【中学公民】自由権とは?精神の自由・身体の自由・経済活動の自由をわかりやすく解説
中学3年生の公民では、「自由権」について学習するよ。
自由権とは、国や権力によって、私たちの自由がむやみに制限されないようにするための権利だよ。
たとえば、自分の考えをもつこと、意見を発表すること、正当な理由なく逮捕されないこと、職業を選ぶことなどは、私たちが人間らしく生きるうえでとても大切だよね。
自由権は、近代の人権の中でも中心となる重要な権利で、日本国憲法でも保障されているよ。
この記事では、自由権を精神の自由、身体の自由、経済活動の自由の3つに分けて、わかりやすく解説するよ。
この記事で分かること
- 自由権とは何か
- 自由権が日本国憲法でどのように保障されているか
- 精神の自由とは何か
- 身体の自由とは何か
- 経済活動の自由とは何か
- 自由権がなぜ大切なのか
目次
1. 自由権とは何か

自由権とは、私たちが個人として尊重され、人間らしく生きるために、国や権力からむやみに干渉されない自由を保障する権利のことだよ。
簡単にいうと、自由権は「国から不当にじゃまされずに、自分の考えや行動を大切にできる権利」なんだ。
たとえば、次のような自由があるよ。
- 自分の考えをもつ自由
- 自分の意見を発表する自由
- 信じる宗教を選ぶ、または信じない自由
- 正当な理由なく身体を拘束されない自由
- 職業を選ぶ自由
- 財産をもつ自由
自由権は、日本国憲法の中で保障されている基本的人権の一つだよ。
たろう
くまごろう2. 自由権はなぜ大切なのか
自由権が大切なのは、私たちが自分の考えをもち、自分らしく生きるためだよ。
もし、国が「この考え方以外は認めない」「この意見を言ってはいけない」「正当な理由がなくても人を捕まえてよい」と決められる社会だったら、安心して生活できるかな。
たとえば、自分の意見を言っただけで罰を受けたり、好きな本を読むことを禁止されたり、理由も分からないまま警察に捕まえられたりしたら、とてもこわいよね。
自由権は、国や権力が強すぎる力をもって、個人の生活や考えに不当に入り込むことを防ぐために重要なんだ。
だから、自由権は「自分がしたいことをする権利」というだけではなく、権力から一人ひとりの尊厳を守る権利でもあるんだよ。
3. 自由権の3つの種類

日本国憲法で保障される自由権は、大きく次の3つに分けて整理されるよ。
| 自由権の種類 | 内容 | 主な例 |
|---|---|---|
| 精神の自由 | 考えたり、信じたり、表現したり、学問をしたりする自由。 | 思想・良心の自由、信教の自由、表現の自由、学問の自由 |
| 身体の自由 | 正当な理由や手続きなしに、身体を拘束されたり、罰を受けたりしない自由。 | 奴隷的拘束・苦役からの自由、適正手続の保障、逮捕・抑留・拘禁に関する保障、捜索・押収に関する保障 |
| 経済活動の自由 | 職業を選んだり、住む場所を選んだり、財産をもったりする自由。 | 居住・移転・職業選択の自由、財産権 |
テストでは、自由権をこの3つに分類できるかがよく問われるよ。
特に、精神の自由・身体の自由・経済活動の自由のどれにあたるのかを整理しておこう。
4. 精神の自由とは

精神の自由とは、自分の心の中で考えたり、信じたり、学んだり、意見を表したりする自由のことだよ。
精神の自由には、主に次のようなものがあるよ。
| 精神の自由 | 意味 | 憲法の条文 |
|---|---|---|
| 思想・良心の自由 | 心の中でどのような考えや信念をもつかは、国から強制されないという自由。 | 第19条 |
| 信教の自由 | どの宗教を信じるか、または信じないかを自分で決める自由。 | 第20条 |
| 集会・結社・表現の自由 | 人々が集まること、団体をつくること、意見や情報を表現することの自由。 | 第21条 |
| 学問の自由 | 学問について自由に研究し、その成果を発表したり教えたりする自由。 | 第23条 |
思想・良心の自由
思想・良心の自由とは、自分の心の中でどのように考え、何を信じるかを、国から強制されない自由のことだよ。
たとえば、ある考え方を「正しい」と思うか、「おかしい」と思うかは、その人の心の中の問題だよね。
国が「この考え方を信じなさい」「この意見をもってはいけません」と、心の中まで強制することは許されないんだ。
信教の自由
信教の自由とは、どの宗教を信じるか、または信じないかを自分で決める自由のことだよ。
宗教を信じる自由だけでなく、宗教を信じない自由も含まれているよ。
また、国が特定の宗教を特別に優遇したり、国民に特定の宗教を信じるように強制したりしないことも大切なんだ。
集会・結社・表現の自由

