「平方根」と「根号」とは?ルートの意味をわかりやすく解説

中学校3年生の数学で学習する「平方根」について、「根号」とは何か?ルートの記号の書き方や注意点、ルートでの平方根の表し方などをわかりやすく解説するよ。

平方根とルートの違いなどもくわしく説明するよ。

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「平方根」と「根号」とは? ルートの意味をわかりやすく解説

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目次

平方根とは

平方根へいほうこん」とは何かを考えるために、「平方」と「根」にわけて考えてみよう。

  • 平方とは「2乗」のこと
  • 根とは「根っこ」という意味

だから「平方根」とは、「2乗する前の、根っことなる数(もとになる数)」のことだよ。
つまり、「2乗すると、〇になる数」のことを、「〇の平方根」と呼ぶんだ。

平方根とは何かを説明しているイラスト
くまごろうくまごろう

ざっくりしたイメージだけれど、
「2枚集めると〇になれる券」みたいな感じかな。

平方根を理解するために、簡単な例をあげてみるよ。

平方根の例

(問1)4の平方根は?

2乗して(2回かけて)4になる数だから、4の平方根は「-2」と「+2」だよ。

「2乗したら4になる数」と聞かれると、「+2」はすぐに思いつくかもしれないね。ただ、「-2」も2乗したら4になるよね。

平方根は、「-(マイナス)」と「+(プラス)」の2つあるということをまずは覚えよう!

(問2)9の平方根は?

2乗して(2回かけて)9になる数だから、9の平方根は「-3」と「+3」だよ。

(問3)16の平方根は?

2乗して(2回かけて)16になる数だから、16の平方根は「-4」と「+4」だよ。

くまごろうくまごろう

ちなみに、「-2」と「+2」とか、それぞれ書くのではなくて、マイナスとプラスをまとめて「±2」というふうに書いたりもするよ。

(問4)\(\frac{25}{36}\)の平方根は?

2乗して(2回かけて)\(\frac{25}{36}\)になる数だから、\(\frac{25}{36}\)の平方根は-\(\frac{5}{6}\)と+\(\frac{5}{6}\)(±\(\frac{5}{6}\))だよ。

平方根は「-(マイナス)」と「+(プラス)」の2つあることがわかったね。

ただ、「0の平方根」は「0」1つだけだよ。そもそも、+0とか、-0とかないからね。

そして、負の数には、平方根が存在しないよ。
たとえば、2乗すると-9になる数、なんて存在しないよね。

平方根のポイント

  • 平方根とは2乗する前の数のこと
    (「2乗すると、〇になる数」のことを、「〇の平方根」と呼ぶ)
  • 正の数の平方根は「+(プラス)」と「-(マイナス)」の2つある
  • 0の平方根は0のみである
  • 負の数の平方根は存在しない(2乗してマイナスになる数はないから)

根号(ルート)とは

平方根で登場する大事な用語の1つに「根号こんごう」というのがあるよ。
根号とは「平方根を表す記号」のことで、「\(\sqrt{}\)(ルート)」という記号を使うんだ。

「ルート」という言葉は、英語の「root」からきているよ。
「平方」の「根っこ」だから、「root(根っこ)」だね。

ルートの記号\(\sqrt{}\)も、「root」の「r」が形のもとになっているんだ。

ルートの書き方

根号(ルート)の書き方と、注意点を説明しているイラスト

「r」の形がもとになっているので、ルートの記号の書き方は、左はしから書いていくよ。

左のクネクネ曲がっている部分をきちんと書かないと、割り算のひっ算をするときの記号と見分けが付かなくなってしまったりするね。

書き方によっては、テストでバツになってしまったりもするので、注意してね。

根号(ルート)はどんなときに使うの?

さっき、「4の平方根」について考えたよね。

2乗して(2回かけて)4になる数は、-2と+2だったよね。

じゃあ、「3の平方根」はどうなるだろう?

くまごろうくまごろう

2乗して(2回かけて)3になる数と言われても、見つからないよね。

「3の平方根」は、ちゃんと存在はしてはいるんだけれど、「整数」や「わかりやすい小数」なんかでは表すことができないんだ。

実際に3の平方根を計算して求めてみると、「2乗すると3になる数」は「1.73205080757…」というように、小数点以下の数字がずーっと続いてしまって、割り切ることができないんだよ。

そうすると、「3の平方根」を表すのに困ってしまうよね。

そんなときに登場するのが根号の「\(\sqrt{}\)(ルート)」だよ。

\(\sqrt{}\)ルートを使えば、「3の平方根(2乗して3になる数)」は「±\(\sqrt{3}\)(ルート3)」と表すことができるんだ。

根号(ルート)を使って平方根を表してみよう

(問1)6の平方根は?

2乗して(2回かけて)6になる数は、-\(\sqrt{6}\)と+\(\sqrt{6}\)だよ。

(問2)7の平方根は?

2乗して(2回かけて)7になる数は、-\(\sqrt{7}\)と+\(\sqrt{7}\)だよ。

(問3)9の平方根は?

