比例・反比例とは?「yはxに比例・反比例する」比例定数の求め方
目次
比例とは
小学校でも比例については勉強したね。
比例っていうのは、
「一方が2倍3倍になると、もう一方も2倍・3倍になる関係のこと」だったよね。
イメージしやすいように、身の回りの比例の例を2つ紹介するね。
身の回りの比例の例①
「リンゴを買う個数」と「リンゴの値段」
八百屋さんで、リンゴを買う時を考えてみよう。
買うリンゴの個数が1個なら、1個分の値段。
リンゴが2個(1個の2倍)なら、値段も2個分(1個分の2倍)になるね。
一方が2倍・3倍になると、もう一方も2倍・3倍になっているね。
だから「リンゴを買う個数と、リンゴの値段」は比例の関係だね。
実際に金額を計算してみよう。
リンゴがもし1個100円だったら、2個で200円、3個で300円。
「リンゴを買う個数が2倍・3倍」になったら、ちゃんと「リンゴの値段も2倍・3倍」になっているね。
表でも確認してみよう。
表にすると、さらに比例の関係であることがよくわかるね。
さて、小学校で習った比例だけれど、どうしてまた中学校でも学習するのかというと、
この「比例の関係」を、中学の数学では「文字」を使って考えるんだ。
中学数学では、「文字を使った式」が使えるようになっているからね。
では、この「リンゴを買った個数」と「リンゴの値段」の関係を、文字を使って表してみよう。
「リンゴのを買った個数」をx、
「リンゴの値段」をyとするよ。
すると、下のような表ができるね。
この表をみると、xとyの関係ってどうなっているかな。
上の段(x)を100倍すると、下の段(y)になっているね。
そうだね。なので、xとyの関係は、y=100xと表すことができるんだ。
この式の形をよく覚えておいてね。
では、次の例も見てみよう。
身の回りの比例の例②
「水を入れている時間」と「水の深さ」
水道の蛇口をひねった時、1分で2cmずつ水が入るとするよ。
2分経ったら水の深さは4cm、3分経ったら、水の深さは6cmだよね。
「水を入れている時間」が2倍・3倍になると、「水の深さ」も2倍・3倍になることがわかるかな。
これも、表で確認しよう。
表で確認してみても、比例の関係であることがよくわかるね。
それでは、中学生らしく「文字」を使って考えてみよう。
「水を入れる時間」をx、
「水の深さ」をyとするよ。
すると、下のような表ができるね。
今度は、上の段(x)を2倍すると、下の段(y)になっているね。
なので、xとyの関係は、y=2xと表せる。
さっきのリンゴのケースでは、「y=100x」で表せたね。
そして、今度は「y=2x」。
なんだか形が似ていることに気が付いたかな?
比例の式の形「y=ax」
さっきの「y=100x」とか「y=2x」は、比例の式の形なんだよ。
xの前の「100」とか、「2」は、そのときどきで数字が変わるよね。
なので、この「そのときどきで変わる数字」をひとまず「a」であらわしちゃうんだ。
そうすると、
比例の式の形は「y=ax」と表すことができるよ。
このaの部分に、そのときどきでいろんな数字が入るんだね。
では実際に問題に挑戦してみよう。
(問)次の中で、yがxに比例しているものを選びなさい。
ア:y=2x
イ:y=\(\frac{3}{x}\)
ウ:y=2x+3
エ:y=2x2
答えは「ア」。
「ア」だけがy=axの形になっているので正解になるよ。
余裕があったら読んでみよう!