表現の自由とは、自分の意見や考えを発表する自由のことだよ。
新聞、テレビ、インターネット、SNS、本、演説、作品など、さまざまな方法で考えを表すことができるよね。
また、人々が集まる集会の自由や、団体をつくる結社の自由も、日本国憲法第21条で保障されているよ。
表現の自由は、政治や社会について自由に意見を言い、みんなで社会のあり方を考えるためにもとても大切なんだ。
一方で、他人の名誉を傷つけたり、プライバシーを侵害したりする表現は問題になることがあるよ。表現の自由も、他の人の人権との関係を考える必要があるんだ。
学問の自由
学問の自由とは、学問について自由に研究し、その成果を発表したり教えたりする自由のことだよ。
歴史、科学、社会、文学などについて、研究者が自由に研究し、発表できることは、社会が発展していくためにも大切だよね。
もし、国に都合の悪い研究や発表がすべて禁止されたら、社会の問題を正しく考えることができなくなってしまうんだ。
たろう
くまごろう5. 身体の自由とは

身体の自由とは、正当な理由や法律で定められた手続きなしに、身体を拘束されたり、刑罰を受けたりしない自由のことだよ。
つまり、国や警察などが、勝手な判断で人を捕まえたり、閉じ込めたり、罰を与えたりすることを防ぐための自由なんだ。
身体の自由には、主に次のようなものがあるよ。
| 身体の自由 | 意味 | 憲法の条文 |
|---|---|---|
| 奴隷的拘束・苦役からの自由 | 人を奴隷のように拘束したり、本人の意思に反して苦しい労働を強制したりしてはならない。 | 第18条 |
| 適正手続の保障 | 法律で定められた正しい手続きによらなければ、生命・自由を奪われたり、刑罰を受けたりしない。 | 第31条 |
| 逮捕・抑留・拘禁に関する保障 | 正当な理由や令状など、法律で定められた手続きなしに、むやみに逮捕・拘束されない。 | 第33条・第34条 |
| 住居・所持品などの捜索・押収に関する保障 | 原則として、正当な令状なしに住居などを捜索されたり、物を押収されたりしない。 | 第35条 |
| 拷問・残虐な刑罰の禁止 | 公務員による拷問や、残虐な刑罰は禁止されている。 | 第36条 |
| 刑事手続に関する権利 | 公平な裁判を受ける権利、自分に不利益な供述を強要されない権利などが保障されている。 | 第37条〜第39条など |
身体の自由は、「勝手に捕まえられない自由」と考えると分かりやすいよ。
日本国憲法では、警察などが人を逮捕するときにも、法律にもとづいた手続きが必要だと定められているよ。
たとえば、原則として逮捕には裁判官が発する令状が必要だよ。また、住居などを捜索したり、物を押収したりする場合にも、原則として令状が必要になるよ。
令状とは、逮捕や捜索・押収などを行う際に必要となる、裁判官が発する文書のことだよ。

このように、身体の自由は、国家権力が人の身体や生活に不当に入り込まないようにするための重要な権利なんだ。
もし身体の自由が守られなければ、だれでも理由なく捕まえられたり、意見を言っただけで罰を受けたりする危険があるよね。
だから、身体の自由は、安心して生活するための土台になる権利なんだ。
6. 経済活動の自由とは

