【中学公民】基本的人権と個人の尊重とは?自由権・平等権・社会権・参政権をわかりやすく解説
中学3年生の公民では、「基本的人権と個人の尊重」について学習するよ。
基本的人権とは、人間が人間らしく生きるために欠かせない、基本的な権利のことだよ。
人権は本来、人間であればだれもが持つ大切な権利だよ。日本国憲法は、その人権を日本の国のしくみの中で保障することを定めているんだ。
ただし、人権を学ぶときは、ただ「権利の名前」を暗記するだけでは不十分だよ。もし自分が、性別や生まれ、障がいの有無、病気、国籍、年齢などを理由に不当に差別されたらどう感じるかな。安心して暮らし、学び、自分の意見を言うことができなければ、人間らしい生活は守られないよね。
この記事では、個人の尊重、法の下の平等、自由権・平等権・社会権・参政権、だれもが持っている人権、子どもの人権について、身近な例も使いながらわかりやすく解説するよ。
この記事で分かること
- 基本的人権とは何か
- 個人の尊重とは何か
- 法の下の平等とは何か
- 自由権・平等権・社会権・参政権の違い
- 人権を保障することの意味
- 障がいのある人や外国人などの人権
- ハンセン病問題と人権
- 子どもの人権と子どもの権利条約
目次
1. 基本的人権とは何か

基本的人権とは、人間が人間らしく生きるために欠かせない基本的な権利のことだよ。
人権は、国や社会から「特別に与えられるもの」ではなく、人間であるというだけで大切にされるべき権利なんだ。
人権は本来、人間であればだれもが持つ大切な権利だよ。そして、日本国憲法は、その人権を日本の国のしくみの中で保障することを定めているんだ。
日本国憲法では、国民の基本的人権を保障しているよ。これは、国が勝手に人々の自由や生活を傷つけないようにし、一人ひとりが個人として尊重されるようにするためなんだ。
たとえば、次のようなことを考えてみよう。
自分の意見を言えない。学ぶ機会を奪われる。病気や障がいを理由に不当に扱われる。子どもだからという理由だけで、必要な意見を聞いてもらえない。こうした社会では、一人ひとりが安心して自分らしく生きることは難しくなるよね。
だから、人権は「社会の中で人間らしく生きるための土台」として、とても大切なんだ。
たろう
くまごろう2. 人権を保障するとは
人権を保障するとは、一人ひとりが人間らしく生きるために必要な権利を、国や社会のしくみによって守ることだよ。
「人権があります」と言うだけでは、本当に守られているとはいえないよね。
たとえば、学校に行く権利があっても、実際に学ぶ機会がなければ意味がない。差別されない権利があっても、社会の中で不当な扱いが放置されていたら安心して暮らせない。
だから、法律や制度、行政の取り組み、学校や地域での理解などによって、人権が実際に守られることが大切なんだ。
日本国憲法では、基本的人権を保障し、国が人々の自由や平等を不当に傷つけないようにしているよ。
また、社会の中には、外国人、障がいのある人、子ども、高齢者、病気を経験した人など、弱い立場に置かれやすい人もいるよ。そうした人たちの人権が尊重されることは、社会全体の安心にもつながるんだ。
3. 個人の尊重とは

基本的人権を考えるうえで、とても大切なのが個人の尊重だよ。
個人の尊重とは、一人ひとりをかけがえのない個人として大切にするという考え方だよ。
日本国憲法第13条では、すべての国民は、個人として尊重されると定められているよ。
これは、人を「成績がよいから価値がある」「多数派だから大切にされる」「役に立つから尊重される」というように見るのではなく、その人が一人の人間であるということ自体を大切にする考え方なんだ。
たとえば、クラスの中で意見が少数派だったとしても、その人の考えを最初から無視してよいわけではないよね。得意なことや苦手なこと、考え方や感じ方が違っていても、一人ひとりが大切にされる必要があるんだ。
個人の尊重は、基本的人権の中心にある考え方だよ。人権は、すべての人がかけがえのない個人として尊重されるために保障されているんだ。
たろう
くまごろう4. 法の下の平等とは

