよ。
④7:24:25以降のピタゴラス数の一部を紹介するね。
7:24:25以降のピタゴラス数の一部
20:21:29
9:40:41
12:35:37
11:60:61
・・・・・
こんなに大きな数は覚える必要はないから、①~④のピタゴラス数はしっかり覚えるようにしよう。
3辺の比が3:4:5の直角三角形
覚えてほしい3辺の比の中でもっとも簡単なものだよ。
本当に3:4:5の関係が成り立つのか、三平方の定理a2+b2=c2のa、b、cに数字を代入してみよう。
3、4、5のうち、最も長いものが斜辺cだから、c=5になるよ。
(左辺)
=a2+b2
=32+42
=9+16
=25
(右辺)
=c2
=52
=25
(左辺)=(右辺)になるから、3:4:5の関係が成り立つことが分かったね。
3:4:5の覚え方
「み(3)よ(4)こ(5)、」
「みよこ」ちゃんに話しかけているよ。
3辺の比3:4:5を使った問題
次の直角三角形の斜辺の長さxを求めなさい。
丁寧にやるのであれば、
三平方の定理a2+b2=c2のa、bに3、4を代入して
32+42=x2
9+16=x2
x2=25
x=±5
と計算してもOK。
ただ直角三角形の3辺の比「3:4:5」を知っていたら、x=5と一瞬で求めることができるんだよ。
次の直角三角形の斜辺の長さxを求めなさい。
丁寧にやるのであれば、
三平方の定理a2+b2=c2のa、bに6、8を代入して
62+82=x2
36+64=x2
x2=100
x=±10
と計算してもOK。
ただ直角三角形の3辺の比「3:4:5」だから、3つの辺の比を2倍すると「6:8:10」になるよね。
そうすると、x=10と一瞬で求めることができるんだよ。
3辺の比が5:12:13の直角三角形
少し数が大きくなってきたね。12の2乗とか13の2乗とかを計算するのは面倒だよね。
そんなとき5:12:13の関係を知っていれば、2乗の計算をせずにできちゃう問題もあるよ。
本当に5:12:13の関係が成り立つのか、三平方の定理a2+b2=c2のa、b、cに数字を代入してみよう。
5、12、13のうち、最も長いものが斜辺cだから、c=13になるよ。
(左辺)
=a2+b2
=52+122
=25+144
=169
(右辺)
=c2
=132
=169
(左辺)=(右辺)になるから、5:12:13の関係が成り立つことが分かったね。
5:12:13の覚え方
「こ(5)いつ(12)は、とうさん(13)のだ。」
お父さんが、「こいつは父さんのだ」と言っているよ。
3辺の比5:12:13を使った問題
次の直角三角形の斜辺の長さxを求めなさい。
丁寧にやるのであれば、
三平方の定理a2+b2=c2のa、bに5、12を代入して
52+122=x2
25+144=x2
x2=169
x=±13
と計算してもOK。
ただ直角三角形の3辺の比「5:12:13」を知っていたら、x=13と一瞬で求めることができるんだよ。
次の円錐は底面の半径が5cm、母線の長さが13cmのである。高さを求めなさい。
円錐から次のような直角三角形を抜き出して考えよう。
丁寧にやるのであれば、
三平方の定理a2+b2=c2のa、cに5、13を代入して
52+x2=132
25+x2=169
x2=144
x=±12
と計算してもOK。
ただ直角三角形の3辺の比「5:12:13」だから、x=12と一瞬で求めることができるんだよ。
三平方の定理を使って円錐の高さを求める問題はよく出るからしっかりマスターしておこう。
さらにレベルアップした問題だったら、円錐の体積まで求めるよ。
辺の比が8:15:17の直角三角形
また、数が大きくなってきたね。15の2乗とか17の2乗とかを計算するのは面倒だよね。
そんなとき5:15:17の関係を知っていれば、2乗の計算せずにできちゃう問題もあるよ。
本当に8:15:17の関係が成り立つのか、三平方の定理a2+b2=c2のa、b、cに数字を代入してみよう。
8、15、17のうち、最も長いものが斜辺cだから、c=17になるよ。
(左辺)
=a2+b2
=82+152
=64+225
=289
(右辺)
=c2
=172
=289
(左辺)=(右辺)になるから、8:15:17の関係が成り立つことが分かったね。
8:15:17の覚え方
「はっ!(8)いちご(15)いーな(17)」
イチゴに気がついて、うらやましがっているよ。
「8:15:・・・。あれ?なんだったけ」ってなるかもしれない。そんなときは無理せず、三平方の定理を使って答えを求めることをおすすめするよ。
3辺の比8:15:17を使った問題
次の直角三角形のxを求めなさい。
丁寧にやるのであれば、
三平方の定理a2+b2=c2のa、cに8、17を代入して
82+x2=172
64+x2=289
x2=225
