色々な四角形の対角線の特徴と書き方(平行四辺形・ひし形など)
小学校4年生の算数で学習する「いろいろな四角形」について、台形・平行四辺形・ひし形・長方形・正方形の対角線の特徴と、対角線の特徴を使ってそれぞれの四角形を書く方法をわかりやすく解説するよ。
目次
今までにいろいろな四角形の特ちょうを見てきたね。
辺の長さや平行かどうかによって、四角形の名前がちがうんだよね。
今回は「対角線」というものを学習していくよ。
対角線とは
「対角線」という漢字を見てみよう。
「対」という漢字は、試合で「○○ 対 △△」と使われるように、「向かい合う相手」という意味だよ。
なので、「対角」とは「向かい合う角」のことなんだ。四角形の向かい合う頂点にある角のことだね。
つまり対角線っていうのは、向かい合った角と角どうしを結んだ直線のことだよ。
さっきの5つの図形の対角線は次のようになるよ。
それぞれの図形で、「向かい合っている角と角どうし」が直線で結ばれているね。
四角形の対角線の本数は必ず2本になるよ。
なぜなら、向かい合っている角と角が2組だからだね。
ちなみに三角形には対角線が無いよ。
なぜなら、三角形には「向かい合っている」角が無いからだね。
ためしに三角形の1つの頂点ともう1つの頂点を結んでみると、三角形の辺と同じになってしまうよ。
対角線とは
- 向かい合った角(頂点)を結んだ直線のこと
- 四角形の対角線は必ず2本できる
- 三角形には対角線はできない
今回学習するのは、「対角線とはどういうものか」もだけれど、四角形の種類ごとに対角線の交わりかたに特ちょうがあることなんだ。
それでは、いろいろな四角形ごとに対角線がどう交わっているかを見ていこう。
台形の対角線の特徴
台形とは、向かい合った1組の辺が平行な四角形のことだったよね。
台形の対角線は次のようになるよ。
青と赤の対角線に注目しても
特に特ちょうは見当たらないよね。
実は台形の対角線には特ちょうがないんだ。
ほかの四角形ではどうなるだろう?
平行四辺形の対角線の特徴
平行四辺形とは、向かい合った2組の辺が平行な四角形のことだったよね。
平行四辺形の対角線は次のようになるよ。
青と赤の対角線に注目すると、次のような特ちょうがあるよ。
平行四辺形の対角線の特ちょう
- 対角線は、それぞれの真ん中で交わっている
真ん中っていうのは、次の場所のことだよ。
平行四辺形の対角線は、真ん中の位置から向かい合う角までの長さが同じになっているんだね。
長さが同じになるのは、2本できる対角線それぞれごとなので注意しよう。
上のイラストなら、青の対角線の真ん中から向かい合う角までの長さと、赤の対角線の真ん中から向かい合う角までの長さは同じとはかぎらないよ。
あくまで「青の対角線の真ん中からそれぞれの向かい合う角までの長さが同じ」、「赤の対角線の真ん中からそれぞれの向かい合う角までの長さが同じ」ということだよ。
ひし形の対角線の特徴
ひし形とは、すべての辺の長さが等しい四角形のことだったよね。
ひし形の対角線は次のようになるよ。
青と赤の対角線に注目すると、次のような特ちょうがあるよ。
ひし形の対角線の特ちょう
- 対角線は、それぞれの真ん中で交わっている
- 対角線が垂直に交わっている
(青と赤の線が直角になっているね。)
平行四辺形の対角線の特ちょうに、さらに「直角に交わる」というのがプラスされるんだね。
長方形の対角線の特徴
長方形とは、すべての角が直角になっている四角形のことだったよね。
長方形の対角線は次のようになるよ。
青と赤の対角線に注目すると、次のような特ちょうがあるよね。
長方形の対角線の特ちょう
- 対角線は、それぞれの真ん中で交わっている
- 対角線の長さが等しい
(青と赤の長さが等しいってことだよ)
平行四辺形の対角線の特徴では、「それぞれの」対角線の真ん中の位置から向かい合う角までの長さが同じだっただけだったね。
それに対して、長方形の対角線の場合は、2つの対角線とも真ん中の位置から向かい合う角までの長さが同じ(上のイラストなら、青の対角線の真ん中から向かい合う角までの長さと、赤の対角線の真ん中から向かい合う角までの長さすべてが同じ)ということだね。
正方形の対角線の特徴
正方形とは、すべての辺が等しくて、すべての角が直角になっている四角形のことだったよね。
つまり、ひし形と長方形を合体させたような四角形なんだ。
だから、対角線の特ちょうは
ひし形の特ちょうと、長方形の特ちょうを合わせたような感じになるんだ。
