【中学公民】平和主義とは?憲法第9条・自衛隊・日本の国際貢献をわかりやすく解説
中学3年生の公民では、「平和主義の意義と日本の役割」について学習するよ。
日本国憲法の三つの基本原理の一つである平和主義とは、戦争を放棄し、平和を大切にするという考え方だよ。
日本は、第二次世界大戦で多くの国々に大きな損害を与え、また日本の国民も大きな被害を受けたよ。その反省から、日本国憲法では、世界の平和のために努力するという考え方が大切にされているんだ。
この記事では、日本国憲法第9条、戦争の放棄、戦力の不保持、交戦権の否認、自衛隊、日米安全保障条約、集団的自衛権、PKO、非核三原則について、身近な例も使いながらわかりやすく解説するよ。
この記事で分かること
- 平和主義とは何か
- 日本国憲法第9条の内容
- 戦争の放棄・戦力の不保持・交戦権の否認の意味
- 自衛隊と憲法第9条の関係
- 日米安全保障条約と沖縄の基地問題
- 集団的自衛権とは何か
- 日本の国際貢献とPKO
- 非核三原則の意味
目次
1. 平和主義とは何か

平和主義とは、戦争を放棄し、平和を大切にするという考え方だよ。
日本国憲法の三つの基本原理は、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義だったね。
このうち平和主義は、第二次世界大戦の反省と深く関係しているよ。
戦争が起こると、人の命や生活、学ぶ機会、家族との暮らし、自由や人権が大きく傷つけられることがあるよね。だから、日本国憲法では、戦争をしないこと、世界の平和のために努力することが大切にされているんだ。
たろう
くまごろうつまり、平和主義は気持ちの問題だけではなく、日本の政治や国際社会での役割を考えるうえでとても重要な原理なんだ。
2. 日本国憲法第9条とは
日本国憲法の平和主義を考えるうえで、特に大切なのが日本国憲法第9条だよ。
第9条には、国際紛争を解決する手段としての戦争や武力による威嚇・武力の行使を放棄すること、戦力をもたないこと、国の交戦権を認めないことが定められているよ。
テストでは、次の三つをセットでおさえることが大切なんだ。
| 第9条のポイント | 意味 |
|---|---|
| 戦争の放棄 | 国際紛争を解決する手段として、戦争や武力による威嚇・武力の行使をしないこと。 |
| 戦力の不保持 | 陸海空軍その他の戦力をもたないこと。 |
| 交戦権の否認 | 交戦国が国際法上もつさまざまな権利を、日本は認めないこと。 |

第9条は、日本が過去の戦争を反省し、国際社会の中で平和を守る方向に進むことを示しているんだ。
ここで大切なのは、平和主義を「日本だけが何もしなければよい」という意味で考えないことだよ。国際社会の中で、どうすれば争いを防ぎ、人々の命や生活を守れるのかを考える必要があるんだ。
3. 戦争の放棄・戦力の不保持・交戦権の否認
第9条の三つの内容を、もう少し詳しく見てみよう。
戦争の放棄とは、国際紛争を解決する手段として、戦争や武力による威嚇・武力の行使をしないということだよ。
国と国の間で意見の違いや対立が起こることはあるよね。でも、その解決のために武力を使ってしまうと、多くの人の命や生活が傷ついてしまう。だから、話し合いや国際的な協力によって問題を解決しようとする姿勢が大切なんだ。
戦力の不保持とは、陸海空軍その他の戦力をもたないということだよ。
交戦権の否認とは、交戦国が国際法上もつさまざまな権利を、日本は認めないということだよ。
ここでいう交戦権は、単に「戦争をする権利」という意味ではないよ。戦争状態になった国が国際法上もつ、相手国の兵力を攻撃したり、相手国の領土を占領したりするような、交戦国としての権利の総称なんだ。
たろう
くまごろう第9条と日本の安全保障の関係は、社会でも意見が分かれることがある重要なテーマだよ。公民では、まず用語としくみを正確に整理することが大切なんだ。
4. 自衛隊と憲法第9条