2乗して(2回かけて)9になる数は、-\(\sqrt{9}\)と+\(\sqrt{9}\)だよ。

ただ、このあとくわしく説明するけれど、「2乗して9になる数は、整数で表す」こともできて、-3と+3になるよね。

根号を使わずに表す

さっき、かんたんに説明したとおり、9の平方根について考えてみよう。

9の平方根は根号を使うと「-\(\sqrt{9}\)」と「+\(\sqrt{9}\)」になるんだけれど、「2乗すると9になる数」は、整数の「-3」と「+3」で表すこともできるよね。

このことから次のことがわかるよ。

  • -\(\sqrt{9}\)=-3
  • +\(\sqrt{9}\)=+3

16の平方根のばあいはどうだろう?

16の平方根は根号を使うと「-\(\sqrt{16}\)」と「+\(\sqrt{16}\)」になるんだけれど、「2乗すると16になる数」だから、整数の「-4」と「+4」で表すこともできるね。

このことから次のことがわかるよ。

  • -\(\sqrt{16}\)=-4
  • +\(\sqrt{16}\)=+4

9の平方根と16の平方根について考えてみてわかることは、

「\(\sqrt{}\)」の中の数字が、「ある数を2つかけ合せたもの」というふうに表すことができるのであれば、「\(\sqrt{}\)」を外すことができるんだよ。

\(\sqrt{9}\)だったら、\(\sqrt{3×3}\)と表せるよね。

「\(\sqrt{}\)」の中に「3」が2つかけあわされているから、「\(\sqrt{}\)」が外れて「3」になるんだ。

そもそも、根号(ルート)は、平方根を整数で表すことができないときに使うための記号だよね。

だから、平方根が整数になるのであれば、根号(ルート)を使う必要がないということだね。

同じように根号を使わずに表すことができる数の一部を紹介するね。
(つまりは、平方根が整数の数ということだよ)

根号を使わずに表すことができる数

\(\sqrt{1}\)=\(\sqrt{1×1}\)=1

\(\sqrt{4}\)=\(\sqrt{2×2}\)=2

\(\sqrt{9}\)=\(\sqrt{3×3}\)=3

\(\sqrt{16}\)=\(\sqrt{4×4}\)=4

\(\sqrt{25}\)=\(\sqrt{5×5}\)=5

\(\sqrt{36}\)=\(\sqrt{6×6}\)=6

「\(\sqrt{}\)」の中が何かの2乗になっているときは、根号を使わずに表すことができる可能性が高いことを覚えておこう。

「\(\sqrt{}\)」と「-\(\sqrt{}\)」の違い

根号(ルート)には、プラスとマイナスがあるよ。

ここで注意してほしいのは、たとえば、「4の平方根」というと、「±2」だったよね。+2も、-2もどちらも4の平方根だよね。

では、「\(\sqrt{4}\)」はというと、これは「+2」しかあてはまらないんだ。
おなじく「-\(\sqrt{4}\)」はというと、これは「-2」しかあてはまらないよ。

これは、「平方根」という言葉と「ルート」という言葉は、細かい意味が違うからなんだ。

「平方根」と「ルート」の違い

「平方根」は、「2乗すると、〇になる数」だから、プラスとマイナス両方あてはまるんだ。

それに対して、「ルート」は、「2乗すると、〇になる正の数」という意味なんだ。「正の数」という情報が加わっているんだよ。

だから、「ルート4(\(\sqrt{4}\))」とは、「2乗すると4になる正の数」なので、「+2」しか当てはまらないんだよ。

根号(ルート)の前に-(マイナス記号)をつけてあげることで、「2乗すると4になる負の数」という意味にすることができるんだ。

だから、「-ルート4(-\(\sqrt{4}\))」は、「2乗すると4になる負の数」なので、「-2」しか当てはまらないというわけだね。

近似値とは

近似値とは、 本当の値ではないけれど、「それに近い値」のことだよ。

平方根は、きれいに整数で表すことができる場合もあれば、そうでない場合もあったよね。

たとえば、2乗して2になる数は「1.41421356237…」となってしまって永遠に終わらない小数なんだ。
だから、根号を使って「\(\sqrt{2}\)」と表すんだったよね。

根号を使って表してもいいけれど、ずっと続いてしまう小数のある程度のところまでで切って表す方法もあるんだ。
それが、「近似値」だよ。

中学数学では、ずっと少数が続いてしまうような平方根を、とりあえずだいたいの値である近似値で計算する問題が出たりするんだ。

問題文で「〇〇の平方根の近似値は△△とする」と指示してくれることもあるけれど、これから紹介する平方根の近似値は「覚えいる」ことを前提として問題にだされることもあるので、暗記しておくと安心だよ。

代表的な平方根の近似値の覚え方

中学校では最低限、次の近似値は覚えておくといいよ。

  • \(\sqrt{2}\)=1.4142156
    覚え方:一夜一夜に人見頃

    ひと(1)よ(4) ひと(1)よ(4)に(2) ひと(1)み(3)ご(5)ろ(6)
  • \(\sqrt{3}\)=1.7320508
    覚え方:人並みに奢れや

    ひと(1)な(7)み(3)に(2) お(0)ご(5)れ(0)や(8)
  • \(\sqrt{5}\)=2.2360679
    覚え方:富士山麓オウム鳴く

    ふ(2)じ(2)さん(3)ろく(6) お(0)ーむ(6)な(7)く(9)

運営者情報

青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。

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