【中学公民】参政権・請求権とは?人権を確実に保障するための権利をわかりやすく解説
中学3年生の公民では、「人権を確実に保障するための権利」について学習するよ。
これまで、自由権、社会権、平等権など、さまざまな人権を学んできたね。
でも、ただ「人権があります」と憲法に書かれているだけでは、人権が本当に守られるとは限らないんだ。
そこで大切になるのが、人権を確実に保障するための権利だよ。具体的には、国民が政治に参加するための参政権と、国などに一定の行為や救済を求めるための請求権があるよ。
この記事で分かること
- 人権を確実に保障するための権利とは何か
- 参政権とは何か
- 選挙権・被選挙権とは何か
- 国民投票・国民審査・直接請求権とは何か
- 請求権とは何か
- 請願権とは何か
- 裁判を受ける権利とは何か
- 国家賠償請求権・刑事補償請求権とは何か
目次
1. 人権を確実に保障するための権利とは

日本国憲法は、人権を確実に保障するために、さまざまな権利を保障しているよ。
たとえば、自由権は、国や権力からむやみに干渉されないための権利だったね。社会権は、人間らしい生活を送るために、国に生活・教育・労働などの保障を求める権利だったよ。
けれども、人権を本当に守るためには、それだけでは十分ではないんだ。
国民が政治に参加して、国や地方公共団体のしくみを動かしていくことができなければ、人権を守る制度をつくったり、改善したりすることが難しくなるよね。
また、国や地方公共団体に意見や要望を申し出たり、人権が侵害されたときに裁判所などに救済を求めたりすることができなければ、実際に人権を守ることも難しくなってしまうよ。
そこで、日本国憲法では、国民が政治に参加するための参政権や、国などに一定の行為や救済を求めるための請求権が保障されているんだ。
たろう
くまごろう2. 参政権とは

参政権とは、国民が政治に参加する権利のことだよ。
日本国憲法では、国民が主権者とされているね。主権者とは、国の政治のあり方を最終的に決める力をもつ人々のことだよ。
だから、国民が政治に参加することは、民主政治を実現し、人権を確実に保障することにもつながるんだ。
参政権の代表的なものには、選挙権と被選挙権があるよ。
| 権利 | 内容 |
|---|---|
| 選挙権 | 国会議員や地方公共団体の議員・長などを選ぶ権利。 |
| 被選挙権 | 選挙に立候補する権利。 |
日本では、原則として満18歳以上の日本国民に選挙権が認められているよ。
ただし、地方選挙では、その地域に一定期間住んでいることなどの条件もあるんだ。テストでは、まず「選挙権は原則として満18歳以上の日本国民に認められる」とおさえておこう。
選挙で代表者を選ぶことは、国民の意見を政治に反映させるための大切な方法なんだ。
たろう
くまごろう3. 選挙権と被選挙権

選挙権とは、国会議員や地方公共団体の議員・長などを選ぶ権利のことだよ。
一方、被選挙権とは、選挙に立候補する権利のことだよ。
つまり、選挙権は「選ぶ権利」、被選挙権は「選ばれる側として立候補する権利」と考えると分かりやすいよ。
国民主権のもとでは、国民が選挙によって代表者を選び、その代表者が国会や地方議会で話し合い、法律や条例、予算などを決めていくよ。
また、自分で立候補して政治に参加することも、参政権の一つなんだ。
選挙権と被選挙権は、どちらも国民が政治に参加するために重要な権利だよ。
選挙権と被選挙権の違い
- 選挙権:選挙で代表者を選ぶ権利。
- 被選挙権:選挙に立候補する権利。
- 選挙権は、原則として満18歳以上の日本国民に認められる。
- 地方選挙では、その地域に一定期間住んでいることなどの条件もある。
4. 国民投票・国民審査・直接請求権

参政権には、選挙権や被選挙権のほかにも、国民が政治に関わるためのしくみがあるよ。
代表的なものとして、国民投票、国民審査、直接請求権があるんだ。
| しくみ | 内容 |
|---|---|
| 国民投票 | 憲法改正について、国民が賛成か反対かを投票で示すしくみ。 |
| 国民審査 | 最高裁判所裁判官について、国民が辞めさせるかどうかを判断するしくみ。 |
| 直接請求権 | 地方自治で、住民が条例の制定・改廃や議会の解散などを請求できる権利。 |
国民投票は、憲法改正について、国民が直接賛成か反対かを示すしくみだよ。憲法改正についての国民投票も、国民が政治に参加する大切な方法なんだ。
国民審査は、最高裁判所裁判官がその職にふさわしいかどうかを、国民が判断するしくみだよ。国民が司法に関わるしくみとして重要なんだ。
直接請求権は、地方自治で住民が政治に参加するための権利だよ。たとえば、条例の制定や改廃、議会の解散、議員や首長の解職などを求めることができるんだ。
このように、参政権は、選挙で代表者を選ぶだけでなく、国や地方の政治に国民・住民の意思を反映させるための権利なんだよ。
たろう
くまごろう5. 請求権とは