個人の尊重と深く関係しているのが、法の下の平等だよ。
法の下の平等とは、すべての人が、法のもとで平等に扱われるという考え方だよ。
日本国憲法第14条では、すべて国民は法の下に平等であり、人種、信条、性別、社会的身分、門地によって、政治的、経済的、社会的関係において差別されないと定められているよ。
ここで大切なのは、「みんなをまったく同じに扱う」というだけではないことだよ。
たとえば、足をけがしている人に、他の人と同じように階段だけを使わせたら、本当に平等といえるかな。必要な配慮がないと、形の上では同じでも、実際には不利になってしまうことがあるよね。
つまり、法の下の平等は、不当な差別をなくし、一人ひとりが個人として尊重される社会をつくるための大切な考え方なんだ。
テストでは、憲法13条=個人の尊重、憲法14条=法の下の平等をセットで確認しておこう。
5. 基本的人権の種類
基本的人権には、いくつかの種類があるよ。
教科書では、自由権、平等権、社会権、参政権などを学習するよ。
| 権利 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| 自由権 | 国から不当に干渉されず、自由に考えたり行動したりする権利。 | 思想・良心の自由、信教の自由、表現の自由、身体の自由など。 |
| 平等権 | 人種、信条、性別、社会的身分、門地などによって不当に差別されない権利。 | 法の下の平等。 |
| 社会権 | 人間らしい生活を送るために、国に生活や労働条件などの保障を求める権利。 | 生存権、教育を受ける権利、勤労の権利など。 |
| 参政権 | 国や地方の政治に参加する権利。 | 選挙権、被選挙権など。 |

これらの権利は、それぞれ別々に見えるけれど、すべて「個人を尊重し、人間らしい生活を守る」ために大切なものなんだ。
たとえば、自由に意見を言う権利がなければ、自分の考えを社会に伝えることが難しくなるよね。教育を受ける権利が守られなければ、将来の選択肢が狭くなってしまう。選挙権がなければ、自分たちの社会のあり方を政治に反映させにくくなる。
だから、基本的人権は、生活のさまざまな場面とつながっているんだ。
6. だれもが持っている人権

人権は、特別な人だけが持っているものではないよ。
だれもが持っている人権として、国は、社会で差別や不利益を受ける人がいなくなるように、人権の保障を進めなければならないんだ。
特に、外国人や障がいのある人など、社会の中で弱い立場に置かれる可能性のある人々にとって、人権が尊重されることはとても重要だよ。
もし、外国出身であることを理由に住む場所や仕事で不当に扱われたり、障がいがあることを理由に学校や施設を利用しにくかったりしたら、安心して生活することが難しくなるよね。
人権を保障する社会とは、多数派の人だけが暮らしやすい社会ではなく、さまざまな立場の人が個人として尊重される社会なんだ。
日本では、障がいを理由とする差別をなくすための法律が整えられたり、外国人も含めて一人ひとりの人権が尊重される社会をめざした取り組みが行われたりしているよ。
たろう
くまごろう7. ハンセン病問題と人権

人権侵害の例として、ハンセン病問題も重要だよ。
ハンセン病とは、感染力がとても弱い感染症だよ。現在は、治療によって治る病気とされているよ。
しかし、かつてはハンセン病に対する誤解や偏見があり、患者や元患者の人たちは、長い間、療養所に隔離されるなど、大きな人権侵害を受けたんだ。
2001年、熊本地方裁判所は、国の隔離政策について違法性を認めたよ。
その後、国は元患者の人たちに謝罪し、元患者の人たちの社会復帰や生活支援などの取り組みが進められてきたんだ。
ハンセン病問題から学ぶべきことは、病気についての誤った知識や偏見が、人を深く傷つけることがあるということだよ。
もし、自分が病気や体の特徴を理由に、学校や社会から遠ざけられたらどう感じるかな。人権を守るためには、正しい知識をもち、差別や偏見をなくすことが大切なんだ。
ハンセン病問題は、人権が守られない社会では、個人の尊厳や生活が大きく傷つけられることを示す重要な事例なんだ。
8. 子どもの人権

人権は、大人だけのものではないよ。子どもにも、一人の人間として尊重される権利があるんだ。
子どもの人権とは、子どもが成長の過程にあることをふまえて、命や健康、学び、意見を表す機会などを守るための権利だよ。
子どもは、まだ成長の途中だから、親や保護者などの助けを必要とすることがあるよね。そのため、子どもには特別な保護が必要になることがあるんだ。
ただし、子どもは単に「守られるだけの存在」ではないよ。子どもも一人の人間として、自分の意見をもったり、成長に応じて意見を表したりする権利をもっているんだ。
たとえば、学校生活や家庭、地域の中で、自分に関係することについて意見を聞いてもらうことは大切だよね。もちろん、すべての希望がそのまま通るという意味ではないけれど、子どもの意見が尊重されることは、人権の考え方と深く関係しているんだ。
子どもの人権を考えるときには、次の四つの考え方をおさえると分かりやすいよ。
| 子どもの権利 | 内容 |
|---|---|
| 生きる権利 | 命が守られ、病気やけがをしたら治療を受けられること。 |
| 守られる権利 | あらゆる種類の虐待や搾取などから守られること。 |
| 育つ権利 | 教育を受け、休んだり遊んだりできること。 |
| 参加する権利 | 自分に関係することについて意見を言ったり、仲間と活動したりできること。 |
この四つは、子どもが安心して生き、守られ、成長し、社会に参加していくために大切な権利なんだ。
たろう
くまごろう9. 子どもの権利条約とこども基本法