正方形の対角線の特ちょう
- 対角線の長さが等しい
(青と赤の長さが等しいってことだよ)
- 対角線は、それぞれの真ん中で交わっている
- 対角線が垂直に交わっている
四角形の対角線の特徴(一覧表)
今まで見てきた5つの四角形の対角線の特ちょうをまとめると次のようになるよ。
表にすると次のようになるよ。
いつでも成り立つものに〇をつけたよ。
四角形の名前 | 2本の対角線の長さが等しい | 2本の対角線がそれぞれの真ん中で交わる | 2本の対角線が垂直である |
---|---|---|---|
台形 | |||
平行四辺形 | 〇 | ||
ひし形 | 〇 | 〇 | |
長方形 | 〇 | 〇 | |
正方形 | 〇 | 〇 | 〇 |
四角形の対角線の表からわかること
- 台形の対角線には特ちょうはない
- 台形以外の四角形では、2本の対角線がそれぞれの真ん中で交わる
- 正方形は、すべての特ちょうがあてはまる
対角線の特徴を使って四角形を書く方法
5つの四角形の対角線の特ちょうを確認してきたね。
対角線の特ちょうを使うと、5つの種類の四角形をそれぞれ書くことができるんだ。
平行四辺形の対角線の特徴を使って書く方法
平行四辺形の対角線の特ちょうは、
「対角線は、それぞれの真ん中で交わる」だったね。
なので、次のような2本の直線を書いてみよう。
ポイントは、
- 2本の交わる直線であること
- それぞれの直線の真ん中で交わっていること
あとは、線の「はじ」と「はじ」を結べば、平行四辺形がかけるよ。
対角線になる線が、それぞれの真ん中で交わっていることがわかるね。
ひし形の対角線の特徴を使って書く方法
ひし形の対角線の特ちょうは、
「対角線は、それぞれの真ん中で交わる」と
「対角線は垂直に交わる」だから、
次のような図形を書いてみよう。
ポイントは、
- 2本の交わる直線であること
- それぞれの直線の真ん中で交わっていること
- 2本の直線が直角に交わっていること
あとは、線の「はじ」と「はじ」を結べば、ひし形がかけるよ。
対角線になる線が、それぞれの真ん中で交わっていて、垂直に交わっていることがわかるね。
長方形の対角線の特徴を使って書く方法
長方形の対角線の特ちょうは、
「対角線は、それぞれの真ん中で交わる」と
「対角線の長さが等しい」だから、
次のような図形を書いてみよう。
ポイントは、
- 2本の交わる直線であること
- それぞれの直線の真ん中で交わっていること
- 2本の直線の長さが同じであること
あとは、線の「はじ」と「はじ」を結べば、長方形がかけるよ。
対角線になる線が、それぞれの真ん中で交わっていて、
赤と青の対角線の長さが8cmで等しくなっていることがわかるね。
正方形の対角線の特徴を使って書く方法
正方形の対角線の特ちょうは、
「対角線は、それぞれの真ん中で交わる」と
「対角線の長さが等しい」と
「対角線は垂直に交わる」だから、
次のような図形を書いてみよう。
ポイントは、
- 2本の交わる直線であること
- それぞれの直線の真ん中で交わっていること
- 2本の直線の長さが同じであること
- 2本の直線が垂直に交わっていること
あとは、線の「はじ」と「はじ」を結べば、正方形がかけるよ。
対角線になる線が、それぞれの真ん中で交わっていて、
赤と青の対角線の長さが4cmで等しくなっていて
垂直に交わっているね。
台形は対角線から書く方法はない
台形には対角線の特ちょうはなかったね。
だから、対角線から台形をかくことはできないんだ。
「四角形の対角線の特徴」のまとめ
対角線とは
- 向かい合った頂点を結んだ直線のこと
- 四角形の対角線は必ず2本できる
- 三角形には対角線はできない
いろいろな四角形の対角線の特ちょう
四角形の名前 | 2本の対角線の長さが等しい | 2本の対角線がそれぞれの真ん中で交わる | 2本の対角線が垂直である |
---|---|---|---|
台形 | |||
平行四辺形 | 〇 | ||
ひし形 | 〇 | 〇 | |
長方形 | 〇 | 〇 | |
正方形 | 〇 | 〇 | 〇 |
- 台形の対角線には特ちょうはない
- 台形以外の四角形では、2本の対角線がそれぞれの真ん中で交わる
- 正方形は、すべての特ちょうがあてはまる
運営者情報
ゆみねこ
詳しいプロフィールを見る
青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。