経済活動の自由とは、職業を選んだり、住む場所を選んだり、財産をもったりする自由のことだよ。
経済活動の自由には、主に次のようなものがあるよ。
| 経済活動の自由 | 意味 | 憲法の条文 |
|---|---|---|
| 居住・移転・職業選択の自由 | 住む場所を選んだり、移動したり、職業を選んだりする自由。 | 第22条 |
| 財産権 | 財産をもつ権利。公共の福祉に適合するように、法律で内容が定められる。 | 第29条 |
たとえば、将来どの職業につきたいか、どの地域に住みたいか、自分の持ち物やお金をどのように使うかは、生活に深く関わることだよね。
職業選択の自由とは、自分がどのような職業につくかを選ぶ自由のことだよ。
ただし、職業選択の自由にも制限がある場合があるよ。たとえば、医師や薬剤師、弁護士などの仕事には資格が必要だよね。これは、人の命や健康、権利を守るために、一定の知識や能力が必要だからなんだ。
財産権とは、自分の財産をもつ権利のことだよ。
しかし、財産権もまったく無制限ではないよ。たとえば、道路や公園など公共の目的のために土地が必要になる場合には、法律にもとづいて制限を受けることがあるんだ。
ただし、公共の目的のために私有財産が使われる場合には、法律に基づく手続きに加えて、正当な補償が必要になる場合があるよ。

このように、経済活動の自由は、私たちの生活を支える大切な自由だけれど、他の人の人権や社会生活との関係で制限されることもあるんだ。
たろう
くまごろう7. 自由には制限があるのか

自由権はとても大切な権利だけれど、どんな自由もまったく無制限に認められるわけではないよ。
日本国憲法では、基本的人権は公共の福祉のために制限されることがあると考えられているよ。
公共の福祉とは、人権どうしがぶつかるときに、それぞれの人権をできるだけ尊重しながら調整する考え方だよ。
また、経済活動などでは、安全や社会生活を守るために、必要な範囲で一定の制限が認められる場合もあるよ。
たとえば、「表現の自由」があるからといって、うその情報で他人の名誉を傷つけたり、他人の個人情報を勝手に広めたりしてよいわけではないよね。
また、「職業選択の自由」があるからといって、人の命や健康に関わる仕事を、資格やルールなしに自由に行ってよいわけでもないよ。
自由は、自分だけでなく、他の人の自由や人権も大切にすることで成り立っているんだ。
だから、自由権を学ぶときは、「自由が保障されること」と、「他の人の人権との調整が必要なこと」を合わせて考えることが大切だよ。
8. 自由権を自分の生活と結びつけて考えよう

自由権は、教科書の中だけの話ではなく、私たちの毎日の生活にも関係しているよ。
たとえば、学校で自分の意見を発表すること、友達と話し合うこと、好きな本を読むこと、将来の進路を考えることなどを思い浮かべると、憲法が保障している自由権の大切さも考えやすくなるよ。
ただし、憲法上の自由権は、基本的には国や権力から不当に干渉されないための権利だよ。学校や家庭、友達どうしのすべての場面が、そのまま憲法問題になるわけではないこともおさえておこう。
でも、自分の自由を大切にするなら、相手の自由も大切にしなければならないよ。
SNSに自分の意見を書く自由はあるけれど、相手を傷つけたり、根拠のない情報を広げたりしてよいわけではないよね。
進路を選ぶ自由はあるけれど、自分の希望だけでなく、社会のルールや必要な資格について知ることも大切だよ。
自由権を学ぶことは、「自分は何を大切にして生きたいか」「他の人の自由をどう尊重するか」を考えることにもつながるんだ。
自由は、だれかにただ与えられて終わるものではなく、私たち一人ひとりが理解し、大切に守っていくものなんだよ。

