「代入」と「式の値」とは?文字式の代入と式の値の求め方を解説
「代入」とは何をするのか?「式の値」とは何か?どうやって求めるのか。
中学1年生の文字式「代入と式の値の解き方」について、わかりやすく解説していくよ。
目次
代入とは
代入とは、文字の代わりに数字を入れることだよ。「代わり」に「入れる」から「代入」と覚えよう。
「文字の代わりに数字を入れる」ってどういうこと?とピンと来ないかもしれないね。
具体的に説明すると、文字式の中の「文字の部分」を、「数字にする」だけだよ。
どの文字を数字に代えるのか、どんな数字を入れるのかは、問題文でちゃんと指示されるから大丈夫。
たとえば、例題を見てみよう。
【代入の例題①】「x+1」のxに4を代入しなさい。
「xの代わりに4を入れる」から、「xの部分」が「4」になるだけだよ。
x+1
=4+1
=5
となるよ。
かんたんだよね。
もう1問考えてみよう。
【代入の例題②】「x+2」のxに5を代入しなさい。
xの代わりに5を入れるから、
x+2
=5+2
=7
となるよ。
代入とは
文字の代わりに数字を入れること。
(文字の部分が数字に代わるだけ!)
式の値とは
「代入」という言葉とセットで覚えなくちゃいけないのが「式の値」。かんたんにいうと、代入した結果のこと。
つまり、「文字のところに数字をいれてみたら、どんな結果になったか?(いくつになったか)」が「式の値」だね。
どうして「式の値」と呼ぶのかというと、さっきの例題で考えてみよう。
【代入の例題①】「x+1」のxに4を代入しなさい。
「x+1」という文字式だと、「その式の値(いくつなのか)」はこれ以上計算できないから分からないよね。
でも、このxに4を代入してあげれば、
x+1
=4+1
=5
4+1=5で、式の値(いくつなのか)は「5」だということが分かるよね。
だから、「代入することでその結果「式の値」がもとめられる」という意味で、代入の結果=「式の値」という言葉が使われるんだね。
式の値とは
代入して計算した結果のこと
(代入したら、その式はいくつになったのか?ということ)
代入のやり方をわかりやすく解説
代入についてはわかったかな?
それでは、こんどは「いろいろな代入のパターンのやり方」を紹介しながら、わかりやすく解説するよ。
レベル1から5まで、レベルが上がるごとに難しくなっていくから頑張ろう!
【レベル1】文字単体に数字を代入するだけのパターン
例題:「x-3」の式にx=5を代入しなさい。
x-3
=5-3
=2
この問題はさっき説明した問題と同じで、文字が単体(文字だけで係数がない)だから簡単だよね。
文字があったところに、そのまま数字を代わりに入れてあげればいいだけだね。
ただ、こんな間違いがよくあるから注意しよう。
よくある間違い
「xー3」にx=5を代入して「5x-3」にしてしまう間違い。
→文字の「代わりに」数字を入れることを覚えておこう。
文字の前に数字を入れるわけではないよ!
代入は「割り込み」ではなくて「交代」だね。
【レベル2】文字に係数(文字の前に数字)があるパターン
例題:「3a」にa=5を代入しなさい。
「3a」だけだと、見た目が式っぽくないから、一瞬「??」となってしまうよね。
3aっていうのは、3×aのことだよね。
「×(かける)」が省略されているだけで、これも立派な「式」だよ。
だから次のように求めるよ。
3a
=3×a
=3×5
=15
よくある間違い
3aにa=5を代入して、「35」にしてしまう間違い。
→3とaの間には「×(かける)」が省略されているよ!
