「およその数(がい数)」とは?表し方と求め方(練習問題)
小学校4年生の算数で学習する「およその数(がい数)」について、およその数とは何か、どういう時に使うのか、およその数の表し方と求め方をわかりやすく解説するよ。
四捨五入のやり方、以上・以下・未満の言葉の意味と練習問題も紹介しているよ。
「およその数」とは(がい数)
小学校4年生では、「およその数(がい数)」という言葉を学習するよ。
「およそ」は、漢字だと「凡そ」と書くんだ。
「凡」という漢字には、「いいかげん」という意味があるよ。
つまり、「およその数」とは、「ザックリ表した数」のことなんだ。
「がい数」は、漢字だと「概数」と書くよ。
「概」という漢字には「だいたい」という意味があるよ。
ふだんの生活でも、「およそ20000円」「だいたい40%」「ほぼ1000人くらい」なんて言葉を聞いたことがあるよね。
どれも正かくな数ではなくて、およその数だね。
「およその数」を使う場面
およその数(がい数)を使う場面は、大まかに「数の大きさ」を表したい時だよ。
たとえば、別の小学校の友達に「あなたの小学校の人数は何人?」と聞かれたときに、
正確に「2312人」
と答えるよりも、
「およそ2000人」
と言った方がわかりやすいときもあるよね。
だって、別の小学校の友達は正かくな人数を知りたいわけではないからね。
「およその数」での表し方
数をザックリと伝えるといっても、本当に適当に伝えてしまったら良くないよね。
たとえば、本当は2312人なのに、
「うーん・・まあ1000人くらいかな」
なんて伝えてしまったら、本当の数を知った友達は、
「全然ちがうじゃん!」と怒るかもしれないね。
では、「およその数」で表すには、どうすればいいのかな?
たとえば、「2312」という数字を数直線で考えてみよう。
2312は、2000と3000の間にあって、3000よりも2000の方に近いよね。
![イメージ](https://kyoukasyo.com/wp-content/uploads/approximate-number.png)
だから、「2312人」は「およそ2000人」と言えるんだね。
ちなみに、もし「2653人」だったらどうだろう?
2653は2000と3000の間にあって、3000の方が近いね。
![がいすうのイメージ](https://kyoukasyo.com/wp-content/uploads/approximate-number2.png)
なので、「2653人」のおよその数は3000人と言えるんだね。
ここまでは「ふんふん、そうだよね。」となっとくできるよね。
では、「2500人」だったらどうだろう?
「およそ2000人」なのかな?それとも、「およそ3000人」かな?
![がいすうのイメージ](https://kyoukasyo.com/wp-content/uploads/approximate-number15.png)
「2500」は、「2000」と「3000」のちょうど真ん中だよね。
これでは、どっちを選んでいいのかこまってしまうね。
そんなときに大切な考えかたが「四捨五入」なんだ。
「四捨五入」とは
「四捨五入」と聞くと、なんだかとっても難しそうだよね。
でも、どういうことなのか、漢字が意味をわかりやすく表してくれているよ。
「四捨」・・・4は捨てる=4までは切り捨て
「五入」・・・5は入れる=5からは切り上げ
ここで「切り捨て」、「切り上げ」という言葉がでてきたね。
「切り捨て」「切り上げ」とは
- 切り捨て・・・指定された位とその下の位を0にする
- 切り上げ・・・1つ上の位に1を加え、指定された位とその下の位を0にする
イメージがつきにくいと思うから、じっさいに問題をみてみよう。
たとえば「2000」、「2100」、「2200」、「2300」、「2400」という5つの数字を百の位で四捨五入するとするよ。
それぞれ百の位の数字は「0」「1」「2」「3」「4」だね。
四捨五入は、「4までは切り捨て」だったよね。
だからぜんぶ「切り捨て」になって、指定された「百の位」と、その下の「十の位」と「一の位」が「0」になって、どれも「2000」になるよ。
![四捨五入のイメージ](https://kyoukasyo.com/wp-content/uploads/approximate-number16.png)
では、「2500」、「2600」、「2700」、「2800」、「2900」の5つの数字はどうだろう。
それぞれの百の位の数字は「5」「6」「7」「8」「9」だね。
四捨五入は、「5から切り上げ」だったね。
だからぜんぶ「切り上げ」になって、1つ上の「千の位」に1を加えて、指定された「百の位」とその下の「十の位」と「一の位」は「0」になるよ。
つまり、ぜんぶ「3000」になるんだ。
![四捨五入のイメージ](https://kyoukasyo.com/wp-content/uploads/approximate-number17.png)
四捨五入についてまとめると次の通りだよ。
四捨五入とは
- 「四捨五入」とは、およその数を求める方法のひとつ。
- 0、1、2、3、4ならそれを切り捨てる。
5、6、7、8、9なら切り上げて、上の位に1を加える。
「およその数」の練習問題
では、四捨五入を使って、「およその数」の練習問題にちょうせんしよう。
四捨五入の時に気をつけることは、どの位を四捨五入するかだよ。
問題をときながら、かくにんしていこう。
「その位を四捨五入する」問題
「〇〇の位を四捨五入しなさい。」と、四捨五入する位を指定しているパターンの問題のときかたを練習しよう。
3253の百の位を四捨五入しなさい。
四捨五入するのは、「百の位」だね。
「3253」の百の位は「2」だよね。
