【中学公民】国民主権とは?象徴としての天皇・憲法改正・私たちの責任をわかりやすく解説
中学3年生の公民では、「国民主権と私たちの責任」について学習するよ。
日本国憲法の三つの基本原理の一つである国民主権とは、政治のあり方を最終的に決める力は国民にある、という考え方だよ。
ただし、国民主権は「国民が好き勝手に政治を動かせる」という意味ではないんだ。国民が主権者として、選挙や国民投票などを通して政治に参加し、社会のことを自分たちの問題として考えることが大切なんだよ。
この記事では、国民主権の意味、普通選挙、憲法改正と国民投票、象徴としての天皇、国民の政治参加と責任について、身近な例も使いながらわかりやすく解説するよ。
この記事で分かること
- 国民主権とは何か
- 主権者である国民が政治に参加する方法
- 普通選挙の意味
- 憲法改正の手続きと国民投票
- 象徴としての天皇の地位
- 天皇の国事行為と内閣の助言と承認
- 国民主権を支える私たちの責任
目次
1. 国民主権とは何か

国民主権とは、政治のあり方を最終的に決める力は国民にあるという考え方だよ。
ここでいう主権とは、国の政治のあり方を最終的に決める力のことだよ。
大日本帝国憲法では、主権は天皇にあると考えられていたよ。これを天皇主権というんだ。
一方、日本国憲法では、主権は国民にあると定められているよ。これが国民主権だよ。
つまり、日本の政治は、一部の人や権力者だけのものではなく、国民全体の意思に基づいて行われるべきだということなんだ。
ここで、自分たちのクラスに置きかえて考えてみよう。
もし、文化祭の出し物や修学旅行のルールを、クラスの一人だけが勝手に決めてしまったらどう感じるかな。自分たちに関わることなのに、自分たちの意見がまったく反映されないと、不公平に感じるよね。
国民主権も同じように、「国の政治は、国民に関わることなのだから、最終的には国民の意思に基づいて決められるべきだ」という考え方なんだ。
たろう
くまごろうつまり、国民主権は「政治をする人が国民の意見を聞いてくれる」というだけではなく、政治のあり方を最終的に決める力そのものが国民にあるという考え方なんだよ。
2. 国民主権と政治参加
国民主権を実際に生かすためには、国民が政治に参加することが大切だよ。
その代表的な方法が、選挙だよ。
選挙では、国民が自分たちの代表者を選ぶよ。代表者は、国会や地方議会などで、国民の意思をふまえて政治に関わるんだ。
たとえば、学校で生徒会役員を選ぶとき、候補者の考えを聞いて投票することがあるよね。生徒会役員を選んだあとは、その人たちが学校生活をよりよくするために活動する。
国の政治でも、国民は選挙によって代表者を選び、政治に自分たちの意思を反映させようとするんだ。
ただし、選挙だけが社会や政治に関わる方法ではないよ。政治や社会の問題に関心をもち、情報を集めたり、家族や友達と話し合ったり、地域活動や意見表明などを通して社会に関わったりすることも大切なんだ。
国民主権は、「自分には関係ない」と思ってしまうと弱くなってしまうよ。主権者である国民が、自分たちの社会をどうしたいかを考えることが必要なんだ。
たろう
くまごろう3. 普通選挙とは