9. 重要語句のまとめ
この単元で特に大切な語句を整理しておこう。
| 重要語句 | 意味 |
|---|---|
| 自由権 | 国や権力からむやみに干渉されず、自由に考えたり行動したりすることを保障する権利。 |
| 精神の自由 | 自分の心の中で考えたり、信じたり、意見を表したり、学問をしたりする自由。 |
| 思想・良心の自由 | 心の中でどのような考えや信念をもつかを、国から強制されない自由。 |
| 信教の自由 | どの宗教を信じるか、または信じないかを自分で決める自由。 |
| 集会の自由 | 人々が集まって意見を述べたり活動したりする自由。 |
| 結社の自由 | 人々が団体をつくる自由。 |
| 表現の自由 | 自分の意見や考え、情報などを発表する自由。 |
| 学問の自由 | 学問について自由に研究し、その成果を発表したり教えたりする自由。 |
| 身体の自由 | 正当な理由や手続きなしに、身体を拘束されたり刑罰を受けたりしない自由。 |
| 奴隷的拘束・苦役からの自由 | 奴隷のように拘束されたり、本人の意思に反して苦しい労働を強制されたりしない自由。 |
| 適正手続の保障 | 法律で定められた正しい手続きによらなければ、生命・自由を奪われたり、刑罰を受けたりしないという保障。 |
| 逮捕・抑留・拘禁に関する保障 | 正当な理由や令状など、法律で定められた手続きなしに、むやみに逮捕・拘束されないという保障。 |
| 捜索・押収に関する保障 | 原則として、正当な令状なしに住居などを捜索されたり、物を押収されたりしないという保障。 |
| 令状 | 逮捕や捜索・押収などを行う際に必要となる、裁判官が発する文書。 |
| 拷問・残虐な刑罰の禁止 | 公務員による拷問や、残虐な刑罰を禁止すること。 |
| 経済活動の自由 | 職業を選んだり、住む場所を選んだり、財産をもったりする自由。 |
| 居住・移転の自由 | 住む場所を選んだり、移動したりする自由。 |
| 職業選択の自由 | 自分がどのような職業につくかを選ぶ自由。 |
| 財産権 | 自分の財産をもつ権利。公共の福祉に適合するように、法律で内容が定められる。 |
| 公共の福祉 | 人権どうしがぶつかるときに、それぞれの人権をできるだけ尊重しながら調整する考え方。 |
自由権とは、国や権力からむやみに干渉されず、自由に考えたり行動したりすることを保障する権利だよ。
自由権は、大きく精神の自由、身体の自由、経済活動の自由に分けられるよ。
精神の自由には、思想・良心の自由、信教の自由、集会・結社・表現の自由、学問の自由があるよ。
身体の自由には、正当な理由や手続きなしに身体を拘束されない自由、捜索・押収に関する保障、拷問や残虐な刑罰を受けない自由などがあるよ。
経済活動の自由には、居住・移転の自由、職業選択の自由、財産権などがあるよ。
ただし、自由は何をしてもよいという意味ではないよ。他の人の人権との関係で、公共の福祉による制限を受けることもあるんだ。
自由権を学ぶときは、「自分の自由」と「他の人の自由」の両方を大切にする視点をもとう。
この単元のポイント
- 自由権とは、国や権力からむやみに干渉されず、自由に考えたり行動したりすることを保障する権利である。
- 自由権は、精神の自由、身体の自由、経済活動の自由に分けられる。
- 精神の自由には、思想・良心の自由、信教の自由、集会・結社・表現の自由、学問の自由がある。
- 思想・良心の自由は、日本国憲法第19条で保障されている。
- 信教の自由は、日本国憲法第20条で保障されている。
- 集会・結社・表現の自由は、日本国憲法第21条で保障されている。
- 学問の自由は、日本国憲法第23条で保障されている。
- 身体の自由とは、正当な理由や手続きなしに身体を拘束されたり刑罰を受けたりしない自由である。
- 日本国憲法第18条は、奴隷的拘束・苦役からの自由を保障している。
- 日本国憲法第31条は、適正手続の保障を定めている。
- 日本国憲法第33条は逮捕に関する保障、第34条は抑留・拘禁に関する保障を定めている。
- 日本国憲法第35条は、住居・書類・所持品などの捜索・押収に関する保障を定めている。
- 日本国憲法第36条は、公務員による拷問や残虐な刑罰を禁止している。
- 経済活動の自由には、居住・移転の自由、職業選択の自由、財産権などがある。
- 居住・移転・職業選択の自由は、日本国憲法第22条で保障されている。
- 財産権は、日本国憲法第29条で保障されている。
- 公共の目的のために私有財産が使われる場合には、正当な補償が必要になる場合がある。
- 自由権は大切な権利だが、他の人の人権との関係で、公共の福祉による制限を受けることがある。
参考文献
- 文部科学省『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 社会編』
- 日本国憲法
- 衆議院「日本国憲法」
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