工藤直子『野原はうたう』表現技法(擬人法など)と各詩の情景を解説

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工藤直子「野原はうたう」要点と 期末テスト対策ポイントまとめ

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中学1年国語で学習する工藤直子さんの詩「野原はうたう」について、それぞれの詩の情景と内容、使われている表現技法、そしてテストで引っかけになりやすいポイントをわかりやすく解説するよ。

※このページでは、著作権に配慮はいりょし、詩の一部のみを引用して解説しています。全体はお手元の教科書などで確認してください。

「野原はうたう」 工藤 直子

この作品は、「たんぽぽ」や「かまきり」など、野原に生きる自然の生き物たちが、自分たちの言葉で詩をうたっているように書かれた連作詩れんさくしだよ。
春・夏・秋・冬それぞれの季節を代表するキャラクターたちが、いきいきとした生命力や季節の移り変わりを伝えてくれる、とても楽しい作品なんだ。

具体的な内容は、教科書に載っている詩を読みながら、これからの解説を一緒に確認してね。

目次

工藤直子「野原はうたう」テスト対策ポイントまとめ

まずは、テスト前にざっと内容を把握するための重要ポイントをまとめるよ。

「野原はうたう」テスト対策ポイント

  • 作者は日本の詩人・童話作家の工藤直子くどうなおこ
  • 詩の形式は「口語自由詩」
  • この作品は、春・夏・秋・冬をテーマにした連作詩(複数の詩の集まり)からできている。
  • それぞれの季節を代表する自然の生き物たち(キャラクター)が、「うたっている」ように表現する擬人法ぎじんほうが作品全体のベースになっている。
  • 「あしたこそ(春)」の最大の願いは、「とんでいくこと」ではなく「たくさんの人と出会うこと」。表現技法は倒置法とうちほう比喩ひゆ
  • 「おれはかまきり(夏)」では、同じ言い回しの反復(対応)・体言止たいげんどめ・押韻おういんが使われている。
  • ★最近の教科書では「秋」と「冬」は載っていないことがあるけれど、テストの応用問題で出ることがあるので一緒に確認しておこう!

詩「野原はうたう」基本情報と特徴

作者詩人の工藤直子くどうなおこ
詩の形式口語自由詩こうごじゆうし
構成複数の詩の集まり(連作詩)
使われている主な表現技法擬人法・倒置法・反復法・比喩・体言止めなど

「野原はうたう」ってどんな詩?

この作品は、次の4つの詩の集まりからできているよ。

  • 1. 「たんぽぽ はるか」がうたう『あしたこそ』
  • 2. 「かまきり りゅうじ」がうたう『おれはかまきり』
  • 3. 「のぎく みちこ」がうたう『あきのひ』
  • 4. 「けやき だいさく」がうたう『いのち』

「たんぽぽ はるか」や「かまきり りゅうじ」という名前の人(人間)が本当にいるわけではないよね。
これは、それぞれの季節の自然(動植物)を人間のようにキャラクター化して、彼らが自分自身の言葉で詩をうたっているように表現しているんだ。これを擬人法ぎじんほうというよ。

たろう
それぞれのキャラクターの性格が、話す言葉(語尾)から伝わってくるのが面白いね!

それぞれの詩がどんな情景を描いているのか、順番に確認していこう。

詩の形式について

「野原はうたう」の詩の形式は、口語自由詩こうごじゆうしだよ。

「口語」というのは、今の日本で私たちが普通に使っている「話し言葉」のこと。
「自由詩」というのは、五・七・五のような文字数の決まり(ルール)がなく、自由に書かれた詩のことだね。

口語自由詩・文語自由詩・口語定型詩・文語定型詩の詩の形式の見分け表の図解イラスト
くまごろう
この作品では、キャラクターごとに「〜ます(たんぽぽ)」「〜だぜ(かまきり)」といった話し言葉(口語)が使い分けられていて、形式の自由さが最大限に活かされているんだよ!

春『あしたこそ(たんぽぽ はるか)』の情景と表現技法

情景と内容

『あしたこそ』のテーマは「春」。うたっているのは「たんぽぽ はるか」だね。

ここでは、春の昼間の野原で、たんぽぽの「わたげ(種)」が風に乗って旅立っていく様子が書かれているよ。

第1連の「ひかりを おでこに くっつけて」という表現は、比喩ひゆ(たとえ)だよ。光が本当におでこに張り付くわけではなく、春の明るさやあたたかさを読者に強く感じさせるための表現の工夫なんだ。「綿毛の一つ一つが太陽の光に照らされてキラキラ輝いている様子」が目に浮かぶようだね。

テスト注意!たんぽぽの「願い」とは?