x=±15
と計算してもOK。
ただ直角三角形の3辺の比「8:15:17」を知っていたら、x=15と一瞬で求めることができるんだよ。
辺の比が7:24:25の直角三角形
24の2乗とか25の2乗とかを計算するのは面倒だよね。
そんなとき7:24:25の関係を知っていれば、2乗の計算せずにできちゃう問題もあるよ。
本当に7:24:25の関係が成り立つのか、三平方の定理a2+b2=c2のa、b、cに数字を代入してみよう。
7、24、25のうち、最も長いものが斜辺cだから、c=25になるよ。
(左辺)
=a2+b2
=72+242
=49+576
=625
(右辺)
=c2
=252
=625
(左辺)=(右辺)になるから、7:24:25の関係が成り立つことが分かったね。
7:24:25の覚え方
「な(7)によ、(24)にこ(25)あるじゃない」
そっちに2個あるでしょ、と言っているよ。
3辺の比7:24:25を使った問題
次の直角三角形のxを求めなさい。
丁寧にやるのであれば、
三平方の定理a2+b2=c2のa、bに7、24を代入して
72+242=x2
49+576=x2
x2=625
x=±25
と計算してもOK。
ただ直角三角形の3辺の比「7:24:25」を知っていたら、x=25と一瞬で求めることができるんだよ。
2乗の計算がないから、間違えることもなくなるし、速く答えを求めることができるね。
覚えるべき3辺の比が整数の直角三角形のまとめ
3辺の比が整数の場合(ピタゴラス数)は全部で4つ説明してきたよ。
3辺の比を知っていると速く答えを求めることができることがわかったかな。
3辺の比と覚え方を下にまとめたよ。
3辺の比が整数の場合
①3:4:5
「み(3)よ(4)こ(5)、」
②5:12:13
「こ(5)いつ(12)は、とうさん(13)のだ。」
③8:15:17
「はっ!(8)いちご(15)いーな(17)」
④7:24:25
「な(7)によ(24)にこ(25)あるじゃない」
こんな風に覚えよう
みよこちゃんと、お父さんがいて、ケーキを食べているんだ。
お父さんが、「こいつは父さんのだ」と言いつつ、みよこちゃんのケーキのイチゴに気がついて「はっ!イチゴいいな」と言ったんだけれど、お父さんのケーキにはイチゴが2個のっているので、みよこちゃんが「2個あるじゃない」とツッコミを入れているよ。
覚えるべき3辺の比にルートを含む直角三角形
今までは3辺の比が整数だったよね。今から紹介していく3辺の比にはルートが入ってくるよ。
覚えるべきルートを含む3辺の比
- ⑤1:2:\(\sqrt{5}\)
- ⑥1:1:\(\sqrt{2}\)
- ⑦1:\(\sqrt{3}\):2
※〇:〇:斜辺→最後の数字が斜辺になっているよ。
3辺の比が1:2:\(\sqrt{5}\)の直角三角形
本当に1:2:\(\sqrt{5}\)の関係が成り立つのか、三平方の定理a2+b2=c2のa、b、cに数字を代入してみよう。
1、2、\(\sqrt{5}\)のうち、最も長いものが斜辺cだから、c=\(\sqrt{5}\)になるよ。
(左辺)
=a2+b2
=12+22
=1+4
=5
(右辺)
=c2
=(\(\sqrt{5}\))2
=5
(左辺)=(右辺)になるから、1:2:\(\sqrt{5}\)の関係が成り立つことが分かったね。
1:2:\(\sqrt{5}\)の覚え方
1の2乗と2の2乗を足したら5になるから、1:2:\(\sqrt{5}\)と覚えよう。
3辺の比1:2:\(\sqrt{5}\)を使った問題
次の直角三角形の斜辺の長さxを求めなさい。
丁寧にやるのであれば、
三平方の定理a2+b2=c2のa、bに1、2を代入して
12+22=x2
1+4=x2
x2=5
x=±\(\sqrt{5}\)
と計算してもOK。
ただ直角三角形の3辺の比「1:2:\(\sqrt{5}\)」を知っていたら、x=\(\sqrt{5}\)と一瞬で求めることができるんだよ。
次の直角三角形の斜辺の長さxを求めなさい。
丁寧にやるのであれば、
三平方の定理a2+b2=c2のa、bに3、6を代入して
32+62=x2
9+36=x2
x2=45
x=±\(\sqrt{45}\)
x=±3\(\sqrt{5}\)
と計算してもOK。
ただ直角三角形の3辺の比「1:2:\(\sqrt{5}\)」だから、3つの辺の比を3倍すると「3:6:3\(\sqrt{5}\)」になるよね。
そうすると、x=3\(\sqrt{5}\)と一瞬で求めることができるんだよ。
3辺の比が1:1:\(\sqrt{2}\)の直角三角形
1:1:\(\sqrt{2}\)になるのは、次のような45°、45°、90°の直角三角形限定だよ。
45°、45°、90°の直角三角形がでてきたら「よっしゃー」と喜ぼう!