日本では、一定の年齢に達した国民に選挙権が認められているよ。
選挙にはいくつかの大切な原則があるけれど、その中でもこの単元では普通選挙をしっかりおさえよう。
普通選挙とは、一定の年齢に達したすべての国民に選挙権を認める制度のことだよ。
昔は、財産や性別などによって、選挙に参加できる人が限られていた時代があったんだ。
もし、学校の大切なルールを決めるときに、「成績が高い人だけ投票できます」「一部の家庭の人だけ意見を出せます」と言われたらどうだろう。自分たち全員に関わることなのに、一部の人しか決められないのは不公平に感じるよね。
国民主権を実現するためには、できるだけ広く国民が政治に参加できるしくみが大切なんだ。そのため、普通選挙は国民主権と深く関係しているよ。
現在の日本では、満18歳以上の国民に選挙権が認められているよ。
選挙は、単に候補者の名前を選ぶだけではないよ。候補者や政党の考え、政策、社会の課題について考え、自分の判断で一票を投じることが大切なんだ。
4. 憲法改正と国民投票
国民主権が特に強く表れる場面の一つに、憲法改正があるよ。
憲法改正とは、憲法の内容を改めることだよ。
日本国憲法は、国の最高法規であり、国のしくみや国民の権利を定めるとても重要な法だよ。そのため、憲法を改正するには、慎重な手続きが必要なんだ。
日本国憲法の改正には、国会による発議と、国民投票による承認が必要だよ。
まず、各議院の総議員の3分の2以上の賛成によって、国会が憲法改正を発議するよ。
その後、国民投票が行われ、賛成の票が有効投票総数の過半数になると、憲法改正が承認されるんだ。
つまり、国会だけで憲法改正を最終決定することはできないんだ。最後には、主権者である国民が国民投票で判断する必要があるよ。
ここも、自分事として考えてみよう。
もし、クラスの一番大切なルールを変えるときに、代表者だけがすぐに決めてしまい、クラス全員には何も確認しないとしたらどうだろう。自分たちに大きく関わるルールなら、最後にみんなの意思を確かめることが大切だと感じるよね。
憲法改正で国民投票が必要とされているのは、憲法が国民にとってとても重要な基本ルールであり、国民主権の考え方と深く関わっているからなんだ。
憲法改正の手続き
- 各議院の総議員の3分の2以上の賛成で、国会が憲法改正を発議する。
- 国民投票を行う。
- 有効投票総数の過半数の賛成で承認される。
- 天皇が国民の名で公布する。

たろう
くまごろう5. 象徴としての天皇

日本国憲法では、天皇は日本国の象徴であり、日本国民統合の象徴であると定められているよ。
大日本帝国憲法では、天皇は統治権をもつ存在とされていたよ。一方、日本国憲法では、天皇は主権者ではなく、政治について決定する権限をもたないとされているんだ。
ここでいう象徴とは、あるものを具体的な形で表す存在のことだよ。
たとえば、学校の校章は、その学校そのものではないけれど、その学校を表すしるしとして使われるよね。それと同じように、天皇は日本国と日本国民統合の象徴とされているんだ。
ただし、校章のたとえは「象徴」のイメージをつかむためのものだよ。天皇の地位は、日本国憲法に定められた特別な地位であり、国民の総意に基づくものとされているんだ。
日本国憲法第1条では、天皇の地位は主権の存する日本国民の総意に基づくと定められているよ。
つまり、天皇は政治を行う主権者ではなく、国民の意思を土台とする象徴として位置づけられているんだ。
6. 天皇の国事行為とは
日本国憲法では、天皇は政治についての権限をもたないとされているよ。
その一方で、天皇は憲法に定められた国事行為を行うよ。
国事行為とは、天皇が日本国憲法に定められた範囲で行う、国の形式的・儀礼的な行為のことだよ。
たとえば、内閣総理大臣の任命、法律や条約の公布、国会の召集、衆議院の解散、栄典の授与などが国事行為にあたるよ。
ただし、ここで注意したいのは、天皇が自分の判断で政治を決めているわけではないということだよ。
天皇の国事行為には、内閣の助言と承認が必要であり、その責任は内閣が負うことになっているんだ。
たとえば、学校の表彰式で校長先生が賞状を渡す場面を想像してみよう。校長先生がその場で急に受賞者を決めているのではなく、あらかじめ決められた手続きにしたがって、代表して渡しているよね。
天皇の国事行為も、政治を自分で決める行為ではなく、憲法に定められた範囲で、内閣の助言と承認に基づいて行われるものなんだ。
| 国事行為の例 | 内容 |
|---|---|
| 内閣総理大臣の任命 | 国会の指名に基づいて、内閣総理大臣を任命する。 |
| 最高裁判所長官の任命 | 内閣の指名に基づいて、最高裁判所長官を任命する。 |
| 法律・条約の公布 | 成立した法律や条約を国民に知らせる。 |
| 国会の召集 | 国会を開くことを示す。 |
| 衆議院の解散 | 憲法上の国事行為として行われる。 |
| 栄典の授与 | 勲章などを授与する。 |

国事行為は、天皇が政治を行うという意味ではないよ。国民主権のもとでは、政治の最終的な決定権は国民にあり、政治上の責任は内閣などの政治機関が負うんだ。
7. 国民主権と私たちの責任

