「相似な図形の面積比」相似な三角形・多角形・円の相似比と面積比

中学3年生の数学で学習する「相似な図形の面積比」について、相似な図形の相似比と面積比の関係について、三角形の場合、多角形の場合、そして円の場合をそれぞれくわしく解説するよ。

相似な図形の相似比と面積比の定理について学習しよう。

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目次

相似な三角形の相似比と面積比を調べてみよう

相似な図形の性質の解説ページでは、三角形の相似比について学習したね。
下の図のような2つの三角形が相似だった場合、対応する辺の比のことを相似比って呼んだよね。

下の図の場合だとa:bが相似比だね。

相似比の復習の図

今回は、「相似な三角形」の「面積の比はどうなっているのか?」について考えてみるよ。

まずは結論を伝えてしまうね。
相似な三角形の相似比と面積比の関係は下の通りになっているよ。

相似な三角形の相似比と面積比

相似な三角形の相似比がa:bであれば、
面積の比(面積比)はa:bとなる。

相似比と面積比の関係

面積比がa:bになる理由を考える前に、まずは問題を解いてみよう。

相似な三角形の相似比と面積比の問題

下の2つの三角形は相似で、相似比は2:3になっている。
2つの三角形の面積比を求めなさい。

相似比と面積比の関係を使った練習問題

相似比がa:bのとき、面積比はa:bになるから、
相似比が2:3のとき、面積比は2:3=4:9になるよ。

下の2つの三角形は相似で、左側の三角形の面積は8cm2である。
右の三角形の面積を求めなさい。

相似比と面積比の関係を使った練習問題


相似比は2:3だから、面積比は2:3=4:9になるよね。
右の三角形の面積をxcm2とすると、次の比例式が作れるよ。

4:9=8:x

この比例式を解いてxを求めてみよう。

4:9=8:x  比例式の性質a:b=c:dならば、ad=bcを使おう
4×x=9×8
4x=72
x=18

右側の三角形の面積は18cm2と求めることができたね。

なんとなく、面積比の使い方がわかったかな?
じゃあ、相似比がa:bのとき、なぜ面積比はa:bになるのか、理由を説明していくね。

相似な三角形の相似比と面積比の関係

次のような、2つの相似な三角形を考えよう。
2つの三角形の相似比が1:2のとき、面積比「?」がどうなるかをSTEP1~4の順で考えよう。

相似比と面積比の関係の具体例

STEP1 底辺の長さを求めよう

相似比が1:2なのだから、△ABCの長さを2倍すると、△DEFの長さになるということだね。

ということは、BCの長さがaだとすると、EFの長さはa×2=2aだよね。

相似比と面積比の関係の具体例

STEP2 高さを求めよう。

△ABCの高さをとして考えよう。
※高さは英語で「height(ハイト)」なので、数学ではアルファベットの「h」を使うことが多いよ。

相似比と面積比の関係の具体例

相似比が1:2なので、△ABCの高さを2倍したら△DEFの高さになるよね。

だから△DEFの高さはh×2=2hになるよ。

相似比と面積比の関係の具体例

STEP3 面積を求めよう。

三角形の面積は(底辺)×(高さ)÷2で求まるから

・△ABCの面積=a×h÷2=\(\frac{ah}{2}\)