![四捨五入のやり方](https://kyoukasyo.com/wp-content/uploads/approximate-number4.png)
「2」を四捨五入すると、「4までは切り捨て」だから、「2」は切り捨てだね。
指定された位(百の位)の「2」を「0」にしよう。
![四捨五入のやり方](https://kyoukasyo.com/wp-content/uploads/approximate-number5.png)
さらに、指定された位の下の位も「0」にしなくてはいけなかったね。
なので、四捨五入したけたの右にある数をぜんぶ「0」に変えよう。
![四捨五入のやり方](https://kyoukasyo.com/wp-content/uploads/approximate-number3.png)
3253の百の位を四捨五入すると、3000になることがわかったね。
86943の百の位を四捨五入しなさい。
86943の百の位は「9」だよね。
![四捨五入のやり方](https://kyoukasyo.com/wp-content/uploads/approximate-number6.png)
「9」を四捨五入すると、「5から切り上げ」だから、「9」は切り上げだね。
指定された百の位の上の位(千の位)に1を加えて、指定された百の位の「9」を「0」にしよう。
![四捨五入のやり方](https://kyoukasyo.com/wp-content/uploads/approximate-number7.png)
さらに、指定された位の下の位も「0」にしなくてはいけなかったね。
なので、四捨五入したけたの右にある数をぜんぶ「0」に変えよう。
![四捨五入のやり方](https://kyoukasyo.com/wp-content/uploads/approximate-number8.png)
86943の百の位を四捨五入すると87000になることがわかったね。
「1つ下の位を四捨五入する」問題
53434を四捨五入して、一万の位までのがい数にしなさい。
「〇〇の位までのがい数にしなさい。」という問題は、「〇〇の位」の1つ下の位を四捨五入しよう。
「〇〇の位までのがい数にしなさい。」だなんて、むずかしい言い方で、ちょっとわかりづらいよね。
これは、つまり「○○の位までが知りたいよ。その下の位は、だいたいでいいよ。」という意味なんだ。
たとえば、あるゲームのソフトを買おうとしてるとするよ。
ゲーム屋さんに行くまえに、「いくらお金をもっていけばいいかな?」と思うよね。
それで、友達に「だいたい何千円かな?」と聞いたとするよ。
これって、「千円の位まで」が知りたいんだよね。何百円かまでは聞いていないよね。
もしゲームのソフトが3680円だったら、お友達はきっと「だいたい4千円だよ。」と答えてくれるよね。
「3600円だよ。」だと細すぎるし、「10000円だよ。」だと上の位すぎるよね。
「だいたい4千円」という数字は、「千円の位までが知りたいから、千円より下の百円の位を四捨五入」して表した数字だね。
さて、今回の問題は「53434を四捨五入して、一万の位までのがい数」にするんだったね。
「一万の位まで」を知りたいのだから、その1つ下の千の位を四捨五入したらいいんだね。
53434の、千の位は「3」だよね。
![四捨五入のやり方](https://kyoukasyo.com/wp-content/uploads/approximate-number9.png)
「3」を四捨五入すると、「4までは切り捨て」だから、「3」を「0」にしよう。
![四捨五入のやり方](https://kyoukasyo.com/wp-content/uploads/approximate-number10.png)
さらに四捨五入したけたの右にある数をぜんぶ「0」に変えよう。
![四捨五入のやり方](https://kyoukasyo.com/wp-content/uploads/approximate-number11.png)
53434を一万の位までのがい数にすると50000になることがわかったね。
57437を四捨五入して、上から1つ目までのがい数にしなさい。
「上から1つ目までのがい数にしなさい」という問題もさっきとやり方は同じだよ。
さっきは、「一万の位まで」とハッキリ教えてくれたけど、それを「上から1つ目まで」と言いかえているだけなんだ。
「一万の位まで」と言われたら、その1つ下の位を四捨五入するんだったね。
これが「上から1つ目まで」と言われても同じ。
つまり、その1つ下の位を四捨五入すればいいんだ。つまり、上から2つ目の位に注目しよう。
57437の、上から2つ目の位は「7」だよね。
![四捨五入のやり方](https://kyoukasyo.com/wp-content/uploads/approximate-number12.png)
「7」を四捨五入すると、「5から切り上げ」だから、上の位に1を加えて、「7」を「0」にしよう。
![四捨五入のやり方](https://kyoukasyo.com/wp-content/uploads/approximate-number13.png)
さらに四捨五入したけたの右にある数をすべて「0」に変えよう。
![四捨五入のやり方](https://kyoukasyo.com/wp-content/uploads/approximate-number14.png)
57437を上から1つ目の位までのがい数にすると60000になることがわかったね。
四捨五入する問題のポイント
問題によって、「その位を四捨五入する場合」と「1つ下の位を四捨五入する場合」があるから、まちがえないようにしよう。
ポイントは次の通りだよ。
四捨五入する問題のポイント
- 「どの位を四捨五入するか」が大事!