子どもの人権を国際的に守るために定められた条約が、子どもの権利条約だよ。
子どもの権利条約は、1989年に国際連合で採択され、1990年に発効したよ。日本は1994年に批准したんだ。
この条約は、子どもを「保護される存在」としてだけでなく、一人の権利の主体として尊重する考え方を示しているよ。
また、日本では、子どもの権利を守る取り組みを進めるため、2022年にこども基本法が制定され、2023年4月1日に施行されたよ。
こども基本法では、すべての子どもについて、個人として尊重されること、基本的人権が保障されること、差別的な扱いを受けないこと、意見を表明する機会が確保されることなどが定められているよ。
つまり、子どもの人権は「子どもにやさしくしましょう」という気持ちだけの問題ではないんだ。法律や制度によって、子どもが一人の人間として尊重されるようにすることが大切なんだよ。

10. 重要語句のまとめ
この単元で特に大切な語句を整理しておこう。
| 重要語句 | 意味 |
|---|---|
| 基本的人権 | 人間が人間らしく生きるために欠かせない基本的な権利。 |
| 個人の尊重 | 一人ひとりをかけがえのない個人として大切にする考え方。 |
| 法の下の平等 | すべての人が、法のもとで平等に扱われるという考え方。 |
| 自由権 | 国から不当に干渉されず、自由に考えたり行動したりする権利。 |
| 平等権 | 人種、信条、性別、社会的身分、門地などによって不当に差別されない権利。 |
| 社会権 | 人間らしい生活を送るために、国に生活や労働条件などの保障を求める権利。 |
| 参政権 | 国や地方の政治に参加する権利。 |
| ハンセン病問題 | ハンセン病への誤解や偏見により、患者や元患者が隔離などの人権侵害を受けた問題。 |
| 子どもの人権 | 子どもが一人の人間として尊重され、命や健康、学び、意見表明などを守られる権利。 |
| 子どもの権利条約 | 子どもの人権を国際的に守るため、1989年に国際連合で採択され、1990年に発効した条約。 |
| こども基本法 | 子どもが個人として尊重され、基本的人権が保障されることなどを定めた日本の法律。 |
基本的人権とは、人間が人間らしく生きるために欠かせない基本的な権利だよ。
人権は本来、人間であればだれもが持つ大切な権利であり、日本国憲法は、その人権を日本の国のしくみの中で保障することを定めているんだ。
人権の土台には、一人ひとりをかけがえのない個人として大切にする個人の尊重の考え方があるよ。
また、すべての人が法のもとで平等に扱われるという法の下の平等も重要だよ。不当な差別をなくし、一人ひとりが安心して暮らせる社会をつくるために大切なんだ。
基本的人権には、自由権、平等権、社会権、参政権などがあり、それぞれ人間らしい生活を守るために必要な権利なんだ。
さらに、外国人、障がいのある人、子ども、病気を経験した人など、社会の中で弱い立場に置かれやすい人々の人権を尊重することも大切だよ。
人権は、自分だけのものではないよ。自分の人権が大切にされる社会は、他の人の人権も大切にされる社会なんだ。
この単元のポイント
- 基本的人権とは、人間が人間らしく生きるために欠かせない基本的な権利である。
- 人権は本来、人間であればだれもが持つ大切な権利であり、日本国憲法はその保障を定めている。
- 個人の尊重とは、一人ひとりをかけがえのない個人として大切にする考え方である。
- 憲法第13条では、すべての国民は個人として尊重されると定められている。
- 法の下の平等とは、すべての人が法のもとで平等に扱われるという考え方である。
- 憲法第14条では、法の下の平等が定められている。
- 基本的人権には、自由権、平等権、社会権、参政権などがある。
- 人権は、特別な人だけではなく、だれもが持っている。
- ハンセン病問題は、誤解や偏見が人権侵害につながることを示す重要な事例である。
- 子どもにも、一人の人間として尊重される権利がある。
- 子どもの権利には、生きる権利、守られる権利、育つ権利、参加する権利などがある。
- 子どもの権利条約は、1989年に国際連合で採択され、1990年に発効し、日本は1994年に批准した。
- こども基本法は、子どもが個人として尊重され、基本的人権が保障されることなどを定めている。
参考文献
- 文部科学省『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 社会編』
- 日本国憲法
- こども家庭庁「こども基本法」関連資料
- 外務省「児童の権利に関する条約」関連資料
- 厚生労働省「ハンセン病に関する情報」関連資料
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青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。 ※サイト全体の運営実績についてはこちらにまとめています。

