【中学公民】効率と公正とは?対立を合意に導く考え方をわかりやすく解説
中学3年生の公民では、「効率と公正」について学習するよ。
社会集団の中では、一人ひとりの希望や利害が違うため、対立が起こることがあるよね。
その対立を話し合いによって調整し、みんなが受け入れられる解決を見つけることを合意というよ。
でも、合意を目指すときには、ただ「なんとなくよさそう」な案を選べばよいわけではないんだ。そこで大切になる考え方が、効率と公正だよ。
この記事では、効率とは何か、公正とは何か、そして効率と公正を使って対立を合意に導く方法を、学校の体育館の使用ルールを例にしてわかりやすく解説するよ。
この記事で分かること
- 効率とは何か
- 公正とは何か
- 資源を無駄なく使うとはどういうことか
- 受け入れられる合意を目指すには何が大切か
- 妥協案や総合案とは何か
- 効率と公正を両方から考えることの大切さ
目次
1. 効率と公正は、合意を目指すための考え方
社会集団の中では、意見や利害がぶつかって対立が起こることがあるよ。
たとえば、学校の体育館を、バスケットボール部、バレーボール部、バドミントン部の三つの部活動が使いたいとするね。
体育館の広さや使える時間には限りがあるから、すべての部が希望どおりに使えるとは限らないよ。
このようなときに、どの部活動が、どの場所を、どの時間に使うのかを話し合って決める必要があるんだ。
話し合いによって、みんなが受け入れられる解決を目指すことを合意というよ。
ただし、合意に導く解決策を考えるときには、解決策の内容や決定の方法について、効率と公正の面から考えることが大切なんだ。
| 考え方 | 見るポイント |
|---|---|
| 効率 | 限られた資源を無駄なく使えているか。 |
| 公正 | 参加の機会や決め方、結果において、不当に有利・不利になっている人がいないか。 |

たろう
くまごろう2. 効率とは
効率とは、一般的には、より少ない資源で、より大きな効果を得るという考え方だよ。
この単元では、社会全体で無駄を省くという意味で使うよ。
ここでいう資源とは、人間が利用できる、生活や活動のもとになるもののことだよ。
たとえば、時間、お金、土地、場所、道具、労力などが資源にあたるよ。
| 資源の例 | 学校生活での例 |
|---|---|
| 時間 | 放課後に体育館を使える時間。 |
| 場所 | 体育館のコートや教室など。 |
| 道具 | ボール、ネット、机、いすなど。 |
| 労力 | 準備や片付けに必要な人手。 |
たとえば、体育館を使う時間が2時間しかないのに、使わない時間が多く残ってしまうと、場所や時間を無駄にしていることになるね。
反対に、体育館の空いている時間や場所を減らしながら、複数の部活動が必要な練習を行えるようにすれば、限られた資源を無駄なく活用しているといえるよ。
ここで注意したいのは、効率は「人数が多い側を優先すること」そのものではないということだよ。