本当に1:1:\(\sqrt{2}\)の関係が成り立つのか、三平方の定理a2+b2=c2のa、b、cに数字を代入してみよう。
1、1、\(\sqrt{2}\)のうち、最も長いものが斜辺cだから、c=\(\sqrt{2}\)になるよ。
(左辺)
=a2+b2
=12+12
=1+1
=2
(右辺)
=c2
=(\(\sqrt{2}\))2
=2
(左辺)=(右辺)になるから、1:1:\(\sqrt{2}\)の関係が成り立つことが分かったね。
1:1:\(\sqrt{2}\)の覚え方
直角二等辺三角形だから、2辺が等しくなって1:1。
1の2乗と1の2乗を足すと2になるから\(\sqrt{2}\)
3辺の比1:1:\(\sqrt{2}\)を使った問題
次の直角三角形の斜辺の長さxを求めなさい。
丁寧にやるのであれば、
三平方の定理a2+b2=c2のa、bに3、3を代入して
32+32=x2
9+9=x2
x2=18
x=±\(\sqrt{18}\)
x=±3\(\sqrt{2}\)
と計算してもOK。
ただ直角三角形の3辺の比「1:1:\(\sqrt{2}\)」を3倍して「3:3:3\(\sqrt{2}\)」になるよね。
だから、x=3\(\sqrt{2}\)と一瞬で求めることができるんだよ。
3辺の比が1:\(\sqrt{3}\):2の直角三角形
1:\(\sqrt{3}\):2になるのは、次のような30°、60°、90°の直角三角形限定だよ。
30°、60°、90°の直角三角形がでてきたら「よっしゃー」と喜ぼう!
本当に1:\(\sqrt{3}\):2の関係が成り立つのか、三平方の定理a2+b2=c2のa、b、cに数字を代入してみよう。
1:\(\sqrt{3}\):2のうち、最も長いものが斜辺cだから、c=2になるよ。
(左辺)
=a2+b2
=12+(\(\sqrt{3}\))2
=1+3
=4
(右辺)
=c2
=22
=4
(左辺)=(右辺)になるから、1:\(\sqrt{3}\):2の関係が成り立つことが分かったね。
1:\(\sqrt{3}\):2の覚え方
30°、60°、90°の直角三角形を次のように組み合わせると正三角形になるよね。
直角三角形の底辺が1だと、正三角形の1辺は2になるから、1:2。
直角三角形に注目して、高さをxとすると、
1の2乗+xの2乗=2の2乗になって
x=\(\sqrt{3}\)
になるよ。
ちなみに、1:\(\sqrt{3}\):2は、ゴロがいいということで、「1:2:\(\sqrt{3}\)」と覚える場合もあるかもしれない。
もちろんそれでもいいんだけれど、斜辺は「2」であって、「\(\sqrt{3}\)」ではないことに注意しよう。
もし、「どっちが斜辺だっけ?」と自信がなくなってしまったら、\(\sqrt{3}\)の近似値が「1.7320508」であることを思い出そう!
そうすれば、\(\sqrt{3}\)と2を比べたときに、2の方が大きいので、「一番大きいから、2が斜辺だ!」と思い出すことができるよ。
3辺の比1:\(\sqrt{3}\):2を使った問題
次の直角三角形の高さを求めなさい。
丁寧にやるのであれば、高さをxとして
三平方の定理a2+b2=c2のa、cに2、4を代入して
22+x2=42
4+x2=16
x2=12
x=±\(\sqrt{12}\)
x=±2\(\sqrt{3}\)
と計算してもOK。
ただ直角三角形の3辺の比「1:\(\sqrt{3}\):2」を2倍して「2:2\(\sqrt{3}\):4」になるよね。
だから、x=2\(\sqrt{3}\)と一瞬で求めることができるんだよ。
次の直角三角形でxの長さを求めなさい。
30°、60°、90°の特別な直角三角形の3辺の比は1:\(\sqrt{3}\):2になるんだよね。今回、底辺が5倍になっているから全部5倍するとx=10、y=5\(\sqrt{3}\)と求めることができるよ。
覚えるべき3辺の比にルートを含む直角三角形のまとめ
⑤1:2:\(\sqrt{5}\)
⑥1:1:\(\sqrt{2}\)
⑦1:\(\sqrt{3}\):2
「〇:〇:斜辺」→最後の数字が斜辺になるからね。
「三平方の定理」覚えるべき3辺の比7つのパターンまとめ
「三平方の定理」覚えるべき3辺の比7パターン
を知っていると、2乗の計算することなく答えを求めることができるんだったよね。
「覚えるべき3辺の比」は覚えていなくてもなんとか計算で求められるけど、知っていると速く答えが求められるよ。
中学生で覚えておいてほしい、三平方の定理の比の7パターンは次の通り
「三平方の定理」覚えるべき3辺の比7つのパターン
- ①3:4:5
- ②5:12:13
- ③8:15:17
- ④7:24:25
- ⑤1:2:\(\sqrt{5}\)
- ⑥1:1:\(\sqrt{2}\)
- ⑦1:\(\sqrt{3}\):2
運営者情報
ゆみねこ
詳しいプロフィールを見る
青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。