(おまけ: 2年生で学習すること)
さっきの水の入れる時間と深さの問題を例に考えよう。
水を入れている時間が「0分」のとき、水の深さは「0cm」なのはわかるよね。だって、0分のときは、まだ容器の中に水が入っていないんだから当たり前だよね。
1年生の数学では、「容器が空っぽの状態」からスタートする式しか学習しないけれど、2年生になると、「容器の中に、あらかじめ水が入っている状態」からスタートする式を学習したりするよ。
たとえば、「すでに深さ10㎝の水が入っている容器」に、1分間に2㎝ずつ水を入れた場合、「水を入れている時間」と「水の深さ」はどんな式になるだろう。
答えは、y=2x+10。
さっきの式に、「10㎝」の「10」が足されるんだね。
どうしてこんな話をしたかというと、この「y=2x+10」は、「一次関数」の式なんだ。
比例の式は「y=2x」だよね。
とっても似ているよね。
だから、「比例と一次関数の違いって?」と混乱してしまうことがよくあるんだ。
比例は、実は「一次関数」の仲間だよ。ただ、一次関数の「+10」のように、余計な?部分が無いものが「比例」なんだ。
2年生の数学でもくわしく学習することになるけれど、せっかくだからちょっと覚えておいてね。
比例定数とは
一定の数やそれを表す文字を定数と言い、比例の式の中の文字aは定数であり「比例定数」と呼ぶ。
「比例定数」なんて、かしこまった言葉で言われると、なんだか難しそうに聞こえるけれど、実はすごく簡単なことを言っているだけなんだ。
ここまで学習してきたように、比例は必ずy=axの形で表されるんだったよね。この「a」の部分だけが式によって変わるんだから、この「a」の部分ってとても需要だよね。(だって、のこりのyとxは変わらないからね)
この「a」のことを「比例定数」っていうんだ。
比例の式の重要な「a」に分かりやすいように名前をつけてあげただけだね。
なぜ「比例定数」という名前なのかというと、「リンゴの例え」では、リンゴを何個買ってもかならずyはxの「100倍」だったよね。
「水の例え」でも、水を何分入れようが、何時間入れようが、かならずyはxの「2倍」だったよね。
2つの例とも、「リンゴを買った数」」とか、「最終的なリンゴの値段」とか、「水を入れた時間」とか、「水の深さ」って、そのときどきで変わるよね。
でも、この「100」という数字と「2」という数字はずっと「一定」のまま。
そう、「一定のままの数字」だから「定数」なんだ。
そして、「比例の式の中で、ずっと一定のままの数」だから、「比例定数」だよ。
では、問題でも確認してみよう。
(問)次の比例の式の比例定数をそれぞれ答えなさい。
ア:y=2x
イ:y=-3x
ウ:y=x
エ:y=\(\frac{1}{3}\)x
答えを確認しよう。
比例定数はy=axの「a」だよね。
xの前の係数が「a」にあたるから、それをそのまま答えればOK。
ア:2
イ:-3
ウ:1(xの前には「1」が省略されている)
エ:\(\frac{1}{3}\)
比例定数の求め方
yがxに比例するとき、y÷xで比例定数が求まる
比例定数の求め方には「y÷x」を計算すればいいということだね。
でも、なぜそうなるかを考えてみよう。
さっきの「水の例」の表をもう一度見てみよう。
「x」を2倍したら「y」になっているね。つまり「y=2x」と表すことができて、この「2」が比例定数だったんだよね。
この「2」という数字は、「y」を「x」で割れば出てくることは分かるかな?
①x=1、y=2のところに注目しよう。
y÷x
=2÷1
=2
②x=2、y=4のところに注目しよう
y÷x
=4÷2
=2
①のときも②のときも比例定数はy÷xで求められているね。
「x」に、ある数をかけた結果が「y」なんだから、「ある数」を求めたいのであれば、「y」を「x」で割ればいいよね。
だから、y÷xで「ある数=比例定数」が求まるんだね。
では問題に挑戦してみよう。
(問)yはxに比例しており、x=3のとき、y=9になる。
比例定数を求めよ。
比例の比例定数はy÷xで求まるから、
比例定数a=9÷3=3になるね。
「比例定数」なんて難しい言葉に感じるけれど、実際に学習してみるとそんなに難しいことではないね。
だけれどここから先、1年生では「反比例」、2年生は「1次関数」、3年生では「二乗に比例する関数」というのをやるので、ごっちゃになっちゃう人が多いんだ。
なので、ここでしっかりと押さえておこうね。
反比例とは
反比例も小学校で勉強したと思うよ。
反比例というのは、「一方が2倍・3倍になると、もう一方は\(\frac{1}{2}\)倍・\(\frac{1}{3}\)倍になる関係のこと」だったよね。
身の回りの反比例の例を紹介するね。
身の回りの反比例の例