テストでよく出るのが「たんぽぽ はるかの願いは何ですか?」という問題。ここで「どこまでも飛んでいきたい」と答えてしまうとバツになることが多いから注意しよう!

飛んでいくのはあくまで「手段」であって、本当の目的(願い)は、「たくさんの『こんにちは』にであうため」なんだ。
「こんにちは」は挨拶(あいさつ)の言葉だよね。つまり、新しい場所に飛んでいって、たくさんの人(新しい土や花や虫たち)と出会いたい、というのがたんぽぽの本当の願いなんだね。

表現の工夫:倒置法(とうちほう)

倒置法とうちほうとは

文章の普通の順番(語順)をあえて逆にする(ひっくり返す)ことで、言葉の印象を強めたり、余韻よいんを残したりする表現技法のこと。

第2連の1行目に注目してみよう。

「とんでいこう どこまでも
あした
たくさんの「こんにちは」に
であうために」

ふつうの言葉の並び方なら、「あした、たくさんの『こんにちは』にであうために、どこまでもとんでいこう」になるはずだよね。
これを逆にして「とんでいこう!」という言葉を先に持ってくることで、わたげの「旅立つぞ!」という強い決意が読者の目をひくようになっているんだ。

夏『おれはかまきり(かまきり りゅうじ)』の情景と表現技法

情景とキャラクター

『おれはかまきり』のテーマは「夏」。うたっているのは「かまきり りゅうじ」だね。
「もえる ひをあびて」とあるように、夏の暑い日差し(正午すぎ)の野原で、生命力にあふれたかまきりがいきいきとしている様子が書かれているよ。

くまごろう
名前の「りゅうじ」は、強くて圧倒的あっとうてきな力を持つ想像上の生き物「龍(りゅう)」から名付けられたと考えられているよ。だから、「〜だぜ」という力強くて荒々あらあらしい口調(常体)が似合うんだね。

なぜ「ちかよるな」と言っているの?

かまきり りゅうじは「あまり ちかよるな」と警告けいこくしているね。なぜだろう?
その理由は次に書かれているよ。

「おれの こころも かまも
どきどきするほど
ひかってるぜ」

武器である「カマ」だけでなく、「心」もとがってするどく光っているんだ。
「自分は今、攻撃的でキレやすい危ない状態だから、近づくとカマで切っちゃうかもしれないよ(だから見る人は怖がって『どきどき』するよ)」というアピールなんだね。

一方で、第2連の「わくわくするほど」は、暑い中で頑張っている自分のカッコイイ姿を想像して、「期待や喜びで心がはずんでいる」様子を表しているんだよ。同じ擬態語ぎたいごでも少し意味合いが違うのが面白いね。

表現の工夫:対応(反復)・体言止め・押韻

この詩の大きな特徴は、第1連と第2連の形が対応していること(同じ言い回しの繰り返し)だよ。

(第1連)
おう なつだぜ
おれは げんきだぜ

(第2連)
おう あついぜ
おれは がんばるぜ

このように、同じ形の文を繰り返すことでリズムを生み出しているんだ。
さらに、文の最後を名詞で終わらせる体言止たいげんどめ(すがた)」といった技法も使われていて、詩全体に非常に力強い印象を与えているよ。

※余裕があれば覚えておこう!
語尾を「〜ぜ」でそろえることを押韻おういんというよ。発展的な内容(高校レベル)なので、テストで聞かれることは少ないけれど、リズムを作る効果があるんだ。

秋『あきのひ(のぎく みちこ)』の情景と内容(応用編)

★最近の教科書では「秋」と「冬」の詩が載っていないこともあるけれど、テストで応用問題として出されることがあるので、しっかり確認しておこう!