- 「〇〇の位を四捨五入」→〇〇の位に注目しよう。
- 「四捨五入して〇〇の位までのがい数」→〇〇の位の1つ下の位に注目しよう。
- 「四捨五入して、上から〇つ目までのがい数」→〇の位の1つ下の位に注目しよう。
「以上・以下・未満」とは
もうひとつ、あたらしい言葉を学習するよ。
遊園地に行ってジェットコースターに乗るときなどに、「120cm以上の人は乗れます。」「120cm以下の人は乗れません」「120cm未満の人は乗れません。」というような注意書きを見たことはないかな?
この「以上」「以下」「未満」はそれぞれ意味がちがうんだ。
「以上」とは
「以上」の「以」には次の意味があるよ。
「以」という漢字がもつ意味
はんい・方向などの始まりの場所のこと。
だから、「以上」っていうのは
「あるところを始まりの場所として、それよりも上」のことなんだ。
つまり「120cm以上の人は乗れます。」と書かれていたら、120cmを始まりの場所として、それよりも身長が高い人は全員乗れるんだよ。
120cmを始まりの場所としているんだから、120cmの人も乗れるよ。
つまり、「120cm以上」という言い方の場合、「120cmの人もふくまれる」んだ。
「以下」とは
「以上」の「上」が「下」になっただけだから、かんたんだよ。
「120cm以下の人は乗れません。」だったら、120cmを始まりの場所として、それより低い人は全員乗れないんだ。(つまり120cmの人は乗れないよ)
「120cm以下」という言い方の場合、「120cmの人もふくまれる」んだね。
「未満」とは
「未満」と「以下」は、すごく意味が似ているからまちがえないようにしよう。
「未満」の「未」には次の意味があるんだ。
「未」という漢字がもつ意味
まだその時がこない。まだその事が実現し終わらない。
なので、「未満」は「まだ満たしていない(たりない)」ということ。
つまり、「120cm未満」だったら、「120cmになっていない」という意味になって、120cmの人はふくまれないんだ。
もし、「120cm未満のおこさまは、入場料が無料!」なんてサービスがあったとしたら、120cmになっていたら、無料にならないよ。
以上・以下・未満のまとめ
以上・以下・未満のまとめ
- 身長120cm以上・・・120cmをふくめてそれより高い身長
- 身長120cm以下・・・120cmをふくめてそれより低い身長
- 身長120cm未満・・・120cmをふくまずそれより低い身長
「以上・以下・未満」の練習問題
次の文章は正しいですか?
「一の位を四捨五入して130になる範囲は、125以上135以下です。」
じっさいに、順番に一の位を四捨五入してたしかめてみよう。
![四捨五入の練習問題](https://kyoukasyo.com/wp-content/uploads/approximate-number18.png)
たしかに、「125」から「134」までの一の位を四捨五入してみると、「130」になったね。
問題文には「135以下」と書いてあるから、「135も四捨五入すると、130になる」と言っているんだよね。
でも、135は四捨五入すると、「5」は切り上げだから140になっちゃうよね。
![四捨五入の練習問題](https://kyoukasyo.com/wp-content/uploads/approximate-number19.png)
だから、「一の位を四捨五入して130になる範囲は、125以上135以下です。」という文章は「135以下です」という部分が正しくないことがわかったね。
では、どういう文章だったら正しいのかな?
「一の位を四捨五入して130になる範囲は125以上134以下です。」だったら正しいのでは?と考えた人もいるかもしれないね。
ただ、これでもちがうんだ。
小数点以下まで考えてみよう。
たとえば、134.9という数を考えてみよう。
「134以下」とは、134を含む、それよりも少ない数のことだよね。
だから、134.1よりも大きい数は、「134以下」には入らないね。
でも、134.9は、一の位の「4」で四捨五入すると、130になるよね。
134.999という数を考えてみよう。
やっぱり、一の位の「4」で四捨五入すると、130になるよね。
つまり、134以下でなくても、135にさえならなければ、一の位で四捨五入したときに130になるんだ。
ポイント
135より大きい数にさえならなければ、四捨五入すると134になる。
「135より大きくない数」は、どうやって言い表したらいいかな?
そう、「135には未だ満たない数」、「未満」を使えばいいんだよ。
だから、さっきの文章を正しくすると次のようになるよ。
「一の位を四捨五入して130になる範囲は125以上135未満です。」
これなら、135はふくまれないことになるよね。
「およその数の使い方と表し方」のまとめ
- 大まかに数の大きさを言いたいときに、およその数(がい数)を使う
- およその数を求める方法として四捨五入がある
- 四捨五入は
0、1、2、3、4ならそれを切り捨て。
5、6、7、8、9なら切り上げて、上の位に1を加える - どの位を四捨五入するかが大事
- 「〇〇の位を四捨五入」→〇〇の位に注目
- 「四捨五入して〇〇の位までの数」→〇〇の位の1つ下の位に注目
運営者情報
![ゆみねこ](https://kyoukasyo.com/wp-content/themes/kyoukasyo/img/yumineko.png)
ゆみねこ
詳しいプロフィールを見る
青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。
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