・△DEFの面積=2a×2h÷2=2ah

STEP4 面積比を求めよう。

まとめると
△ABCの面積:△DEFの面積=\(\frac{ah}{2}\):2ah

もう少し簡単にするために、両方を2倍してみると

△ABCの面積:△DEFの面積
=\(\frac{ah}{2}\):2ah
=\(\frac{ah}{2}\)×2:2ah×2
=ah:4ah

両方をahで割ってみよう。

ah:4ah
=ah÷ah:4ah÷ah
=1:4

△ABCの面積:△DEFの面積=1:4になることがわかったね。

相似比と面積比の関係の具体例

相似比が1:2だったら、面積比は1:4になることがわかったね。
「1:4」は「1:2」と表すことができるから、次のとおり説明できるんだ。

相似な三角形の相似比と面積比

相似な三角形の相似比がa:bであれば、
面積の比(面積比)はa:bとなる
=相似比の二乗が面積比になる

相似な多角形の相似比と面積比を調べてみよう

相似な三角形の相似比と面積比の関係についてわかったよね。

次は、三角形以外の多角形ではどうなるかを調べてみよう。
結論は下の通りで、三角形と全く同じになるよ。

相似な多角形の相似比と面積比

相似な多角形の相似比がa:bであれば、
面積の比(面積比)はa:bとなる。

相似な多角形の相似比と面積比の関係

相似な多角形の相似比がa:bのとき、なぜ面積の比(面積比)はa:bとなるのか、確認していくよ。

多角形の例として、次のような相似な五角形を考えてみよう。

五角形の相似比と面積比の関係

さっき「三角形の相似比と面積比」を確認したので、五角形を次のように三角形にわけて考えてみよう。

2つの五角形は相似だから、同じ色の三角形同士も相似になるよ。

五角形の中にある三角形が相似になることを表した図

2つの五角形の相似比は1:2ということは、すべての辺の比が1:2になっているということだよね。

五角形の相似比

ここで、さっき確認した「相似な三角形の相似比と面積比」の性質を使おう。

相似な三角形の相似比と面積比

相似な三角形の相似比がa:bであれば、
面積の比(面積比)はa:bとなる
=相似比の二乗が面積比になる

五角形の中にある三角形の相似比は1:2だから、面積比は1:4になるよね。

五角形の中にある三角形の相似比と面積比

左の三角形の面積をP、Q、Rとしたら、右の三角形の面積はP×4=4P、Q×4=4Q、R×4=4Rになるよね。

五角形の中にある三角形の面積比

・左の五角形の面積=P+Q+R

・右の五角形の面積=4P+4Q+4R

ということは、左側の五角形の面積の4倍が右の五角形の面積になっているってことだよね。
※4P+4Q+4R=4(P+Q+R)だよね

つまり、五角形の面積比は1:4になるんだ。

五角形の相似比と面積比の関係

相似比が1:2であれば、面積比が1:4になることがわかったね。
「1:4」は「1:2」と表すことができるから、次のことが説明できるね。

相似な多角形の相似比と面積比

相似な多角形の相似比がa:bであれば、
面積の比(面積比)はa:bとなる。

三角形だけではなくて、多角形でも「相似比の二乗が面積比」になっているんだね。

相似な平面図形の周と面積の定理

今までわかったことは次の通りだよ。

今まで学習したこと

  • 相似な三角形の相似比がa:bであれば、面積比はa:bとなる。
  • 相似な多角形の相似比がa:bであれば、面積比はa:bとなる。

今までは「〇〇角形」という角がある図形の面積比を考えてきたね。
では、最後に円の相似比と面積比の関係について考えていこう。

相似な円の相似比と面積比の関係

結論からいうと、円の相似比と面積比の関係は次のようになるよ。

円の相似比と面積比の関係

  • 相似な円の相似比がa:bであれば、
    面積比はa:bとなる。
円の相似比と面積比

なぜ、面積比はa:bになるのかを次の円で考えて確かめてみよう。

円の相似比と面積比の関係の具体例

円の面積は(半径)×(半径)×(円周率)で求まるから

・左の円の面積=3×3×π=9π

・右の円の面積=4×4×π=16π

まとめると
左の円の面積:右の円の面積=9π:16π

もう少し簡単にするために、両方をπでわってみると

左の円の面積:右の円の面積
=9π:16π
=9π÷π:16π÷π
=9:16

円の相似比と面積比の具体例

