円周角とは?「円周角の定理」を例題を使ってわかりやすく解説

中学3年生の数学で学習する「円周角の定理」について、円周角とはなにか、円周角とその弧に対する中心角の関係など、円周角の定理をわかりやすく解説するよ。

円周角の定理を使った問題の解き方や、「中心を通らない」円周角のパターンの問題の解き方をくわしく紹介しているよ。

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円周角とは?「円周角の定理」を 例題を使ってわかりやすく解説

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目次

円周角とは

円周角っていうのは、円周上にできる角度のことだよ。

円周角とは何か

上の図で∠APBのことを\(\overset{\frown}{AB}\) に対する円周角っていうんだよ。

円周角は円周の上にできる角ってことをまずは覚えておこう。

これは「円周角っていえる?」

円周角とはいえない図

これは円周の上に角ができていないから円周角とは言わないよ。

じゃあ、Pの位置が円の中心Oに来たら円周角って言えるかな?

これは「円周角っていえる?」

円周角とはいえない図(中心角)

これは中心に角ができているよね。このときの∠AOBのことを中心角って呼ぶよ。

1年生の時に勉強したと思うけど、3年生でも大事になるからね。

1つの弧に対する円周角の大きさ

円周角とは何かがわかったところで、ここからが本題だよ。
円周角には大切な性質があるんだ。

下の図のように、円周上に点Aと点Bを取ろう。

円周角の定理の説明の図

\(\overset{\frown}{AB}\) に対する円周角をたくさん書いてみると「ある性質」が見えてこないかな?

