「データの整理のしかた」データを表にまとめる方法をわかりやすく
小学校4年生の算数で学習する「データの整理のしかた」について、データを表にまとめるときのポイントや、「正」の字を使ってデータを数える方法、表にまとめることでどんなメリットがあるのかなどをわかりやすく解説するよ。
目次
データを見やすく整理して表そう
データはそのままだとわかりづらいことがあるんだ。
たとえば、次のデータを見てみよう。
下の表は、けがの種類とけがした場所をまとめたものだよ。
「この表からわかることは?」と言われても、
「うーん何がわかるかな・・?」という感じだよね。
だから、整理をするんだ。
部屋の整理と同じで、データを整理すると
何がどのくらいの数あるかわかったり、
何がないかがわかりやすくなるんだ。
まず、けがの種類だけで整理してみよう。
「すりきずが多い」ことがわかるね。
次に、けがした場所だけで整理してみよう。
「体育館や校庭でけがした人が多い」ことがわかるね。
2つの表のように、それぞれ別々に整理してもいいんだけれど、けがの種類とけがした場所を1つに表にまとめて整理すると、もっとわかりやすくなるんだ。
ただ、たくさんのデータを1つの表にまとめるとなると、データをかぞえまちがえてしまうキケンも大きくなるよ。
なので、かぞえまちがえないようにするための方法をしょうかいするね。
数をかぞえるための方法「正」の字を使ってみよう
「正」という漢字は、ちょうど5画(かく)なので、むかしから数をかぞえるときによく使われてきたんだ。
かぞえるごとに「正」の字を1画ずつ書いていく方法だよ。
じゃあ、さっそく「正」の字を使って、左の表のデータを、右の「けがをした場所」と「けがの種類」を1つにまとめた表に整理してみよう。
1人目の「けが:打ぼく、場所:体育館」を表にまとめよう
左の表の1人目のデータは、体育館で打ぼくしたことを表しているね。
なので、右の表の「打ぼく」と「体育館」のまじわるマスのところに「正」の字の1画目を書こう。
2人目の「けが:すりきず、場所:校庭」を表にまとめよう
左の表の2人目のデータは、校庭ですりきずのけがをしたことを表しているね。
なので、右の表の「すりきず」と「校庭」のまじわるマスのところに「正」の字の1画目を書こう。
3人目の「けが:打ぼく、場所:体育館」を表にまとめよう
左の表の3人目のデータは、体育館で打ぼくしたことを表しているね。
なので、右の表の「打ぼく」と「体育館」のところに「正」の字を書こう。
1人目も「打ぼく」「体育館」だったから、これで2人目だね。
だから「正」の字も2画目になっているよ。
なるほど、もし数字を書き込んでしまっていたら、いちいち消すのが大変だけれど、正の字なら画数をふやしていけばいいだけなんだね!
同じように12人目まで「正」の字を書いていくと
次のようになるよ。
「正」の字を数字に直そう。
正の字はデータを数えていくのにべんりだったけれど、数え終わって「いくつだったか」を見るには、少しわかりにくいよね。
なので、正の字を数字になおすよ。
合計を求めよう。
たてと横に数字をたすと次のようになるね。
最後に右下の「すべての合計」を求めよう。
赤の部分の合計をたしてもいいし、青の部分の合計をたしてもいいよ。
どっちをたしても「12」になるんだ。
↓
この「合計」が、もとのデータの数とちゃんと同じになっているかどうかをかくにんすると、かぞえもれがないかチェックできるよ。
データは12人分だったので、合計がおなじ「12」になっているということは、かぞえもれはなさそうだね。
整理した表からわかること
データをわざわざ表に整理して、なんのイミがあるんだろう?と思うかもしれないね。
表に整理すると、いろいろなことがわかりやすくなるんだよ。
表に整理するとわかりやすくなったこと
- すりきずが多い
- 体育館や校庭でけがした人が多い
- 教室ではすりきずが多い
- 打ぼくは体育館や校庭で起きている
- ねんざも体育館や校庭で起きている
ひとつひとつがバラバラに書かれているデータよりも、表にまとめることで、そのデータの特ちょうがひと目でわかりやすくなるんだね。
データを表に整理する練習問題
下の表はけがした時間とけがの種類をまとめた表です。
左の表を右の表に整理して、次の問いに答えなさい。
(1)昼休みに、打ぼくした人の人数を答えなさい。
