山村暮鳥・吉田加南子・木坂涼『空の詩 三篇』表現技法や主題まとめ
中学1年国語で学習する『空の詩 三篇(雲・朝・魚と空)』について、それぞれの詩の構成や表現技法、言葉の意味、「もうひとつの空」などの比喩(何かに例えて表現すること)が表すものについて、定期テスト対策に必要なポイントや要約をわかりやすく解説するよ。
たろう
くまごろう※このページでは、著作権に配慮し、詩の一部のみを引用して解説しています。全体はお手元の教科書などで確認してください。(山村暮鳥の『雲』は著作権保護期間が満了しているため、全文を掲載しています)
中学1年国語『空の詩 三篇』テスト対策ポイントまとめ
『空の詩 三篇』テスト対策ポイント
- 3つの詩の作者はそれぞれ
『雲』:山村暮鳥
『朝』:吉田加南子
『魚と空』:木坂涼
※山村暮鳥の「暮」や木坂涼の「涼」など、意外と生徒が書き間違える漢字です。テストで書けるようにしよう! - 詩の形式は、どれも「口語自由詩」
- 『雲』のポイント
・雲に親しみを持って呼びかける擬人法が使われている。
・広大で明るい空を、のんきに流れる雲が描かれている。 - 『朝』のポイント
・「空(遠く大きな自然)」と「屋根(人の暮らしに近い身近なもの)」の境界線(境目のこと)がくっきりと引かれた、静寂な朝の情景が描かれている。 - 『魚と空』のポイント
・詩なのに句点(。)が使われているのが特徴。
・擬人法が使われており、倒置法(倒置的な言い方)として読める部分もある。
・「海のやぶれ目」= 鳥が海に突っ込んだ瞬間、海面が破れたように見えること。
・「もうひとつの空」= 鳥の口の中、または魚が連れていかれる別の世界をたとえた表現。
目次
①『雲』(山村暮鳥)の現代語訳と「擬人法」の解説
『雲』 山村暮鳥
おうい雲よ
ゆうゆうと
馬鹿にのんきそうじゃないか
どこまでゆくんだ
ずっと磐城平(いわきたいら)の方までゆくんか
この詩では、擬人法(人間以外のものを人間のように例える表現技法)が使われているね。空を流れる雲に対して、「おうい」とまるで友達のように親しみを込めて呼びかけているんだ。
現代語訳(意味)を考えてみると、雲は「ゆうゆうと」「馬鹿にのんきそう(馬鹿に=とても、非常に)」に進んでいると書かれているね。焦ることなく、自分のペースでゆっくりと空を旅している様子が目に浮かぶよ。
「磐城平(いわきたいら:福島県にある地名)」という遠くの地名が出てくることから、この空がどこまでも続く広大で明るい空であることが想像できるね。見上げている作者の心も、大空のように晴れ晴れとしてリラックスしていることが伝わってくる詩だね。
②『朝』(吉田加南子)の意味:「空の遠さ」と境界線の描写
『朝』はたった2行の短い詩だけれど、とても美しい情景が描かれているんだ。
「空の遠さが屋根にふれている」とは、どういう様子だろう?
「空」は、遠く大きな自然のこと。「屋根」は、人の暮らしに近い身近なものだね。
そのスケールの全く違う2つのものが、朝の澄み切った空気の中でピタッと接しているように見えたんだね。でも、2行目には「――まじわることなく」と書かれているよ。
ふれているように見えても、決して混ざり合うことはない。人間の日常と、果てしない自然との間にある明確な境界線(境目のこと)を描くことで、静かで引き締まった朝の神聖な空気感を表現していると考えられるよ。
③『魚と空』(木坂涼)の表現技法:「もうひとつの空」の正体とは?
『魚と空』の詩の大きな特徴は、普通は詩には使われない句点(。)が使われていること!
普通、詩には句読点を打たないことが多いけれど、あえて打つことで散文(さんぶん:普通の文章のこと)のようなリアリティ(実際のことのような感じ)を出しているんだよ。句点で数えると、7つの文でできていることがわかるね。
「海のやぶれ目」とは?
第1連で、鳥が「急降下」して海を打つ激しい狩りの様子から始まるね。鳥が掴んだのは、海を泳いでいた「魚」だよ。
鳥が海に突っ込んだ瞬間、海面が破れたように見えることを「海のやぶれ目」と表現しているんだ。でも、第2連では「波は 海のやぶれ目を ごまかしている。」と擬人法が使われているよ。
鳥が魚をさらった激しい命のやり取りも、波がすぐに寄せてきて何事もなかったかのように水面を元通りにしてしまう。自然界の弱肉強食(じゃくにくきょうしょく:強い者が弱い者を食べて生きること)と、出来事の一瞬の儚さを冷徹に描いているね。
倒置法的な表現の効果
第3連には倒置法(倒置的な言い方)として読める表現が使われているよ。
普通なら「初めて そして たった一度だけ 魚は 海を脱けでる。」となる言葉の順序を逆にして、「たった一度だけ。」を最後に持ってきているね。
なぜたった一度だけなのか。それは、このジャンプが魚自身の意志ではなく、狩りをする鳥に掴み出された残酷な出来事だからだよ。言葉の順序を逆にすることで、二度と海には戻れないという衝撃的な結末を強調しているんだ。
「もうひとつの空」とは?
第4連で、魚は「もうひとつの空へ のまれる。」と書かれているね。
鳥に捕まり、空高く舞い上がった魚が飲み込まれていく様子から、「もうひとつの空」とは、鳥の口の中、または魚が連れていかれる別の世界をたとえた表現だと考えられるんだ。
「鳥に食べられる」と直接書かずに比喩で表すことで、自然界の厳しい現実を印象的に描いているんだね。
『空の詩 三篇』で覚えるべき「口語自由詩」のルール
この3つの詩は、すべて「口語自由詩」という形式で書かれているよ。テスト頻出の用語だからしっかり覚えておこう!
「口語」とは?
今の私たちが普段使っている話し言葉のこと。(反対は「文語」)
「自由詩」とは?
五・七・五などの決まった音数や形式にしばられずに書かれた詩のこと。(反対は「定型詩」)

同じ「空」というテーマでも、作者や切り取る場面によって全く違う表情を見せてくれるのが詩の面白さだね。
- 『雲』:おおらかでのんびりとした、見上げる人を笑顔にする明るい空。
- 『朝』:大自然と人間の境界がくっきりと現れる、静かで引き締まった朝の空。
- 『魚と空』:美しいけれど、命のやり取りが行われる厳しい自然界の空。
君はどの詩の表現が一番印象に残ったかな?ぜひ自分なりの言葉で理由を考えてみてね!
ここまで学習できたら、『空の詩 三篇』のテスト対策練習問題とドリルに挑戦しよう!
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青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。 ※サイト全体の運営実績についてはこちらにまとめています。

