金子みすゞ『ふしぎ』詩の形式と意味や表現技法をわかりやすく解説

中学1年国語で学習する金子みすゞさんの詩『ふしぎ』について、使われている表現技法(倒置法・反復法)、詩の形式、言葉の意味、作者の思いと伝えたいことなど、定期テスト過去問にもよく出る記述問題のポイントやあらすじ(内容の要約)をわかりやすく解説するよ。

たろう
「雨が降ること」や「花が咲くこと」って、あたりまえのことじゃないの?どうして「ふしぎ」なんだろう?
くまごろう
私たちが普段「あたりまえ」だと思って見過ごしていることを、まっさらな、無垢むくな感性(むくなかんせい:子どものような純粋な心)で見つめ直したのがこの詩なんだ。作者がどんなことに「ふしぎ」を感じているのか、一緒に読み解いていこう!

※金子みすゞさんの作品は著作権保護期間が満了まんりょうしているため、このページでは詩の全文を掲載して解説しています。

『ふしぎ』 金子かねこみすゞ

わたしはふしぎでたまらない、
黒い雲からふる雨が、
銀にひかっていることが。

わたしはふしぎでたまらない、
青いくわの葉たべている、
かいこが白くなることが。

わたしはふしぎでたまらない、
たれもいじらぬ夕顔が、
ひとりでぱらりと開くのが。

わたしはふしぎでたまらない、
たれにきいてもわらってて、
あたりまえだ、ということが。

この詩は、雨の色や、かいこ(虫)の体の色、夕顔(花)が咲く様子など、自然界の何気ない出来事に対する「ふしぎだなぁ」という素直な驚きを描いた作品だよ。
そして最後には、まわりの人たちがそれを「あたりまえだ」と笑ってすませてしまうことに対する、一番大きな「ふしぎ」が語られているんだ。

具体的な内容は、この全文と教科書を読みながら、これからの解説を一緒に確認してね。

目次

金子みすゞ『ふしぎ』の基本情報とテスト対策ポイント

『ふしぎ』テスト対策ポイント

  • 作者は大正末期から昭和初期にかけて活躍した童謡詩人・金子かねこみすゞ
  • 詩の形式は「口語定型詩」として読まれることが多い(※授業での扱いを必ず確認!)
  • 詩の構成は、4連からなっている。
  • 倒置法・反復法(リフレイン)の表現技法が使われている。
  • 「わたし」がふしぎだと思っていること
    第一連:黒い雲から降る雨が、銀色に光ること
    第二連:青い葉を食べるかいこが、白くなること
    第三連:誰も触らないのに、夕顔の花が開くこと
  • 第四連では、たれ(誰)にきいても「あたりまえだ」と言って笑い、ふしぎに気づかないことを一番ふしぎに感じている。
  • 主題(作者の伝えたいこと)は、「まわりの人が見過ごしてしまうような、ありふれた自然や日常の出来事を、無垢な感性で見つめることの大切さ」。

詩『ふしぎ(金子みすゞ)』基本情報

作者童謡詩人の金子かねこみすゞ
詩の形式口語定型詩こうごていけいし(として読まれることが多い)
詩の構成4連構成(第一連〜第四連)
使われている表現技法倒置法反復法

作者の金子みすゞさんは、大正時代末期から昭和時代の初めにかけて活躍した童謡詩人だよ。「わたしと小鳥とすずと」や「大漁(たいりょう)」など、小さな生き物や自然に対する優しいまなざしを持った詩をたくさん残しているんだ。

詩のまとまりを表す「連」は、行をあけて区切られているね。この詩は第一連から第四連までの4連構成になっているよ。

『ふしぎ』の詩の形式:「口語定型詩」とリズムの秘密

『ふしぎ』の詩の形式は、口語定型詩こうごていけいしとして読まれることが多いよ。

口語こうご」とは?

今の私たちが普段使っている話し言葉のこと。(反対は「文語」)

定型詩ていけいし」とは?

五・七・五などの一定の音数(リズム)の決まりにそって書かれた詩のこと。(反対は「自由詩」)

この詩の言葉を数えてみると、
「わ・た・し・は(4) / ふ・し・ぎ・で(4) / た・ま・ら・な・い(5)」
「く・ろ・い(3) / く・も・か・ら(4) / ふ・る・あ・め・が(5)」
このように、3音・4音・5音を中心とした一定のリズムが繰り返されているのがわかるね。
だから「現代の話し言葉(口語)」で書かれ、「一定のリズム(定型)」を持つ「口語定型詩」だと考えられるんだ。

※注意:完全に五・七・五の文字数ではないため、学校の先生によっては「口語自由詩」と教える場合もあるよ。ただ、市販のワークや入試問題では「口語定型詩」とされることが多いので、テストの時は必ず学校の先生が授業で教えたほうを答えよう!

【テスト頻出】『ふしぎ』で使われている表現技法(倒置法・反復法)

『ふしぎ』には、作者の気持ちを強く印象づけたり、心地よいリズムを作ったりするための表現技法ひょうげんぎほうが使われているよ。テストでもよく出る記述問題のポイントだから、しっかり押さえよう!