大切なのは、限られた資源を無駄なく使い、社会全体としてよりよい成果を得られているかを考えることなんだ。
つまり効率とは、限られたものを、できるだけ無駄なく活用しようとする考え方なんだ。
3. 公正とは
公正とは、一人ひとりを尊重し、不当に扱わないようにすることを意味するよ。
同じように見える扱いでも、事情の違いをまったく考えないと、公正とはいえない場合があるんだ。
たとえば、いちごを友達3人で分けるとき、何も考えずに一人だけが勝手に全部食べてしまったら、公正ではないよね。
また、分け方を決める話し合いに一人だけ参加できなかった場合も、その人の意見を聞く機会がないため、公正とはいえないことがあるよ。
公正を考えるときには、次のような点が大切だよ。
| 公正の視点 | 内容 |
|---|---|
| 参加の機会 | 関係する人が話し合いや決定に参加できているか。 |
| 手続きの公正 | 決め方が一部の人にだけ有利になっていないか。 |
| 結果の公正 | 結果として一部の人だけが不当に有利・不利になっていないか。 |
| 理由の正当性 | 理由なく権利や機会を制限していないか。これは公正を考えるときの補足的な視点だよ。 |
つまり公正とは、「みんなを同じように扱えばよい」というだけではないんだ。
関係する人が対等に参加できているか、決め方が公平か、結果として不当に不利になる人がいないかを考えることが大切なんだよ。
たろう
くまごろう4. 体育館の使用ルールで考えてみよう
では、学校の体育館の使用ルールを例にして、効率と公正を考えてみよう。
ある学校では、バスケットボール部、バレーボール部、バドミントン部の三つの部活動が、同じ体育館を使っているとするよ。
ところが、バスケットボール部とバレーボール部の部員が増えたため、これまでのように体育館を分けて使うことが難しくなってきたんだ。
三つの部の部員数は、たとえば次のようになっていると考えてみよう。
| 部活動 | 部員数 |
|---|---|
| バスケットボール部 | 22人 |
| バレーボール部 | 24人 |
| バドミントン部 | 11人 |
活動時間は、平日の15時30分から17時30分までの2時間と決まっているとするよ。
このとき、体育館の面積や時間をどのように使えばよいかを考える必要があるね。
たとえば、次のような意見が出るかもしれないよ。
| 部活動 | 考えられる意見 |
|---|---|
| バスケットボール部 | 人数が増えたので、安全に練習できる広さを確保したい。 |
| バレーボール部 | ネットを張るため、まとまった面積が必要。 |
| バドミントン部 | 半面が使われない状態をなくして、練習日を増やしたい。 |
このように、それぞれの部活動には理由があるよね。
だからこそ、一つの部活動だけの希望で決めるのではなく、効率と公正の両方から考えて、合意に向けて話し合う必要があるんだ。
5. 効率だけを追い求めるとどうなる?
まず、効率の面では、体育館の面積や時間をできるだけ無駄なく使えているかを考えるよ。
たとえば、使われていない場所や時間を減らすために、活動の時間帯や場所の使い方を工夫する案が考えられるね。
これは、限られた体育館という資源を無駄なく使うという意味では、効率に関わる考え方だよ。
でも、効率だけを追い求めてしまうと、問題が起こることもあるよ。
たとえば、体育館の空き場所をなくすことだけを優先して、狭すぎる場所に無理に複数の部活動を入れれば、場所は埋まっていても、安全に十分な練習ができないかもしれないね。
また、準備や片付けの時間をまったく考えずに予定を詰めこみすぎると、活動の切り替えがうまくいかず、かえって混乱することもあるよ。
つまり、効率を考えるときには、単に「空いている場所を埋める」「多くの人を入れる」というだけではなく、その活動の目的が本当に達成できるかも考える必要があるんだ。
だから、効率を考えるときにも、同時に公正の視点や安全に活動できるかという視点が必要になるよ。
6. 公正は「みんな同じ」という意味ではない

次に、公正を考えてみよう。
公正を考えるときには、一部の部活動だけが不当に有利・不利になっていないかを確認する必要があるよ。
また、三つの部活動が話し合いに参加し、それぞれの理由や希望を伝える機会があることも大切だよ。
ただし、公正を「全員にまったく同じ面積や時間を与えること」とだけ考えると、うまくいかない場合もあるよ。
なぜなら、部員数や競技の特性によって、必要な場所や人数、練習のしかたが違うからなんだ。
たとえば、バドミントン部は人数が少ないけれど、コートやネットの配置によっては限られた場所でも効率よく練習できるかもしれないね。
一方で、人数の多い部活動には、まとまった場所や安全に活動できる広さが必要かもしれないよ。
このように、公正は「いつも全く同じに分けること」ではなく、事情をふまえて、不当に有利・不利にならないように考えることなんだ。
7. 効率と公正の両方から考える
対立を合意に導く解決策を考えるときには、必ずしも効率と公正の考え方が簡単に両立できるとは限らないよ。
たとえば、効率の面では、体育館の空き時間や空き場所をできるだけ減らすことが大切になるね。
一方で、公正の面では、関係する部活動が対等に参加できているか、一部の部活動だけが不当に不利になっていないかを確認する必要があるよ。
だから、合意を目指すには、効率と公正のどちらか一方だけでなく、両方から考えることが大切なんだ。
たとえば、体育館の使用ルールを考えるなら、次のような視点で比べることができるよ。
| 案 | 効率の面 | 公正の面 |
|---|---|---|
| 人数の多い部を優先する | 必要な面積と人数が見合っていれば、多くの生徒が活動できる可能性がある。ただし、体育館全体を無駄なく使えるとは限らない。 | 人数の少ない部が不利になるおそれがある。 |
| 三つの部で同じ時間に分ける | 各部の必要な広さや競技の特性が違うと、使われない場所が生じたり、十分な練習ができなかったりする可能性がある。 | 同じ時間を与えるため一見公平だが、部員数や競技特性を反映できない場合がある。 |
| 曜日や時間帯、場所を組み合わせて調整する | 空き時間や空き場所を減らしながら、準備や片付けも含めて活動しやすい予定にしやすい。 | 各部の人数や競技特性、希望をふまえて調整しやすい。 |