日本には、国の安全を守るために自衛隊があるよ。
自衛隊は、陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊からなっているよ。
ここで、多くの人が疑問に思うのが、憲法第9条で「戦力をもたない」と定めているのに、自衛隊は第9条に反しないのか、という点なんだ。
政府は、日本には自分の国を守るための自衛権があり、憲法は自衛のために必要最小限度の実力をもつことまでは禁止していない、という立場をとっているよ。
つまり、政府は、自衛隊を「戦争をするための戦力」ではなく、日本を防衛するための必要最小限度の実力だと説明しているんだ。
ただし、自衛隊と憲法第9条の関係については、これまでさまざまな議論が行われてきたよ。第9条との関係をどう考えるかは、日本の平和主義を考えるうえで重要な論点なんだ。
自分事として考えるなら、「平和を守ること」と「国の安全を守ること」をどう両立させるのか、という問題だね。
たとえば、学校でも「争いを起こさない」ことは大切だけれど、誰かが危険な目にあいそうなときに、ただ見ているだけでよいのかという問題もあるよね。
ただし、これは考え方をイメージするための例だよ。国の安全保障では、法律や国際法、外交、安全保障政策などをふまえて、慎重に判断する必要があるんだ。
国の安全保障では、平和を大切にしながら、どう人々の命や生活を守るかを考えることが必要なんだ。
5. 日米安全保障条約と日本の防衛
日本は、自衛隊をもっているだけでなく、アメリカ合衆国と日米安全保障条約を結んでいるよ。
日米安全保障条約とは、日本の安全や極東の平和と安全のために、日本とアメリカが安全保障面で協力することなどを定めた条約だよ。
この条約にもとづいて、アメリカ軍は日本国内の基地を使用しているよ。
日本の防衛は、自衛隊だけでなく、日米安全保障条約によるアメリカとの協力とも関係しているんだ。
ただし、基地がある地域では、騒音や事故への不安、土地利用の問題など、住民の生活に関わる課題もあるよ。
安全を守ることと、基地の負担をどう考えるかは、日本の平和主義と安全保障を考えるうえで大切な問題なんだ。
たろう
くまごろう6. 集団的自衛権とは

集団的自衛権とは、自国が直接攻撃を受けていなくても、密接な関係にある国が攻撃を受けた場合に、共同で防衛する権利のことだよ。
日本では、長い間、集団的自衛権をめぐって議論が続いてきたよ。
政府は、2014年に、憲法第9条のもとでも、一定の厳しい条件を満たす場合には、集団的自衛権を限定的に行使できるという解釈を示したよ。
ただし、どんな場合でも行使できるわけではないよ。政府は、日本の存立が脅かされ、国民の命や自由が根底から覆される明白な危険があること、ほかに適当な手段がないこと、必要最小限度の実力行使にとどまることなど、厳しい条件を満たす場合に限られると説明しているんだ。
そして、2015年には、安全保障関連法が成立し、日本の安全保障のしくみが変化したんだ。
これに対しては、日本の安全を守るために必要だという意見がある一方で、憲法第9条で認められる自衛の範囲をこえているのではないかという反対意見もあるよ。
公民では、どちらか一方の意見だけを暗記するのではなく、なぜ意見が分かれるのかを考えることが大切なんだ。
たとえば、「友達が危険な目にあっていたら助けたい」と思う一方で、「助け方によっては、争いが広がってしまうかもしれない」と考えることもあるよね。国際社会でも、安全を守ることと、武力行使を広げないことのバランスが問題になるんだ。
7. 沖縄と基地問題