(2)放課後に、ねんざした人の人数を答えなさい。
「正」の字を使って数えると、
次のようになるよ。
「正」の字を数字に直して合計を求めると次のようになるよ。
(1)昼休みに、打ぼくした人の人数を答えなさい。
表で「昼休み」「打ぼく」の場所を見ると「2」になっているから、2人だね。
(2)放課後に、ねんざした人の人数を答えなさい。
表で「放課後」「ねんざ」の場所を見ると「1」になっているから、1人だね。
下の表はあるクラスの図書室の利用のようすについてまとめたものです。
左の表を右の表にまとめて、次の問いに答えなさい。
(1)先週も借りて、今週も借りている人は何人か。
(2)先週は借りていないけど、今週借りている人は何人か。
まず、右の表を完成させよう。
「先週借りた」「今週も借りた」の人を数えよう
左の表で「〇」「〇」の人を数えると4人いるね。
「先週借りた」「今週も借りない」の人を数えよう
左の表で「〇」「×」の人を数えると2人いるね。
「先週借りない」「今週は借りた」の人を数えよう
左の表で「×」「〇」の人を数えると2人いるね。
「先週借りない」「今週借りない」の人を数えよう
左の表で「×」「×」の人を数えると4人いるね。
合計の人数を求めると次のようになるよ。
問題を見てみよう。
(1)先週も借りて、今週も借りている人は何人か。
「先週借りた」「今週借りた」の人数を見ると「4人」になっているね。
(2)先週は借りていないけど、今週借りている人は何人か。
「先週借りない」「今週借りた」の人数を見ると「4人」になっているね。
下の表はA水族館、B水族館、C水族館にいる動物の数です。
表を見て、下の問いに答えなさい。
(1)動物が一番少ない水族館は?
(2)ペンギンが一番多い水族館は?
(3)3つの水族館のイルカ、ペンギン、アザラシの合計はなんびきですか?
表を見て、「あれ?空らんがたくさんあるな?」と思った人もいるかな。
その通り!
このように問題の表のデータに「空らん」があるばあいは、まずは空らんをうめていかないと問題はとけないよ。
とはいえ、「空らんがいくつになっていたかなんて、わかるわけがないよ!」とこまってしまうかもしれないね。
でもあんしんしてね。
空らんになっているマスの、ほかのマスの数字をてがかりにすれば、計算することができるよ。
イルカの行を横に見よう
わかっている「5」と「2」をたすと「7」になるね。
右の「合計」が「11」になっているから、B水族館は11ー7=4だということがわかるね。
ペンギンの行を横に見よう
わかっている「4」と「3」をたすと「7」になるね。
右の合計が「13」になっているから、C水族館は13ー7=6だとわかるね。
A水族館の列とB水族館の列をたてに見よう
A水族館とB水族館のマスがすべてうまったので、動物の合計の数も求めることができるね。
アザラシの行を横に見よう
アザラシの行は、合計が書かれていないだけだね。
わかっている「3」と「5」と「0」をたして求めよう。
3+5+0=8だね。
すべての合計を求めよう
これですべてのマスがうまったので、合計をもとめよう。
下の表で赤の部分をたしても、青の部分をたしても合計は「32」になるよ。
このように、どちらをたしても同じ数になっているかどうかでチェックすることもできるよ。
もし、数がちがくなってしまうなら、どこかで計算ミスをしているということだから、もういちどみなおしてみよう。
これで表が完成したね。
あとは、問題を解いていこう。
(1)動物が一番少ない水族館は?
A水族館は12ひき、B水族館も12ひき、C水族館だけ8ひきで一番少ないから、「C水族館」が正かいだよ。
(2)ペンギンが一番多い水族館は?
ペンギンの数を見ると、
A水族館は4ひき、B水族館は3びき、C水族館は6ひきだから、
C水族館が一番多いよ。
(3)3つの水族館のイルカ、ペンギン、アザラシの合計はなんびきですか?
すべての合計が知りたければ、右下の合計を見たらOK。
だから、答えは32ひきになるよ。
「データの整理のしかた」まとめ
「データの整理のしかた」まとめ
- かぞえまちがないように「正」の字を使うとよい
- 整理すると何がどのくらいいるか、データの特ちょうがわかりやすくなる
運営者情報
ゆみねこ
詳しいプロフィールを見る
青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。