このように、それぞれの案には長所と短所があるよ。
合意を目指すには、どの案が効率的か、どの案が公正かを考えながら、よりよい解決策を探すことが必要なんだ。
たろう
くまごろう8. 妥協案と総合案
対立を合意に導くためには、妥協案や総合案を考えることもあるよ。
この二つは、教科書によって扱い方が少し異なることがあるけれど、効率と公正を使って解決策を考えるときに役立つ考え方だよ。
妥協案とは
妥協案とは、対立している人たちが、お互いに一部の希望を調整して、受け入れられる合意を探す案のことだよ。
たとえば、バスケットボール部とバレーボール部が同じ時間に体育館を使いたい場合、曜日や時間帯を分けることで、お互いに一部ずつ希望を調整することができるね。
妥協案は、「どちらも我慢するだけの悪い案」という意味ではないよ。社会の中で合意を目指すための大切な方法の一つなんだ。
総合案とは
総合案とは、それぞれの案のよい点を組み合わせて、よりよい解決を目指す案のことだよ。
たとえば、体育館を半面ずつ分けるだけでなく、曜日によって使う部活動を変えたり、使用時間を前半・後半に分けたり、競技の特性に合わせて場所を調整したりする方法が考えられるよ。
つまり、ただ一つの案をそのまま選ぶのではなく、複数の意見のよいところを生かして、新しい解決策を作ることも大切なんだ。

| 案の種類 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| 妥協案 | 互いに一部の希望を調整して、受け入れられる合意を探す案。 | 曜日や時間帯を分ける。 |
| 総合案 | 複数の案のよい点を組み合わせて、よりよい解決を目指す案。 | 曜日・時間帯・場所の使い方を組み合わせる。 |
効率と公正の両方を考えながら、妥協案や総合案を作っていくことで、より多くの人が受け入れやすい解決につながるよ。

9. 重要語句のまとめ
この単元で特に大切な語句を整理しておこう。
| 重要語句 | 意味 |
|---|---|
| 対立 | 意見や利害がぶつかること。 |
| 合意 | 話し合いなどを通して、人々が受け入れられる結論や取り決めにいたること。 |
| 資源 | 人間が利用できる、生活や活動のもとになるもの。時間、お金、場所、道具、労力など。 |
| 効率 | より少ない資源で、より大きな効果を得ようとする考え方。この単元では、社会全体で無駄を省くという意味で使う。 |
| 公正 | 一人ひとりを尊重し、参加の機会や決め方、結果において不当に有利・不利にならないようにする考え方。 |
| 妥協案 | 互いに一部の希望を調整して、受け入れられる合意を探す案。 |
| 総合案 | 複数の案のよい点を組み合わせて、よりよい解決を目指す案。 |
社会集団の中では、意見や利害の違いから対立が起こることがあるよ。
その対立を合意に導くためには、解決策の内容や決定の方法について、効率と公正の両方から考えることが大切なんだ。
効率とは、限られた資源を無駄なく使おうとする考え方だよ。人数が多い側を優先することそのものではなく、社会全体で無駄を省き、よりよい成果を得られるかを考えるんだ。
公正とは、一人ひとりを尊重し、不当に扱わないようにすることだよ。参加する機会、決め方、結果が公平かを考えることも大切なんだ。
効率と公正は、いつも簡単に両立するとは限らないよ。だからこそ、話し合いを通して、妥協案や総合案を考えながら、よりよい合意を目指す必要があるんだ。
この単元のポイント
- 対立とは、意見や利害がぶつかることである。
- 合意とは、話し合いなどを通して、人々が受け入れられる結論や取り決めにいたることである。
- 資源とは、人間が利用できる、生活や活動のもとになるものである。
- 効率とは、限られた資源を無駄なく使おうとする考え方である。
- 効率は、人数の多い側を優先することそのものではなく、社会全体で無駄を省き、よりよい成果を得られるかを考えることである。
- 公正とは、一人ひとりを尊重し、不当に扱わないようにすることである。
- 公正を考えるときには、参加の機会、決め方、結果が公平かを見ることが大切である。
- 公正は、すべてをいつも同じに分けることだけを意味するわけではない。
- 効率と公正は、いつも簡単に両立するとは限らない。
- 妥協案や総合案を考えることで、よりよい合意を目指すことができる。
ここまで学習できたら、ぜひ「効率と公正」のテスト対策練習問題とドリルに挑戦しよう!
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青山学院大学教育学科卒業。TOEIC795点。2児の母。2019年の長女の高校受験時、訳あって塾には行かずに自宅学習のみで挑戦することになり、教科書をイチから一緒に読み直しながら勉強を見た結果、偏差値20上昇。志望校の特待生クラストップ10位内で合格を果たす。 ※サイト全体の運営実績についてはこちらにまとめています。