倒置法(とうちほう)

倒置法とうちほうとは

普段の言葉の順序をわざと逆(倒れ・置く)にすることで、意味や感情を強く印象づける表現技法のこと。

第一連から第三連まで、すべて倒置法が使われているよ。第一連を見てみよう。

わたしはふしぎでたまらない、
黒い雲からふる雨が、
銀にひかっていることが。

これを普通の言葉の順番に直すと、どうなるかな?
「黒い雲からふる雨が、銀にひかっていることが、わたしはふしぎでたまらない。」となるよね。

でも、あえて「わたしはふしぎでたまらない」を一番最初に持ってくることで、「どれくらい不思議に思っているか」という「わたし」の強い驚きや感情が強調されているんだね。

反復法(リフレイン)

反復法はんぷくほうとは

同じ言葉を何度も繰り返す(反復する)ことで、リズムを作ったり、感情を強く訴えかけたりする表現技法のこと。詩の中ではリフレインと呼ばれることもあるよ。

この詩では、すべての連の最初に「わたしはふしぎでたまらない、」という一文が繰り返されているね。

この反復法(リフレイン)を使うことで、詩全体に歌のような心地よいリズムが生まれると同時に、「不思議だなぁ!」という作者の強い思いがどんどんふくらんでいく効果があるんだ。

各連の読解:わたしが感じた「3つのふしぎ」と「一番のふしぎ」

それでは、各連で「わたし」がどんなことをふしぎに思っているのか、内容を確認していこう。

第一連:雨の色

「黒い雲からふる雨が、銀にひかっていること」をふしぎに思っているよ。
黒い雲から落ちてくるのだから、雨も黒くなりそうなのに、光に反射してキラキラと銀色に輝いている。大人にとっては「水だからあたりまえ」でも、子どもの目には魔法のように見えるんだね。

第二連:かいこの色

「青いくわの葉を食べているかいこ(虫)が、白くなること」をふしぎに思っているよ。
※「かいこ(蚕)」は、絹糸(シルク)を作るために飼われている白くてふわふわした幼虫のこと。「くわ」という植物の葉を食べるんだ。

青い(緑色の)葉っぱばかり食べているのに、どうして体は青くならずに真っ白なままなんだろう?という、純粋な疑問だね。

第三連:夕顔の花

「たれも(誰も)いじらない夕顔が、ひとりでぱらりと開くこと」をふしぎに思っているよ。
夕顔(ゆうがお)は、夕方になると白い花を咲かせる植物。
人が手で開いてあげたわけでもないのに、時間が来ると「ぱらり」と自分で花を開く。その自然の生命力に対する驚きが表現されているね。

第四連:まわりの人たちの反応

そして最後の第四連。ここがこの詩の最大のポイントだよ!
「わたし」は、これらのふしぎな出来事を「たれ(誰)にきいても」どうなると言っているかな?

みんな「わらってて、あたりまえだ」と言うんだね。
つまり「わたし」は、たれ(誰)にきいても「あたりまえだ」と言って笑い、自然のふしぎに気づかないことを、一番「ふしぎだ」と感じているんだ。

『ふしぎ』の主題(テーマ):作者が伝えたかったこと

たろう
まわりの人たちは「そんなの理科で習ったからあたりまえじゃん」って言っちゃいそうだけど、「わたし」はそれに納得していないんだね。
くまごろう
そうだね。「あたりまえ」という言葉は、考えることをやめさせてしまう言葉でもあるんだ。作者の金子みすゞさんは、そこに疑問を投げかけているのかもしれないね。

この詩の構造を図で整理してみると、作者の言いたかったことがよくわかるよ。

内容特徴
第一連〜第三連雨、かいこ、夕顔具体的な自然現象に対する「ふしぎ」
第四連まわりの人の反応「あたりまえ」ですませてしまう人たちへの「ふしぎ」

世の中には、理屈では説明できても「命のふしぎさ」や「自然の美しさ」に満ちあふれているよね。でも、大人になるにつれて、私たちはそれを「知っているから、あたりまえだ」と見過ごしてしまうようになるんだ。

この詩の主題(作者が最も伝えたいこと)は、
「まわりの人が見過ごしてしまうような、ありふれた自然や日常の出来事を、無垢むくな感性で見つめ直すことの大切さ」
だと考えられるよ。

【定期テスト予想問題】『ふしぎ』のドリルに挑戦!

  • 作者は童謡詩人の金子かねこみすゞ
  • 詩の形式は「口語定型詩」として読まれることが多い(※授業ノートを確認)
  • 詩の構成は、4連からなっている。
  • 倒置法・反復法(リフレイン)の表現技法が使われている。
  • 「わたし」がふしぎだと思っていること
    第一連:黒い雲から降る雨が、銀色に光ること
    第二連:青い葉を食べるかいこが、白くなること
    第三連:誰も触らないのに、夕顔の花が開くこと
  • 第四連では、たれ(誰)にきいても「あたりまえだ」と言って笑い、ふしぎに気づかないことを一番ふしぎに感じている。
  • 主題は、「まわりの人が見過ごしてしまうような、ありふれた自然や日常の出来事を、無垢な感性で見つめることの大切さ」。

ここまで学習できたら、ぜひ『ふしぎ』のテスト対策練習問題とドリルに挑戦しよう!

金子みすゞ『ふしぎ』テスト対策練習問題と過去問まとめ
【中学国語】金子みすゞ「ふしぎ」内容理解ドリル
【中学国語】金子みすゞ「ふしぎ」主題・表現効果ドリル

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青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。 ※サイト全体の運営実績についてはこちらにまとめています。

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