円周角の定理の説明の図

\(\overset{\frown}{AB}\) に対する円周角∠APBの大きさがすべて一定(同じ)になっているよね。

まとめると円周角には次のような性質があるんだ。

円周角の定理①

1つの弧に対する円周角の大きさは一定

∠APB=∠AP’B=∠AP‘‘B

円周角の定理の説明の図

円周角の性質にはもう一つ大事なものがあるから紹介するね。

円周角とその弧に対する中心角の関係

2つ目の円周角の性質は「円周角と中心角の関係」だよ。

結論は次の通り

円周角の定理②

1つの弧に対する円周角の大きさは、その弧の中心角の大きさの半分

∠APB=\(\frac{1}{2}\)∠AOB

円周角の定理を説明しているイラスト

例えば、∠AOBが60°だったら∠APBは30°になるってことだよ。

円周角の定理の説明の図

なんで中心角の半分が円周角になるのかを考えていこう。

中心角の半分が円周角になる理由

POを結んで、「\(\overset{\frown}{AB}\) に対する円周角∠APB」を2つに分けよう。

円周角の定理の説明の図

ここで次の長さは円の半径だから等しくなるよね。

OA=OB=OP

そうすると、色の付けた△OAPと△OBPは二等辺三角形ってことになるね。

円周角の定理の説明の図

二等辺三角形の底角は等しくなるから、次のようになるよ。

円周角の定理の説明の図

最後に三角形の外角の性質を使おう。

三角形の外角の性質

三角形の外角は、隣り合わない2つの内角をたしたものと等しい

三角形の外角の性質

△AOPに注目しよう。

OPを延長して、三角形の外角の性質を使うと、
中心角の左側はa+a=2aになるよ。

円周角の定理の説明の図

△BOPに注目しよう。

三角形の外角の性質を使うと、
中心角の左側はb+b=2bになるよ。

円周角の定理の説明の図

ということは、中心角∠AOBの大きさは2a+2bと表すことができるんだ。

円周角の定理の説明の図

最後に\(\overset{\frown}{AB}\) に対する中心角と円周角の大きさを比べてみよう。

・中心角∠AOB=2a+2b

・円周角∠APB=a+b

中心角の半分が円周角になることが説明できたね。

だから次の性質が成り立つってことだよ。

円周角の定理②

1つの弧に対する円周角の大きさは、その弧の中心角の大きさの半分

∠APB=\(\frac{1}{2}\)∠AOB

円周角の定理を説明しているイラスト

円周角の定理

円周角の定理は次の通りだよ。問題を解くときに必ず必要な知識だからしっかりマスターしよう。

円周角の定理

  • 1つの弧に対する円周角の大きさは一定
    ∠APB=∠AP’B=∠AP‘‘B
円周角の定理の説明の図
  • 1つの弧に対する円周角の大きさは、その弧の中心角の大きさの半分∠APB=\(\frac{1}{2}\)∠AOB  
円周角の定理を説明しているイラスト

最初に紹介した「1つの弧に対する円周角の大きさは一定」という性質がなぜ成り立つかは説明していなかったけれど、
「1つの弧に対する円周角の大きさは、その弧の中心角の大きさの半分」の性質を使えば説明できちゃうよ。

1つの弧に対する円周角の大きさが一定になる理由

1つの弧に対する円周角の大きさは、その弧の中心角の大きさの半分だったから、

もし、\(\overset{\frown}{AB}\) に対する中心角が100°だったとしよう。
ことき、\(\overset{\frown}{AB}\) に対する円周角はすべて50°になるよね。
∠APB=∠AP’B=∠AP”B=50°

1つの弧に対する円周角の大きさが一定になる理由

だから「1つの弧に対する円周角の大きさは一定」になるんだよ。

円周角の問題

円周角の定理を使って問題を解いていこう。

円周角の定理を使った問題

「1つの弧に対する円周角の大きさは、その弧の中心角の大きさの半分」だったよね。

この問題では中心角が100°だから、円周角xは100÷2=50°と求まるね。

円周角の定理を使った問題

∠Pも∠Qも\(\overset{\frown}{AB}\) に対する円周角だから∠P=∠Qになるよね。

だから、x=60°と求められるよ。

円周角の定理を使った問題

「初めて見る図形だな」と感じるかもしれないけど、

∠AOBは\(\overset{\frown}{AB}\) に対する中心角で、
求めたいxは\(\overset{\frown}{AB}\) に対する円周角
なのがわかるかな?

ということは、中心角100°の半分が円周角になるから、x=50°が答えだよ。

円周角の定理さえ知っていれば楽勝な問題だったね。ただ、次の問題は頭を使うと思うよ。

「中心を通らない」円周角の問題

「中心を通らない」場合の円周角の問題はどうやって解けばいいんだろう?と困ってしまうという意見が多かったので、ここで紹介するね。

次の点は円周を8等分した点である。xの角度を求めなさい。

中心を通らない円周角の問題

今までの問題と比べると中心も書いていないし、角度も書いていないから難しく感じるよね。

このまま眺めていても何も進まないから、中心Oをとって次のように赤線で結ぼう。

\(\overset{\frown}{AD}\)は点2つ分だから、中心角は90°になるよね。

なぜなら
8つ分で360°
1つ分は360°÷8=45°
2つ分だから45°×2=90°

中心を通らない円周角の問題

次にCとDを次のように緑線で結ぼう。
「1つの弧に対する円周角は中心角の半分」だったから、
∠C=90°÷2=45°と求まるね。

中心を通らない円周角の問題

次にADを結ぶと、△ACDは二等辺三角形になっているよね。
二等辺三角形の底角は等しくなるから、
∠Aと∠Dの大きさは等しいよ。

中心を通らない円周角の問題

△ACDの内角の和は180°だから、∠Aの角度は

180°-45°=135°
135°÷2=67.5°   ←底角は等しいから÷2をしているよ。

と求められるね。

中心を通らない円周角の問題

最後に平行線の錯角は等しいから、x=67.5°と求まったね。

中心を通らない円周角の問題

運営者情報

青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。

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  1. ゆづ より:

    すごく分かりやすかったです。
    お陰様でテストは100点でした!