内容や教え方・苦手な子たちへの克服方法
ひらがなの教え方はもちろん、鉛筆の持ち方や拗音と促音、音読みと訓読みの見分け方など、子供がつまづきがちな学習ポイントの教え方のコツを紹介しています。
はじめにしっかりと基本をおさえることで、中学受験に役立つ国語力を育てることができます。
ひらがなの教え方
小学校に入学する子供のうち、なんと9割以上は「ひらがなを読める」と言われています。
入学後も、4月中にはひらがなの読み書きができるように学習計画が組まれています。そこで、ひがらがなを効率的に教えるコツを紹介します。
- 【コツ➀】ひらがなは「言葉」を通して教える
子供にとって、ひらがな一文字一文字をただひたすら覚えるのは大変な作業となり、効率が良いとは言えません。
「あり」の「あ」や、「あめ」の「あ」といったように、意味をもつ「言葉」として、ひらがなと触れながら覚えさせるのがおすすめです。
市販の絵本には、「あいうえお」をテーマにした作品がたくさんあるので、読み聞かせをしながら、たくさんの言葉に触れさせてあげましょう。
- 【コツ②】「読み」ができてから「書き」を教える
「読めない」ものは「書く」ことができないので、まずは読めるようになってから書く練習をさせるのがおすすめです。
書き練習をするときは、ぜひ声に出して読みながら書くと、より脳にインプットされやすくなります。
また筆圧を強めに書くことで、指からの刺激が脳まで届き、より記憶が定着する効果が期待できます。
鉛筆の持ち方の教え方
鉛筆は、間違った持ち方で癖がついてしまうと、直すのがとても大変になります。ぜひ早いうちから正しい持ち方を教えてあげましょう。
間違った鉛筆の持ち方をしたままだと、以下のような弊害があります。
- 字形がくずれる(きれいな字が書けない)
- 無駄な力が入ることで、手が疲れて長く書く事ができない
- 文字が書きにくく、姿勢もくずれる
- 文字が書きにくいため、勉強に集中できない
鉛筆の正しい持ち方
➀親指と人差し指で輪っかを作る(OKマークをイメージする)
②輪っかを作ったまま、親指と人差し指で、鉛筆の尖ったほうを挟む
③鉛筆をくるりと回し、尖ったほうが反対になるようにする
④卵を持つように、中指・薬指・小指を自然にそえる
⑤正面から見た時に、親指と人差し指、中指で三角を作れているかを確認する
⑥鉛筆と紙の角度は55~60度になるようにする(あまり寝かせすぎないようにする)
持ち方の練習ができる鉛筆
鉛筆が三角形になっている三角鉛筆(もちかた鉛筆)を使うと、親指・人差し指・中指が自然に三角形を作れるように持てるので、練習にぴったりです。
トンボ鉛筆の「もちかたくん」のように、鉛筆の持ち方を矯正することができるアイテムも販売されています。
運筆の練習ができるプリント
運筆練習ができるプリントをダウンロードして、チャレンジしてみましょう。
拗音と促音の教え方
小さい「ゃゅょ」などの拗音や、「っ」などの促音の教え方のコツを紹介します。
拗音と促音を教えるときにまず注目したいポイントは、普通の「やゆよ」や「つ」に比べて、「ゃゅょ」と「っ」の文字が小さいことを子供が認識できているかどうかです。
実際にそれぞれの見本を見比べて、大きさの違いを確認してみましょう。
拗音の教え方
拗音とは、「2つの文字で表される音」のこと。
たとえば、「きや」は2つの文字で、「き」と「や」の2つの音になりますが、拗音の「きゃ」の場合は、2つの文字で「きゃ」という1つの音になります。
拗音は、「い」の段に「ゃゅょ」がくっついてできています。
大きい文字に、小さい文字がくっついているイメージを子供に伝えてみましょう。
➀「き」+「ゃゅょ」⇒ きゃ・きゅ・きょ
②「し」+「ゃゅょ」⇒ しゃ・しゅ・しょ
③「ち」+「ゃゅょ」⇒ ちゃ・ちゅ・ちょ
④「に」+「ゃゅょ」⇒ にゃ・にゅ・にょ
⑤「ひ」+「ゃゅょ」⇒ ひゃ・ひゅ・ひょ
⑥「み」+「ゃゅょ」⇒ みゃ・みゅ・みょ
⑦「り」+「ゃゅょ」⇒ りゃ・りゅ・りょ
⑧「ぎ」+「ゃゅょ」⇒ ぎゃ・ぎゅ・ぎょ
⑨「じ」+「ゃゅょ」⇒ じゃ・じゅ・じょ
⑩「び」+「ゃゅょ」⇒ びゃ・びゅ・びょ
⑪「ぴ」+「ゃゅょ」⇒ ぴゃ・ぴゅ・ぴょ