日本の安全保障を考えるうえで、沖縄の基地問題も重要だよ。
沖縄県には、在日アメリカ軍の施設が多く集中しているよ。
沖縄は、第二次世界大戦で地上戦が行われ、大きな被害を受けた地域でもあるよ。その後、沖縄はアメリカの統治下に置かれ、1972年に日本へ復帰したんだ。
現在も、沖縄にはアメリカ軍の基地が多く残っていて、地域の人々の生活と深く関係しているよ。
基地は日本の安全保障と関係している一方で、騒音、事故への不安、土地利用など、地域の負担も問題になっているんだ。
この問題を考えるときは、「国の安全」という大きな視点と、「基地の近くで暮らす人々の生活」という身近な視点の両方が必要だよ。
沖縄の基地問題は、平和主義や安全保障を、ただの言葉ではなく、実際に暮らしている人々の生活と結びつけて考えるための大切なテーマなんだ。
8. 自衛隊の国際貢献

自衛隊は、日本の防衛だけでなく、国際社会での活動にも関わっているよ。
たとえば、国際連合が行うPKO、つまり国連平和維持活動に参加することがあるよ。
PKOとは、紛争が終わった地域などで、停戦の監視や復興の支援などを行い、平和を保つための国際的な活動のことだよ。
日本は、カンボジアや南スーダンなどでのPKO活動に参加してきたよ。
国際社会の中で平和に貢献する方法は、武力だけではないよ。復興支援、災害救助、人道支援、国際協力など、さまざまな形があるんだ。
また、自衛隊は国内でも、地震や豪雨などの自然災害が起きたときに、被災地で救助活動や物資の輸送などを行うことがあるよ。
国際貢献と国内の災害派遣は同じものではないけれど、どちらも人々の命や生活を守る活動として重要なんだ。
たろう
くまごろう9. 被爆国としての役割と非核三原則