相似比が3:4だったら、面積比が9:16になることがわかったね。
「9:16」は「3:4」と表すことができるから、次のことが説明できるね。

円の相似比と面積比の関係

  • 相似な円の相似比がa:bであれば、面積比はa:bとなる。
円の相似比と面積比の関係

円の場合も、相似比の二乗が面積比になることがわかったね。

では、円つながりで、今度は相似比と周の長さの関係についても調べてみよう。

相似な円の相似比と周の長さの関係

次の2つの相似な円の周の長さを求めよう。

円の相似比と面積比の関係の具体例

円の周の長さは、(直径)×(円周率)で求まるから

・左の円の円周=6×π=6π

・右の円の円周=8×π=8π

まとめると
左の円の円周:右の円の円周=6π:8π

もう少し簡単にするために、両方をπでわってみると

左の円の円周:右の円の円周
=6π:8π
=6π÷π:8π÷π
=6:8

両方とも2で割って、左の円の円周:右の円の円周=3:4と求めることができたね。

相似比が3:4の場合、円周の比も同じになるよ。

円の相似比と円周の比の関係の具体例

円周の場合は、その比は相似比と同じになるんだね!

相似な平面図形の周と面積の定理

今まで学習してきたことは次の通り。

今まで学習したこと

  • 相似な三角形の相似比がa:bであれば、面積比はa:bとなる。
  • 相似な多角形の相似比がa:bであれば、面積比はa:bとなる。
  • 相似なの相似比がa:bであれば、面積比はa:bとなる。
  • 相似なの相似比がa:bであれば、周の比もa:bとなる。

三角形でも多角形でも円でも、相似比の二乗が面積比になっているから、どんな平面図形でも、相似比の二乗が面積比になることがわかるね。

それと、周の比は相似比と同じになるってことが導けたね。

まとめると次のようになるよ。これはとても大切な知識だからしっかり覚えておこう。

相似な平面図形の周と面積の定理

  • 相似な平面図形では、周の比は相似比と同じになる
    相似比a:bなら周の比もa:b
  • 相似な平面図形では、面積比は相似比の二乗になる
    相似比がa:bなら面積比はa:b

相似な図形の面積比の定理を使った問題

問題

全く同じ形のピザで

・Mサイズ(20cm)で1500円のピザ

・Lサイズ (30cm)で3000円のピザ

がありました。どちらがお得でしょうか?

2つのピザは全く同じ形ということは、「相似」だよね。相似比は半径の比だから、20:30=2:3になるよ。

ピザの面積比

平面図形の面積比は、相似比の二乗になるから

2つのピザの面積比は2:3=4:9だね。

4:9ってことは、

Lサイズの面積(9)はMサイズの面積(4)の2倍以上あるから、Lサイズの方がお得ということがわかるよ。

問題

下の図で、四角形ABCD∽四角形EFGHである。

相似比と面積比を使った練習問題

(1) 四角形ABCDの周の長さが16cmだったとき、四角形EFGHの周の長さを求めよ。

(2) 四角形ABCDの面積が16cm2だったとき、四角形EFGHの面積を求めよ。

(1)

相似比は4:7だから、周の長さの比も4:7になるよね。

今回求めたい四角形EFGHの周の長さをxcmとすると次の比例式が成り立つよ。

4:7=16:x
4x=7×16
4x=112
x=28

四角形EFGHの周の長さが28cmと求まったね。

(2)

相似比は4:7だから、面積比は4:7=16:49になるよね。

今回求めたい四角形EFGHの面積をxcm2とすると次の比例式が成り立つよ。

16:49=16:x
16x=49×16

両辺16で割ると、計算が簡単にできるよ。

16x=49×16
16x÷16=49×16÷16
x=49

四角形EFGHの面積が49cm2と求まったね。

「相似な図形の面積比」まとめ

相似な平面図形の周と面積の定理

  • 相似な平面図形では、周の比は相似比と同じになる
    相似比a:bなら周の比もa:b
  • 相似な平面図形では、面積比は相似比の二乗になる
    相似比がa:bなら面積比はa:b

運営者情報

青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。

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