【レベル3】文字に係数があって、複数の項の式のパターン
例題:「2a-5」にa=1を代入しなさい。
さっきと同じように考えると、2a-5っていうのは
2×a-5だから代入すると次のようになるよ。
2a-5
=2×a-5
=2×1-5
=2-5
=-3
【レベル4】代入する値が負の数のパターン
例題:「2a-5」にa=-3を代入しなさい。
式はさっきと同じだけれど、代入する値が負の数「-(マイナス)」になっているね。
マイナスを代入するときは、ほかの記号と区別をつけやすいように( )をつけるといいよ。
2a-5
=2×a-5
=2×(-3)-5
=-6-5
=-11
よくある間違い
2a-5にa=-3を代入して、
2-3-5 と引き算をしてしまう間違い。
→2とaの間に「×(かける)」が省略されていることを忘れないようにしよう。
【レベル5】累乗がふくまれるパターン
例題:「ーa2」にa=ー3を代入しなさい。
この問題はなかなか難しいね。まず-a2っていうのは次のようにも表すことができるよね。
-a2=-a×a
たしかに、「-a×a」を計算したら「-a2」になるね。
-a2=-a×a に a=-3を代入すると
=-(-3)×(-3)
=-(+9)
=-9
マイナスを代入するときに( )をつけないとミスをしちゃいそうだね。
ややこしい問題のときは、ひとつひとつの計算を省略しないで、ちゃんと書いてあげると計算ミスを防ぐことができるよ。
式の代入の基本問題
式の代入の基本問題に挑戦してみよう。やり方とポイントを下にまとめるよ。
式の代入のポイント
- 文字の代わりに数字を入れよう。
- 文字と数字の間には「×(かける)」が省略されていることを忘れないようにしよう。
- マイナスを代入するときは( )をつけるとミスが防げる。
【基本問題①】
x=4のとき、次の式の値を求めなさい。
(1)x+3
(2)3x-9
(3)3-2x
(4)\(\frac{12}{x}\)
【➀の解答】
(1)x+3
=4+3
=7
(2)3x-9
=3×x-9
=3×4-9
=12-9
=3
(3)3-2x
=3-2×x
=3-2×4
=3-8
=-5
(4)\(\frac{12}{x}\)
=\(\frac{12}{4}\)
=3
【基本問題②】
a=-5のとき、次の式の値を求めなさい。
(1)-3a
(2)-a2
(3)(-a)2
【➁の解答】
(1)-3a
=-3×a
=-3×(-5)
=15
(2)-a2
=-a×a
=-(-5)×(-5)
=5×(-5)
=-25
(3)(-a)2
=(-a)×(-a)
={-(-5)}×{-(-5)}
=5×5
=25
(3)がややこしかったかな?
(3)はこんなやり方もあるよ。自分のやりやすい方法でやってみよう。
(3)(-a)2
={-(-5)}2
=52
=25
式の代入の応用問題
式の代入の応用問題には、どんなパターンの問題が出てくるのかな?
応用として3つのパターンの問題にチャレンジしてみよう。
【応用問題①】分数がふくまれるパターン
\(\frac{1}{x}\)にx=\(\frac{1}{2}\)を代入しなさい。
分数の中に分数を代入するような問題だね。
ヒントは次の通り。2÷3って分数でどうやって表せるかな?
2÷3=\(\frac{2}{3}\)だよね。
(分数は、分子の数を分母の数で割っている関係だよ)
この考えかたを使うと
\(\frac{1}{x}\)って「1÷x」になるよね。あとはxに\(\frac{1}{2}\)を代入すればいいね
\(\frac{1}{x}\)
=1÷x
=1÷\(\frac{1}{2}\)
割り算を掛け算に直すと、逆数(分母分子が逆)になるから
=1×\(\frac{2}{1}\)
=2
【応用問題②】代入する値が2つのパターン
3x+2yにx=4、y=-3を代入しなさい。
今までの問題とは違って、代入する値が2つになったよ。
でも、やり方は同じなのでひとつひとつ代入してあげれば大丈夫。
3x+2y
=3×x+2×y
xに4、yに(-3)を代入しよう。
=3×4+2×(-3)
=12+(-6)
=12-6
=6
【応用問題③】式を簡単にしてから計算するパターン
2x+3+3x-4にx=1を代入しなさい。
ぱっと見ると簡単そうだね。
そのまま代入をすると、こんな計算になるね。
2x+3+3x-4
=2×1+3+3×1-4
=2+3+3-4
=4
もっと速く計算する方法があるんだけどわかるかな?
2x+3+3x-4ってもう少し計算することができるよね。
2x+3+3x-4
=2x+3x+3-4
=5x-1
になるよね。式を簡単にしてからx=1を代入すると速く計算することができるよ。
2x+3+3x-4
=5x-1
=5×x-1
=5×1-1
=5-1
=4
まとめ
「代入」や「式の値」についてはわかったかな?
代入は中学2年生・3年生はもちろん高校でも使う知識だし、理科でも使うことがあるよ。
だから、今のうちに完璧にしておこうね。
代入するときに気を付けるポイントやコツを下にまとめたよ。
式の代入のポイントとコツ
- 代入とは、文字の代わりに数字を入れること。
- 文字と数字の間には「×(かける)」が省略されていることを忘れないようにしよう。
- マイナスを代入するときは( )をつけるとミスが防げる。
- 分数をふくむ代入をするときは、逆数を使おう(分数の逆数は分母と分子が逆になる)。
- 問題の式が、まだ計算してかんたんにできるところがないか確認しよう。計算できるところは計算してから代入しよう。
- 式の値とは、代入をした結果、いくつになったかということ。
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ゆみねこ
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青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。