日本は、広島と長崎に原子爆弾が投下された被爆国だよ。
原子爆弾によって、多くの人が亡くなり、けがをし、その後も放射線の影響などで長く苦しんだ人々がいるんだ。
そのため、日本は被爆国として、核兵器の廃絶や軍縮に向けて国際社会に働きかけることが重要だと考えられているよ。
日本には、核兵器についての重要な考え方として、非核三原則があるよ。
非核三原則とは、核兵器を持たず、作らず、持ち込ませずという三つの原則のことだよ。
これは、日本が被爆国として、核兵器のない平和な世界を目指す姿勢と深く関係しているんだ。
自分事として考えるなら、「遠い国の戦争や核兵器の問題だから関係ない」と考えるのではなく、命や生活を守るために、どのような社会をつくるべきかを考えることが大切なんだ。
10. 平和主義と私たちにできること
平和主義は、国や政治だけの問題ではないよ。
もちろん、憲法第9条、自衛隊、日米安全保障条約、国際貢献などは、国の政治や国際社会に関わる大きなテーマだよ。
でも、平和について考える力は、私たち一人ひとりにも必要なんだ。
たとえば、意見が違う相手とすぐに対立するのではなく、相手の立場を聞いて話し合うこと。差別や偏見をなくすこと。ニュースを見て、世界で起きていることに関心をもつこと。こうした小さな姿勢も、平和を考える第一歩になるよ。
平和主義を学ぶ目的は、「第9条の語句を暗記すること」だけではないよ。なぜ戦争を防ぐ必要があるのか、どうすれば人々の命や生活を守れるのか、日本は国際社会でどのような役割を果たすべきなのかを考えることが大切なんだ。
たろう
くまごろう
11. 重要語句のまとめ
この単元で特に大切な語句を整理しておこう。
| 重要語句 | 意味 |
|---|---|
| 平和主義 | 戦争を放棄し、平和を大切にするという考え方。 |
| 日本国憲法第9条 | 戦争の放棄、戦力の不保持、交戦権の否認を定めた条文。 |
| 戦争の放棄 | 国際紛争を解決する手段として、戦争や武力による威嚇・武力の行使をしないこと。 |
| 戦力の不保持 | 陸海空軍その他の戦力をもたないこと。 |
| 交戦権の否認 | 交戦国が国際法上もつさまざまな権利を、日本は認めないこと。 |
| 自衛隊 | 日本の安全を守るための組織。政府は、自衛のための必要最小限度の実力と説明している。 |
| 自衛権 | 国が自分の国を守る権利。 |
| 日米安全保障条約 | 日本の安全や極東の平和と安全のために、日本とアメリカが安全保障面で協力することなどを定めた条約。 |
| 集団的自衛権 | 自国が直接攻撃されていなくても、密接な関係にある国が攻撃された場合に、共同で防衛する権利。 |
| 安全保障関連法 | 2015年に成立した、日本の安全保障に関する法律のまとまり。 |
| 沖縄の基地問題 | 沖縄県に在日アメリカ軍施設が多く集中し、地域の負担や安全保障との関係が問題になること。 |
| PKO | 国連平和維持活動。紛争後の地域などで平和を保つために行われる国際的な活動。 |
| 被爆国 | 核兵器による被害を受けた国。日本は広島と長崎に原子爆弾が投下された被爆国である。 |
| 非核三原則 | 核兵器を持たず、作らず、持ち込ませずという三つの原則。 |
平和主義とは、戦争を放棄し、平和を大切にするという考え方だよ。
日本国憲法第9条では、戦争の放棄、戦力の不保持、交戦権の否認が定められているよ。
戦争の放棄には、国際紛争を解決する手段として、戦争だけでなく、武力による威嚇や武力の行使をしないことも含まれるよ。また、交戦権の否認とは、交戦国が国際法上もつさまざまな権利を認めないという意味なんだ。
一方で、日本には自衛隊があり、政府は自衛のための必要最小限度の実力は憲法で禁止されていないという立場をとっているんだ。
また、日本は日米安全保障条約によってアメリカと安全保障面で協力しているよ。その一方で、沖縄の基地問題のように、地域の負担も考える必要があるんだ。
日本は、PKOなどの国際貢献や、被爆国として核兵器の廃絶を目指す取り組みなどを通して、国際社会の平和に関わっているよ。
この単元のポイント
- 平和主義とは、戦争を放棄し、平和を大切にするという考え方である。
- 日本国憲法第9条では、戦争の放棄、戦力の不保持、交戦権の否認が定められている。
- 戦争の放棄とは、国際紛争を解決する手段として、戦争や武力による威嚇・武力の行使をしないことである。
- 戦力の不保持とは、陸海空軍その他の戦力をもたないことである。
- 交戦権の否認とは、交戦国が国際法上もつさまざまな権利を、日本は認めないことである。
- 政府は、自衛隊を自衛のための必要最小限度の実力と説明している。
- 日本は、日米安全保障条約によって、アメリカと安全保障面で協力している。
- 集団的自衛権とは、自国が直接攻撃されていなくても、密接な関係にある国が攻撃された場合に、共同で防衛する権利である。
- 政府は、一定の厳しい条件を満たす場合に限り、集団的自衛権を限定的に行使できると説明している。
- 沖縄県には、在日アメリカ軍施設が多く集中しており、基地の負担が問題となっている。
- PKOとは、国連平和維持活動のことである。
- 日本は被爆国として、核兵器の廃絶や軍縮に向けて国際社会に働きかけることが重要だと考えられている。
- 非核三原則とは、核兵器を持たず、作らず、持ち込ませずという三つの原則である。
参考文献
- 文部科学省『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 社会編』
- 日本国憲法
- 防衛省・自衛隊 関連資料
- 外務省「国連平和維持活動(PKO)」関連資料
- 外務省「日米安全保障条約」関連資料
ここまで学習できたら、ぜひ「平和主義の意義と日本の役割」のテスト対策練習問題とドリルに挑戦しよう!
『平和主義の意義と日本の役割』テスト対策練習問題と過去問まとめ
【中学公民】「平和主義の意義と日本の役割」重要語句ドリル
【中学公民】「憲法第9条と自衛隊」内容理解ドリル
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【中学公民】「日本の国際貢献と非核三原則」内容理解ドリル
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青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。 ※サイト全体の運営実績についてはこちらにまとめています。