「分ける人数」と「1人分の個数」
みかんが6個あったとするよ。1人で分けたら、1人分の個数は6個になるよね。いわゆる独り占めってやつだね。
2人で分けたら、1人分の個数は3個
3人で分けたら、1人分の個数は2個
6人で分けたら、1人分の個数は1個
表にまとめてみよう。4人と5人の時は切りよく分けられないので、空欄にしたよ。
「分ける人数」と「1人分の個数」は反比例の関係であることがよくわかるね。
では、中学生らしく「文字」を使って考えてみよう。
「分ける人数」をx、「1人分の個数」をyとすると次のような表ができるよ。
今度は、上の段(x)と下の段(y)をかけたら「6」になっているね。
x×y=6を、移項を使って「yを求めるための式」に変えてみよう。
y=6÷x
もう少し整理して
y=\(\frac{6}{x}\)
という式になるよ。
比例の式の形「y=\(\frac{a}{x}\)」
さっきのy=\(\frac{6}{x}\)がまさに反比例の式の形なんだ。
反比例の式の形はy=\(\frac{a}{x}\)と表されるよ。
比例の式と同じで、この「a」にはその式によって色々な数字が入るよ。
実際に問題に挑戦してみよう。
(問)次の中で、yがxに反比例しているものを選びなさい。
ア:y=2x
イ:y=\(\frac{3}{x}\)
ウ:y=2x+3
エ:y=2x2
答えは「イ」。
「イ」だけがy=\(\frac{a}{x}\)の形になっているので反比例の式になっているよ。
反比例の比例定数
これがちょっと紛らわしいところなんだけど、
反比例でも「比例定数」っていうんだ。反比例の比例定数は、反比例の式y=\(\frac{a}{x}\)の「a」のことをいうよ。
余裕があったら読んでみよう!
どうして反比例なのに「比例定数」っていうの?
y=\(\frac{a}{x}\)の式を、よーく見てみよう。
これって、実はy=a×\(\frac{1}{x}\)と書くこともできるよね。
これって、比例の式「y=ax」が「yはxに比例している」と言うのに対して、「y=a×\(\frac{1}{x}\)」は「yは\(\frac{1}{x}\)に比例している」と言うことができるという事なんだ。
たとえるなら、
「私は、ピーマンの入った料理が好き」=「ピーマンが好き」
という状態が「比例」だったとしたら、
「私は、ピーマンの入った料理が嫌い」=「ピーマンが嫌い」
という状態が「反比例」だとするよ。
でも反比例の「ピーマンが嫌い」という状態を説明するのに、
「私は、ピーマンの入っていない料理が好き」=「ピーマンが嫌い」
と言い換えることができるよね。
この感覚とおなじ。
「yはxに比例している」の反対である「yはxに反比例している」は、「yは\(\frac{1}{x}\)に比例している」と言い換えることができるということ。
なので、反比例の状態も「比例」のひとつと考えて、aのことを「比例定数」と呼ぶ、と考えることができるよ。
では、実際に問題を解いてみよう。
(問)反比例の式で比例定数をそれぞれ答えなさい。
ア:y=\(\frac{2}{x}\)
イ:y=-\(\frac{3}{x}\)
ウ:y=\(\frac{1}{x}\)
答えを確認しよう。
反比例の比例定数はy=\(\frac{a}{x}\)の「a」だから分子にある数を見たらいいよ。
ア:2
イ:-3
ウ:1
反比例の比例定数の求め方
yがxに反比例するとき、x×yで反比例の比例定数が求まる
反比例の比例定数の求め方はx×yで計算すればいいんだけど、なんでそうなるかを考えてみよう。
「みかんを分ける例」の表を確認すると、xとyをかけたら比例定数である「6」になっているのがわかるね。
このように、xとyで反比例の比例定数が求まるよ。
では、問題を解いてみよう。
(問)yはxに反比例するとき、x=3のとき、y=9になる。比例定数を求めよ。
反比例の比例定数はxとyをかけたものだったから、
比例定数a=3×9=27になるね。
まとめ
比例や反比例とは、xとyがどういう関係なのか。比例定数とは何で、どうやって求められるのか。
比例・反比例はごっちゃになってしまいがちだから下にまとめたよ。
比例と反比例
- 比例の式は「y=ax」
比例定数「a」は「y÷x」で求めることができる - 反比例の式は「y=\(\frac{a}{x}\)」
比例定数「a」は「x×y」で求めることができる
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ゆみねこ
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青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。