「拗音」の「拗」という漢字は、「ねじれる」という意味です。
もともとの「き」にくらべて、「きゃ」は音がねじれているイメージをもちながら実際に声に出して確認してみるとわかりやすいですね。
促音の教え方
「促音」の「促」は、「つめる・せきたてる」という意味をもっています。
なので、促音が使われいてる場合、つまった音で発音します。
このとき、つまった部分が1拍分の長さをもつお休みがあるように読むイメージを伝えましょう。
たとえば、「ねこ」は「ね」と「こ」の2つの音を続けて発音します。
くらべて、「ねっこ」は「ね」と「こ」の2つの音のあいだに、1拍分のお休みがあるように発音することになります。
イラストの男の子のように、実際に口を閉じてお休みするように伝えるとわかりやすいかと思います。
「ねことねっこ」の解説記事では、促音について、子供にもわかりやすいように説明しています。また、音声を聞いて促音の発音の仕方を確認したり、促音をたくさんつかった詩の音読で練習したりすることができます。
音読みと訓読みの教え方
漢字の音読みと訓読みの区別をつけるのが苦手な子供たちも多いようです。
ここでは、音読み・訓読みとはなにか、そしてかんたんに区別する方法を紹介します。
音読み・訓読みとは
漢字は中国から伝わってきています。
中国から伝わった漢字を日本で使う際、中国で使われている発音をもとにしているのが「音読み」です。
音読みにもいくつかパターンがあるのは、おなじ漢字でも中国の地域や時代によって発音が変わっていたためです。
くらべて、中国から伝わった漢字のもつ意味にあわせて、日本のもともとのことばを当てはめたものが「訓読み」です。
たとえば、「つかう」という意味をもつ「使」の漢字に、日本語の「つかう」を当てはめて「使う」と読むことになります。
音読みと訓読みの見分け方
音読みと訓読みの、どちらなのかを子供が見分けるためのポイントを紹介します。
➀その読み方で、意味が分かるかどうかで見分ける
たとえば、「使」という漢字の音読みは「シ」ですね。訓読みは「使う」です。
このとき、「シ」という読み方だけで、なんのことかは分からないですよね。
「つかう」という読み方からは、ちゃんと意味がわかります。
このように、「その読み方だけでは意味がわからない」場合は、「音読み」、「その読み方だけでも意味がわかる」場合は、「訓読み」と見分けることができます。
この見分け方には例外もあるので、かならず当てはまるわけではありませんが、基本的にはこの見分け方で大体区別することができます。
②読み方が4文字以上かどうかで見分ける
音読みは、読み方がかならず3文字以下となっています。
なので、もし読み方が4文字以上になっている場合は、それは「訓読み」と考えることができます。
③送り仮名が必要かどうかで見分ける
「訓読み」は、中国から伝わった漢字の意味にあわせて、もともとある日本語を当てはめたものなので、送り仮名が必要になります。
もちろん、「山(やま)」のように、送り仮名がなくても使える訓読みもありますが、「送り仮名が必要」なのであればそれは基本的には「訓読み」であると考えることができます。
わとはの違いの教え方
「わ」と「は」の使い分けも、子供がつまづきやすいポイントです。
「は」と書くのに読み方は「わ」になったりするなど、なぜそうなるのかを説明するのは難しいですね。
たとえば、「わたしは わにを かって います」という文の場合、太文字の「は」は「わ」と読みます。
なぜならこの「は」は、言葉同士をつなげる接着剤のような役割をもっているからです。(実際、この「は」は接続詞ですね。)
もともとこの文は、「わたし」「わに」「かっています」という言葉がもとになっていて、ちゃんと意味をもつ文になるように、それぞれの言葉をつなげる「は」や「を」が使われているわけです。
このように、「接着剤」の役割をもっている「は」は、「わ」と読むと教えると子供にもわかりやすいですね。
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ゆみねこ
詳しいプロフィールを見る
青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。