請求権とは、国などに対して一定の行為や救済を求める権利のことだよ。
たとえば、国や地方公共団体などに意見や要望を申し出たり、人権が侵害されたときに裁判所で裁判を受けたり、損害の賠償や補償を求めたりする権利があるよ。
このような権利があることで、国民はただ我慢するだけでなく、法にもとづいて意見を届けたり、救済を求めたりすることができるんだ。
日本国憲法では、人権を確実に保障するために、次のような請求権が定められているよ。
| 請求権の種類 | 内容 | 憲法の条文 |
|---|---|---|
| 請願権 | 国や地方公共団体などに対して、要望や意見を申し出ることができる権利。 | 第16条 |
| 国家賠償請求権 | 公務員の不法行為によって損害を受けたとき、国や公共団体に賠償を求める権利。 | 第17条 |
| 裁判を受ける権利 | だれもが裁判所で裁判を受ける権利を奪われないという権利。 | 第32条 |
| 刑事補償請求権 | 抑留・拘禁されたあと、裁判で無罪になった場合などに、国に補償を求める権利。 | 第40条 |

請求権は、人権を実際に守るための大切な権利なんだ。どの請求権が、どのような場面で使われるのかを整理しておこう。
6. 請願権

請願権とは、国や地方公共団体などに対して、要望や意見を申し出ることができる権利のことだよ。
日本国憲法第16条では、何人も、損害の救済、公務員の罷免、法律・命令・規則の制定・廃止・改正などについて、平穏に請願する権利をもつことが定められているよ。
たとえば、「この法律を変えてほしい」「この制度を改善してほしい」「損害を救済してほしい」といった意見や要望を、国会や地方議会、行政機関などに申し出ることができるんだ。
また、請願したことを理由に、不利益な扱いを受けてはならないことも定められているよ。
請願権は、選挙以外の形で国や地方公共団体に意見を届けることができる権利として大切なんだ。
たろう
くまごろう
7. 裁判を受ける権利

裁判を受ける権利とは、だれもが裁判所で裁判を受ける権利を奪われないという権利のことだよ。
日本国憲法第32条では、何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪われないことが定められているよ。
もし人権が侵害されたり、個人の力で解決することが難しい問題が起こったりした場合、裁判所に訴えて、法にもとづく判断を受けられることが重要だよね。
そのため、裁判を受ける権利は、人権を確実に保障するうえでとても重要な権利なんだ。
ただし、裁判には時間や費用がかかる場合があるため、実際には裁判に訴える人が少ないこともあると考えられてきたよ。
そこで、裁判を利用しやすくするために、無料の法律相談や、弁護士費用の立て替えなどのしくみも整えられているんだ。
たとえば、日本司法支援センターは、法的なトラブルの解決に役立つ情報を提供したり、一定の収入・資産などの条件を満たす人を対象に、無料の法律相談や弁護士費用の立て替えなどを行ったりしているよ。
日本司法支援センターは、法テラスとも呼ばれているよ。

たろう
くまごろう8. 国家賠償請求権
国家賠償請求権とは、公務員の不法行為によって損害を受けたとき、国や公共団体に賠償を求める権利のことだよ。
日本国憲法第17条では、何人も、公務員の不法行為によって損害を受けたときは、法律の定めるところにより、国または公共団体に賠償を求めることができると定められているよ。
たとえば、国や地方公共団体の仕事の中で、担当者の違法な行為によって損害を受けた場合、その損害について賠償を求めることができる場合があるんだ。
これは、国や公共団体の行為によって人権や利益が侵害されたときに、救済を受けるための大切な権利なんだよ。
ただし、国家賠償請求権は、国や公共団体に対していつでもどんな損害でも賠償を求められるという意味ではないよ。法律にもとづいて、要件を満たす場合に認められる権利なんだ。
9. 刑事補償請求権

刑事補償請求権とは、裁判で無罪になった場合などに、国に補償を求める権利のことだよ。
日本国憲法第40条では、抑留または拘禁されたあと、裁判で無罪になった場合には、法律の定めるところにより、国に補償を求めることができると定められているよ。
たとえば、事件の犯人として訴えられ、裁判を受けた結果、無罪になった場合、それまで身体を拘束されていたことなどについて、国に補償を求めることができる場合があるんだ。
これは、刑事手続きによって不当な損害を受けた人を助けるために保障されている権利だよ。
国家賠償請求権と刑事補償請求権は、どちらも「国に対して金銭的な救済を求めることがある権利」だけれど、内容が違うよ。
| 権利 | どのような場合か |
|---|---|
| 国家賠償請求権 | 公務員の不法行為によって損害を受けた場合。 |
| 刑事補償請求権 | 抑留・拘禁されたあと、裁判で無罪になった場合など。 |
テストでは、この2つの違いを問われることがあるので、区別して覚えよう。
10. 参政権と請求権を自分の生活と結びつけて考えよう
参政権と請求権は、どちらも人権を確実に保障するために大切な権利だよ。
参政権は、国民が政治に参加することで、人権を守る制度や社会のルールをつくったり、変えたりすることにつながる権利だよ。
たとえば、満18歳になると原則として選挙権をもち、選挙を通じて政治に自分の意思を反映させることができるようになるよね。
また、地方自治では、住民が直接請求権を使って、条例の制定や改廃、議会の解散などを求めることができる場合もあるよ。
一方、請求権は、国などに対して意見や要望を申し出たり、救済を求めたりするための権利だよ。
たとえば、請願権によって国や地方公共団体などに意見や要望を伝えることができるし、権利が侵害されたときには、裁判を受ける権利や国家賠償請求権、刑事補償請求権などが関係することもあるんだ。
もし、権利が侵害されても、どこにも訴えられず、何も救済を求められなければ、人権は実際には守られにくくなってしまうよね。
だから、参政権と請求権を学ぶことは、「人権をただ知るだけでなく、どうやって守るのか」を考えることにつながるんだ。