情景と内容

『あきのひ』のテーマは「秋」。うたっているのは「のぎく みちこ」だね。
ここでは、秋の夕暮れ時の野原で、冷たい風が吹き、日がだんだんと短くなっていく様子が描かれているよ。

注目したいのは、第1連の「わたしは はなびらを ゆすりました」という表現。「ゆすられました(風に揺らされた)」ではなく、「ゆすりました(自分から揺らした)」になっているね。
なぜ自分から花びらを揺らしたのだろう?
詩の最初で「風が わたしを ゆすりました」とあるよね。その風への返事として、「わたし(のぎく)」も花びらを揺すったんだ。
そして後半の「ゆうひが くるくると しずむ」にも注目。これは、手を回して「バイバイ」とさよならの挨拶(あいさつ)をする仕草の比喩だと考えられるんだ。
つまり、通り過ぎていく風や、沈んでいく夕日に対して、のぎくも「さよなら、また明日ね」と花びらを揺らして挨拶を返しているんだね。お互いが穏やかに挨拶を交わし合う、秋の静かな夕暮れの情景が浮かんでくるよ。

たろう
夏の「かまきり」の荒々しさとは対照的たいしょうてきに、「〜ました」「〜でした」という丁寧な言葉づかい(敬体けいたい)で、秋の落ち着いた雰囲気が表現されているね。

冬『いのち(けやき だいさく)』の情景と表現技法(応用編)

情景と内容

『いのち』のテーマは「冬」。うたっているのは「けやき だいさく」だね。
冬になってすっかり葉が落ちてしまった「けやきの木」に、寒さをしのぐためにたくさんの小鳥たち(ムクドリなど)がぎっしりと集まって休んでいる冬の夜の情景が書かれているよ。

冬の間は枝だけになってしまって、まるで木や花は死んでしまったように見えることもあるよね。
でも、けやきは「だから わしは いつまでも いきていくのである」と語っているよ。厳しい冬を乗り越えて、また春に新しい命(葉っぱや花)を生み出す、自然のどっしりとした力強さを感じることができるね。

表現の工夫:隠喩(見立て・たとえ)

隠喩いんゆ暗喩あんゆ)とは

「〜のようだ」「〜みたいだ」という言葉を使わずに、別のものに見立てる(たとえる)表現技法のこと。

第1連の1〜3行目に注目してみよう。

「わしの しんぞうは
たくさんの
ことりたちである」

けやきの木に、本物の心臓(ドクドク動く臓器ぞうき)があるわけではないよね。
けやきは、自分の枝にとまって体を温めてくれる「ことりたち」のことを、自分を生かしてくれる「心臓」に見立てて(たとえて)いるんだ。

くまごろう
小鳥たちがいるおかげで、いつまでもあたたかく生きていけることを「しんぞう」に例えることで、読む人の心により深く残るように工夫しているんだね。

言葉の意味

詩の中に出てくる言葉の意味を確認しておこう。

言葉意味
わたげたんぽぽなどの種についている、細くて白い毛のこと。風に乗って遠くへ飛んでいく役割があるよ。
まいあがる空高く、ひらひらと飛び上がる様子。
かまかまきりの前足のこと。獲物えものを捕まえるための鋭い武器だね。
ふりかざす高く上に振り上げる様子。かまきりの攻撃的な勢いを表しているよ。
ゆする揺らすこと。自分から動かして揺らしている能動的のうどうてきな動作だね。
ふところ胸のあたりのこと。小鳥たちを包み込んで温める、けやきの大きさと優しさを表しているよ。

「野原はうたう」テスト対策ポイントまとめ(直前チェック用)

最後に、テスト直前の最終チェック用にポイントを絞ってまとめるよ。

  • 作者工藤直子くどうなおこ(漢字で書けるように!)
  • 形式「口語自由詩」
  • 作品の特徴:自然の生き物をキャラクター化して歌わせる「擬人法」が使われている。
  • 『あしたこそ』(春):たんぽぽの願いは「たくさんの人(こんにちは)に出会うこと」。表現技法は「倒置法・比喩」
  • 『おれはかまきり』(夏):荒々しい口調で生命力をアピール。表現技法は「同じ言い回しの対応(反復)・体言止め・押韻」
  • 『あきのひ』(秋):夕日との別れの挨拶を交わす、秋の夕暮れの静かな情景(丁寧な言葉づかい)。
  • 『いのち』(冬):小鳥たちを心臓に「見立てる(隠喩)」ことで、共生きょうせいへの誇り(反復法)を表現している。

工藤直子さんの「野原はうたう」、季節ごとの自然の様子が生き生きと伝わってくる楽しい作品だったね。
テスト勉強が終わったら、ぜひ「野原はうたう」の定期テスト練習問題のページにもチャレンジしてみてね!

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本ページでは、工藤直子「野原はうたう」(出典例:光村図書出版『国語1』所収)より、学習・批評ひひょうの目的で必要最小限の部分のみを引用し明示しています。全体はお手元の教科書等でご確認ください。

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青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。 ※サイト全体の運営実績についてはこちらにまとめています。

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