国民主権では、国民が政治の主権者だよ。
しかし、主権者であるということは、政治をだれかに任せきりにしてよいということではないんだ。
ここでいう「責任」は、法律で強制される義務という意味ではなく、主権者として社会のことを考え、主体的に関わっていくことの大切さを表しているよ。
選挙で代表者を選ぶとき、何となく有名だから、周りの人がそう言っているから、という理由だけで選んでしまうと、自分たちの社会のあり方を十分に考えたことにはならないよね。
主権者として政治に参加するためには、社会の課題に関心をもち、情報を集め、さまざまな意見を比べ、自分なりに考えて判断することが大切なんだ。
たとえば、学校のルールについて考えるときも、「自分に都合がよいか」だけでなく、「みんなが安心して過ごせるか」「少数の人が困っていないか」「将来のことも考えられているか」を考える必要があるよね。
政治でも同じように、自分だけでなく、社会全体や将来の世代のことも考えながら判断する姿勢が求められるんだ。
まだ選挙権がない中学生でも、国民主権と無関係ではないよ。社会のニュースに関心をもつこと、学校や地域の課題について考えること、話し合いで理由をもって意見を言うことは、将来の主権者としての力を育てることにつながるんだ。
たろう
くまごろう
8. 重要語句のまとめ
この単元で特に大切な語句を整理しておこう。
| 重要語句 | 意味 |
|---|---|
| 国民主権 | 政治のあり方を最終的に決める力は国民にあるという考え方。 |
| 主権 | 国の政治のあり方を最終的に決める力。 |
| 普通選挙 | 一定の年齢に達したすべての国民に選挙権を認める制度。 |
| 選挙 | 国民が代表者を選び、政治に参加する方法の一つ。 |
| 憲法改正 | 憲法の内容を改めること。 |
| 国民投票 | 国民が直接投票して、憲法改正などについて意思を示すこと。 |
| 有効投票総数 | 投票された票のうち、有効とされる票の合計。 |
| 象徴 | あるものを具体的な形で表す存在。 |
| 国事行為 | 天皇が日本国憲法に定められた範囲で行う、国の形式的・儀礼的な行為。 |
| 内閣の助言と承認 | 天皇の国事行為に必要な内閣の関与。国事行為の責任は内閣が負う。 |
| 日本国民の総意 | 日本国憲法第1条で、天皇の地位の根拠とされている国民全体の意思。 |
国民主権とは、政治のあり方を最終的に決める力は国民にあるという考え方だよ。
国民主権を実現するためには、国民が選挙などを通して政治に参加することが大切なんだ。
憲法改正では、国会の発議だけでなく、国民投票による国民の承認が必要になるよ。国民投票では、賛成の票が有効投票総数の過半数になると、憲法改正が承認されるんだ。
また、日本国憲法では、天皇は日本国と日本国民統合の象徴とされているよ。天皇は政治上の権限をもたず、国事行為は内閣の助言と承認に基づいて行われるんだ。
国民主権は、ただ「国民が主役」というだけではないよ。主権者である国民が、社会のことを自分事として考え、主体的に政治や社会に関わっていく姿勢も大切なんだ。
この単元のポイント
- 国民主権とは、政治のあり方を最終的に決める力は国民にあるという考え方である。
- 国民は、選挙などを通して代表者を選び、政治に参加する。
- 普通選挙とは、一定の年齢に達したすべての国民に選挙権を認める制度である。
- 憲法改正には、各議院の総議員の3分の2以上の賛成による国会の発議と、国民投票による承認が必要である。
- 国民投票では、有効投票総数の過半数の賛成によって憲法改正が承認される。
- 日本国憲法では、天皇は日本国の象徴であり、日本国民統合の象徴である。
- 天皇は政治についての権限をもたない。
- 天皇の国事行為には、内閣の助言と承認が必要であり、その責任は内閣が負う。
- 国事行為には、内閣総理大臣の任命、法律や条約の公布、国会の召集、衆議院の解散、栄典の授与などがある。
- 主権者である国民には、社会のことを自分事として考え、主体的に政治や社会に関わっていく姿勢も大切である。
参考文献
- 文部科学省『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 社会編』
- 日本国憲法
- 総務省「選挙権と被選挙権」
- 衆議院「憲法改正手続」関連資料
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