11. 重要語句のまとめ
この単元で特に大切な語句を整理しておこう。
| 重要語句 | 意味 |
|---|---|
| 参政権 | 国民が政治に参加する権利。 |
| 選挙権 | 国会議員や地方公共団体の議員・長などを選ぶ権利。 |
| 被選挙権 | 選挙に立候補する権利。 |
| 国民投票 | 憲法改正について、国民が賛成か反対かを投票で示すしくみ。 |
| 国民審査 | 最高裁判所裁判官について、国民が辞めさせるかどうかを判断するしくみ。 |
| 直接請求権 | 地方自治で、住民が条例の制定・改廃、議会の解散、議員や首長の解職などを請求できる権利。 |
| 請求権 | 国などに対して一定の行為や救済を求める権利。 |
| 請願権 | 国や地方公共団体などに対して、要望や意見を申し出ることができる権利。 |
| 裁判を受ける権利 | だれもが裁判所で裁判を受ける権利を奪われないという権利。 |
| 日本司法支援センター | 法的トラブルの解決に役立つ情報提供や、一定の条件を満たす人への無料法律相談、弁護士費用の立て替えなどを行う機関。法テラスとも呼ばれる。 |
| 法テラス | 日本司法支援センターのこと。 |
| 国家賠償請求権 | 公務員の不法行為によって損害を受けたとき、国や公共団体に賠償を求める権利。 |
| 刑事補償請求権 | 抑留・拘禁されたあと、裁判で無罪になった場合などに、国に補償を求める権利。 |
参政権とは、国民が政治に参加する権利だよ。
参政権には、代表者を選ぶ選挙権や、選挙に立候補する被選挙権があるよ。また、憲法改正について意思を示す国民投票や、最高裁判所裁判官について判断する国民審査、地方自治で住民が政治に参加する直接請求権も重要だよ。
請求権とは、国などに対して一定の行為や救済を求める権利だよ。
請求権には、請願権、裁判を受ける権利、国家賠償請求権、刑事補償請求権などがあるよ。
請願権は、国や地方公共団体などに対して、要望や意見を申し出ることができる権利だよ。
裁判を受ける権利は、裁判所で裁判を受ける権利を奪われないという権利だよ。
参政権と請求権は、どちらも人権を確実に保障するための大切な権利なんだ。
この単元のポイント
- 人権を確実に保障するためには、政治に参加する権利や、国などに一定の行為や救済を求める権利が必要である。
- 参政権とは、国民が政治に参加する権利である。
- 選挙権とは、国会議員や地方公共団体の議員・長などを選ぶ権利である。
- 被選挙権とは、選挙に立候補する権利である。
- 日本では、原則として満18歳以上の日本国民に選挙権が認められている。
- 地方選挙では、その地域に一定期間住んでいることなどの条件もある。
- 国民投票とは、憲法改正について国民が賛成か反対かを投票で示すしくみである。
- 国民審査とは、最高裁判所裁判官について、国民が辞めさせるかどうかを判断するしくみである。
- 直接請求権とは、地方自治で、住民が条例の制定・改廃、議会の解散、議員や首長の解職などを請求できる権利である。
- 請求権とは、国などに対して一定の行為や救済を求める権利である。
- 請願権とは、国や地方公共団体などに対して、要望や意見を申し出ることができる権利である。
- 裁判を受ける権利とは、だれもが裁判所で裁判を受ける権利を奪われないという権利である。
- 日本司法支援センターは、法テラスとも呼ばれる。
- 国家賠償請求権とは、公務員の不法行為によって損害を受けたとき、国や公共団体に賠償を求める権利である。
- 刑事補償請求権とは、抑留・拘禁されたあと、裁判で無罪になった場合などに、国に補償を求める権利である。
- 参政権と請求権は、人権を実際に守るための重要な権利である。
参考文献
- 文部科学省『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 社会編』
- 日本国憲法
- 総務省「選挙権年齢の引下げ」関連資料
- 総務省「直接請求制度」関連資料
- 衆議院・参議院「請願」関連資料
- 最高裁判所「国民審査」関連資料
- 日本司法支援センター「法テラス」関連資料
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